セックスが禁じられた世界で俺の精子が狙われている 作:夜狩景士
五日間で、五人の女性とそれぞれ三度ずつ交わった。
射精の回数でいえば、一度で女性に最低三回以上は放っているので、五十回を超えている。
五十歳を過ぎた中年の自分に、こんなにも性欲が湧いてくるとは思わなかった。
もちろん、提供される本物の食材とリラックスできる環境の要因も大きい。
特別私空間に来て六日目の今日と明日の二日間は、休日に充てられる。
「おはようございます、小佐内さま」
いつもより遅めに起床した光司が広いリビングに行くと、玲美が待っていた。
「玲美は休まないの?」
「私は小佐内さまが女性と過ごしている間に休ませていただいてますので」
光司が女性と部屋でセックスしている合間に食事の手配や、女性たちの生活環境を整えたりと玲美は多忙なはずだった。
「玲美も今日は休みでいいよ」
光司の言葉に玲美はいつものように深々と頭を下げる。
「お気持ちはありがたくお受けします。ですが、私は小佐内さまのお世話をすることが任務ですので……」
「わかった。でも今日俺は自分で勝手に過ごさせてもらうよ。玲美も休日のつもりで自由に過ごしていいよ」
「はあ……」
軽めの食事を摂る。玲美もいっしょにと誘ったが、彼女はすでに食事を済ませたと言う。
光司が食事をしている間、玲美は部屋の隅でにこやかな顔で立っている。
食器を片付けている玲美が背中を向けた。光司の視線が形の良いぷりっとした尻に注がれた。
光司は立ち上がると、食器を調理空間にしまい込んだ玲美を背後から抱き寄せた。
「はっ……小佐内さま……」
驚いて振り返る玲美の唇を塞ぐ。
「んっ……ふんっ……はあっ!」
唇を吸われた玲美が喉の奥で呻く。
「小佐内さま……いけません……お疲れなのに……」
潤んだ瞳で至近距離から眼を合わせ、玲美が囁く。
五人の女性とあれだけセックスしたのに、休日にも玲美を求めてしまう光司。
「今日は、後ろからしたいな……」
耳元で囁く光司の息で玲美がびくんと肉体を震わせた。
玲美の服の前を開き、ブラジャーのカップの中に手を滑り込ませる。
「小佐内さまっ……!」
玲美は弱々しく抵抗するが、しだいに力を緩めて肉体を光司に預けた。
「あんっ……はんっ……はあんっ!」
背後から両の乳房を揉み上げられ、玲美が白い喉を晒して喘いでいる。
光司の舌が玲美の首筋を這う。同時に右手でスカートを捲りあげ玲美の股間に手を伸ばした。
陰唇にはじゅわっと愛液が湧き出していた。
乳房と股間を責めながら、光司は玲美を広いソファの方に導いた。
上体を倒すようにして、後ろから玲美にのしかかるようにソファに身を投げる。
ソファに上体を投げ出して床に膝をついた玲美の突き出した尻を見て、光司はスカートを捲りあげた。
青いレースのパンティに手をかけ、ゆっくりと下ろしていく。
ミルクのように白い肌が晒される。
光司はその艶めかしい尻肉を見た瞬間、玲美に直ぐにでもハメたくなった。
ズボンを下ろし猛々しく反り上がった肉棒に手をかけた。
愛撫が足りないとは思ったが、玲美の尻を貫きたいという欲求の方が強かった。
「あっ……あっ、あはんっ!」
膣口に亀頭をのめり込ませ、光司は一気に腰を押し込んだ。
「あんっ……小佐内さまっ……いきなりっ!」
最奥を突かれた玲美が腰を震わせた。
光司は直ぐに抽送を開始した。
「あんっ、あんっ、あっ、あんっ!」
玲美の尻に光司の腿が当たり、肉を打ち付け合う音がリビングに響く。
細い腰を両手で掴み、腰を振り続ける光司。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と淫猥な水音が漏れ、白く濁った愛液が光司の陰茎の根元に絡まり始めた。
「あっ……はっ……ああんっ!」
玲美が荒い息を吐きながら、切なげに呻く。
今週抱いた五人の女性とは、肉体と心を重ねて充実したセックスができたように思う。
だが、玲美に対しては今週出会ったばかりの女性とはまた違った愛情を光司は感じいていた。
着衣で下半身だけ肌を晒した玲美がソファの上で上体をくねらせている。
「あっ……ああっ……小佐内……さまっ!」
玲美が首をひねり、薄く瞼を開けてこちらを見ている。
腰を掴んでいた両手をソファに突き、光司は上体を倒して玲美と唇を合わせた。
「んっ……ふんっ……れろっ……」
すかさず玲美が舌を伸ばしてくる。濃い息と唾液を絡めてお互いの口内を舐めつくそうとする二人。
その間にも光司は抽送をリズミカルに続けて玲美を突き上げる。
上下の口で繋がりながら、光司は玲美のシャツのボタンを外し、ブラジャーをずり下ろした。
小振りだが形の良い乳房を両手で掴む。
今週交わった女性は巨乳が多かった。だが光司は手のひらに収まる玲美の乳房も好きだった。
既に硬く勃った乳首を刺激すると連動して膣襞が光司の肉棒を締め付けた。
(ああっ……気持ちいいっ……)
光司の股間が疼いてきた。もっと玲美と繋がっていたいという欲求と、股間の疼きを解き放ちたいという二つの欲求が光司の肉体で拮抗していた。
「んっ……ぶちゅっ……はっ、はああんっ!」
玲美が小刻みに腰を震わせ、唇を外して叫んだ。
「やんっ……いっ、いいっ……イクっ!」
玲美の膣襞の締め付けが一気に強くなる。絶頂が近いのだろう。
「玲美っ……俺も、射精そうっ!」
光司が叫ぶと、玲美も激しく頭を上下に振った。
「あんっ、あんっ、イっ、イクっ、イクうううっ!」
「あっ……玲美、玲美いいっ!」
光司は玲美の子宮口に先端を挿しこみ、腰を止めた。
玲美が肉体全体で痙攣する。
膣襞の締め付けが一気に強まり、堪らず光司も精液を噴射した。
「あっ……あっ……ああっ!」
玲美が大きく口を開けて叫んだ。
光司の尿道を白濁液が駆けあがり、次々と子宮になだれ込んだ。
昼食の後、眠気を感じた光司はベッドルームで休んだ。
死を覚悟して沙奈絵と交わってからの出来事を振り返ってみる。
このまま漫然と年老いて死を迎えるより、一度本物のセックスをして死にたいと思い詰めていた光司。
沙奈絵は光司の気持ちに応え、ふたりで二十年以上していなかったセックスをした。
二人は通常四十八時間といわれている潜伏期間が過ぎても発症しなかった。
DKウィルスが発症すると激しい痛みとともに全身の穴と言う穴から出血する。
光司は治療医に、安楽死を選択することを伝えていた。
だが、発症するどころか、人類初のDKウィルスに対する抗体を持っていたことが判明する。
そして沙奈絵にも抗体が発生し、なんと妊娠までしていた。
人類が私空間に幽閉されてから二十年、初の自然分娩だった。
光司に対して、政府から精子の提供が要請された。
光司の精子で人工授精を試みて、抗体を持つ子供が誕生するか検証したいということだろう。
だが、光司は母体を経ない人工胎盤による人の誕生に疑問を持っていた。
自分の精子が人類という種の存続のために貢献できるのではないかということは理解できる。
だが、それが人工胎盤という工業的に命を生み出す手段を強化、維持することに繋がるのは耐えられなかった。
そこで、光司は生身の人間同士のセックスを知らない新人類の女性と直接セックスすることで自分の精子を提供することにした。
人工分娩に対する反発があったとはいえ、女性とセックスしたいという欲求が強かったことは認めなければならない。
このまま多くの女性とセックスする生活がいつまでも続けられるとは思えない。
では、どうすればいいのか? 光司は頭の整理ができないまま眠りに落ちていた。