※この作品はR-18です。

神楽妖姦記   作:二木ユキト

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ちはやと紫は海辺の村へ妖怪退治に赴きます。
ふたりで討伐に向かいますが、
紫をかばったちはやは巨大なヒトデで抑えこまれて……?

Skebにてご依頼を受け、執筆した作品です。
お楽しみいただければ幸いです!


ちはや、妖海星の圧辱と淫毒に晒される

 浜辺には強い日差しが照りつけている。潮風を受けながら歩く、大小の影があった。

 犬童ちはやと鏑木紫。退魔巫女たちである。海にほど近い村の神社から依頼を受けたふたりは、調伏のためにここを訪れていた。

 

「ここで合ってるよね、ゆかりん」

 額に張りつく桃色の髪を払いながら、犬童ちはやは振りむいた。

 長い髪を活動的なサイドテールに結いあげた巫女は、見事な肢体をしている。豊かな胸乳と張りだした腰つきは、巫女装束の下からでもわかるほどである。

 

「うん、そうだよ。ちはちゃん」

 もうひとりの巫女、鏑木紫は頷いた。彼女の花貌はほんのりと赤く染まっている。

 その身は小柄で膨らみに乏しい。丸く大きな瞳とロングヘアも相まって、童女のようだ。愛らしい姿は人々を安心させてくれる。しかし彼女もまた、立派な退魔師である。

 

 まるで正反対の身体つきをしたふたりだが、ともに滝のような汗をかいていた。今は真夏。和装で出歩くのはつらい季節だ。

 神社に着くと、神主はすぐさま冷たい茶でもてなしてくれた。ふたりが涼を取ってから、彼は事の詳細を語りだした。

 

 なんでも最近、村近くの洞窟から怪しい影が夜な夜な出入りしているという。目撃者によると、尖った帽子を被った怪人とのことだ。

 

「村に近づくこともあり、みな不安になっております。巫女様の力をお借りしたく……」

 神主の表情には心労が滲んでいた。ふたりは見つめ合ってから大きく頷く。

 

「お任せください」

「私たちが、なんとかしてみせますから……」

 ちはやと紫の言葉を受けて、神主の眉はようやく開いた。

 ふたりはさっそく討伐に出かけた。その道中、聞かされた話を振りかえる。

 

「変な帽子を被ってるって、どんな妖怪なんだろう?」

「海坊主とか、海難法師とか……なのかな?」

 聞いた特徴を元にして、紫は海の人型妖怪をいくつか思いうかべてみた。しかしどれもピンとこない。

 

「とにかく行ってみよう」

「うん。そうだね」

 気づけば件の洞窟に辿りついていた。愛槍を手にしたちはやが暗がりに向かって視線を送る。紫も弓をぎゅっと握りしめた。

 ふたりは臆することなく、闇の中に足を踏みいれる。

 

 ◇

 

 ここは満潮になると水没する。洞窟の内部は磯のにおいでむせかえりそうだった。

 夏の日差しから逃れて、涼を得られるかと思ったが……。熱気はこもり、生々しさを伴う湿気も充満している。外よりも不快感が高かった。

 

「ふぅ……」

 先導するちはやの背を見ながら、紫も足を進めていく。

 巫女服が肌にべとりと張りつく。そればかりか、塩水を浴びた岩は草履をぬるりと滑らせてくる。慎重に歩かないと転んでしまいそうだ。

 

「きゃっ!」

「ゆかりん!?」

「だ、大丈夫……。ちょっと、びっくりしただけ……」

 岩壁に手を着いた紫は悲鳴をあげた。ぶよりとした感触が掌から腕、背筋へと伝わってきたからだ。

 

「これ……ヒトデ?」

「こんなところにも張りついてるんだ」

 その正体は星型の生物、ヒトデだった。岩壁には硬いフジツボだけでない。海水で濡れた軟体も張りついていた。

 

「なんだか妖気もわかりづらいし……気をつけよう。ゆかりん」

「うん」

 不快な環境が集中力を損なわせるのか。妖怪の気配も掴みづらい。警戒を強めながら、ふたりはなおも洞窟の奥へと向かう。

 道が急に狭くなった。大きな岩が張りだしているのが原因だ。ちはやは壁のでっぱりを避けて進んだ。紫もその後に続く。

 

「……? あっ! 危ない! ゆかりん!」

「きゃあっ!?」

 急に振り向いたちはやは、紫の身体を強く押した。小柄な巫女は突きとばされ、硬い地面に尻もちを着く。

 

「!?」

 なにが起こったのか紫にはわからなかった。彼女の疑問はさらに増える。前を歩いていたはずのちはやは、姿を消していた。

 

「ちはちゃん!? ……あ!」

 親友になにが起こったのか。それはすぐにわかった。ちはやは岩の……いや。岩のような表皮を持つなにかに押したおされたのだ。

 彼女の脚だけは下敷きを免れていた。緋袴がずり上がり、むっちりした腿だけが外界に出ている。

 

(こ、これって……!)

 人間ほどのサイズを持ち、人間に襲いかかる怪なるもの。彼奴は紛れもない妖物だ。

 そして小さな退魔巫女はその正体にも気づいた。盤と五つの突起で構成された身体は、星の形を描いている。

 巨大なヒトデが、ちはやを捕獲していた。

 

 

 ◇

 

(な、なんなの、こいつ……!)

 妖怪は洞窟の壁に擬態していた。紫に襲いかかろうとしていたところを、ちはやは咄嗟にかばった。それは親友に代わり、己が異種の責めに晒されることを意味する。

 

「んんっ! むぅぅっ!」

 重い巨体はちはやの全身を押しつぶしている。視界ももちろん覆われ、状況は満足にわからない。退魔巫女は努めて落ち着こうとした。

 しかし顔といわず体といわず、怖気を振るう感触が押しつけられているのだ。少女に平静は保ちがたい。

 

(き、きもちわるい……!)

 表面は岩のような姿をしていたが、裏側は全く違った。柔く短い触手がびっしりと生えている。その隙間から空気は通り、呼吸はなんとか可能だった。

 

「!!」

 獲物の味や食感を確かめるかのごとく。触手の群れがゆっくりと蠕動しだした。少女の背にぞわりと寒気が這った。

 

「んんんっ!」

 ちはやは咄嗟に妖怪を押しかえそうとする。しかしびくともしない。

 それも仕方のないことだった。両脚は抑えこみから逃れたとはいえ、足裏は完全に浮いてしまっている。踏ん張りを効かせるどころか、まともに動かすことすらできないのだ。

 

(重いし、臭い……!)

 海水をたっぷりと吸っているのか。軟体は剛圧をかけてくるばかりでなく、磯のにおいも鼻を突いてくる。

 しかしちはやには、この重量からも臭気からも逃れる術はない。

 

「むぉっ!? おぅぅっ!」

 獲物に抵抗の手段がないことがわかったからか。身体に密着する短い触手は、いよいよ活発に蠢きだす。

 乳房や脇腹をくすぐられた。思わずびくりと反応してしまう。しかしがっしりと抑えこまれた身体は毫も動かすことができなかった。ちはやは身じろぎすら許されない。

 

(これ、まずい……! はやく逃げないと!)

 焦りは募るばかりだ。かといって妙案はない。無遠慮な触手の動きに晒されつづける。

 ちはやは行動をパスするが、妖海星は新たな一手を打ってきた。

 

 ぶしゅぅぅう……。

「!!?」

 不気味な音が耳元をくすぐった。気体が漏れるような響きとともに、甘いにおいが磯くささに混じりだす。

 不意の出来事だった。ちはやは思わずそれを吸いこんでしまう。 

 

「お゛っ!? おぐっ?!」

 流入したガスをひと嗅ぎした。ただそれだけで、ちはやは絶頂へ連れさられる。

 脳がぱちぱちとスパークを起こし、真っ暗だった視界には色とりどりの花火がいくつも打ちあがる。

 

 びくっ! びくんッ!

 やや遅れて身体反応がやって来た。ヒトデが唯一とらえそこねた脚が二本とも、彼女の意思に関係なくピンと伸びた。

 動いたのはそこだけだった。全身を完全に抑えこまれたちはやは首を振ることも、腰を跳ねさせることもできない。

 

「ふぅっ、ぶぅっ、お゛っ……!」

 ゆえに絶頂による反応は、体内の方が激しかった。膣肉が切なくわななき、子宮がひくひくと蠢く。胤を求める動作だった。

 急激な胎の動作は内臓を圧し、ちはやは吐き気に襲われる。

 

 ぶしゅぅぅ……。

「!!?」

 それでも妖海星は獲物に対し、油断も容赦もなかった。媚毒ガスは噴出しつづけている。

 ちはやは慌てて息を止めた。しかし我慢できたのは、ほんの数秒だった。

 

「はぁっ、はっ……! あ゛! お、おほぉぉお゛……!」

 巨重にのしかかられ、触手でくすぐられている。全身をそのように苛まれては、呼吸を制御することなどできはしない。

 息を止めていた分、必要以上に深く吸いこんでしまった。女体を狂わす気体が総身に駆けめぐる。ちはやは再び絶頂する。

 

 びくんっ! びくんっ!

「むぉぉお……っ、おぉぉ……!」

 一度目よりも大きなオルガスムスだった。少女の全身は依然、がっちりと捕らえられている。不十分な方法でしか、己の身を苛む絶頂を表現できない。

 

(やめっ……やめてぇっ!)

 ちはやは喉を搾って叫んだつもりだった。しかし桃唇も抑えつけられている。そこからあがるのはくぐもった喘ぎだけだ。

 

「ぶおっ、おお゛……! む゛おおお゛……!」

 唸るような息が鼓膜を震わせる。乙女とは思えぬ野太い声だ。ちはやは恥じらった。この状況から脱しようと、再び全身に力を込める。しかし短触手の群れに押される身体はやはり、びくとも動かすことができない。

 己の全てが妖海星に制されている。そんな考えが少女の頭にちらりと忍びこむ。

 

(たすけて……ゆかりん……)

 自力での脱出はもはや絶望的だ。ちはやはそれを悟ってしまう。脳裏には自然と、親友の姿が浮かんでいた。

 

 ◇

 

 一方その頃。紫はなにをしていたか。

 

「ちはちゃん! ちはちゃん!」

 もちろん、妖怪の下敷きとなった親友を助けようとしていた。

 両の腿から足先までを残し、退魔巫女は巨大ヒトデに捕らえられた。五つの頂点を持つ奇岩から、むっちりとした白い脚が伸びる……。ちはやは今、珍妙なオブジェの一部と化したようだった。

 

「この……! ちはちゃんから、離れてぇっ……!」 

 親友を救うため、紫は細腕に渾身の力を込める。だが、ヒトと同じサイズを誇る海棲軟体はずしりと重い。どれだけ歯を食いしばろうと、ほんの少しも持ちあげられなかった。

 

(私のせい、なのに……!)

 自分が不用意に通りかかったこと。それが全ての原因だ。自分をかばった結果、親友はこんな無体を受けることになっている。それを思うとたまらない。

 爪が割れることも厭わず、紫は妖物の身体を引っかく。

 

「うっ、うぅ……! うぅぅう!」

 これも全く効果がない。

 洞窟の壁に擬態できるのだ。妖海星の体表はその見た目どおり岩のように硬い。指先を立ててもいささかの痛痒も感じておらぬようだった。

 ちはやを助けだすことはどうしても叶わない。

 

「むぉっ!? おぅぅっ!」

「!?」

 手をこまねいている間も陵辱は続いていた。ヒトデの内から苦し気な呻きが響きだす。

 ちはやにどのような責めが課されているのか。紫は想像もできない。だがその声は、一刻も早い救助が必要だと悟るに充分だった。

 

(そうだ、弓なら……!)

 小柄な退魔巫女は自分の武器を思いだした。素手では太刀打ちできないが、矢を射かければ撃退できるかもしれない。

 そう考えた紫は得物を手にして距離をとる。そして、弦を引きしぼるが……。

 

「お゛っ!? おぐっ?!」

「ちはちゃん!?」

 ちはやの身体に異変が起きた。脚が急にピンと伸びたのだ。射線にふくらはぎが入り、慌てて弓を降ろす。

 この時もしも、一瞬でも早く矢を放っていたら。親友に重傷を負わせていたはずだ。

 

(だめ……ちはちゃんに当たっちゃうかもしれない……!)

 紫は続けて考える。

 巨大ヒトデの皮フは確かに硬い。それでも矢の勢いがあれば、貫通する可能性がある。そうなれば下にいるちはやもただでは済まぬだろう。そこまで想像して紫は青ざめた。

 

「ち……ちはちゃんっ!」

 腕力でも弓矢でもこの妖海星をどかすことは不可能だ。それは紫だけでは、この状況が手詰まりであることを意味する。

 

「ちはちゃん! しっかりしてっ……!」

 小柄な退魔巫女をそれを知りつつも、親友の傍を離れることができない。必死に声を掛けつづけるしかなかった。

 

 ◇

 

「む゛ぉおっ……ぉぐっ!」

 桃髪の退魔巫女は依然かわらず、ヒトデの硬皮と巨体に抑えこまれていた。その下で苦し気に呻きつづける。

 剛圧に晒されるちはやだが、新たな辱めが始まったことに気がついた。

 

(服が……とけて……!)

 巫女装束には穴が開きはじめていた。間もなく白衣も緋袴も繊維を分解され、消えてなくなってしまう。

 妖怪の体液には様々な用途がある。溶布というメジャーな役割も、これには含まれていた。

 

「! ほお゛っ! お゛お゛っ! ……ぐぉッ!!」

 次の瞬間にはさっそく、ちはやから声が搾られた。

 その理由も妖海星の分泌物になった。これは巫女の肌を露出させるだけではない。性感を増幅させる、媚毒の成分もあった。

 

(ぬるぬるが……おぼれる……)

 凛とした花貌にも、豊かな媚脂にも、皮フの薄い箇所にも。いやらしい粘液は身体の全てに塗りこめられていく。

 それは経皮であっても充分に作用した。ぴりりとした痺れが走ったすぐ後には、悦感がぞわぞわと忍びよってくる。

 

「むふっ、うぅ……うう゛!」

 吐く息はますます熱くなる。呼気に逃げ場はなく、二酸化炭素と温度が鼻と口にまとわりつきだす。

 頭がぼんやりとしだしたちはやに、妖海星は追いうちをかける。

 

 ぐに、ぐに……。

「ふおっ、お゛っ、ぐぅぅ……っ、んぉお゛ッ!」 

 密集した触手群が剥きだしの柔房をすっぽりと覆う。形よい膨らみ全体に快刺激が染みこみだす。

 乳腺はただでさえ鋭敏だ。なのにそこは淫毒により、息を吹きかけられても感じるほどになっている。

 

 ぐにぃ……!

「お゛……お゛ぉぉ……!」

 その結果は言うまでもない。軽い揉胸だというのに。捕らわれの巫女はまたも呆気なくイかされた。

 ちはやの乳房は豊かに実っている。しかし柔らかさだけでなく……。少女ゆえのハリもしっかり備えられていた。

 

 ぐっ、ぐに……! ぐぐっ!

(胸……もう、やめてぇ……!)

 巨体の押しつぶしにあっても、なお潰しきれぬ双房。その健気さと生意気さは陵辱者の興味を引いてしまった。短触手の動きがそこに集中していく。

 

 ぞりっ! ぞりりっ!

「ふぉっ!? お゛ぉう!」 

 粘液をまとってなお、ざらざらと肌を掻く。そんな荒触が乳首を擦りたてた。

 ヒトデは己の体表を変化させた。なめらかだった触手には、細かいイボがびっしりと生える。

 

 ぞりりっ! ぞりっ! ぞりっ!

「ごぉ……! おごっ! お、おぉ……ッ」

 性悦を与えられた豊房の頂点は淫血を集め、硬く尖りだした。面積と感度を増した乳首はますます刺激を受けやすくなる。ちはやは淫虐の悪循環にハマってしまった。

 

 ぞりっ、ぞりり! ぞりりっ! ぞりっ!

「むお゛っ! お゛ぉ! ほぉぉーーッ! おおお゛!」

 もしもちはやが自由の身であれば、腰椎が折れるほど高々と陰部を掲げていただろう。それほど絶頂は深く激しい。

 しかし彼女は巨大ヒトデの下敷きのままだ。無様な声をあげることしかできない。

 

「ふっ、ぶぅっ、う゛っ……! んぅぅぅう゛!」

 腹をねじり、背をよじれば、少しは気が紛れただろうに。ちはやにはそんな慰安すら許されない。妖怪の擦撫を一身に受ける彼女の精神は、確実に蝕まれていく。

 

 ◇

 

「ちはちゃん……どうしたら……」

 紫はいまだ、ちはやの傍から離れられずにいた。

 桃髪の親友は妖海星に捕らえられたままだ。その下からは苦し気な声が断続的に聞こえてくる。

 

 ちはやこんな苦難を課せられるのは自分をかばったせいだ。それなのに自分は、ちはやを助けることができない。紫は己の無力を噛みしめるしかなかった。

 

「う……」

 大きな瞳から涙が溢れそうになる。しかしぐっと堪えた。いくら泣いても解決しない。それに今、頼れる者は己だけなのだ。

 

「! ほお゛っ! お゛お゛っ! ……ぐぉッ!!」

「ち、ちはちゃんっ……!」

 くぐもった嬌声が再び響きだした。紫はヒトデの硬皮を咄嗟に揺すりたてた。しかしやはりびくともせず、妖怪の蛮行が止まる気配もない。

 

「ふおっ、お゛っ、ぐぅぅ……っ、んぉお゛ッ!」 

「ッ……!」

 艶叫は切羽詰まりだした。捕獲を免れた脚がもがくがごとく、高く強くピンと伸びた。この動作は彼女の意思ではない。課せられた淫虐への反射に過ぎない。紫はそれがわかってしまう。

 親友の酷様に胸を強く掻きむしられた。

 

 どくんっ……。

「え……?」

 しかしそこに、あってはならないものが混じりだした。紫は確かめるように、白衣の外から薄い膨らみを掴む。

 勘違いなどではなかった。どういう理由だろう。彼女の胸中には……欲情が忍びこんできていた。

 

「あ……!」

 疑問に思う間もない。気がつけば股間に右手を伸ばしていた。慌てて左手で止める。

 しかし弦を引く手の方が強かった。緋袴の隙間にするりと潜りこんでしまう。

 

(だ、だめだよ……! こんな時に、なに考えてるの?)

 紫は必死で己を戒める。しかし五指は進みつづけた。先端は陰核を探りあて、そのまま爪を軽く立てる。

 

「あぅっ!」

 すでにクリトリスは勃起していた。剥きだしの神経核を刺掻され、紫はあっさりと絶頂に達する。

 紫はへなへなと、妖怪のすぐ傍で腰を抜かしてしまった。両膝は自然に離れていた。ずり上がった緋袴から細い足首とふくらはぎが覗く。

 

「はぁっ、はぁっ……! はぁぁ……!」

 胎が融けるほど熱い。洞窟内の暑さも相まって、愛らしい花貌は朱と汗に包まれだす。

 少女は美酒を堪能した。そしてその甘露は、二度三度と味わいたくなるものなのだ。

 

「だめ、だめっ……!」

 言動と行動は完全に乖離していた。停止の声を吐きながら、紫の細い指は再び陰核を玩弄しはじめた。

 

 びくっ、びくんっ!

「ッ~~! は、あぁぁ……!」

 声も上げられず、再び天上の世界を垣間見る。

 巫女装束の下、開かれた股間から愛液が溢れだす。磯くさい洞窟に、甘い蜜の香りがわずかに香った。

 

 親友が妖怪に犯されているすぐ隣で自慰に耽ってしまう。これは紫が薄情で、色狂いだからなのだろうか。

 もちろん違う。

 

(へんなきもち……なんで……)

 ちはやを押したおした妖海星は媚毒ガスを噴きだし、抑えつけた獲物に悦苦を与えている。その気体は外部にも漏れだしていた。

 

「はぁっ、はぁッ!」

 ひと嗅ぎしただけで絶頂に達する高濃度である。傍にいるだけでも多大な影響があった。小さな退魔巫女は知らず、それに冒されていたのだ。

 

(なんでぇ……! ちはちゃんが、大変なのに……!)

 しかし紫にはそれを知る術はない。罪悪感を抱きつつも、快楽と情欲に飲みこまれていく。

 小さな胸が切なく疼く。薄い膨らみの上には、その証がはっきりと現れた。

 

「あ、あぁぁ……!」

 可憐な桜色の乳首はすっかり硬くなっている。いつの間にか左手も、白衣の内に潜りこんでいた。

 

 きゅぅぅ……。

「ひあっ! あ、あぁぁあ……!」

 二指の先で軽く捻っただけ。それだけで目もくらむような快感に襲われる。

 胎から滲みだした愛蜜は膣口にまで降りてきていた。右手に絡み、ますますなめらかに陰核を転がしてしまう。

 

「むお゛っ! お゛っおぉ! む゛ぅん……!」

 妖海星の下からは変わらず、獣じみた善がり声が聞こえてきた。それに合わせてちはやの脚も伸び縮みを繰りかえす。彼女もまた、絶頂を味わっている。

 

「はっ、はぁっ……ち、ちはちゃん……」

 親友の痴態も紫の興奮を煽りたてた。媚脂の乗った太腿と、ほっそりとしたふくらはぎ。相反する魅力を有する脚は、同性から見ても魅力的だった。

 ちはやの動きは妖物の呵責によるものだとわかっている。それでも紫は己を涜す指を止められない。

 

「う、うぅ……っ、ぐすっ……!」

 大きな瞳か滲みはじめた。紫はまだオナニーに耽っているが、彼女の涙は悦によるものではなかった。

 

「ご、ごめんなさい、ちはちゃん……! ごめんねぇ……!」

 圧辱に晒される親友に対してなにもできない。それどころか自慰に耽溺している。そんな己が呪わしかった。

 淫気に完全に呑まれていれば幸せだったろう。しかし心優しい彼女はまだ、親友を案じてしまう。

 罪悪感と多幸感に翻弄されながら、紫の指は動きつづける。

 

 ◇

 

 すぐ傍の親友はオナニーに興じている。ちはやはもちろん想像だにしない。

 いや。妖大海星に抑えこまれ続けた彼女はすでに、ものを考えることすら難しくなっていた。

 

(あつい……あたま、くらくらする……)

 洞窟内は蒸し暑い。加えてちはやは汁まみれの巨体に押しつぶされ、邪悦を与えられ続けた。内外から酷熱に晒された退魔巫女は、意識を朦朧とさせていた。

 しかし。

 

 すり……。

「んんっ!? んぶぅ……っ!」

 触手の新たな動きを察知し、目をかっと見開いた。

 

(そ、そっちは……!)

 ヒトデの触手が向かった箇所。それは不浄の穴だった。異肉に撫でられたおちょぼ口は驚き、シワをきゅっと寄せる。括約筋を締めて菊門を封鎖した。

 もちろん、そんな抵抗で妖物を諦めさせることはできない。

 

 ぬるる……!

「!」

 短い触手の群れが菊門の前に集合した。尻肉を割りひらき、露出した孔に粘液をなすりつけていく。愛撫と媚毒で緊張したアヌスを解きほぐしにかかった。

 

 ぬり、ぬりゅっ、ぬるっ、ぬるるっ……!

「ふ、お、おぉぉお……っ、ほ、おぉぉお……!」

 菊皺の一本一本にまで媚毒を染みこませる。そんな執念が窺える動きだった。

 いかに力を込めようと、ちはやは指一本も動かせなかった。そしてついに、力を込めることさえ許されなくなりつつある。

 

 つぷっ。

「ぶぅうッ! う、ぉぉおお゛!」

 緩みはじめた菊門に踏みいろうとする触手があった。ちはやは慌てて丹田を緊張させる。表面が滑らかなことが幸いし、なんとか押しだすことができた。

 

 ぶしゅぅぅぅうっ!

「むぅぅうッ!? お、おぉっ、おほぉぉおッ!」

 ヒトデは別の手で巫女を追いつめにかかる。

 ひと嗅ぎで女体を絶頂に至らしめる……高濃度の媚毒ガスが再び噴射された。ちはやは成す術もなくそれを吸いこんでしまう。

 

「ふぅっ、ふーーーっ! うぅ、うぅ……!」

 妖物の攻勢は止まない。体中がぴりぴりと痺れだした。触手の狭間から催淫液が分泌されたのだ。ちはやの全身に塗りこまれていく。

 鼻から口からも媚毒が浸入する。白肌と粘膜では毒効を取りこむ早さも強さも違った。巫女はさらに深い邪悦に陥れられる。

 

(ダメっ、ダメ……! もう……)

 快楽を流しこまれ続けた神経は狂い、完全に壊れてしまった。抵抗の意思を身体に伝えられない。

 許しを乞う言葉を発するがごとく、窄口が震えながら開いた。

 

 ずぷぷぷっ……!

 もはや阻むものはない。触手は悠々と、ちはやの菊華を踏みあらしにかかる。

 

「うぅぅぅっ! んぅぅうう……!」

 一方通行のはずの門を逆走され、ちはやは苦悶の息を吐いた。

 繊細な窄口は無理やり押しひろげられている。身を引き裂かれんばかりの痛苦に襲われた。加えて内腑には、湿った重さがのしかかってくる。

 しかし拡張と圧迫による苛みは、ほんの数瞬だけだった。

 

(おしり……きもちいい……?)

 ちはやの身体は取りかえしがつかぬほど媚毒に冒されている。尻穴で感じることも容易かった。

 

 ずる、ずる、ずず……!

「むぉぉっ……! お、おぉぉぉおんッ……!」

 挿入された触手が抜去されていく。アヌス性感の本領は復路にある。粘膜の縁をゆっくり捲りあげられると、排泄に似た快楽が全身にめくるめいた。

 

(いや……いやぁ……!)

 まさに不浄の穢悦である。乙女であるなら遠ざけたいはずだ。このまま流されそうになるが、ちはやはなんとか踏みとどまる。

 少女の内心になどもちろん構わず。妖海星の動きは段々と激しく、大きくなっていった。

 

 ずずっ、ずるる……、ずずず! ぬろろっ!

「お、おほっ、おぉぉ……! 

 直腸を我が物顔で犯されだした。裏側にある膣道も子宮も圧迫され、ちはやには二重の悦を叩きこまれる。

 挿入される触手も増えてきた。菊皺が窄まることはもうない。為すがままに尻孔を拡張されると、会陰から背骨を伝って脳髄にまで快感が走った。

 

(だめ……もう……)

 いかに力を込めても巨躯を跳ねのけられず、いかに気を張っても艶気に抗えない。

 自分はこの妖怪に屈服したのだ。途切れることのない圧悦により、ちはやはそう学習してしまった。

 

 ずぶぶぶぶっ!

「ぶぁ……おぅっ、おっ、お゛ほぉッ!!」

 ゆえにアナルレイプという異常な妖怪姦であっても、素直に受けいれる他ない。

 括約筋の緊張はすっかり緩んでいた。妖海星の粘液だけでなく、自らも腸液を滴らせる。穢悦を貪欲に味わおうと、肛門は蕩けだしていた。

 

「!!?」

 甘美な悦覚から一転。ちはやは不吉ななにかを感じとった。身体の芯から活力と温度を抜きとられるような……。

 巫女は邪悦に溺れかけている。しかし己の状況をすぐに悟ることができた。

 

(霊力が……吸われてるっ!)

 妖怪は女体を弄んだだけでは飽きたらない。退魔師の生命線である、霊力をも貪ろうとしていた。

 危機感がちはやの頭を醒めさせる。彼女は反射的に反撃を試みた。豊満な肢体がきゅぅっと強張りだす。

 しかし。

 

 ずずっ! ずるる……!

「がぁぁッ! ふ、んふぅ……、んあ゛ぁっ」

 肛悦はすでにちはやの総身に回りきっている。挿入と抜去の一セットだけで、全てが曖昧になってしまった。

 窄まりはじめた菊の花弁は、早くも柔らかく広がりだす。

 

 ずずっ、ずるるっ、ずず……ずるるる!

「ふぉっ、おっ、お゛ぉぉ……」

 触手はさらに深く体内に潜りこみ、さらに大きく尻孔を広げる。

 妖海星の菊辱と霊力の吸収は明らかにリンクしていた。アヌスから性感が引きだされるほど、対価として破邪の気が奪われていく。

 

 ぶしゅぅぅう……。

「むがっ!? が、あぁっ、あ゛……」

 エネルギーの出が悪くなれば、容赦なく邪悦を追加される。媚毒ガスが噴きだし、催淫液が塗りたくられる。ちはやの身体はますます敏感になっていく。

 

 ずぬぬっ、ずるるっ、ずにゅっ、ずるる!

(しぬ……しんじゃう……)

 豊満な肢体は完全に押しつぶされていた。妖毒と酷暑に晒され、内腑に続く路を開かされ、霊力を根こそぎ吸いとられようとしている。

 自分はこのまま犯し殺されるのではないか。本格的な危惧が少女を灼く。無意識の内にちはやは、わずかに残った最後の力で抵抗しようとした。

 

「うっ、むぅっ」

 もちろんそれは何の成果もあげられない。ちはやは短い触手の一本も押しかえすことができなかった。巨体に抑えこまれた退魔巫女は依然かわらず、快楽に支配されている。

 こんな状況ゆえか。頭の中で因果がすり変わってしまう。

 

 暑くて重くて苦しいのは、死ぬほど気持ちいい……、と。

 

「お゛っ、お゛ぉっ、お……」

 細い顎が小さく上下しだした。末期のような呼吸だった。悦楽以外の全ての感覚が急に遠くなる。

 そう思った次の瞬間。ちはやの意識は闇に呑みこまれてしまった。

 

 ◇

 

「はぁっ、あぁっ、あぁっ!」

 ちはやが肛門から霊力を抜きとられている頃。小さな巫女はまだ、淫らな手遊びに興じていた。

 白衣は乱れ肩を晒し、緋袴の前紐は解けきった。わずかに覗く肌は朱に染まり、吐く息は熱い。童顔の紫らしからぬ艶気を帯びていた。

 

「…………」

 妖海星の下からちはやの声が聞こえなくなって久しい。暴れていた両腿もだらりと伸びてしまった。それでも紫は、乳首と陰核を玩弄する指を止められなかった。

 巨体は今まで、岩のごとき不動を貫いていたが……急に動きだした。

 

 ず、ずずずず……!

「!! あっ!」

 妖海星は二本の脚を用いて、重い軟身を持ちあげる。その下にはもちろん、圧辱に晒されつづけた親友がいた。

 ちはやの姿を見た紫は、ようやく自分を覆う淫霧を晴らすことができた。

 

「む゛お゛っ……」

「ち、ちはちゃん!」

 両脚をがに股に開いたまま、ぴくぴくと痙攣を続ける。そんな有様の親友にすがりつく。妖怪に背中を晒す形だ。しかし彼奴はもう、巫女たちを眼中に入れていないようだった。

 

「…………」

 無言の妖海星はそのまま移動しだした。地面に接した二本の脚だけを交互に前へ送る。不安定な体勢だからか、尖った頭頂がひょこひょこと揺れていた。

 

「……!」

 ここに至って紫はようやく、討伐対象の正体を悟る。村人たちを不安にさせていたのは海坊主でも海難法師でもない。巨大なこのヒトデだったのだ。

 

(でも、今はちはちゃんを……!)

 後ろから矢を射かければ倒せるかもしれない。しかし妖海星は意外に素早く、なにより親友の容体が心配だった。紫は討伐ではなく救助を優先する。

 

「ち、ちはちゃん……! しっかりして!」

 凛とした青瞳も花貌もすっかり蕩けていた。白目を剥き、涙と鼻水を垂らす姿にいつもの面影はない。

 

「ほぉぉぉ……お、おぉぉぉ……」

 ちはやは返答もできなかった。Oの字に開いた唇から、嬌声の残滓を響かせている。もしかするといまだ、助かったことに気がついていないのかもしれない。

 紫の目視は及ばなかったが……。触手でしつこく穿られた菊孔は今も、開きっぱなしとなっていた。親友にこの無様まで見られなかったのは幸いと言える。

 

「これ、全部……妖怪の毒なの……?」

 紫はちはやの全身に目を送る。

 豊満な肢体は巨体に抑えこまれ続けていた。大きな胸乳もきゅぅっと細い腰も、てらてらと濡れひかっている。ヒトデの催淫液だ。

 肺に染みこむような甘い匂いが漂ってきた。紫の身に宿った淫火を煽る。小さな巫女は首を振って、なんとか邪欲を追いだした。

 

(ひどい……。はやく、帰らないと……!)

 身体の状況は言うまでもない。ちはやの霊力がほとんど残っていないことにも、紫は気がついた。事態は深刻だった。一刻も早く拠点に連れかえり、治療しなければならない。

 紫はちはやの腕を取った。自分の首にかけて、彼女を運びだそうとした。

 

「お゛お゛!? ほぉぉぉおお゛ッ!」

「ひぃッ!?」

 次の瞬間、ちはやの口からけたたましい艶叫が噴きあがった。耳元のすぐ近くでそれを浴びた紫だが、なんとか手を離さずに済んだ。

 

 巨大ヒトデからもたらされたのは剛圧だけでない。媚毒ガスと催淫液をたっぷりと摂取させられた。その結果、ちはやの感度が異常なほどに高まってしまったのだ。

 そう。手を掴まれただけで、呆気なくオルガスムスに達するほどに……。

 

「お、おぉぉ……! お゛ほぉッ……」

「ち、ちはちゃん……」

 ちはやはまだ、先ほど至った絶頂から降りてこられない。

 親友の惨状に紫は恐れおののいた。しかし置き去りになどできない。小さな巫女は腹をくくる。脱力しきったちはやの身体に肩を貸す。そして洞窟の出口に向けて歩きだした。

 

「ふぅっ、ふぅ……! 待ってて、ちはちゃん。すぐに……!」

 その道のりは大変なものだった。小柄な紫では、長身で豊満なちはやを運ぶのに苦労する。そんな話ではない。

 

「おお゛っ! おほっ……! ほぉ、ぉぉお゛っ!」

 今のちはやは、肌に触れられただけでも悦涙を流し、潮を噴きちらすようになっている。卑猥な体液はだだ漏れで、紫の巫女装束を汚していった。

 聞くに耐えない野太い嬌声が耳元のすぐ近くで迸りつづける。一生、鼓膜にこびりつくのかもしれない。そんな懸念さえ浮かんだ。

 

「はぁっ、はぁっ……、う、うぅっ……!」

 紫は泣くことを堪えられなかった。親友が変わりはててた一因は、間違いなく……。己にもあるからだ。

 

(ごめん……ごめんね、ちはちゃん……!)

 ちはやが襲われていた時、自分はなにをしていたか。その記憶と自覚が紫にはしっかり残っている。

 それは妖怪の身から漏れだした媚毒ガスのせいであったが、彼女が知ることはない。ゆえに後悔で胸を引きさかれそうだった。

 

「はぁっ、はぁっ! はっ、はぁっ!」

 自分の汗と涙、そして親友の唾液とイキ潮で全身に水を被ったようになる頃。紫はようやく、ちはやを拠点まで連れかえることができた。

 

 ◇

 

 ふたりの退魔巫女が洞窟から敗走し、三日が経った。

 

「ちはちゃん……具合はどう?」

 神社の一室を借り、ちはやは今も療養を行っている。

 

「うん……。だいぶ良くなってきたよ。ゆかりん」

 布団の上のちはやは穏やかな表情を返した。声もすっかり落ち着いていた。しかし紫にはわかってしまう。親友は間違いなく、無理をしている。

 

「よかった。少しずつ治していこうね。神主さんもそう言ってくれているから」

 だが当然、それは口にしない。ちはやと同じく微笑みだけを見せる。

 紫はもうひとつ、あることに気がついた。

 

「あ……ちはちゃん。お布団、暑くない?」

 外では今も蝉が鳴いている。しかしちはやは薄い夏掛けではなく、分厚い綿の布団を被っていた。

 紫の指摘に対し、ちはやはきくんと身を強張らせた。

 

「えっと……。この方が、なんとなく落ち着くから……」

「そうなんだ。なら、その方がいいね」

 なによりも優先されるのはちはやの復調だ。彼女がそう言うなら、そのままの方がいいだろう。

 紫はちはやの意向に全て従う気でいた。

 

「あと、私にできることはない? ちはちゃんのためなら私、なんでも……」

 それは親友に負い目があるからに他ならない。思いつめた様子の紫に、ちはやは柔らかく微笑んでみせる。

 

「ありがとう、ゆかりん。そんなに気にしなくても、私は大丈夫だから!」

 そして逆に、親友を労わりさえした。

 紫はちはやの部屋を辞した。廊下を歩く彼女はまた、深い自己嫌悪に襲われていた。

 

(なんで私は、あんな……)

 自分をかばった親友が妖海星に貪られている時。何もできなかった。それどころか彼女の喘ぎに身体を昂らせ、自慰に耽ってしまったのだ。

 圧辱の中でちはやは、助けを求めていたに違いないのに……。

 

「う……うぅ……」

 慙愧の念に堪えず、己を責める言葉ばかりが内から湧きあがる。涙滴がまた、大きな瞳を潤ませはじめた。それをぐっと飲みこむ。

 今度こそ自分が助けにならねばならない。ちはやが復調するまで見守ろうと、紫は改めて決意するのだった。

 

 ◇

 

 陽が落ちても気温はなかなか下がらなかった。神社の一室にも暑気がしつこく居座っている。

 だというのに。ちはやは重い掛け布団を頭から被っている。

 

「はっ、はっ、はっ……!」

 全裸になった少女はその中で熱い息を吐く。そして己にのしかかる布団に抱きつき、陰部を擦りつけていた。

 

「うっ……! ふぅ、ふぅっ!」

 大きく重いものに潰され、快楽を押しつけられる。妖海星から味わわされた圧辱。その不完全な再生にちはやは耽っていた。

 

(なんで……こんなのが、きもちいいのっ……!)

 暗闇の中、身体を全く動かすことができず、呼吸をするだけでも邪悦が深くなっていく。

 自分にできることが何ひとつとしてない。屈辱的だった。なのにそれをまた体験しようだなんて。

 

 びくっ! びくんっ!

「むう゛っ……! あぁぁ……」

 媚毒は白肌と粘膜を焦がすだけでなく、神経までも冒していた。剛圧による酸欠も影響したのかもしれない。

 異常な陵辱はこの上ない快感として、ちはやの脳に深く深く刻みこまれてしまった。

 

「ふぅーっ、ふぅーっ!」

 己が吐きだした呼気が、布団の中の温度と湿度をさらに上げていく。それに比例してちはやの快感も高まっていった。

 

「ふぅっ、うぅっ、うぅぅ~~っ……!」

 重い掛け布団に対してへこへこと腰を動かし、股間を撫擦する。陰核は莢から顔を出していた。敏感な紅真珠は荒っぽく研磨され、ちはやは呆気なく絶頂に達した。

 

 ぶしゅっ! ぶしゅぅっ!

「ふぅぅうっ! うぅっ……!」

 まるでお漏らししたかのように潮が噴きあがる。空気はますます蒸れ、熱を帯び、ちはやの興奮を煽っていく。

 異常自慰でオルガスムスを迎えたちはやだが……その胸中は満たされない。

 

(たりない……たりないよぉ……)

 綿の布団では当然、重さも戒めも足りない。なにより妖怪からもたらされる媚毒と吸責がないのだ。我が身に叩きこまれた邪悦にはほど遠い。

 どうすれば満たされるのか。ちはやの頭には当然、ごく単純な解決法がすでに浮かんでいる。

 

(ダメっ! それだけは……!)

 その考えをなんとか打ち消した。しかしとんがり頭の怪物は依然、自分を手招きしている。

 心を強くもたなければ、今すぐにでも……。あの洞窟に向かって駆けだしてしまいそうだった。

 

「お゛ぉっ、おっ……」

 そんな未来を回避するため、ちはやは己を慰める。その身はまだ媚毒に冒されている。望んだ絶頂は呆気ないほど簡単に手に入った。しかしやはり、満たされることはない。

 圧しつぶされ、昂らされ、吸われつくされたい。この異常な欲求を押しとどめ続けることができるだろうか。

 

「……あっ、あぁぁ……!」

 豊満な美少女はわざと嬌声をあげる。暗くて苦しい快感に、なんとかのめりこもうとした。

 しかし自慰に耽れば耽るほど、妖怪の圧辱との違いがはっきりとしていくばかりだった。

 蒸し暑い夜は更け、ちはやの身体は熱を孕みつづける。安らぎが訪れる気配はまだない。

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