※この作品はR-18です。

神楽妖姦記   作:二木ユキト

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村娘の失踪事件を解決したものの、
護は淫の気に中てられてしまいました。
解消するために妖怪の研究所を訪れますが、
そこには半神半人の巫女もいて……?

Skebにてご依頼を受け、執筆した作品です。
お楽しみいただければ幸いです!


護と久遠の章
護と久遠、研究所の修練場に挑む


「くぅっ……あっ! は、あぁぁっ!」

 細い腰を反らしながら、八代護は絶頂に達した。

 艶やかな黒髪を枕に押しつけ、広げた両脚は布団をしっかりと踏みしめる。ブリッジをするような体勢だった。

 全身に広がる震えは大きな胸も揺らす。緩やかな刺激が乳房に行きわたり、法悦の余韻を長引かせた。

 

「はぁっ、はぁ……」

 淫口に咥えこませていた二指を抜く。人さし指と中指の間には、濃い愛液が橋を架けていた。深いオルガスムスに至った証だ。

 しかし。

 

(やっぱり、ダメです……)

 ほっそりとした腹の内にはいまだに疼きが宿っていた。自慰で満足を得られなかったため、己を焦がす淫火はさらに大きくなったようだ。発散するどころか、状況は悪くなっている。

 

(あの事件で、淫の気に中てられちゃったみたい……)

 先日、護は神隠しの異変を解決した。妖怪の毒牙にかかることなく、攫われた娘たちを救出できたのだが……。

 亜人に、触手に、そして妖獣に。彼奴らは巫女装束に包まれた護の肢体に、ねっとりとした性欲を向けてきていた。

 

「っ……」

 それを思いだすと今でも震えが走る。恐怖ではない。その証拠に護の白肌は赤みを増し、翠瞳は妖しく潤みだす。

 もしもあの時、彼奴らの手に落ちていたら。人を守る退魔巫女として考えてはいけないことである。しかし邪悦の予感だけで、護の全身はぶるりと震えた。

 

(……そういえば)

 この依頼に赴く前、新堂勇から電話がかかってきた。自分が残した着信履歴をようやく確認し、折りかえしたらしい。

 どうしてなかなか連絡を返せなかったのか。旧知の仲であるからか、剣使いの巫女は真実を話してくれた。

 

「あの研究所に……!?」

「う、うむ……」

 その研究所は退魔巫女に安全な妖怪姦を提供してくれる。護もそんな噂は聞いたことがあった。

 今の自分と同じように、勇も淫の気に悩まされていたらしい。そこで件の施設に出向いたという。

 彼女はそこで大型の鵺と数か月も過ごし、獣姦だけでなく……。妖獣の出産さえ、幾度も経験したとのことだ。

 

「あれは、本当に良かった……。あ、あぁ! 良かったというのは、あそこで素晴らしい退魔巫女と出会えたということで、決して妖怪とのまぐわいが良かったわけでは……!」

 電話口の向こうであわあわと弁明していたのが、妙に記憶に残っている。

 勇はひときわの堅物である。そんな彼女さえも夢中にさせるなんて。

 

「…………」

 護は今、淫の気に中てられている。それは判断にも影響を及ぼした。まさに気の迷いとしか言いようがない。彼女もまた、妖怪の研究所を訪ねると決心してしまった。

 

 ◇

 

 その研究所は連ねた山々を丸ごと敷地にしている。麓に建つ本館はこじんまりとした造りに見えた。しかし思った以上に奥行があり、地下室もある様子だ。

 護は一階の奥へ通される。応接室に案内されると、そこにはすでに先客がいた。

 

「あ、こんにちは!」

 彼女は護に気がつくと、立ちあがって挨拶をする。

 長い髪をした巫女だった。その頭頂にはオオカミの耳が生えている。それだけでなく、緋袴からはふさふさの尻尾も覗いていた。

 

「私、真上久遠っていいます。よろしくお願いします!」

「あっ……。八代護です。こちらこそ、よろしくお願いしますね」

 半神半人の退魔巫女に、護は面食らう。しかしすぐに自己紹介を返した。

 ふたりはすぐに打ち解け、雑談を始める。話題はもちろん、どうしてこの施設を訪ねたか、である。

 久遠は笑顔のまま答えた。

 

「お山の異変を解決したんだけど、淫の気? が溜まっちゃったみたいで……。それでここを紹介されたの」

 久遠の物言いは実にあっさりとしていた。安全が保証されているとはいえ、これから妖怪に犯され、その仔を孕み、出産さえ行うのだ。

 にもかかわらず彼女からは心配も懸念も感じとれない。そのことに護は驚いた。

 

(ここって、こんな軽い感じで来ても良かったんでしょうか……)

 もちろんそんなことはない。護はまだ知らないが……久遠は山の神社の出身で、母と狼とともに暮らしてきた。ゆえに世俗にはとんと疎い。こんな施設もあるんだなぁと思っているだけだった。

 

 間もなく、応接室に職員がやって来た。巫女装束の上から白衣を羽織った彼女は、さっそく説明をはじめる。

 

「今回おふたりには、複数の妖怪のお相手をしていただきたいのです」

「複数の……?」

 護の言葉に職員は頷くと、資料を提示する。

 研究所では現在、餓鬼の数が減っているらしい。まずは彼らを増やしてほしいとのことだ。護と久遠への依頼はそれだけでない。

 

「古狸と油すましが妻を欲しがっているので、そちらもご協力をお願いします」

 退魔巫女たちに安全な妖怪姦を提供する。これには大妖の助力が必要不可欠である。

 施設運営に携わってくれる彼らに有力な退魔巫女を宛がい、仔を産んでもらう。期間限定の婚姻関係締結は、この研究所の定番コースとなっている。

 

「彼らの希望は豊満な女性ということでしたので……。問題ありませんね」

 職員巫女は眼鏡越しにさっと目を向けてきた。護の背がぞくりと震える。

 なんてことのない視線のはずだ。しかしそこには観察という枠を超えた、冷徹なものが含まれているとわかった。

 

「それじゃ、どっちかがどっちかのお嫁さんになればいいんだね」

「はい。しかし少し変更を加えたくて」

 久遠は気づいていないのか。普通の調子で確認の言葉を発した。それを受けて職員巫女は説明を続ける。

 

 彼女らは久遠の性質に注目していた。神を父に、退魔巫女を母に持つ彼女は特殊な存在である。それが妖怪との交配においてどのような結果を及ぼすのか、研究したいそうだ。

 

「よって性交は自然に近い形で行ってほしいのです。退魔巫女でいうと、妖怪の討伐に赴いた際に……という感じですね」

 そこで彼女らには、より実戦に近い状況での妖怪姦を提案された。研究所の敷地にある修練場に入り、その踏破を目指してほしいという。

 そこの攻略には数か月ほどかかるらしい。

 

「お仕事をそんなに空けられるでしょうか……」

 思わぬ長逗留になりそうだ。護は難色を示す。久遠もうんうんと頷いている。

 職員巫女はケアをしっかりと伝える。

 この施設の運営にはは有力な神社も関わっている。そこの神主が退魔巫女の総本山に、ふたりは荒行に挑んでいると報告してくれるという。

 

「そういうことでしたら」

「私も、神社のことはトワお姉ちゃんにお願いしてあるし」

 施設が管理する修練場に挑むこと。そしてその間は、施設指定の妖怪と婚姻関係を結ぶこと。それらを承諾する書類に、護と久遠はサインを記した。

 

 ◇

 

 研究所が所有する、広大な敷地。修練場はそこにあった。

 一見はただの森路だ。しかしここに満ちる妖気により、どこが終点かもわからぬほど長い道のりとなっている。影響はそれだけではない。地形や構造も変化していく。

 妖怪の討伐に赴く時と、状況はほとんど同じだった。

 

「うちの山と全然ちがう……。すごい妖気……!」

「えぇ。気をつけて進みましょう」

 実戦形式の言葉に偽りはなかった。山路を行く巫女たちを力尽くで犯そうと、妖怪どもは次から次に襲いかかってくる。

 久遠は刀を、護は弓を武器にしている。急造のコンビではあるが、前衛と後衛はしっかりと連携を取れていた。

 

「護さんの援護、すっごく助かるよ!」

「久遠さんもとても頼りになります」

 しかしこれはこれで問題がある。いかに妖怪どもが肉欲を剥きだしにしようとも、ふたりに触れることすらできないのだ。

 己の肢体は視線で焙られるだけ。これでは前回の任務と全く同じだった。

 

「…………」

 弓使いの巫女はふと足を止める。それから久遠の不思議そうな目にも構わず、脱衣を始めた。

 

「ま、護さん!?」

 腹はへこみ、腰は蜂のようにくびれ、脚もすらりと長い。護の身体はほっそりとしている。しかしひとつだけ、媚脂が集まっている箇所があった。胸部だ。白衣の戒めが解かれたことで、少女がなにをしても柔房はたゆんと揺れた。

 相反する魅力を合わせ持つ白美体だ。乳首の桃と髪色の黒がそれを飾りたてていた。

 

 護の行動に久遠はもちろん仰天する。ふさふさとした耳も尻尾もピンと尖ってしまった。

 

「ど、どうしたの……。急に服を脱いじゃうなんて……」

「えっと……。淫の気を払うなら、この方がいいかな、と……」

 苦しい言い訳である。しかしいかにも優等生な護が言うのだ。頬を赤くしつつも、久遠は納得したようだった。

 

「そ、それじゃあ……私も」

 そして同じように巫女装束を落としていく。

 子どもっぽい仕草や声音とは不釣り合いな、大きな胸乳がまろび出た。柔らかくもハリに満ちた肉房は、その先端をツンと尖らせている。

 緋袴も落とす。豊かな臀部と肉付きのよい太腿が露わとなった。山中を歩くことで育てられた、天然ものの健康美である。

 

「そ、それじゃあ……行きましょうか」

「う、うん……」

 巫女装束を脱いだ後は丁寧に畳む。衣服を置いて武器だけを手にした彼女らは、路の奥へ再び歩みだした。

 

 ◇

 

 なおも修練場を進む巫女たちには、さらなる攻勢が待っていた。

 美少女たちが全裸を晒しているのだ。妖怪どもは欲望を滾らせ、盛んに群がってくる。

 

「はぁっ、はっ……」

 矢を放つごとに揺れる豊房に、きゅっと締まった小尻に。そして蜜で濡れだした秘唇に。妖怪どもは目を血走らせて向かってくる。

 欲望の視線は久遠も感じているに違いない。

 

「う、うぅん……」

 護の前を歩く彼女は、盛んに内腿を擦りあわせている。オオカミの尻尾でわかりづらい。しかしその白肌には濡れひかるものがあった。愛液が溢れだしているのだ。

 純真な彼女もまた、淫の気に冒されている。妖怪の肉欲に共鳴してもおかしくなかった。

 

「っ! 護さんっ! また来るよ!」

「え、えぇっ!」

 血が沸き、肉が踊る。妖怪との戦いがさらにふたりを昂らせる。

 ますます身体を火照らせた彼女らは、より深いところ……。すなわち、より強力でより多量の妖怪が潜むところまで進んでいく。

 

 しばらく歩くと、狭路から気配を感じた。久遠は視線を、護は矢じりをそちらに向ける。

 

「ギィッ?!」

 そこから現れたのは餓鬼だった。腹だけが不自然に飛びでた、痩躯の亜人である。数を増やしてほしいと依頼された妖怪だ。

 退魔巫女たちは顔を見合わせ合う。そして武器を下ろした。

 

「ギィ……ギッギッ!」

 餓鬼も彼女らの意がわかったらしい。醜貌をぐにゃりと歪ませた。それが笑顔のようだ。彼奴は手招きすると、住処まで先導しはじめる。

 

「ギィ!?」

「ギギッ! ギィィッ!」

 ねぐらに突如として踏みこんだ退魔巫女たちに、餓鬼どもはパニックになった。しかしすぐに状況を理解したようだ。先を争うようにして、護と久遠の豊満な身体に群がりだす。

 

 ぱんっ! ぱんっ! ばちんっ!

「あぁぁ……! はぁっ、あぁっ!」

 華奢な背を強く押された。護は四つん這いに倒される。露わとなった二穴にはさっそく、餓鬼の肉棒が埋められた。

 肥大化した欲棒を突きこまれ、身体を好き勝手に使われる。痛苦や屈辱を感じて然るべきだが……。

 

(なんで……とても、感じちゃう……)

 護の体内には淫の気が充満している。今の彼女を灼くのは邪悦だけだった。しかしそれだけでは説明できぬ快楽に焦がされる。

 その理由はこれまでの道のりにあった。退魔巫女の身は戦闘により昂っている。交歓に及ぶと、平常以上の感度を発揮してしまった。

 

 ぱちゅっ! ばちゅっ! ばちんっ!

「あ゛ぅうっ……! はぁっ、あぁっ、あぁぁ……!」

 膣肉はうねり踊り、菊孔はきつく締めつける。悦びに沸く女体を、餓鬼どもも競って貪りだす。

 

 

 一方、久遠は仰向けに転がされた。正常位で犯されることとなる。そして両脚の間だけでなく、花貌のすぐ近くにも餓鬼が接近した。

 

「!? んんぅっ! むぅぅッ!」

 痩身矮躯の亜人は美少女の顔を無遠慮に掴む。それから可憐な桃唇に、無理やり肉棒を咥えさせた。

 

(く、くさい……! 頭、おかしくなりそう……)

 久遠は狼神の血を引いている。ゆえに嗅覚が鋭い。餓鬼の性器からは耐えがたい悪臭がした。口腔を侵され、少女の眉間にシワを寄せていく。

 

「むちゅ……、んむっ、んっ、ぴちゃ……」

 しかし嫌悪とは裏腹に、久遠の舌は肉棒を慰撫しはじめていた。

 護と同じく、彼女も淫の気に侵されている。妖怪の性器は体内の埋め火を強く煽りたてた。半ば本能的に種を求めてしまう。

 

 どくっ! どくんっ!

「んんッ?! む! ぅぅう゛……!」

 若巫女に口技などない。ただ舐め、吸いついただけだ。しかし飢えた小鬼には充分すぎた。唇内に精をぶちまけられ、久遠の大きな瞳がぱちぱちと瞬いた。

 一体の興奮は同種にも伝播していく。

 

 どくんっ! どくんっ! どくっ! どくんっ!

「むぉっ……! お、おぉぉんうぅッ……」

 膣穴を占領する肉棒が拍動した。鈴口から精液が射出される。唇内にも胎内にも種汁が注がれた。

 それだけでない。巫女の痴態で手淫に耽っていた餓鬼どもも汚液をぶち撒けた。久遠の肢体に粘汁がかけられる。

 

「あぅぅっ! あ……、あついぃ……!」

 隣を見れば護も胤雨に晒されていた。花貌も艶髪も黄白に染めあげられていく。しかし黒髪の美少女はうっとりと、悩乱の表情を浮かべるばかりだった。

 

(くさくて、にがいのに……わたしも……)

 そしてそれは久遠も同じだった。嗅覚も味覚も犯されているのに……。半神の巫女の子宮は必死で、餓鬼の精液を飲みほそうとしていた。

 

 ◇

 

 護と久遠が餓鬼の巣に招かれ、まだ数日しか経っていない。にもかかわらずふたりの月はすでに満ちていた。この修練場にはなにか特殊な作用があるようだ。

 ぼて腹となった退魔巫女たちは今まさに、妖怪の出産に臨もうとしている。

 

「はぁっ、はぁっ……!」

「う、うまれちゃうよぉ……っ」

 餓鬼どももさすがに、産気づいた少女を邪魔することはない。地面に尻をつけ脚を大きく広げた護と久遠を、遠巻きに見守っている。

 

「う、うぅぅッ!」

 淫の気をたっぷり溜めていたからだろうか。護が先んじて分娩に挑む。

 大きな頭が子宮口を通りぬけた。敏感になった身体はそんな胎動すら感知し、快楽の元にする。

 

「はぁっ、あぁ……! あぅぅうっ!」

 硬い頭蓋でぐりぐりと膣腔をこじられた。産道が少しずつ広がっていく。胎児はペニスよりもなお太い。輪姦よりも多大な悦が護の全身を震わせる。

 細い腹はその内の動きさえ浮かびあがらせていた。間もなく、陰唇も裂けるほど大きく広げられた。

 

 ぶちゅうッ!

「あ……あぁっ!」

 ほっそりと形のよい、太腿の狭間。そこに醜い胎児が姿を現した。

 護の腹はなおも膨らみ続けている。それはいまだ、餓鬼の赤仔が宿っている証拠だ。彼奴らは繁殖にも飢えている。一度に複数の仔を仕込むことができる。

 

「はぁっ、はぁっ!」

 ゆえに久遠も同じように、いまだ産悦に喘いでいた。しかしすでに路は拓かれている。弟はスムーズに膣道を滑りおちた。

 

 ずぢゅぅぅうっ!

「あぁ……! はぁっ! あぁっ!」

 淫血で昂った内腔を強く擦りあげられる。第二仔の出産で久遠は、より深い絶頂に導かれることとなった。

 

「う、うぅっ……! まだ、産まれる……!」

「はぁっ、あぁっ、あぁぁ……!」

 羊水と愛蜜の甘い匂いが餓鬼の住処を満たしていく。巫女たちはまだまだ産悦に喘ぐ。痩躯醜貌の亜人どももまた、同胞の誕生に湧きだしていた。

 

 ◇

 

 それからもふたりはしばらく、餓鬼の繁殖に利用された。解放された後は当然、修練場の攻略を再開することとなる。

 退魔巫女たちは木々で仕切られた小さなスペースに辿りついた。不自然な空間である。

 

「護さん。この先は……」

「えぇ。強力な妖怪がいるみたいですね」

 ここは大妖の領域へ至る際の、最後の境界といった場所だった。実戦であるなら装備の確認や体力の回復を必ず行うだろう。

 しかし今回はふたりとも、なんの準備もなく前に進む。

 

「わっ!」

「これは……」

 この領域の主。それは大きな古狸だった。人間以上の巨躯を誇る獣は堂々と座し、巫女たちを待つ。

 

「あのひとが、お嫁さんを探してる妖怪……なのかな?」

「えぇ。おそらく」

 ふたりの会話を肯定するように、タヌキの股ぐらが盛りあがりだす。革と毛を割って、肉色の牡根が姿を現した。

 

「っ……」

 護と久遠は、彼の女房となることを求められている。ならばやることはひとつだ。

 ふたりを目配せをし合う。その結果、まずは黒髪の退魔巫女が座する古狸にまたがった。

 

「うぅっ」

 妖獣は巨大な玉袋を広げている。その上に着地した護は柳眉を寄せた。

 ぶよぶよしていて、なま暖かくて……。睾丸の感触は乙女好みではなかった。しかし。

 

(大きい、オチンチン……)

 それにつながる大妖の逸物は、立派のひとことだった。野生動物らしい獣臭さえ立ちのぼる。屹立するペニスに誘引されるよう、護は腰を落とした。

 

 ずずずずっ!

「はぁっ……あぁっ!」

 妖物の眼に晒され、餓鬼の仔を産み。退魔巫女の淫門はとっくに緩んでいる。大振りなペニスも問題なく招きいれた。

 

「んっ、んん……」

 腰を上下させて淫動を送ろうとするが……。どうにもうまくいかない。ぶよぶよとした玉袋が足場なのだ。当然といえる。

 苦戦する女房に対し、亭主の方が動きだした。

 

 ぶぶぶぶっ!

「!!?」

 思わぬ刺激が膣腔を貫いた。なんと狸根が振動しだしたのだ。

 全くの予想外である。加えて子宮口は亀頭に抑えられていた。胎を直に揺さぶられた護は呆気なく、絶頂に押しあげられる。

 

 どくんっ! どく、どくんっ!

「!! はぁっ、はぁっ……!」

 膣腔の強締は胤汁の強射につながった。生命力を示すかのように、獣液は熱い。胎の内を白灼で焼きつけられ、長い黒髪が悩乱に舞いあがる。

 

 ◇

 

 次はもちろん、久遠の番だ。

 股から精液を垂れながす護は、視線も足元もおぼつかない。半神の巫女は華奢な手を握って支え、位置を入れ替える。

 

(このひと、おじさんに似てる……。なんか変な感じ……)

 玉袋の上に乗った少女は、知り合いの妖怪を思いだした。行商の古狸のことだ。昔からたびたび神社を訪れる彼を、久遠はおじさんと呼んで慕っている。

 

 ずずず……。

「んぅっ! は、あぁ……っ」

 精液と愛蜜をまとう逸物は、少女の陰唇にもすぐ馴染んだ。獣は疲れを見せない。すぐさま二度目の種付けに移る。

 

 ずっ、ずずっ、ず……ずず……。

「んん……は、あぁ……、あっ! あぁッ!」

 ナカの具合を確かめるような、ゆっくりとした抽送が始まった。しかし久遠が受けとる快楽は大きい。

 

(なんだか、からだ……ぽかぽかする……)

 突きあげられた胎は熱を帯びる。そして少女の胸にもまた、暖かいものが宿りはじめていた。

 久遠は衝動に従い、さらに密着しようとした。しかし古狸の分厚い身体は両腕を回しても抱きしめきれない。

 

「はぁっ、はぁ……っ!」

 それを知った久遠は、彼のことをさらに好きになってしまった。禽獣の毛並みに顔を埋めると、ますます交歓に耽溺していく。

 

 ブブブブブッ!

「ふぁっ……!? あ、あは、あぁぁっ!」

 美少女の熱烈な抱擁を受けてか、狸根もにわかに昂りだした。根元のグラインドが淫口を引っ張りまわし、亀頭のバイブレーションが子宮口に直撃する。

 

「い、イク……っ! イっちゃうぅッ!」

 激震に久遠も成す術なかった。絶頂へと押しあげられる。膣腔がきつく締まるが、狸根の動きを抑えられない。

 牝の媚動は逆に種付けを促進した。

 

 どくんっ! どくんっ! どくっ……!

「あ、あぁぁっ! はぁぁ……ッ!」

 古狸の睾丸は伊達ではない。胤汁は久遠の分もたっぷり残されていた。結合部から溢れでるほどの射精は、少女に妊娠をはっきりと予感させる。

 

 ◇

 

 ふたりはまた妖怪の仔を孕んだ。そしてこの修練場の作用により、月はすぐに満ちる。護と久遠は古狸の目の前で、出産に臨むこととなった。

 

「はぁっ、はぁっ」

 息を乱す護の股ぐらには、イヌそのものの嬰児がいた。四足獣の赤仔はまだ毛が生えそろっていない。羊水に濡れた赤い皮フを見せている。

 

「あぁぁ……はぁっ……、うぅっ!」

 美少女が獣を産む。おぞましい光景かもしれない。しかし当の本人である護は瞳をうっとりと潤ませていた。さらなる悦を味わうために腹をいきませる。

 タヌキは一度に複数の仔を仕込む。それは妖物であっても変わりはない。美少女たちは禽獣の流儀を押しつけられていた。

 

「う、うぅっ!」

 護の隣では久遠も分娩に挑んでいる。半神の巫女もすでに一匹を産みおとし、二匹目をひり出そうとする真っ最中だ。

 

「はぁっ、は……!」

 性粘膜には淫血が巡りきっていた。より多くの悦楽を受けとる準備が整っている。

 緩んだ子宮口は胎児をなめらかに通した。

 

 ずず……ぶぢゅぅうっ!

「はぁっ、はぁっ……! また、産まれた……。おじさんの仔ども……」

 嬰児たちは毛が生えそろっていない。まさに赤仔といった容貌だった。久遠は古狸の番いとなった証を、頬を緩ませながら見つめる。

 

 大妖の仔を産んだふたりは再び、修練場に挑むこととなる。赤仔を抱いて見送る古狸に、半神の巫女は大きく手を振った。

 

「おじさ~ん! またね!」

 契りを結んだ妖獣と仲睦まじい様子を見せる。護は微笑むと、こんな言葉を投げかけてきた。

 

「疑似とはいえ夫婦で、仔どもも産んだのですから……。あの方はお父さんといえるかもしれませんね」

 久遠はしばしぽかんとする。それから純真な花貌に、徐々に笑みが広がっていった。

 

「お父さん……? そうか。お父さんかぁ……」

 実父である真神大神には異界へ赴けば会うことができる。しかしもっと身近に血縁が増えたと思うと……久遠の心はさらに暖まるのだった。

 

 ◇

 

 ふたりはまだまだ修練場を進む。再び小部屋に行きついた。この先には大妖がいる。護と久遠は頷きあうと、迷うことなく歩を進めた。

 

「ひっひ……。よく来たのぅ」

 木々が開けた先に佇んでいたのは、小さな老人だった。

 ただの人間と見紛うような姿をしている。しかしその異様な雰囲気と……大きな妖気は隠しがたい。

 

「油すましだ」

「ということは、この方が……」

 妻を所望している妖怪に間違いあるまい。彼も研究所側から聞きおよんでいるのだろう。油すましは護と久遠の肢体をねっとりと見つめる。頭の頂から爪の先まで粘着質な視線が這い、ふたりの背に緊張が走った。

 

「希望どおりじゃのぅ……ひっひ!」

 彼の声も笑みも粘ついていた。久遠はこっそり眉をしかめる。しかし護は逆に、その様にぞくぞくとしたものを覚えだす。

 

 ふたりは油すましの命令により、四つん這いとなった。いかに老妖が小柄といえど、頭の位置はすっかり逆転してしまう。

 

「ひっひ! いい眺めじゃのう!」

 べとりとした声が上から降ってくる。視線は臀部の辺りを撫でていることがわかった。この空間に満ちる油の臭いと合わせ、久遠はちょっと気分が悪くなってくる。

 

 つぅーーっ。

「ひゃっ!」

 背後に回った油すましは、半神の巫女の乳脇をなぞった。冷たい感触に撫でられ、久遠の尾と声が跳ねあがる。

 老妖は気にすることなく、手のひらから分泌される油を少女に塗りこめていく。

 

「あははははっ……! く、くすぐったいよぉっ……ぅんっ」

 油すましの手は皺だらけで、なにより無遠慮だった。しかし、ぬるぬるとなめらかに滑りだす。妖気を含むオイルにより、掌と肌との摩擦は限りなく減じていたからだ。

 

「ははっ、はぁっ、はっ……、あぁっ!」

 少女の声が艶を帯びるのに時間はかからなかった。下を向いた乳首はツンと勃起する。油まみれの手に豊房をぶるんと弾かれると、切ない疼きが胎にまで響いた。

 久遠の性感と同じく、老妖の欲望も昂っている。勃起肉をもって後ろから貫いた。

 

 ずずんっ!

「んんぅ……っ!」

 小柄でしわがれた外見に反し、油すましの逸物はかなりのものだった。傘を広げた亀頭が少女のナカを押しひろげる。拡張された狭路は痺れを発し、それが悦びの元となる。

 

 ずちゅっ、ずぢゅんっ! ずちゅっ!

「ひひっ! なかなかいい具合じゃのぅ!」

「あ、あぁっ!? やだぁっ!」

 ピストンを課しながら、油すましは久遠の尻尾を掴みあげた。腹と尻が直にぶつかり、高い音が響きだす。

 少女からしたらたまったものではない。敏感な尾を無遠慮に握られただけでなく、不浄の穴さえも晒されてしまう。

 

 どくっ、どくっ……!

「はぁっ、あぁ……、は、はぁっ」

 久遠の羞恥は幸いな結果を導いた。瑞穴の強締を受けた油すましはたまらず射精に及ぶ。べとりとした精液が久遠の子宮内壁に張りつく。少女はいつまでも、じくじくとした穢感を味わうこととなった。

 

 ◇

 

「次はお主じゃ……うん?」

 油すましは次に、護へ視線を移す。彼はなにかを発見した。それから細い双眸をにんまりと歪める。

 

「ひっひ! おまえさん、もう濡らしとるじゃないか。えぇ?」

「はぁ、あぁ……」

 老妖の指摘は当たっていた。久遠が玩弄を受ける様を見ただけ。それだけで護は、淫口から蜜を溢れさせていた。自分も早くいじわるな責めを受けたい。その心情が表れた結果である。

 油すましは唇をさらに曲げると、いやらしい笑みをつくる。

 

「それじゃあ、特に念入りにかわいがってやるからなぁ……」

 

 べちゃっ!

「ひゃあ……っ」

 冷たい粘液が会陰に垂らされた。窄まった排泄孔も、開いた秘唇も、油で汚されていく。性粘膜は媚毒を疾く吸収する。身体の芯がすぐに熱くなった。

 老妖は指を束ねると、淫唇にまとめて挿入する。膣腔をぬるりと満たされ、護は呆気なくイかされてしまう。

 

「ふぅぅ……っ! はぁっ、はぁっ」

 快楽により腰が抜けた。護はもう、四つん這いの体勢を保つこともできない。頭を垂らして黒髪を地面に擦りつける。

 油すましに深く深く平服し、種付けを乞う……。そんなポーズにも見えた。

 

 ずぶっ!

「あ、あぁっ!」

 そんな健気な美少女にはすぐさま情けがかけられた。ひくつく陰唇に男根を咥えこまされる。淫熱で疼く膣腔を埋められ、護は首を振る。

 

「ひっひ……! ひひ!」

 美少女が己の花貌を、地面に擦りつけているのだ。その光景は老妖の嗜虐心をいたく刺激した。すぐさま激しいピストンが始まる。

 

 ずちゅっ、ずじゅっ! ずじゅっ、ずぢっ!

「はぁっ、はぁっ! あっ、はぁぁあっ!」

 それに呼応し、護も悩乱を深めていく。興奮を高めあった人と妖はともに、あっという間に達した。

 油よりも粘る胤に胎を侵され、下腹が疼くような熱を持つ。少女は老妖よりも深いオルガスムスを味わうことができた。

 

 ◇

 

 油すましの住処に入り種付けを受け、まだ数日しか経っていない。しかし退魔巫女たちはやはり、もう異種出産に臨んでいた。

 

「は、はぁっ、はぁ……っ」

 久遠は両脚をM字の形に開き、荒い息を吐く。その中央にはしわくちゃの赤仔……油すましの嬰児がうずくまっていた。

 産声をあげていないが心配は不要だ。これは人間ではないのだから。

 

「あぁぁっ。あっ! はぁっ、あぁっ!」

 対する護はまだ産みの苦痛と、快楽を味わっている。

 老妖と美少女は相性が良かった。ゆえに赤仔も常以上に成長している。胎児のサイズがそのまま、母を悶絶させていた。

 

 ぶぢゅぅうっ……!

「あひっ……! あ、はぁぁッ!」

 陰唇が引き攣れるほどに膣口が開かされる。少女の窄まりを無理やり押しひろげ、妖怪の赤仔が産まれおちた。

 油すましは我が仔たちを早々に抓みあげる。母となった少女たちに対し、職員に渡しておくと簡単に告げた。

 

「ひひひ……またかわいがってやるからのぉ」

 巫女たちの豊満な身体を玩弄し、仔も産ませた。油すましはにやにやと笑いながら、修練場に挑むふたりを見送る。

 望みを叶えたというのに。老妖の小さな目にはまだ、粘着質な肉欲が浮かんでいた。

 

「うぅ……それじゃ、失礼します……」

「は、はい……」

 久遠の頬は明らかにぎこちない。しかし護はうっとりとした表情で頷く。住処を辞して充分に歩き、何度もちらちらと振りむいて確認した後。久遠はぽつりと呟いた。

 

「あのおじいさん、ちょっと苦手かも……」

「そうですか? 私は、むしろ……」

 護はぽっと頬を赤らめた。その様子を見た久遠は口を閉じた。それからふたりは再び、修練場を進みだす。

 

 ◇

 

 修練場の攻略を通じて、ふたりのパートナーも自然と決まっていた。護は油すましを、久遠は古狸を。それぞれ期間限定の伴侶とする。

 

「ひっひ! 今日は随分とやられたようじゃな? えぇ?」

「…………」

 夫たちの住処を拠点にして、ふたりは探索を進めていく。食糧と寝床が確保されるのはとてもありがたい。

 

「はっ、あぁっ! えっちなぬるぬる……もっと塗ってください……っ」

「はぁっ、はぁ……! お父さん、そこぉ……」

 それだけではない。淫の気に冒された退魔巫女たちの肉欲も、しっかりと満たしてもらえる。

 しかし体力も気力も充実できるとはいえ、簡単な道のりではなかった。

 

 来る日も来る日も歩み、戦い……。時に犯され、その仔を産む。ここで起こる全てのことは退魔巫女としての修行に通じている。修練場の名に相応しかった。

 ふたりは少しずつ、妖怪ひしめく道を踏みしめていく。そしてその日は訪れた。

 

「ま、護さん……!」

「えぇ。やっと着いたみたいですね」

 大妖を打倒したその先。そこには清浄な気が広がっていた。疲れた身体が癒されていくのを感じる。

 護と久遠。退魔巫女たちが修練場に入って三か月と少し。彼女らは山路の最奥へ到達した。

 

 ◇

 

 研究所の職員巫女たちは、ふたりが修練場を踏破したと報告を受けた。彼女らを迎えるため、ゴール地点へ直にアクセスできる通路を進む。

 

「予想よりもかなり早かったですね」

「それなのに餓鬼の数も充分に増えているし……。さすがね」

 予想以上の成果をあげた退魔巫女コンビに、職員たちも感心しきりである。結界を解いて最奥に足を踏みいれる。報告は正しく、護と久遠はそこにいた。

 

「はぁっ、あぁぁっ!」

「んちゅぅ……ん、むぉ……」

 ただし、そこにいたのは巫女たちだけでなかった。彼女らと婚姻を結んだ妖怪たちも一緒だった。

 少女たちとその夫は踏破の祝いをするように、乱交に耽っている。

 

「はぁ、あぁぁ……っ! おっぱい……もっと搾ってぇ!」

 護の高い声が響いた。美少女はしわがれた小老に対し、精いっぱいに媚びを売る。

 

「ひっひ、ほぉれ……」

 それはすぐに応えられた。護は四つん這いになり、地面に向けて双房を垂らしている。根元から先端に向かって、ローションまみれの手が滑った。

 

「ひぅっ……、はっ、あ、あぁぁあっ……!」

 濡れひかる白果実がぐにゃりと形を歪ませる。そして母乳が勢いよく噴きだした。

 護の身体の変化はそこだけに留まらない。えぐれたように細かった腹は大きく膨らんでいた。孕まされたことがよくわかった。

 ミルクを迸らせる巨房と現在の体位を鑑みるに、乳牛といって差し支えない姿である。

 

「お父さんのおチンチン、いいのぉ……もっとシてぇっ……」

 久遠もまた古狸との交歓に夢中だ。半人と妖獣は対面座位でつながっている。退魔巫女は分厚い脂肪と毛皮に顔を埋め、ぐりぐりと額を押しつける。

 

 ブ……ブブブブブッ!

「あひっ! あ! あぁッ!」

 鈍い振動音が響きだした。年若い女房の甘態に妖獣も張りきったらしい。激しい内動をそのまま示すように、久遠の尻尾がピンと逆立った。

 

 ブブッ! ブルッ! ブルルッ!

「はぁっ、あぁっ! それ好きぃ……、あかちゃんも、よろこんでるよぉっ」

 半神半人の退魔巫女の腹も、当然のように張りつめていた。

 彼女の言葉は正しい。スタッカートが奏でられるごとに、久遠のぼて腹がぼこぼこと沸きだす。中の赤仔がはしゃぐ様が目に浮かぶようだった。

 

「あ、あのぅ……」

「ダメね。全然、気づいてない」

 交歓に夢中の退魔巫女たちは、迎えを眼中に入れていない。代わりにふたりの夫が目配せをした。職員巫女たちはこくりと頷く。

 護と久遠がイキ果てるまで、彼女らはしばし待機することとなった。

 

 ◇

 

 夫たちと別れた護と久遠は、研究所に戻ってきた。

 その後は恒例のインタビューを受けることとなるのだが……。

 

「っ……」

「うぅ……恥ずかしい……」

 ふたりはすでに赤面している。ぼて腹を晒すのが決まり悪いからではない。ゴールしたのにすぐに帰還せず、乱交に耽る様を目撃されてしまったからだ。

 カメラの隣に立つ職員巫女は咳払いをしてから、ふたりに声をかける。

 

「まずは護さん、久遠さん。修練場の踏破、おめでとうございます!」

 思わぬ拍手と賞賛を受け、ふたりは目をぱちくりさせる。

 

「それでは修練場での出来事を窺います。久遠さん、印象に残ったことはございますか?」

「色々あるけど……。最初にびっくりしたのは、護さんが急に服を脱ぎだしたことかなぁ」

「ちょ……っ!」

 護は久遠の桃唇を塞ぎたくなるが、もう遅い。そんな面白そうな話を流されるはずもなかった。黒髪の巫女に焦点が合わされる。

 

「護さん。久遠さんのお話は本当ですか?」

「は、はい……。淫の気を発散するために……」

「う~ん。淫気の作用は、衣服の有無なんかじゃ変わらないはずですがねぇ」

「えっ! そうだったの!?」

 

 職員が発する理詰めの言葉はもちろんのこと。久遠があげた驚きの声が、護の羞恥をなによりも煽りたてた。

 清楚な美少女は花貌を真っ赤に染めあげる。カメラを回す職員巫女はその様子を収め、満足そうに頷いた。そして話題は次に移る。

 

「それでは、おふたりの旦那さまのことも教えてください」

 大妖との婚姻ももちろん質問の対象である。久遠はぱっと目を輝かせた。

 

「お父さんは大きくて、あったかくて……。安心できるのが、とっても気持ちよかったの!」

 朗らかに答える様は、妖怪姦のことを言っているとは思えない。職員巫女たちも思わず頬を緩ませた。

 次は護の方に視線が向けられる。黒髪の巫女は口元を妖しくカーブさせる。

 

「あのひと……油すましさんは、とてもねちっこく責めてくれて……。特におっぱいから母乳を搾られると、簡単に達してしまって……」

 一転、護は生々しい性宴の様子を暴露する。彼女の美貌も合いまり、凄艶のひとことである。インタビューを愉悦にしている職員巫女たちですら圧倒された。

 

「あ……! あぁぁっ……!」

「護さんっ!? うぅっ!?」

 互いの夫を紹介し終えたその時。ふたりの巫女は切羽詰まった声とともにへたり込む。陣痛が始まったのだ。ふたりはこのまま出産に臨むこととなる。

 

 ◇

 

「はぁっ、はぁっ……!」

 ふたりは職員巫女たちの手により分娩台に乗せられた。背をしっかりと預け、脚をM字型に開いた格好で固定される。

 

「ま、まだカメラが……!」

「はずかしいよぉっ……」

 この場にあってももちろん、記録機器は持ちこまれていた。大きなレンズは少女のぼて腹と……。破水と愛液で濡れ、ひくつく陰唇を映している。

 秘部を撮影される羞恥にふたりは灼かれるが、すぐにそれも気にならなくなる。

 

「あ、あぅぅうっ!」

 まずは久遠が出産に挑んだ。

 天真爛漫な少女である。しかし彼女は修練場を踏破する過程で、数えきれぬほど多くの仔を孕んできた。

 

 ずちゅうッ!

「かはっ……、は、はぁっ!」

 窄まった子宮口も狭い膣道も、今や獣専用の通路となっている。久遠と古狸との愛の結晶は悠々と淫門をくぐり、外界へまろび出た。

 羊水に濡れた身体は丸々と太っていて、血色も良い。見るからに健康そうな幼仔だった。

 

「まだ、うまれる……っ、はぁっ、あぁぁっ!」

 古狸は今回も当然、多頭の胤を仕込んでいる。産悦に悶える久遠を、カメラはまだまだ映しつづけた。

 

 ◇

 

 そのすぐ隣の分娩台では、護が必死に息んでいる。彼女は産もうとするのはもちろん、良人である油すましの仔だ。

 

「あぁぁっ! あ、あついぃ……!」

 熱病に冒されたがごとく護は呻く。彼女の下腹には淫火がはっきりと宿っていた。

 その理由は老妖の赤仔にある。彼奴は子宮にいる内から、媚毒を含む油を分泌させていた。それが母を焦がしているのだ。

 

「あぅっ! あぁぁあッ!」

 母の愛蜜と己の油滴。ふたつをまとった赤仔は実になめらかに産道を進んでいった。

 護は膣ヒダの隙間すべてに淫油を塗り埋められる。じくじくとした熱を発するそれは、父譲りのものに相違ない。

 

 ぶちゅんっ!

「あっ……! はぁっ、あぁっ!」

 粘液にまみれ、油すましの赤仔がぬるりと外界へまろび出た。

 嬰児は普通、しわくちゃなものであるが……。これの場合は事情が違う。油すましの仔は産まれた時から、好色な表情を浮かべていた。

 人外であることが一目でわかる。誰しもが怖気を振るうだろうが……。

 

「はぁっ、はぁっ……、あ、あかちゃんが……また……」

 母だけは違った。愛するものとの間に出来た我が仔を、目を細めて見つめる。

 退魔巫女が妖怪の赤仔に、慈愛の視線を注ぐ。その様も当然、カメラはしっかりと記録していた。

 

 ◇

 

 護と久遠の淫気はすっかり晴らされた。さらにふたりは荒行を完遂した巫女として、総本山に報告されるらしい。

 

(これでいいのでしょうか……)

 護は少し考えこんでしまう。

 妖怪どもの視線や性器で犯され、その仔を産み……。この数か月はそんなことの繰りかえしだった。にもかかわらず、艱難を乗りこえたと認められて良いものなのか。

 

「荒行かぁ。毎日、大変だったもんね」

 対する久遠はあっさりと受けいれたようだ。

 確かに、彼女の言うとおり過酷な日々だった。そして淫の気が払われただけではなく、霊力も増している。

 これならばますます元気に、退魔巫女として活動できそうだった。

 

「それじゃあ久遠さん。お達者で……」

「あ、あの、護さん」

 報酬も受けとり、ふたりは研究所を辞した。分かれ道までやって来たところで、久遠はなにやら打ちあけたい様子を見せる。

 彼女らしくない、もじもじとした態度だった。護はもちろん、静かに待つ。

 

「えっと、あそこにいる間、ずっとお世話になったから……。護お姉ちゃんって、呼んでもいいかな……?」

「久遠さん……。もちろんいいですよ」

「やったぁ! ありがとう、護お姉ちゃん!」

 護の許可を受け、久遠は屈託なく笑った。かわいい妹が増えたようで、護も嬉しくなる。

 そして姉妹という認識は、あながち間違ってはいない。数か月もの間、彼女らはともに過ごし……ともに妖怪に犯され孕まされてきたのだ。

 

(穴姉妹、というのは……)

 ふと浮かんだ下品な言葉を、頭を振って打ち消した。

 ふたりは改めて向かいあうと、別れの挨拶を交わしあう。

 

「護お姉ちゃん! それじゃあね!」

「えぇ。必ず連絡しますね、久遠ちゃん」

 いつの間にか、自分も久遠の呼び方を変えていた。思わず頬が緩む。

 人々を脅かす悪しき妖怪を調伏し、平和をもたらす。ふたりは退魔巫女としての日常に戻っていく。

 今は護も久遠も清廉な決意に満たされている。しかし義姉妹たちは再び、妖怪と交歓する場で出会うこととなる。

 ふたりがそれを知るのは、そう遠くない先のことであった。

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