自身が退魔巫女だということは覚えています。
彼女は百々目鬼の調伏に挑むのですが、
触手と多眼の色責めに圧倒されて……?
Skebにてご依頼を受け、執筆した作品です。
お楽しみいただければ幸いです!
涼香、妖女の肛悦に堕とされる
中天に満月がかかる夜のこと。廃寺の境内で少女がひとり、汗を流していた。
彼女の名は武居涼香。退魔巫女である。
「はぁっ!」
振るった薙刀は月光を跳ねかえし、冴えた軌跡を宙空に残す。
露出がほとんどない巫女装束だが、涼香の肢体の見事さはよくわかった。巨乳は白衣を突きあげ、踏みこむ度に緋袴に豊尻のシルエットを浮かせる。
青い輝きを帯びる瞳は実に凛々しい。ポニーテールは高い位置でまとめられ、まるで武士のようである。彼女がまとう雰囲気によく似合っていた。
しかし修練に励みながらも。涼香の心は別のところにあった。
(やはり、全く思いだせない……)
涼香には記憶がない。行き倒れていたところを熱杜神社の神主に助けられ、今も客人として滞在している。
神主家族からも、ゆっくり思いだしていけばいいと言われていた。しかし涼香は時に、己の記憶を強く求めてしまう。
「はぁっ!」
そんな時は薙刀を振るう。身体に染みついた動きを繰りかえすことで、なにかを掴めるような気がしていた。
(私には、なにかやるべきことがあったはず)
自分は退魔巫女。悪鬼羅刹を討つ者だ。それはわかる。しかしそれ以外にも重要なことがあったような気がしてならない。
そしてそれは、己が大切にしていた者たちに関係していたような……。
しかし記憶をいかに探ろうとも、像を結ぶことはついぞなかった。瞼裏のぼんやりとした影をもどかしく見つめる。
「もし……」
突然、しっとりとした声が背後からかけられた。涼香は振りむく。
本殿を背にし、着物姿の女が立っていた。黒髪は艶やかに伸ばされ、瞳は切れ長で唇は紅い。美女と呼んで差し支えはない。
しかし人によっては、その不自然なまでの麗しさに危険なものを覚えるだろう。
黙ったままの涼香に向かって、再び言葉が紡がれた。
「道に迷ってしまったのです。どうかお助けを……」
「芝居はいらん」
涼香はぴしゃりと言いはなった。
見た目は確かに人間だ。しかし彼奴から漂うにおいは紛れもなく人外だった。
企みが見抜かれたというのに。妖女に焦りはない。それどころかその朱唇に笑みを浮かべてみせた。
「ふふふ……つれない御方……」
左右の手が着物の襟を緩めていく。豊かな胸が形作る谷間が露わとなった。
男ならそこに目を吸いよせられるだろうが……。間もなく後悔するに違いない。好色な視線を見返すように、胸元から瞳がぎょろりと覗く。
それだけではない。腕にも無数の眼球が浮きあがりだした。彼女は妖怪……百々目鬼としての本性を露わにする。
これからおまえを犯してやる。妖女の視線も気配も、涼香にそう告げていた。
ならば退魔巫女が行うことはひとつだけだ。
「参るッ!」
裂帛の気合とともに踏みこみ、涼香は薙刀を振りおろした。百々目鬼は後ろへ跳躍し、大きく距離を取る。
退魔巫女は刺突で追撃をかける。長い髪をなびかせて、妖女は横方向へ躱す。
「チッ……」
刃を空を切るばかりだった。しかし涼香の連携は、並の相手であれば退散を選ぶほどの冴えを見せる。
しかし妖女は逃げることもなく、かといって攻めるわけでもない。
(こいつ……なにを考えている……?)
涼香が打ちこみ、百々目鬼は躱す。この後も同じ展開が続いた。
回避に手一杯という雰囲気ではない。今も妖女の頬には微笑が浮かんでいる。そして紅の瞳を、己に向けつづけていた。
「ふふふ。だいたいわかったわ」
「!?」
触手が一本、横薙ぎに振るわれた。百々目鬼が繰りだす初めての攻撃である。しかし速さも鋭さもない。涼香は姿勢を低くした。なんなく潜りぬける。反撃を叩きこむ絶好の機会だった。
がくんっ!
「なっ!?」
涼香の姿勢ががくりと崩れた。
身体を沈みこませるため、軸足にはより深く体重を掛けていた。そこを刈りとられてしまった。
「あなた、踏みこみが鋭いのはけっこうだけど……。ふふふ。ちょっと足元がお留守になりがちかしら?」
百々目鬼はその名のとおり、多数の目を持つ妖物である。涼香の太刀筋も足さばきも分析されていた。退魔巫女は観察の機会を与えすぎたのだ。
「あっ!」
今度は目にも留まらぬ速さで触手が繰りだされた。少女の身体に絡みつきだす。やがて完全に拘束されてしまった。
頬は地面に擦りつけ、尻は高く掲げられ……。そんな羞恥を煽る格好で、だ。
「くそっ! 離せぇっ!」
涼香の放つ怒号などどこ吹く風だ。百々目鬼は緋袴を引っ張り、白衣をまくりあげる。退魔巫女の臀部が露わになった。
「うふふ。大きいお尻ねぇ。色も真っ白で、とっても美味しそう」
「っ、下衆がッ……!」
自分の身体をからかい混じりで品評される。真面目な涼香にとっては耐えがたい屈辱だった。
しかし百々目鬼の触手は己の手足にしっかりと巻きつき、動きを封じている。妖物の成すがままだ。そして彼奴が繰りだすのは、視線と言葉だけに留まらなかった。
「ひゃっ!」
妖女の手が尻肌に当てられた。思わずかわいらしい声を跳ねあげてしまう。涼香は慌てて唇を引きむすんだ。
なよかな五指はそのまま、白桃の上を這いまわりだす。
「ふ、ぅぅ……、うっ……!」
百々目鬼は盗人のなれ果てだからだろうか。妖女が動かす手指は巧みだった。
肌に触れるか触れないかのフェザータッチが、じりじりと感度を育てていく。時おり指を立て、尻肉をぎゅっとわしづかみにしてくる。
「あッ!」
不意打ちの快楽は内側によく響いた。臀部の媚脂がぷるぷる震えだす。
ただでさえ、尻を突きだすような体位で組みふせられているのだ。にもかかわらず感じさせられるなんて……。誇り高い涼香だからこそ恥辱に灼かれ、花貌が熱く火照る。
少女の心になど構わず、妖女は円を描くようにして撫で、揉み、くすぐってくる。
「は、はぁ、はぁ……っ」
軌道は徐々に収束していく。孔縁に触れる回数が多くなってきた。背がびくりと跳ねてしまう。
頬を地面に擦りつけられたままでは、満足に振り向くこともできない。それでも涼香は青瞳に抗議を込める。
「くっ……そこはぁ……!」
百々目鬼が弄ぼうとする箇所。それは退魔巫女の菊花だった。露で濡れはじめた膣庭は捨て置き、多数の目はそこに視線を注ぐ。
「あたしはこっちが専門なの。あなたの具合はどうかしら?」
「ひぁッ?!」
言いながら、妖女は窄口に指先を当てた。敏感な粘膜孔は咄嗟にきゅぅっと縮こまる。しかしそれは長く続かない。力が緩んだ隙を見計らい、しなやかな指先が潜りこんできた。
ずぶぶ……っ。
「あ……っ、あ! あぁぁっ!」
百々目鬼の指は細い。しかし涼香を貫く圧迫感と違和感は格別だった。異物を押しだそうと腸内が蠢きだす。その動きがまた、少女に痛苦を与えだす。
「くそぉっ……! 早く、抜けっ……!」
「あら。これは……」
流れる脂汗が前髪を額に貼りつける。涼香は必死に言葉を搾りだすも、当然無視された。
妖女はひとつ呟くと、それからゆっくりと指を動かしだす。
ずずずっ。ずぶっ、ずず……。
「ひゃぁあっ! あ、あぁっ……! あッ!」
引きぬかれたと思ったらまた挿れられ、再び引きぬかれる。繰りかえしは単調だった。愛撫というより検査といった指動だ。しかし涼香は大きく反応してしまう。
地面に接した頬だけでなく、デコルテにまで朱が滲みだす。凛々しい青瞳にも潤みが溢れだしていた。
「なるほど……。あなた、お尻の穴が弱いのね?」
「なッ……!」
思わぬ言葉を投げかけられた。ほとんど反射的に声を荒げてしまう。
「ふざけたことを抜かすな! この……下衆が!」
「何故か、気の強いコに限ってそうなのよねぇ。ふふ、普段から抑圧してるからかしら」
「き、貴様ァ……!」
怒号を流されたばかりか、手前勝手な分析さえされる。真面目な退魔巫女は狂わんばかりの怒炎に焼かれた。
触手の拘束などもはや関係ない。無理やりにでも突破しようとした。
ずぶっ!
「きゃうんっ!」
しかし込めようとした力は霧散してしまう。肛悦によって、だ。
今度は人さし指と中指を突きこまれた。さらに大きく菊門をこじ開けられた結果、身体は先ほど以上の辛苦と……快楽に支配される。
「はぁっ、くぅっ……! ぬ、ぬいてぇ……!」
高く掲げた尻をふりふりと振るう。そんな動きではもちろん、指をどかすことなどできない。
先ほどまでの威勢はどこへやら。涼香の声は懇願めいた語調となってしまった。
「ふふふ。いいわよ」
驚いたことに妖女は、退魔巫女の言葉を聞きとどけた。
ぐぐっ……!
「あっ!? いッ……、いたいぃ……!」
ず、ずずず……!
「はぁっ、あっ! あ、あぐぅぅっ……!」
ただし素直に叶えられたわけではなかった。百々目鬼は直腸内で、二指を第一関節から曲げた。爪先が柔壁に突きたつ。
そしてことさらゆっくりとした動きで、外に向かって引いていった。
「おなか、くるしっ……! や、やぁ……っ」
鉤状になった指先は、腸内の一点を強く強く押してきた。それが少しずつ出口へ移動していく。
返しのついた針を引きだされるのと変わらない。集中された圧迫は涼香から呻き声と脂汗を引きだした。
じゅぽンッ!
「あぐッ! あ、あぁぁぁ……!」
巫女の花貌が真っ赤に染めあげられる頃。派手な水音を伴い、百々目鬼の二指は涼香の体内からようやく退いた。
しかしその代償は大きい。無理やり拡張された不浄の穴は閉じることなく、ひくひくと蠢きつづけている。目視せずとも理解できてしまった。
「はい。抜いてあげたわよ」
「き、きさま……っ」
これも見なくてもわかる。妖女は薄笑いをもって、自分を見下ろしている。
屈辱感に焦がされるが、逆転の糸口はまだ掴めなかった。今は伏して耐えるしかない。次はどんな悪辣な責めをなされるのか。涼香は身を硬くする。
「……?」
しかし退魔巫女の予想に反し、妖女は動きを止めた。組みふせた獲物をじっと見つめるばかりのようだ。
(くそっ……舐めたことを、後悔させてやるっ……!)
百々目鬼は明らかに余裕を見せだした。反撃の機会を逃さぬため、涼香も静かに様子を窺う。
「…………」
百々目鬼はまだ動かない。しかし絡みつくような妖気となおも巻きつく触手から、この場にいることは確かだ。
妖女の沈黙に不気味なものを覚えるが、涼香もまた動けない。
(な、なんだ……?)
巫女はようやく気がついた。
触手に拘束されているから。そんな理由だけではない。物理的ではない力により、己は地面に縫いつけられ続けている。
「はぁっ、はぁっ」
涼香はさらに、違和感を抱きだした。百々目鬼はただ見ているだけ。にもかかわらず消耗が激しすぎる。
息はすっかりあがりだし、汗の滴が胸の谷間に降りていく。そして変化はそれに留まらない。
「うっ……! うぅ……」
不浄の穴がひくひくと蠢く。窄まって開き、また窄まり……。度重なる緊張と弛緩が、菊皺の一本一本にまで意識を向けさせる。
確かに涼香は今、じらされている。しかしそれだけでここまでの邪悦を引きだせるのだろうか。
「ふふふ……」
妖女は悟られぬように小さく笑った。
退魔巫女がここまでの淫火に焼かれる理由。それは妖気を含んだ視線にあった。
百々目鬼はその名のとおり、多数の眼球を持つ。それは本来、罪を犯した己を見咎めるためのものだ。しかしすでに妖物となり果てた彼奴はもう、良心を痛めることなどない。
「はぁっ、はぁっ……! なんでぇ……っ」
その能力は現在、獲物を嬲ることのみに発揮されている。
腕に生えたものも、触手を覆うものも……。目玉たちは全て、涼香の菊花に向いていた。少女の排泄孔は、多人数から視姦を受けているに等しい。焦がされ、身悶えて当然だった。
しかし百々目鬼が種明かしをすることはない。それどころかますます、少女の恥辱を煽りに来る。
「あ……は、はぁ……っ」
「ふふふ。そんなにお尻を振って……。そこまでして、見てもらいたいの?」
その指摘で初めて、涼香は己の恥動に気がついた。
むっちりした肉付きや、物欲しげにひくつくアヌス。それらの存在をアピールするかのごとく、臀部を左右に揺らしていた。
「そ、そんなこと、あるはずない……!」
涼香は勇猛果敢な退魔巫女である。しかしこの反論は弱々しかった。
恥ずかしいけれど、もっと見てほしい。そんな浅ましい欲求に、心当たりが全くないわけではなかったのだ。
幾重もの視線は、彼女の新たな一面をも暴こうとしていた。
「ふふふ。まぁ、すぐにわかるわ」
視線で焦がされ、菊花は快楽の期待にひくついている。そこに妖悦の雫が垂らされた。
ずぬぬぬ……っ!
「お゛おッ!?」
敏感な排泄孔を突きぬける悦楽に、少女の喉が開かれた。
指よりも遥かに長く、太く……それでいて濡れたもの。そんなものが涼香の窄孔に突きこまれた。
ずにゅっ、じゅぬぬぬっ……!
「おぅ……! おおお゛……っ」
往路があれば当然、復路もある。湿り気をまとう長肉は穴縁を柔く擦りたてた。
退魔巫女はすでにその正体を掴んだ。妖女が繰りだしたものは舌に間違いない。
百々目鬼は見た目こそ人間に近いが、れっきとした妖物だ。朱唇の中に仕舞いこまれた赤肉が異常に長くても、不思議はなかった。
「ふふふ。かわいい声ね」
「ッ……!」
長舌の次は、口唇と言葉で涼香を嬲りだす。
くすくすと嗤う声が背後から聞こえた。艶唇を曲げる様子が脳裏に浮かぶ。
先ほどの太い嬌声を、かわいいなどと評する。痛烈な皮肉である。憤怒と羞恥で涼香の顔は爆発せんばかりだ。
「ふ、不浄の穴を舐めるとは……!」
「あら。あなたに汚いところなんてないわ。……ふふふ。なーんてね」
からかいを受けた退魔巫女は。再び反骨心を取りもどす。もう二度と肛悦などに流されてたまるか。そう歯を食いしばった。
涼香の決意はもちろん知っているだろう。ゆえに百々目鬼は尻孔への舐責を再開する。
ずぬぬぬ……。
「ふぅっ、うぅっ! うぅぅ……!」
噛みしめられた奥歯が軋みをあげる。涼香の首筋も胸元も真っ赤に染まりだした。
退魔巫女は邪悦を堪えようと、全身に力を込める。括約筋も緊縮された。己のナカを侵す異肉を捕らえんばかりだ。
しかしそんな強締も、妖女はものともしない。
ぺちゃっ、ぺちょ。ぺちゃ。
「く、くく……っ! はぁっ、はぁっ」
舌の動きが変化した。抜き挿しをやめて、先端を菊縁に置く。そして器用に、ぐるりぐるりと回転させだした。
ぺちゃっ、ぺちゃっ、べろろ……。
「ふ、ぅぅぅうっ! はっ、はっ! あぅうっ!」
意固地になった内肉を蕩かすようだ。唾液をたっぷりと載せて、百々目鬼は涼香の穴縁を舐めまわす。
敏感な部位は悦楽を感じずにいられない。少女の身は徐々に開いてきた。元より人体は、ずっと力みつづけられるようには出来ていない。
シワをきゅっと寄せて窄まっていた肛門。そこの締まりが緩みだした。
ずるるるるるるッ!
「ほお゛ッ!? お゛ほっ、ほぉっ、ぉぉぉぉおッ……!」
その隙は見逃されなかった。妖女の長い舌が再び、直腸を侵しだす。涼香の嬌声はひときわ太く大きく、夜の廃寺に響いた。
触手のような赤肉を体内から引かれるまで、少女は無様に喘がされることとなる。
「残念……。また、恥ずかしい声が出ちゃったわねぇ」
「はぁっ、はぁっ」
百々目鬼はまたもくすくす嗤う。しかし今の涼香は反駁することもできない。それどころか息を整える暇も与えられず、再び長舌が挿しこまれる。
ず、ずぬ……、ぬぬぬ……。
(ダメだ……流されては……!)
菊孔は濡らされながら、ゆっくりと押しひろげられていく。肛悦はじわじわと強くなる。涼香は必死に耐えようとした。
だが……。敏感な穴縁を舐めこすられるばかりではない。腸壁を通じて、百々目鬼の赤肉は膣腔と子宮をも圧迫してくる。
やがて均衡は破られた。
ずにゅるるるゥ……!
「お、おぉ、おっほッ……!」
肛門をめくりあげるようにして、長舌を抜かれた。桃唇がまた開いてしまう。同時に、下品な喘ぎ声も再び搾りだされる。
しかし己の醜態を恥じいる余裕など、涼香にはすでになかった。
「ふふっ。もう我慢しなくていいわよ。もっと鳴いてちょうだい」
「ほぉっ!? お、お゛……!」
ずにゅっ! ずずずずっ! ずにゅんっ!
これまでは手加減してやっていた。そう言わんばかりの舌動である。
しかしもはや痛苦どころか摩擦すら感じない。腹に占領した重さと熱さが、じくじくとした邪悦を与えてくる。
「おお゛ッ! おっ……! おほぉ……ッ!」
百々目鬼は妖長肉を振るい、その度に涼香は低い艶歌を響かせた。
退魔巫女の喉が枯れる頃。妖女はようやく舌責を終えた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
菊皺すべてに百々目鬼の唾液が塗りこめられた。弛緩した肛門はすっかり開ききっている。ぽっかりと口を開けた排泄孔を天に向け、涼香はふるふると震えるしかない。
「ふふふ……。そろそろいいかしら」
「あっ……!?」
百々目鬼の言葉とともに触手が動く。退魔巫女は姿勢を変えられた。天地がぐるりと入れ替わり、淫血が昇った頭がぐわんと揺れる。
「はぁっ、はぁっ……!」
今度は仰向けに寝かされた。触手はまだ絡みついている。両脚は大きく開かされ、足裏が耳の位置に来るほど引っ張られた。
「く、くそぉ……っ!」
先ほどよりもさらに、恥辱を煽りたてる体位である。妖女の唾液でてらてらと濡れひかる肛門も、自ら蜜を吐きだしはじめた淫唇も。乙女の秘部を全て暴かれてしまった。
しかし妖女はまだまだ、涼香の身体を鑑賞しようとする。
「そういえばこっちは構っていなかったわね」
「や、やめろ!」
百々目鬼はしなやかな指で、少女の白衣をはだけさせた。形の良い巨乳が露わになる。
菊華をたっぷりと愛でられたのだ。その興奮は上半身にも移っている。淫血が巡った柔房はふっくらとし、常よりも感度とサイズを上げていた。
ふにゅっ、ふにっ、もにゅ……。
「はぁっ、あぁ……あ!」
胸乳を触る妖手に荒々しさはなかった。優しく指を沈みこませ、腋との境をなめらかに滑らせる。
同性ゆえにツボを心得ているのか。巨乳が弾み、たわみ、形を変える度に悦感が染みこんでくる。
きゅうッ!
「あッ!」
繊細な手技から一転。乳首を強く抓みあげられた。当然、痛みを感じるが……。充分に育てられた胸感度は、それよりさらに大きな快楽を得てしまう。
指先の玩弄だけで、涼香は軽く達した。百々目鬼の瞳がそのシーンを見逃すはずもない。
「くすくす……。大きいおっぱいなのに、反応もいいのねぇ」
「く、ぅぅぅ……!」
反論したいが、涼香は唇を引きむすぶしかなかった。今も百々目鬼の手は円肉の輪郭をなぞっているが……それだけで背がびくり、びくりと跳ねているからだ。
ぴんっ!
「あぅぅんッ!」
そそり立った乳首を爪先で弾かれた。少女の健気な努力は水泡に帰す。鋭い性感を刺しこまれ、無様な声をまたあげてしまった。
しかし涼香が最も恐れていることは、妖女に艶叫を聞かせることではなかった。
(くそぉ……この、目が……)
今も一対の紅瞳が自分を見下ろしている。百々目鬼は多数の眼球を備える妖怪だ。その中でも本体が放つ邪視は、他のものと比較にならぬ妖気が宿っていた。
心が弱きに傾けば、すぐに取りこまれてしまうだろう。退魔巫女は丹田に力を込める。そして青瞳だけは尖らせ、必死に睨めあげた。
「そんな怖い顔をしないで。……これからもっと、気持ちよくしてあげるから」
「なぁっ!? ま……まさか……っ」
窄口の縁をぐるりと撫でられた。百々目鬼の両手はまだ、涼香の胸乳を揉撫している。ならば今、肛門に押しつけられているものは……。少女の顔がさぁっと青ざめた。
妖女は答えない。ただその凄艶な美貌に酷薄な笑みを浮かべるのみだ。そして己の触手を涼香の体内に向かわせた。
ずずっ……!
「あ!? あ、おぉぉ……っ!」
肉蛇の先端はいとも容易く肛門を突破した。放射状のシワが全て伸ばされ、じんじんと悦痺が走りだす。
触手の太さに少女は恐れを抱いていた。しかし入念な準備が施されていたのだ。菊華は柔らかく開き、快楽だけを受けとることができた。
(私の身体……どうなって……)
その出来事こそが、少女にさらなる恐れを抱かせる。弄ばれた時間は決して長くない。にもかかわらずアヌスの性感は完全に花ひらいていた。そんな現実が涼香の背に冷たいものを滑りおとさせる。
ごりっ!
「ぎッ!? が、ああ゛?!」
順調だった挿入が滞った。肛悦に蕩かされていた窄口が異物感を訴える。鋭敏な窄口の悲鳴を受けて、涼香の濁声が境内に迸った。
百々目鬼の触手。その表面はつるりとしたものではない。彼奴の目玉はそこにこそ多く配置されている。
ごりっ! ごりりっ! ごりっ!
「う、うぅぅ……っ! あ゛! あぁっ!」
それらは穴縁を巻きこみながら激しく擦りたててくる。粘膜がぎしぎしと軋みだした。身体を裂かれそうな感覚さえする。
しかし痛みと熱さはすぐに去った。そして今、涼香の神経をさざめかせるものは……快楽のみだった。
「ああ゛っ! がぁっ……! や、やめろ……!」
「どうして? こんなに善がっているのに」
妖女の指先が再び、乳首をきゅぅと抓んだ。薄桃色は菊花から遠く離れた場所に咲いている。しかしそこにもしっかりと性感が表れていた。
肥厚した胸尖はこりこりとした弾力を返す。それを愉しむように、百々目鬼は何度も指を擦りあわせた。
「くぅぅ……っ! この、下衆がぁ……ああ゛ッ!」
涼香の艶叫と罵声に構うことなどなく、触手の侵攻は続いた。
少女の腹腔全てに異肉を行きわたらせてやる。触手はもの言わぬが、そんな意志がはっきりと伝わってきた。
ごりぃっ!
「ひぐぅう! も、もうやめてぇ……っ、あぁっ!」
幾度目かの酷擦で、ついに涼香の言葉が弱々しくなった。気丈だった語勢も鳴りを潜める。退魔巫女らしからぬ声だ。
肛悦に追いつめられた涼香は、ひとりの少女に戻ったようだった。
「そうねぇ。この辺でやめておきましょうか」
百々目鬼は頷いた。そして宣言どおり、目玉触手の前進を止める。さらに優しい手つきをもって、涼香の汗を拭ってやりさえしだした。
「はぁっ、はっ……、ぐ、ぅぅう……っ!」
しかし少女の苦難はまだ続いていた。菊門を拡張され、直腸を占拠され……。下腹がぽっこりと膨らむほど、肉蛇に侵されている。
「ふふふ……」
巫女の懊悩はなおも深い。だから妖女は侵攻を止めたのだろうか。もちろん違う。
彼奴にはまだまだ淫虐のレパートリーがあるのだ。退魔巫女には新たな責めが課されようとしていた。
「ふふふ……見えているわよ。あなたのナカ」
「……!」
百々目鬼は仰向けの涼香にしなだれかかると、耳朶に囁きを打ちこんだ。
妖女の言葉は嘘ではない。それがはっきりとわかってしまう。なぜなら、腸粘膜は淫熱で身悶えている……。焦がすような視線に晒されているからに、他ならなかった。
「皺が浅くて対称的で……。外側も綺麗だったけど、内側も綺麗ねぇ」
肛門陰窩にはちょうと、目玉がひとつ嵌まりこんでいる。それが穴縁の光景を見ていた。
括約筋を広げられる辛苦と、そこを観察される恥辱。それらが脂汗となって涼香の額を流れていく。
ぐいっ!
「あぐぅッ!」
直腸に埋められた触手がぐるりと回転した。鋭敏な菊孔を擦りたてられ、肛悦が背筋を駆けぬける。
その動きは涼香に淫虐を加えただけではない。視点も大きく変えていた。
「あら? ちょっと粘膜が荒れ気味ねぇ……。お菓子を食べすぎたりしてるのかしら?」
「う……うるさいっ! このぉ……っ」
スイーツが好きという一面を見事に言いあてられた。涼香はついムキになってしまう。
しかしそんな心の隙こそ、妖物が付けいるものなのだ。百々目鬼はくすくす笑う。そして眉を吊りあげる少女を悠然と見つめる。
ぐぐっ、ぐい……、ぐぐぅ!
「心配しなくても健康的な範囲よ。鮮やかなピンク色で……こっちの経験が浅いのも、ちゃ~んとわかっているわ」
「はぁっ、ああ゛っ! く、ぅぅう……っ!」
触手の動きと艶唇の囁きで、百々目鬼は涼香に色責めを課していく。
腹腔の重さも肛門の広がりも、もはや苦痛に感じなくなっていた。それどころではない。ずしりと満たされ、菊皺が伸ばされきる……。そのふたつは紛れもなく、悦楽に通じていた。
「ふふふ、お尻が喜んじゃってるわね」
「い、いいかげんなことを……! あぁっ!」
反論しようとしても、すぐさま唇を塞がれてしまう。己のナカに埋められた触手を、ちょっと身じろぎさせられただけ。今の涼香を黙らせるにはそれで充分だった。
加えて退魔巫女には、妖女の言葉に心当たりもあった。
(あ、アソコが……あついぃ……)
菊穴をいじめられ続けただけなのに。涼香の身体は完全に開いている。
淫血を巡らせ膨らんだ小陰唇は、ふっくらとした恥丘を割った。薄桃色の胎内を微かに晒しだす。
「あら……?」
触手の多眼をもってすれば、とうにわかっていたはずだ。しかし百々目鬼はいまさら気づいたような声を出した。
身動きがとれぬ涼香に己の紅瞳を向ける。艶唇を三日月の形に変えて、さらに言葉を紡ぎだした。
「こんなに濡らして……。やっぱりい、蜜をたっぷりかけるのが好みなのねぇ」
「く、くぅッ」
すぐ隣に陣取る妖女はなおも、耳孔に声を忍びこませてくる。
彼奴の言うとおりだった。胎から漏れた濃い愛液は膣口まで流れている。月光を受け、少女の秘所をてらてらと濡れひからせていた。
(くそ……この、声も……)
吐息はくすぐるようで神経をさざめかせる。腹に宿った悦火を煽り、さらに昂らせてくる。そんなイメージが涼香の脳裏に閃く。
「あなた、今の自分がわかる? 胸もアソコも丸出しにして、妖怪にお尻の孔を犯されて、悦んで……。そんなのをなんて言うか、わかる?」
「はぁっ、あぁぁ……!」
指先がつぅーっと、首筋を撫であげる。びくりと身震いした。
淫血で真っ赤に染めぬかれたそこも敏感になっていた。肌奥に仕舞いこまれた神経は快楽を余さず拾いあげる。指先どころか髪先にまで、邪悦が届けられるようだ。
「淫乱巫女」
「~~ッ!」
冷たい声でなじられた瞬間、涼香の身体に悦電が走った。驚くべきことに……。それが絶頂へ至る最後のひと押しとなってしまった。
「はぁっ、はぁ……!」
言葉責めの余韻はしつこかった。美少女の肢体はひとりでにひくつき続ける。呼吸も満足にできない。
しかし涼香は気づいていしまう。秘部を晒し、愛蜜に濡れ、肛悦で喘ぐ。まさに淫乱としか言えぬ様を、妖女の紅瞳がじっと見ている。
「ちがう……! わ、私は、淫乱なんかじゃ……」
弁明をせずにはいられなかった。
悪鬼羅刹を討つ退魔巫女。それが自分に唯一残った、確かな認識だった。それさえも揺るがされてしまったら……。
少女の健気な抵抗を、百々目鬼は全ての目で見ていた。そしてにんまりと口角を吊りあげる。
ぱちんっ!
「あぅッ?!」
腹中に衝撃が響いた。腸内を振動させ、菊孔をも微震させられる。新たな肛悦だった。涼香は早くも、天上の世界を垣間見ることとなる。
「な、なにをしたっ……!?」
「うふふ」
退魔巫女の問いに対し、妖物はもちろん応えない。艶唇を緩くカーブさせたまま、縛りあげられた獲物を鑑賞する。
百々目鬼の回答がなくても涼香は気づいてしまった。己の霊力が減じている。これは間違いなく、先ほどの破裂が関係していた。
「……!」
「わかったみたいね。あなたの体内で弾けた目玉は妖気を放って……霊力を食べちゃうのよ」
こんなふうに、と妖女は続ける。破裂音とともに、涼香の身体に再び悦振が走った。
ぱちんっ!
「あ……っ、あぁぁっ!」
またひとつ、目玉が爆ぜる。快楽と侵蝕。ふたつの感覚が少女の内に響いた。甘い痺れに酔いながらも、涼香は慄く。
腸内にいくつの目玉が居座っているのか。それはもはやわからない。その全てから妖気を放たれてしまったら……。
百々目鬼は女型の妖怪である。彼奴は繁殖に精液や卵塊を用いない。己の妖力を使って同属を増やしていくのだ。
「やっ……、や、やめて……ッ!」
勇猛な退魔巫女はがたがたと震えだす。言葉も語勢も完全に揺れていた。
少女の怯えは当然、妖女に伝わっていることだろう。鮮血のごとく紅い唇を、さらにきゅぅっと吊りあげた。
ぱんっ! ぱちんっ! ぱんっ!
「い、いや! やめてぇッ!」
腸内の目玉が次々と爆ぜだした。その度に無二の邪悦が走り、代わりに霊力が失われていく。
涼香はついに涙を流す。しかしいかに懇願を受けても百々目鬼は……いや。妖怪が陵辱に手心を加えることなど決してない。
ぱちんっ! ぱちっ! ばちん!
「あぁっ! あぁっ! あんんッ!」
己を貪られていく。虚脱を伴う実感も快楽に通じていた。涼香にとって、それがなにより恐ろしい。
邪悦の奔流は太く、抗いがたい。しかしこれを受けいれてしまえば……退魔巫女は妖女に堕ちてしまう。
「い、いやぁ……! 妖怪になんて、なりたくない……!」
「ふふふ……」
涼香の霊力はもはや風前の灯火だった。少女はついに、はっきりと涙声を発する。
しかしそこには同時に悦楽も滲んでいた。朱に染まった花貌と随滴で濡れる青瞳を見れば、百々目鬼でなくてもわかっただろう。
人の気配も絶えた夜の境内では、妖だけが嫣然と微笑んでいた。
◇
「涼香ちゃん、今から出かけるの?」
後ろから呼びかけられた涼香は、背をびくりと跳ねさせる。外出しようとしたところ、神主の息子である美治に話しかけられた。
少女はややぎこちない動作で振りむく。
「は、はい。ちょっと、見回りに……」
「こんな時間に? 最近、多いわねぇ」
すでに日は落ちかけている。誰も彼も見分けがつかなくなり、魑魅魍魎が跋扈しはじめる……逢魔が刻だ。退魔巫女とはいえ、ひとりで活動するのは危険といえた。
「少し気にかかることがあって……心配をおかけする」
「そうなの? でも、無理だけはしないで。美味しいもの作って待ってるからね!」
美治はウィンクすると、応援とともに送りだしてくれた。熱杜神社の家族は温かな者ばかりだ。
それなのに自分は虚言を述べてしまった。水面に墨汁を垂らしたがごとく、退魔巫女の胸に黒いものが広がっていく。
(いや……今日で終わりにすればいいだけだ。今日こそは……!)
涼香は首を振って気持ちを切りかえる。そして薙刀を持つ手に力を込めた。
◇
その廃寺は村はずれにひっそりと建っている。涼香が境内に踏みいれるとにわかに、妖気が濃く強く立ちのぼりだす。
「……ッ!」
退魔巫女は桃唇をきゅっと引きむすぶ。
百々目鬼は涼香を同胞に堕とすことなく解放した。それは一度に留まらない。二度目、三度目の挑戦でも組みふせられ、腹に目玉を詰めこまれたが……。少女はいまだ、人間のままだ。
(弄ばれている……だが!)
涼香にとっては屈辱の連続だった。しかしこれは、討伐のチャンスがまだ存在していることに他ならない。
だから、退魔巫女として……ここを訪れることは当然なのだ。涼香は自分にそう言いきかせる。
「ふふふ。今夜も来てくれたのね。かわいい涼香……」
闇の中からすぅっと、妖女が姿を現した。百々目鬼はもう正体を隠すことはしない。触手も目玉も出したまま、涼香を迎えいれる。
呼びかけられた少女は、自分から名を明かした時のことを思いだしてしまった。花貌に早くも朱が咲く。
「黙れっ! 今日こそ祓ってやる!」
後悔を吹きとばすように涼香は吼えた。退魔巫女らしい気迫を漲らせている。しかし妖女はなんの警戒もなく歩みよってくる。
「こ、このっ……! 斬るぞッ……」
薙刀など眼中にないかのごとく。百々目鬼は悠々と間合いに踏みこむ。しかし涼香は動くことができなかった。
触手に浮かぶ目玉の全てが、自分を見ている。その視線は物理的な力を持っているようだった。腕に脚に絡みつき、少女を縛りあげる。
それだけでない。蜜で潤む内肉や浅ましい心の裡さえも、見透かされているような……。
「あっ……」
気がつけば妖女は、鼻先がくっつくほどの距離にいた。たおやかな手に肩を軽く押される。それだけで涼香は武器を取りおとし、腰から崩れおちた。
尻もちをついた豊かな肢体を、百々目鬼が無数の目で見下ろす。
「ふふふ。今夜もあたしの勝ちね。だから、たくさん犯してあげる……」
「はぁっ、あぁぁっ……!」
きっちりと着こなしていたはずなのに。白衣は乱れ、谷間とデコルテが覗く。少女の肌には早くも赤みが差しつつあった。
「それじゃ、袴を脱いで脚を開いて。涼香の恥ずかしい孔を見せなさい」
「…………」
「しょうがないじゃない。あなたは負けたんだから。だからあたしに従うのは当たり前で……なにもおかしなことじゃないのよ」
「あ、あぁぁっ……」
妖女の言葉は欺瞞でしかない。しかし涼香はそれに縋ってしまう。負けたのだから仕方ない。心の中でそう繰りかえし、自ら巫女装束を解いていく。
緋袴を放りだした。白い脚が露わになる。膝裏に手を回すと、そのまま後ろにひっくり返るようにして大きく開脚した。
「その格好が好きなのねぇ……。ふふふ、あたしもよ。よくできました」
地面を背負い、腰を掲げあげ、牝孔と肛門を天に向ける。恥辱を煽りたてる体勢を己から選んでしまった。
涼香は恥じいり、目も唇もきつく閉じる。しかし百々目鬼が操る触手に触れられると、どちらもぱっと開きだす。
ずぶっ! ごりりっ!
「あぁッ! あ、あぁぁあ!」
少女の窄口は、触手の先端を優しく食んだ。そして長肉を抵抗なく飲みこんでいく。
触手の表面から飛びでた目玉が菊縁を擦りたてた。しかし涼香はもはや、快楽しか感じられない。肛悦にどこまでも溺れていく。その自覚があった。
底も果ても見えぬこの悦海は怖い。しかし涼香の心には、それよりも恐ろしいものがあった。
(だめだ……もっと、遠くなっていく……)
記憶を失う以前の自分が大切にしていた者たち。このところ彼女らの姿が、さらに曖昧になっていた。
代わりに埋められるものは、この妖女の顔だ。艶のある唇も、なよやかな手も、嗜虐的な赤瞳も……。
頭の中がつくりかえられていく。その実感こそが真に恐ろしい。
「んちゅぅっ!?」
涼香は思索に耽りだすが、それも邪魔される。半開きになった唇が塞がれた。百々目鬼が覆いかぶさり、接吻を挑んできたのだ。
妖女の唇は柔らかく滑らかだった。さらに舌先が、ヘビのごとく素早く口内へ侵入する。
同性からディープキスを受けているというのに。涼香は全く、忌避感を抱けなかった。
「ん、むぅ……、ちゅ、ちゅる、ちゅう……」
それどころか自分から舌を差しだしてしまう。おずおずとした動きはあっという間に絡めとられた。
先端でくすぐられ、中体で撫でこすられる。唾液がみるみる溢れだした。唇端から流すことなどしない。もたらされた透明な滴を、喉を鳴らして飲みこむ。
「ぷは……は、はぁ、はぁっ……」
涼香は息さえ止めて、口腔粘膜を擦りあわせていた。酸欠と快楽により、少女の青瞳は涙滴で蕩けている。滲んだ視界は妖女の顔をことさらに美しく映しだした。
「あ、あぁぁっ!」
触手がついに動きはじめた。菊孔に食いこんだ肉蛇は今、直腸を占領している。ごりごりと粘膜を擦過されると、涼香は艶叫を抑えることができなかった。
ぐちっ、ぐちょっ、ぐぢっ! ぐちゅ……。
「はぁっ、あぁ……っ! くぅぅんッ!」
「ふふふ……。もうイっちゃった? ダメよ。頑張って、あたしを倒さないと……」
紅瞳がじっと自分を見下ろしている。少女は身震いした。これは快楽が原因ではない。
己の心を見透かされている。それがはっきりと伝わってきた。妖女に、なにより自分に弁明するように、涼香は気丈な言葉を吐く。
「そ、そうだ……! おまえは必ず、私が倒す……っ」
大切な者の記憶をさらに失ってしまう。そんな恐怖をこらえて何度も百々目鬼に挑むのは……。自分が退魔巫女だから。それだけが理由だと思いたかった。
ばちんっ!
「!! あっ、あぁぁあっ!」
涼香は呆気なく、あられもない嬌声をあげはじめる。腸内に埋められた眼球が破裂しだしたのだ。
艶唇に、手指に、触手に。そして目玉に。涼香は今夜も妖悦を与えられる。百々目鬼の腕の中で豊かな肢体は弾みつづけた。
「はぁっ、あぁっ! はぁぁんっ!」
悪鬼羅刹を討つ者。それが涼香に残った確かな認識だ。しかし肛悦を歌いあげている内に、それすらも忘れさってしまうのかもしれない。
(ちがう……わたしは……それだけは……)
涼香は心の中で、なおも必死に否定する。しかしそこにも百々目鬼の視線が及んでいた。紅瞳と朱唇が意地悪く曲がる。そしてさらに激しく擦過をもって、菊花を愛でられた。
「あ、うぅぅ……! おしり……だめぇ……! は、あぁぁぁあ……ッ!」
妖女がもたらす邪悦に手を引かれ、涼香はさらに深く昏いところへ招かれていった。