※この作品はR-18です。

神楽妖姦記   作:二木ユキト

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退魔巫女たちに妖怪姦を提供する保養所を利用した、なずなといぶき。
彼女らにはそこからの依頼が舞いこむようになります。
非業の死を遂げ妖物と化した馬怪との交尾と妊娠を依頼され……?

時系列としては一話(https://syosetu.org/novel/377029/1.html)の続きです。
二話とはパラレルということになります。

Skebにてご依頼を受け、執筆した作品です。
お楽しみいただければ幸いです!


なずなといぶき、馬怪の仔を産む

「うーーん……」

 嵐山いぶきは艶やかな黒髪を掻きながら、小さな液晶を見つめていた。

 退魔巫女組織から支給されたスマートフォンには仕事の依頼が届けられる。ヒーローを志すいぶきなれば、どんな調伏も果たしたいところなのだが……。

 

「ただいま」

 玄関の引き戸が開く音がする。雷道なずなが帰ってきたようだ。

 金髪碧眼の彼女は人形のようにかわいらしい。しかし彼女は自分にも他人にも厳しく、妖怪にはさらに苛烈な姿勢を取る。

 妖怪とも共存を考えるいぶきとは、正反対のスタンスといってよいだろう。

 

 なにもかも真逆の退魔巫女たちであるが、彼女らはなにかと縁があった。今も同じ神社を拠点にして活動している。

 居間に入った彼女はさっそく、難しい顔をしたいぶきを見つける。

 

「どうしたのよ、いぶき。……げ」

 スマホの画面を覗き見たなずなもまた、いぶきと似たような表情になっていった。

 

「あの施設からの依頼……」

 なずなが口にした施設。そこは妖怪の生態や使役に関する研究をしているところである。しかしそれは表向きの顔にすぎない。その裏では妖怪姦に魅せられた退魔巫女たちに、相手を提供する。保養所としての側面も持っているのだ。

 

 いぶきもなずなも今や歴戦の退魔巫女である。敗北の機会はもうほとんどない。しかし彼女らの身には異種姦の快楽が刻みこまれ、どうしようもない欲求不満に陥っていた。

 淫欲の悩みを解決するため、ふたりはその施設を利用した。ほんの一夜の出来事であったが……そことも縁ができてしまったようだ。

 

「うん。それで、相手は馬怪やねんけど……」

 死して亡霊となるのはヒトばかりでない。非業の最期を遂げたウマは馬怪となり、現世を彷徨うことになる。馬怪を祓う最も安全な方法は、現世への未練を断ち切ってやることだ。

 施設からの報告によると、彼奴は巨大な生殖器を丸出しにしながら徘徊しているという。そんな行動から予想される未練というのは……。

 

「……ウチらに番いになってもらいたい、ってことやね」

「なんでよ!」

 なずなの大声がいぶきの鼓膜を震わせた。

「そんなの、討伐すればいいだけじゃない!」

「そうもいかへんみたいやで」

 いぶきは耳を抑えながら、画面を指先で弾く。メールの続きが表示された。

 ウマの妖物である馬怪は人智を超えた脚力を持っている。もしも一撃で調伏できず逃走を許してしまったら?

 施設の職員たちも退魔巫女ではあるが、実力も人数も不足している。後詰めは望めない。ゆえに確実な成仏を求められている。

 

「う……」

 馬怪の素早さと力強さはなずなも充分に承知している。彼女の業前をもってしても、絶対に討ちもらさないとは言えないようだった。

 ならばメールに記されているとおり。強靭な肉体を持つ巫女……すなわち自分たちが交尾相手となることが、最も確実な調伏方法だと思われた。

 

「で、でもなにか方法が……」

 なずなはまだぶつくさと呟いている。黙ったままのいぶきは逆に冷静だった。

 これは単なる依頼である。引き受けるか否か、全ては退魔巫女の一存だ。それなのになずなは絶対にイヤだとは言わない。

 相棒は自分を納得させる材料を探しているに過ぎないのだ。そしていぶきは続けて考える。

 

(あそこを利用したら……これからもこんな依頼が来るんやろなぁ……多分)

 これもあえて口にしない。今も騒いでいるのに、火に油を注ぐ結果にしかならないだろう。

 しかしこれでは一向に話が進まない。いぶきは一計を案じる。

 

「うーん。なっちゃんがイヤなら、今回はウチひとりで行ってくるで」

「う……」

 いぶきが引いてみせると、なずなはわかりやすく反応した。

 親友が単独で馬怪に挑むゆえの心配なのか。はたまた……妖怪姦の機会を逃したくないからか。

 

「わ、わかったわよ! アタシも参加するから!」

「ほんま? なっちゃんが一緒なら心強いわぁ」

 結果、うまくいった。今回の依頼はいぶきとなずな。ふたりで挑むこととなる。

 

 ◇

 

 了承のメールを送って何日か経った。ふたりは施設が指定した日時に、馬怪が潜む山に入った。

 馬怪の妖気を記憶した式神が彼女らの先導を務める。ヒトガタに切りぬかれた紙片はふよふよと浮遊し、退魔巫女たちを案内してくれる。

 いぶきもなずなももちろん丸腰だ。玉鋼の刃どころか、一枚の符すらない。

 逢魔の刻である黄昏に、巫女装束だけをまとって、妖怪の住処に向かう。それは犯されに行くのとなんら変わりない行動である。

 それだけではない。

 

(今日、めっちゃ危ない日なんよな……)

 いぶきは下腹部に手をやる。白肌の奥、子を育む揺り籠には今、卵子が回遊している。それはなずなも違いないはずだ。共同生活を営む女たちが周期も同じくするのは、珍しいことではない。

 日時は施設側が指定したのだが……果たして偶然なのだろうか。

 

「はぁ……またこんな、血迷ったマネをするなんて……」

 なずなはここに至っても、まだぶつぶつと文句を言っている。前回が最初で最後と宣言した手前、バツが悪くなっているのだろう。彼女の性格上、それは理解できるのだが……。

 

(……往生際わるいなぁ……)

 こんな言葉もつい頭に浮かぶ。いぶきの考えは瞳にも表れてしまっていた。親友のことを半目で見てしまう。

 もちろんそんな視線に気づかぬなずなではない。

 

「いぶき? 言いたいことがあるなら、はっきり言ってごらんなさい……?」

 なずなはいぶきの頬をつねりあげる。白く柔らかなそこはモチさながらに、どんどんと伸びていく。それが面白いのか、なずなはますます遠慮なく引っ張った。

 

「いたひぃ~~! なっちゃん、かんにんやぁ~~!」

 いぶきはなずなの抓撃に対し、涙目で許しを乞う。ふたりとも妖物の調伏に行くとは思えぬ朗らかさである。

 美少女たちの楽し気なじゃれ合いに惹かれたのだろうか。

 

「ブルルル……」

「!」

 妖気がにわかに立ちのぼった。生臭い風が吹きつける方向に、いぶきとなずなは視線をやる。果たしてそこには調伏対象の、馬怪が姿を現わしていた。

 

「ブルルルゥ……!」

 ウマは堂々たる姿をしていた。たてがみは逆立ち、黒々とした巨躯からは強靭な四脚が伸びている。

 名馬さながらの佇まいである。しかし女を見つめる眼には深い妄執が宿っていた。それが彼奴を常世のものでないと教えてくる。

 

「…………」

 退魔巫女たちは馬怪から決して瞳を外さない。鬼気迫る視線を真っ向から受けとめる。

 己を見ても逃げだそうとしないが、刃を抜くこともない。彼女らの不可解な行動の理由を彼奴も悟ったようだ。唇端を吊りあげると、動物らしからぬいやらしい表情を作った。

 

「ヒヒィィンッ!」

 高いいななきとともに馬怪は立ちあがった。同時に後足の間から肉棒がそそり立っていく。人智を越えた脚力を備える彼奴なれば、二足のみでも姿勢を保つことができる。自慢の肉槍を退魔巫女たちに見せつけ続けた。

 

「……!」

 ふたりは息を飲んだ。馬怪の逸物はこれまでに見たことないほど長く、大きく、太く。ひとことで表すなら、立派だった。

 

(ウソ……まだおっきくなるん!?)

(い、一メートルは絶対にある……)

 淫血を吸った肉茸はますます膨張し、傘を広げる。バキバキに浮きでた血管は年経た大樹の皮のようだった。

 立ちのぼる妖気が起こす風は牡棒の臭いを届けてくる。メスに種付けすることしか考えていない……獣そのものの臭いだ。

 とてつもない雄性に中てられたいぶきは、頬の熱さをはっきりと自覚する。

 

「はぁっ、はぁっ」

 胎が沸きだし、息が乱れる。妖怪の仔を産んでからだろうか。いぶきはそこの疼きと熱をさらに敏感に、さらにはっきりと感じとれるようになっていた。

 それは相棒も同じことらしい。隣のなずなを見る。常はきりりとした輝きが湛えられる碧眼は、淫熱で蕩けだしていた。

 

「な……なっちゃん……」

「うん……」

 ふたりは目くばせを交わすと、彼女らは巫女装束を解いていく。

 白衣を脱ぐと二種の膨らみが露わとなった。いぶきの巨乳となずなの微乳である。

 若さで張りつめる豊房に、先端の桃飾りがかわいい小山。退魔巫女たちが晒した女のシンボルは、ともに違った魅力に溢れている。

 

 緋袴も落とす。地面にふたつ赤い輪ができた。その中央にはまたふたつ、全裸の女体が立っている。

 馬怪が突きつけた逸物により、ふたりにはすでに淫気がまわっている。充血した小陰唇が秘裂を内側から押し、雌孔をわずかに覗かせていた。

 早くも滴りだした蜜の匂いに反応したのか、馬怪の鼻孔が大きく膨らむ。そんな妖物に退魔巫女たちはごくりと唾液を飲みくだしてから……優しく語りかけた。

 

「おウマさん、番いがずっと欲しかったんやろ」

「今夜だけだけど……。あ、アタシたちが、なってあげるから……」

 化生たる馬怪なれば、人語を解することも難くない。ふたりの媚言を聞いた馬怪は首を反らすと、大きな鼻息を噴きあげた。了承の合図だ。

 彼奴と同じ四足獣に堕ちたがごとく。ふたりの美少女は地面に掌と膝をつけ、馬怪の足の間を潜った。

 

「あぁ……」

 馬獣の下に潜りこんだいぶきは、感嘆のような息を吐いた。ウマのペニスは腹にぴたりとくっつくほど力強く勃起している。

 海綿体に巡る熱血が牡獣の臭いを生々しく蒸散させた。雄性フェロモンをまともに吸いこんだいぶきはくらりと眩暈を起こす。

 

「ブルルゥッ!」

 鋭いいななきと同時に、蹄が土を掻く。早くしろと催促しているのだ。ふたりの退魔巫女は慌てて、馬怪に口唇による奉仕を施しだす。

 

「ん……」

 先んじたのはいぶきだった。

 我慢汁を垂らす鈴口に挨拶のキスを捧げる。ちゅっ、ちゅっと啜ってから、さらに大きく唇を広げる。

 

「んん……」

 しかしウマの逸物を飲みこむことは不可能だった。カリ首は非常に大きく張りだしていて、美少女の小さな口ではカバーしきれない。

 ゆえに更に身体を捧げる。いぶきはたわわに実った豊房を寄せた。

 

(やっぱり……すごい、おっきぃ……)

 巨乳の谷間にウマの硬棒を招きいれる。そして挟んだ柔肌で摩擦をはじめた。

 先走り汁はあまりに多量で、ローションには不自由しない。女のシンボルを使った擦動はスムーズに行われる。

 

「ブルゥッ……!」

 ウマのいななきが跳ねあがる。しっかりと乳悦を感じていることがわかった。もちろん、いぶきも淫焔に焦がされている。勃起肉から盛んに発せられる熱が白肌に染みこみ、美少女の体温をあげていった。

 

(い、今からこれが……)

 これは前戯にすぎない。もう間もなく種付けが行われる。そう思うといぶきの媚動には知らず、力が入っていった。

 

 ◇

 

 なずなも同じく、馬怪への口唇奉仕に励んでいた。竿の上部はいぶきが担当している。金髪の美少女は中茎と陰嚢を愛撫することになった。

 

「はむっ……」

 小さな唇をめいっぱい開き、玉の片方を口内に招きいれる。もう片方はほっそりとした指で、マッサージをするように転がした。空いた手では太竿を摩擦する。一唇と二手を余すところなく使った奉仕だ。

 どくんどくんと睾丸は脈打っている。今まさに種汁が増産されているのだ。頭蓋を響かすその音と玉皮から発される牡臭に、なずなの脳は酩酊していく。

 

「むちゅっ、れろ、むちゅ……」

 ここにはどれほどの種汁が蓄えられているのか。それを考えただけで下腹に震えが起こる。それは波紋のごとく広がり、なずなの全身に及んでいった。

 スレンダーな肢体を揺らすもの。それはもちろん快楽だ。その快楽はどこから生まれるのか。

 

(妖怪に、孕ませられるのに……)

 妖怪は滅さなければならない。なずなが最初に授けられた教えはそれだった。

 だというのに自分は今、だらりと垂れた皺玉に奉仕を捧げている。それだけでなく……子宮をも明けわたし、妖物の仔を産もうとしているのだ。

 

「んんっ! ん……」

 熱い滴りが内腿に蜜跡を残していく。一指も触れていないのに、なずなの姫割れから愛液が溢れでていた。

 被虐の悦。熱を伴うそれが内から少女を灼き、淫動にも熱がこもっていく。

 

「ちゅ、ちゅる、ちゅっ……」

「んむっ、むぅぅ……」

 いぶきとなずなは精いっぱいの口奉仕を捧げつづける。

 常識外れの巨根ゆえ、ダブルフェラも問題なく行える。いや、これほどのサイズであれば、ふたりがかりで行うのが適正なのかもしれない。

 

「ブヒッ、ヒヒッ、ヒィィンッッ!!」

 馬怪が高く大きくいなないた。それは絶頂の宣言に他ならない。鳴き声だけでなくペニスにも兆候が現れる。血管が浮く太幹がびく、びくんと蠢いた。次の瞬間、ふたりの視界は白濁に包まれた。

 

 どぷっ! どくんっ! どくんっ! どぷ、どぷっ!

「きゃあっ!」

「あ……っ、あ、あぁっ……」

 妖物となるほど溜めこんでいたウマの欲望。それは言うまでもなく多大だった。血管の浮く肉棒が拍動するたび、鈴口から種汁が勢いよく噴きでてくる。

 その正面に陣取るいぶきとなずなは、その奔流をまともに浴びる。退魔巫女たちは淫らな白化粧で飾られた。

 

「はぁっ……はぁっ」

 すでに肉体はないと言うのに。ウマの妄執が生みだした欲液は異常なまでに生々しかった。

 肺腑を詰まらせるほど精臭は濃い。半ば固形の白濁液は髪にも顔にもへばりつき、淫熱を巫女の白肌に染みこませた。

 

(まだ、めっちゃおっきい……)

 これだけの放精をしてもまだ、ウマの逸物は肉欲に猛っている。その様にいよいよ巫女の覚悟を決める。種付けの本番が始まろうとしていた。

 

「はぁっ、はぁっ……」

 馬怪の腹下からなずなは這いだした。しかしいぶきはそのままそこで、四つん這いの体勢をとる。

 胸も尻も大きな、グラマー体型の少女だ。しかし相手はウマの妖物である。両者のサイズには途方もない隔たりがあった。

 

「おねがい……その、すごいので……おっきいオチンチンで、孕ませてぇ……」

 それでも今のいぶきは彼奴の番いなのだ。危険を省みずに我が身を捧げる。馬怪もまた、彼女の意をしかと汲んだ。

 オスの目を惹きつけるように、いぶきは豊尻をふりふりと振っていた。その中央、蜜を滴らせる花孔に、馬根の先端がぴたりと合った。

 

 ずぶぶぶぶっ!

「あぁ……?! ああ、あっ……」

 そして容赦なく挿入される。ヒトを遥かに超えた太大の牡性器が美少女のナカへ消えていった。

 巨重ののしかかりにより、ウマの性器が一息に瑞孔を満たす。みっしりと生える膣ヒダは全て薙ぎおたされ、最奥の子宮口を強く強く押しこまれた。

 規格外の太物はいぶきの息を止めんばかりだった。肺から追いだされた空気が喉を塞ぎ、美少女の頬がみるみる赤く染まっていく。

 

 ずるるるぅっ!

「がはっ! は、あ、あぁぁぁあ゛ッ!」

 次は当然、逸物を引きぬかれる。

 巨根の頂上には硬いエラが大きく張りだしている。それは女性器内を掻きまわし、いぶきに激しい獣悦を与えた。

 

「ふぅっ、うぅっ、うぅ……っ!」

 馬怪がいぶきに見舞ったのはまだ一往復だけ。にも関わらず歴戦の退魔巫女は気息奄々にまで追いこまれている。

 上体はがくがくと痙攣し、大きな乳房も怯えたように震えだす。今にも崩れおちそうだ。

 しかしそれは馬怪の目が届かぬ場所での出来事にすぎない。生前には味わえなかった瑞孔についに辿りつき、彼奴は正気を失くしたようだった。

 

「ヒヒヒィィィンッッ!」

 大きないななきを山々に響かせると本気のピストンを……。少女の身を省みぬ激動を繰りだしはじめた。

 

 ◇

 

 どぢゅっ! どちゅっ! どむっ! どぢゅんっ!

「ああ゛ッ! あ゛ッ! が、ああああ゛ッ!」

 種付けを先に譲ったなずなは、いぶきが馬怪とつながる様をはっきりと見ることができた。相棒が妖怪に犯される場面に、退魔巫女の碧眼は釘付けとなる。

 

(いぶきが……あんな声だすなんて……)

 食べることが好きで、ヒーローに憧れていて……。それでも決める時は凛々しく決める。そんな黒髪の退魔巫女はいまや、獣とほとんど変わらぬ狂態を見せている。

 馬怪の逸物は長く太い。少女のナカに沈めると、腹がぼこんと膨らんだ。

 

 ずるるるるっ!

「あひっ……! あはっ、あっ、あ゛っ! ……あぁぁぁあ……っ!」

 挿入の次は抜去が待っている。翠瞳はひっくり返り、大きく開いた唇からは舌を突きだし……。巨獣のペニスを引きぬかれた美少女はあられもない表情をつくった。

 抽送のたび、豊かな胸乳がばるんばるんと揺れる。地面に向けた桃飾ははっきりと勃起していた。巨根の快楽は体の隅々にまで行きわたっているのだ。

 

(すごい……ほんとに……)

 なずなは親友の狂態から目を離せない。

 妖怪は滅しなければならない存在である。そんな信念を抱いているのに。金の退魔巫女はますます、馬怪の力強さにのめりこんでいく。

 

 ◇

 

 ぼちゅっ!

「あひっ……」

 ひときわ音高く突きこまれた。もはやいぶきの反応は生体による反射にすぎない。しかしかろうじて思考は働いていた。

 馬怪の往復運動はさらに速く、さらに強くなっている。クライマックスへ駆けあがっていることがわかった。

 

「だしてっ……! あかちゃん、はらませてぇっ!」

 美少女が射精と妊娠を乞う。異種とはいえ彼奴も牡である。そんな言葉に絆されぬわけはない。

 奥まで潜りこまされた逸物がぶるると震えた。彼奴はそこから腰を退くことなく、さらに突きこみを強める。

 

 どくんっ! どくんっ! どくんっ! どぷっ!

「あひっ、あっ、あううぅぅ……、あ、あ゛!」

 そして種汁を放った。

 ウマの鈴口といぶきの子宮口はしかと密着している。妖獣の射精はあますところなく、退魔巫女に注がれていく。

 すでに馬怪に肉体はなく、体温などないはずだ。しかし彼奴の執着はそれよりも熱いというのだろうか。

 

 どくんっ! どくんっ! どぷっ、どくん……っ!

「はぁっ、あぁぁ……っ! あ、あぁぁあ゛……」

 胎底を焦がすような種液の温度にいぶきは身悶える。

 熱量だけでなく質量も凄まじい。鍛錬によりきゅっと締まっていた腹は、すでに孕んだかのように膨らみだした。

 胎に追加される重さがいやでも変化を実感させる。しかしなずなは己の身に起こる、さらに重大な変化を察知していた。

 

(こんなん……もう……)

 いぶきは妊娠を確信する。妖怪に子宮を明けわたす、被虐の快感。それは先ほど味わい尽くした獣悦をも上回っているのかもしれない。

 永遠にも似た時間の後、射精から解放された、支えとなっていた太棒肉が引きぬかれ、いぶきは地面に倒れこむ。歴戦の退魔巫女は妖怪の股下で、ぴくぴくと痙攣するしかなかった。

 

 ◇

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 いぶきは息も絶え絶えとなり、白濁の汁溜りにその身を浸す。

 しかし馬怪は生殖器をいきり立たせたままだ。新たな種付け先……すなわちなずなの方を、座った目で見据える。

 

(さ、さすがにこれは……ッ)

 繁殖欲を滾らせる巨獣の迫力に、なずなは息を飲んだ。

 後足の間から伸びる牡肉は正面からでも窺える。まだまだ大きく膨らんでおり、二回の射精を行ったと思えない。

 体格に恵まれぬ己があの逸物から、あのような種付けを受けたら……。壊れてしまうのではないか? なずなは思わず後ずさる。

 

「ん……?」

 手がなにかに触れた。ちょうど身を横たえることができそうな大岩だった。彼女は一計を案じる。

 いぶきのように四つん這いになれば潰されてしまうことだろう。ならばしっかりとしたものに身を任せればいいのだ。

 

「ちょ、ちょっと待ってなさいよ……」

 後ろを向いた瞬間、突進されないことを祈りつつ。なずなは岩にひょいと飛びのった。そして背を預けると仰向けに横たわる。

 泥岩はつるりとした肌ざわりだった。快適とまではいかないが、寝台の役目は果たしてくれるだろう。

 

「待たせたわね。もう、大丈夫だから……来て」

 なずなは膝を立てると、脚を大きく開いた。馬怪に身体全てを見せつける。

 少女の花貌も、慎ましい乳房も。巨根を受けいれる牝孔に、成した我が仔を支える腹さえ、馬怪の眼に入ったはずだ。

 それは同種では決して成し得ない、激しいセックスアピールだった。スレンダーな肢体に妖物も魅せられる。

 

 ぼてっ!

「ひっ!?」

 馬怪はなずなの腹部に己のペニスを乗せた。その切っ先は淫口からヘソを優に通りすぎ、喉元まで達している。ぼってりと重い精臭と、愛液の甘い匂い。混じりあったそれらがなずなの鼻をツンと刺激する。

 

(こ、こんなの……本当に入るの?)

 圧倒的な質量を改めて感じ、なずなの心配が蘇る。しかしもう遅い。エラの張った亀頭はすでに、少女の花孔に潜りこみはじめていた。

 いぶきに種付けを見舞ったことで多少は落ち着いたのか。はたまたなずなは、より彼奴好みのメスだったのか。馬怪はゆっくりゆっくり腰を進めていく。

 

 ずずず……。

「う……、う、うぅぅう……っ!」

 優しげな挿入である。しかし巨重の性器は小柄な少女に大きな負担をかけた。陰唇はこれ以上ないほど拡げられる。そしてなずなの懸念は正しかった。体内にはどこまでもどこまでも、異肉が侵入りこんでくる。

 

 ずずず……ずず……ずずずっ……!

「はぁっ、あぁっ、あ゛っ! うぶっ……!」

 荒い息が急に止まった。長太肉は膣道の行き止まりに達し、子宮を押しあげ、横隔膜まで抑えていた。

 いぶきと同じく、なずなも呼吸を止められる。喉元までせりあがる邪悦を吐きだすこともできない。美少女の頬に酸欠の蒼が徐々に広がっていく。

 

 ずるるるるっ!

「あ゛ッ! ……ッ、あ、あぁぁぁあ゛ッ!!」

 ゆっくりとした挿入から一転。馬怪は素早く腰を引いた。強靭なカリ首は柔らかい膣ヒダをこそげ落とすかのようだった。激しい邪悦が性粘膜に叩きこまれ、なずなは絶叫を搾りだされる。

 

 ぼちゅっ! どちゅっ! ばちゅんっ! ごぢゅっ!

「あ゛っ……! あ、ああ゛ッ!? あ、あぁ、あ゛ーーーッ!!」

 タガが外れたのか。馬怪は猛然と腰を使いだした。

 ウマの膂力はヒトを遥かに超える。巨獣からの容赦ない突きこみは、常人を壊すのに充分だ。

 しかしなずなは歴戦の退魔巫女である。肉体的な負担はもちろんあるが、それ以上に快楽を味わうことができる。

 

(すごい……ほ、ほんとに……)

 ペニスの大きさもピストンの力強さも。なずなが初めて味わうものだった。妖怪との戦いにあっても、ここまでの激しさを感じたことはない。

 彼奴と戦っても勝つ自信はある。しかし雌雄を決めた後のこの場において、なずなは彼奴に抗う術も思いつかない。

 美少女は新たな妖怪姦に夢中となる。クライマックスまであっという間だった。

 

 どくんっ! どくんっ! どくんっ! どくっ、どぷっ、どくんっ……!

「あぁっ、はぁっ、あ……! あ、あぁ、あぁ……っ!」

 馬怪の種付けは長かった。それが彼奴の未練なのだから仕方がない。しかしその欲に晒されるなずなはたまったものではなかった。

 ウマの性器は膣道の奥にまで突きこまれている。鈴口と子宮口はしかと密着し、迸る白濁は余すところなく少女のナカに注がれる。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 臨月を待つまでもなく、なずなの腹がぽっこりと膨れだす。

 しかし彼奴の射精はあまりに大量だった。子宮の容量を遥かに超え、膣口から逆流しはじめる。美少女を飾る白化粧はますます厚くなった。

 

「はぁっ、はぁっ……」

「なっちゃんも、おわったんやね……」

 退魔巫女たちはともに、馬怪から膣内射精を受けた。執念のこもった種付けだった。確実に孕んだことだろう。

 しかしまだ仕事は残っている。その証拠にまだ、彼奴の猛りは鎮まっていない。

 

「ブルルル……!」

 メスと番うことができなかった。それが無念でこのウマは現世に執着を持った。その未練の本質は愛を得られなかったことだ。

 ならば退魔巫女たちがそれを伝えるしかない。重いお腹に難儀しつつ、ふたり再び馬体の下に潜りこんだ。

 

「ん……」

「んちゅ……」

 いぶきとなずなは桃唇を開き、小さな舌を突きだした。そしてだらりと垂れた巨棒肉の清掃を始める。

 長く太い生殖器にはあますところなく粘液汚れが付着していた。子宮に収まりきらず逆流した種汁だけではない。自分たちが分泌した愛蜜も浮いているが、厭うことなく舐めとっていく。

 

「ふ、ふぅ……、れろ……」

「んん、んちゅっ、ぷぁ……」

 美少女の顔よりもずっと長いペニスである。顎が外れそうになるほど口を開いても、太物を咥えこむことはできない。ゆえに馬怪の穢れを清めるには、小さな舌を健気に回すしかなかった。

 

「ちゅっ、ちゅぅぅ……ちゅぅ……」

 いぶきはまた亀頭に吸いついた。尿道に残った精液も啜りだす。胎中に注ぎそこねた種汁は苦かった。美少女のナカに浸入れなかった無念が滲んでいるのかもしれない。

 

(すごいにおいと、あじ……)

 なずなは竿部を担当する。小柄な美少女は舌もまた小さい。馬怪の逸物すべてを清撫するには途方もない労力が必要そうだった。

 しかし彼女は決して怖気づきはしない。牡の汚濁を舌で舐めとり、口で転がし、喉を鳴らして取りこんでいく。

 誠心が込められたふたりの奉仕は、妖物と化したウマにも響いたようだった。

 

「あ……」

 舌と唇に触れるペニスの感触が薄くなった。火傷しそうなほどの熱を発していたのに、その存在はどんどん希薄になっていく。

 いぶきとなずなは腹下から這いだした。いつの間にか夜が明けている。馬怪を見上げると、その表情がよくわかった。

 

「ブルルル……ヒヒィィンッ!」

 彼の目はすっかり穏やかになっていた。そして仮初の番いたちに礼を言うように、高く大きくいななく。

 吠え声が山々に響き、木霊も鳴りやむ頃。馬怪の姿も完全に消えていた。

 

「よかった……」

 白濁にまみれた退魔巫女たちは成仏をしかと見届けた。朝陽の中に融けゆくような、見事な昇天だった。

 

「ふぁ……」

 安心した彼女らは次に、重い疲労に包まれる。

 大型の馬獣から容赦のない種付けを受けたのだ。歴戦の退魔巫女といえど、体力はすっかり尽きている。

 いぶきがまず弱音を吐いた。

 

「なっちゃん……。ウチ、もう限界……」

「ちょっと、いぶき……。まだ、寝ちゃ、ダメ……」

 ふらりと倒れかかったいぶきを、なずなはなんとか受けとめる。しかし支えるまでには至らない。

 小柄な退魔巫女も押したおされるようにして、地面に崩れおちてしまった。

 白化粧を施されたままの美少女たちは、重なりあいながら意識を失うのだった。

 

 ◇

 

 馬怪の本懐は果たされ成仏した。それはすなわち、仮初の番いとなった退魔巫女たちの胎に、彼奴の仔が宿されたことを意味する。

 月が満ちたふたりはまたこの施設で、妖怪の仔を出産をすることになった。

 

「おふたりとも、もっと近づいてくださ~い」

 その前に記録を行う。それがこの施設の規定である。それは確かにそうなのだが……。

 係員の指示で、ふたりはボテ腹を押しつけあう。全裸の美少女妊婦が密着し、二本の線が刻まれた検査キットを掲げる。そんな背徳的な画がレンズに映しだされていた。

 

「やっぱりいいですねぇ。うんうん」

「これ……アンタたちの趣味じゃないわよね?」

 なずなは碧眼を引きしぼり、カメラ担当の巫女を睨みつける。彼女は微笑を返すだけで、問いには答えない。

 代わりにスケッチブックをいぶきたちに見せる。大きな文字で質問が書いてあった。 

 

「え~と、嵐山いぶき。歳は十七で……。えっ? 出身は、灘杜神社やで」

 インタビューの最初は、名前と年齢を答えさせる。加えて今回は出身神社も述べるよう求められた。

 その理由はいぶきにもわかった。

 

「雷道なずな……十七歳。所属は……、っ、霞ノ杜よ……」

 相棒の語尾は消え入りそうだった。妖怪殲滅派の巫女が、妖怪姦を提供するここを利用している。その恥辱を煽る意図があるのだろう。

 密着するなずなの肌はじわりと熱さを増す。レンズには真っ赤になった顔が記録されているはずだ。

 ここに至っていぶきは確信する。

 

(これやっぱり、趣味も入ってるんやろな……)

 馬怪の番いになってほしいという今回の依頼は、以前に測定された自分たちの身体データ参照したという。マッチングのため、確かに記録は必要なのだろう。しかしこの場は彼女らの趣味……すなわち、同性をいたぶるという側面もあるに違いない。

 そして言葉を用いた責めはいぶきも無縁ではいられなかった。

 

「ではどんな風に孕まされたのか。いぶきさん、教えてください」

「え、あ、はいっ。……後ろからオチンチン挿れられて……」

「後背位ですか。獣との交尾らしくていいですねぇ」

 否が応でも馬怪との異種姦が思いだされる。あられもない表情を浮かべ、はしたない嬌声を跳ねあげさせ。そんな様をなずなに見せてしまった。

 

「なんべんもイってもて……赤ちゃん孕ませて、って、お願いしました……」

 しかしいぶきは言葉を止めない。妖怪姦に焦がされた自分を隠すことなく伝える。これも仕事に含まれているから? そうではない。頬と胎に感じる熱さがその証明だった。

 

「それでは次はなずなさん。お願いしますね」

「……アタシは、仰向けで……。潰されちゃいそうだったから、岩の上に乗って……」

 生真面目ななずなもまた、インタビューにしっかりと対応する。

 

「なるほど、なずなさんから誘われたんですね!」

「ちがっ……! いや、そうだけど……!」

 伏せようとしていた情報をあっさりと暴かれる。素直ではないが実直ななずなゆえ、ごまかしきることもできない。観念したのか彼女は、さらに言葉を紡ぐ。

 

「お、オチンチンが喉まであがってきて……アタシも、何度も……、う、うぅ……」

 形よい桃唇から淫語がこぼれだす。花貌は真っ赤に染まり、輝金の髪が小さく震えている。その様を見ると、施設職員の趣味もわかりそうな気がする。

 馬怪との交歓では味わうことのなかった、言葉による恥辱。今回もそれをたっぷりと味わわされてしまった。

 

「では最後に……。おふたりは、今回も、妖怪の仔をちゃんと産んでくれますか?」

「うぅっ!?」

 インタビューの対象となったからか。胎中の我が仔が存在をアピールしだした。

 父譲りの脚力で内側から腹を蹴られた。震わされた子宮は、痛みではなく快楽をいぶきに叩きこんだ。

 

「はぁっ、あぁっ……!」

 ぼて腹を接していることから、なずなの仔も動きだしたことがわかる。張りつめた腹から振動が伝わってきた。

 双馬は少女の身を挟んで、共鳴するように猛りあう。胎児の興奮は母も昂らせていく。

 

「はっ、はっ……!」

「な、なっちゃんん……っ」

 へたりこんでしまわぬよう、ふたりは互いの身体を強く抱きしめあった。絡みあう美少女たちに手は差しのべられず、ただただレンズが向けられるばかりだ。

 まずはいぶきが、なんとか言葉を搾りだした。

 

「う、うみます……だから、あ、あぁっ!」

「アタシも……! は、はやくぅ……!」

 頬を上気させた美少女たちが、異種の出産を懇願する。施設の巫女はその画に満足したのか、ようやくインタビューは幕引きとなる。

 ふたりは希望どおり、すぐさま分娩台に乗せられることとなった。

 

 いぶきとなずなは今回も同時に出産することとなる。そしてその様子にもカメラが向けられた。

 固定具により脚が大きく開かされる。その中央には破水で濡れた膣口があった。出産を待ちわびるように、ひくひくと蠢く。

 

「はぁっ、はぁっ!」

 異種の種で孕まされた膨腹も、薄桃色の性粘膜も、ぴんぴんに勃起したクリトリスも。それどころか、産悦で悶絶する醜態さえも記録されようとしている。

 しかし今のいぶきはそんなことにまで気を回せない。己の内部と向きあうことに精いっぱいだ。

 

(だいじょうぶ……もう二回目やし、なんとか……!)

 身体を股から縦に裂かれるような痛苦と……それ以上の快楽。それらが喉元にまでせり上がり、叫びだしそうになる。

 それでもいぶきはなんとか平静を保とうとする。前回の出産を思いだし、その経験を活かそうとした。

 しかし。

 

 ぐぐっ……!

「あッ!? あ、うぐぅっ……ッ!」

 下腹に走る予想外の衝撃に、心構えなど吹きとんでしまう。

 少女のポルチオには大きく硬い、胎児の馬面が突っ込んでいた。妖怪姦により開発された子宮口は性感帯として完成されている。そこを内から強押される悦楽は、翠瞳から火花を散らせるようだ。

 

 ぐりっ! ぐっ! ぐいっ!

「いぎッ!? あ゛、あぁぁっ……!」

 若さできゅぅっと締まったそこを、妖怪の仔は無理やり突破しようとする。

 いぶきが以前に産んだものはカエルの仔だった。オタマジャクシの頭は確かに大きく、難産だった。しかし今回はその比でない。

 馬怪の胎児にはしっかりとした骨格があり、そのサイズも蛙の幼体をさらに上回っている。ゆえにいぶきは新鮮な邪悦を味わうことになる。

 

「はぁっ、あぁっ、あ゛っ!」

 じわり、じわりと子宮口が拡張されていく。一ミリ広がるごとに腹が爆発しそうな痛みが起こる。しかしそんな危険の信号よりも速く大きく神経を走るものがあった。言うまでもない。快楽だ。

 いぶきの翠瞳には喜涙が滲み、視界がぼんやりとしだした。しかしそんな中にあってもはっきりと見えるものがあった。

 

「いぶき……っ、アタシも、いるからぁ……ッ!」

 差しのべられた、なずなの小さな手だった。いぶきはそれをしっかりと掴む。相棒の体温が伝わってくる。それは確かに慰安につながった。

 

「はぁッ、あッ!」

 しかし彼女も早々に、荒い息を吐くだけになってしまう。なずなの身体はいぶきよりも小さい。ゆえに出産にかかる負担も段違いだろう。もはや首を反らし、大きな息を吐くばかりだった。

 そんな彼女に報いる方法はひとつだけだ。

 

「う、ウチも……ウチもいっしょやで……!」

 同じ種で孕んだからだろうか。なずなの仔もすでに産道に降りたことがわかった。いぶきは自身の苦しみを耐え、相棒の手をしかと握る。

 美少女たちが指を絡ませ、頬を赤らめ、脚を大きく開いて妖仔を招こうとしている。そんな背徳的な画は今も記録されているのだが……。もちろん気づくことはない。

 

「なっちゃん、もう少し、もう少しやからっ……!」

「う、うん、うんっ……!」

「いっしょに、おかあさんに……、ッ! あ、あぁぁ!?」

 

 ぶぢぃッ! ぶぢゅゥッ!

「あぅぅうッ!」

「ひぁっ、あっ、あぁぁッ!」

 大きな水音と、それよりも大きな嬌声。分娩室にはそれらがふたつずつ響いた。大きく開脚した退魔巫女の股間。そこには羊水に塗れた嬰児の姿があった。

 顔は長く、胴は太く、四足が伸びた毛むくじゃらのもの。

 今回も退魔巫女たちは同時に、妖怪の母となった。

 

 ◇

 

 馬怪の胎児は巨大で、母体への負担も甚大だった。さすがのふたりもそのまま立ちあがることはできない。いぶきもなずなも分娩台からベッドに移しかえられた。そしてしばらくの安静を命じられる。

 

「おふたりとも、はい。赤ちゃんですよ」

 そう言いながら、施設の巫女はいぶきたちに妖物の仔を抱かせてくる。産湯で洗われた嬰児は綺麗な馬体をしていた。

 胴も脚ももちろんまだ細い。しかし触れると熱い体温と鼓動を感じられる。獣らしい生命力に溢れていた。

 抱かされた赤仔はどこからどう見てもウマである。しかし。

 

(やっぱり……。ウチの仔やって、わかってまうなぁ)

 一人と一頭の間には確かに血の絆がある。それはなにより雄弁に本能へ訴えかけてくる。

 蝦蟇との仔さえそうだった。鼻面を擦りつけて体温を移してくる我が仔には、より強いつながりを感じてしまう。

 

「んっ」

 隣のベッドから短い声が上がった。いぶきは視線をなずなの方にやる。金髪の退魔巫女はこちらに背を向けているが、なにをしているかはわかった。

 

「なっちゃん、おっぱいあげてるん?」

「なに? 小さくて母乳が出ないとでも言いたいの?」

 なずなは身体ごと振りむいてくる。きりりとした碧眼にジト目で睨まれ、いぶきは慌てて弁解する。

 

「ちゃ、ちゃうって。なっちゃんがお母さんみたいなことするのが、意外というか……」

「アタシもそう思うわよ。……でも、一応、アタシはこの仔のお母さんなんだし……」

 なずなは妖怪殲滅派である。妖怪を産むくらいなら死んだ方がマシ。こんな考えを持っていたに違いない。

 そんな彼女が馬怪の仔に乳を与えるなんて。人間は変わるものだと、いぶきは実感する。

 

「ウチもおっぱいあげよっと」

 なずなに倣い、いぶきも授乳をはじめた。

 乳首を口に含ませると、馬怪の仔は勢いよくミルクを啜りたてる。目に見えぬほど細い乳管に母乳が殺到し、体外に出ていくことがわかる。

 滋養に目を細める我が仔は、確かにいぶきの心を温めてくれるのだが……。

 

 ぎり……。

「んんっ……!」

 じわりとした悦熱が乳首に刺しこまれた。その原因は言うまでもなく馬怪の嬰児である。柔い桃端を上下の歯茎で強く食み、さらにミルクを搾りだそうとする。

 

「んっ、んぅっ……、ふぅぅ……っ」

 高まっていく性感にいぶきの身体も反応してしまう。息は荒くなり、内腿をもじもじと擦りあわせる。

 空っぽになった胎からは、まるで涎のように蜜が降りてくる。下着を濡らすほど滲みだしたのがわかった。

 

「はっ、はぁっ、はぁっ」

 隣のベッドからも喘ぎ声が聞こえてくる。視線をやると、なずなの金髪が震えていた。相棒も同じく、授乳の快感に焦がされているのだ。

 

(自分の赤ちゃんにも、気持ちよくさせられるなんて……)

 産まれたばかりの我が仔にさえ、こんな媚態を晒してしまう。妖怪姦にハマりこんでしまったといやでも自覚した。

 もう取りかえしのつかないことになってしまったのでは。ふと脳裏に浮かんだそんな言葉を、いぶきは頭を振って追いだした。

 

「ふぅ……」

 腹をくちくすると、馬怪の仔たちはすやすやと眠りに就いた。同時にノックの音が部屋に響く。それから施設の巫女が入室してきた。

 

「お疲れのところ申し訳ないのですが、また記録を取らせていただきますね」

「記録ねぇ……」

 先ほどもその口実で、恥部という恥部を撮影されたのだ。なずなの声が低くなるのもわかる。しかし彼女は動じることなく問診を進めていく。

 意外なことにセクハラじみた質問はなかった。ふたりの体調や霊力の具合を確認すると、書類にさらさらとペンを走らせる。

 

「さすがにおふたりともタフですね。またすぐにでも依頼を……」

「いやぁ……。もうしばらくは、ええかなぁ……」

「そうよ! もうこんな依頼はお断りだから!」

 いぶきは曖昧に。なずなははっきりと。それぞれ拒絶を伝える。施設の巫女は微笑みを残して部屋を辞していった。

 出産と授乳、そして問診。それらを終えるとふたりにも眠気が訪れる。

 妖怪姦の快楽を味わいつくした退魔巫女たちは赤仔と同じく、健やかな眠りに落ちていいった。

 

 ◇

 

 施設の職員は彼女らの言葉を元に報告書を作成したのではない。頬の赤み、声の揺れ、そして部屋にわずかに漂う愛蜜の匂い……。鑑みたのはそれらの情報だった。

 レポートを読んだ上長の目は怪しく光る。

 

「ふふふ……そうですか……」

「えぇ。そうですとも」

 嵐山いぶき。雷道なずな。両名ともにさらなる協力を仰げることは、ほぼ確実である。

 施設が保管する文書にそんな言葉をつけられたことは……。いぶきもなずなも、今はまだ知ることはない。

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