セックスが禁じられた世界で俺の精子が狙われている 作:夜狩景士
特別私空間に来てから四週間が過ぎた。
この間、二十人もの女性とセックスしたことになる。
「小佐内さま。政府からご提案があります」
休日に充てられた土曜日の朝食後、玲美が言った。
「小佐内さまとの性行為で、DKウィルスに対する抗体ができることが、全ての女性において確認されました」
特別私空間に来た女性は光司との性行為の直後、医療アンドロイドによって検査が行われているのだという。
「膣内に小佐内さまの精液が注がれることが要因だと思われます」
玲美とは休日の度に交わっている。
亡き妻の貴美子以外で一番セックスした回数が多い女性になっていた。
そんな玲美は政府のスタッフであり、政府の提案を伝える時のクールな表情と物言いが、性器を結合させて乱れている時とのギャップを感じさせる。
「そこで、女性の口内と肛門内に精液を注いでも抗体ができるのか検証させていただきたいのですが?」
フェラチオとアナルセックスも性行為であることに変わりはない。光司の精子が女性の体内に入ることで抗体ができるのか検証しようということだ。
「もし、抗体ができなくてDKウィルスが発症してしまったら危ないんじゃないの?」
光司はふと思った懸念を伝える。
「それに関しては、ご心配なく」
玲美が微笑む。
「今までの女性は、最初の小佐内さまとの性行為直後、遅くとも二十四時間以内には抗体が発生しています。万一口内と肛門内での行為で抗体が発生しなかった場合、直ぐに小佐内さまに膣内に精液を注入してもらいます」
DKウィルスの潜伏期間は通常四十八時間とされている。二十四時間で抗体が発生しなかった場合、今まで百パーセントの確率で抗体ができている膣内射精を行えばいいのだ。
「それと、もう一点ご提案があります」
玲美からアイリンクにデータが送られてきた。
「ご覧のように、小佐内さまとの性行為を希望される女性が激増しています」
現在、新人類の女性が四百五十二人に対し、旧人類の女性が五千百七十六人になっている。
「旧人類の女性とも性行為をしていただきたいのですが?」
光司は最初、新人類の女性はセックスを望んでいないと思い込んでいた。
人工胎盤から生まれ、幼い頃からセックスを忌避する教育を受けているという事実からそう判断していた。
だが、実際は生身の人間とのセックスを望む女性が多いことが、数字で証明されている。
それに対し、旧人類は、実際のセックスを知っている者もいる。
私空間に幽閉され、人肌のぬくもりから隔絶された状況に不満をいだいている女性が新人類の十倍を超える志願者数となって現れているのだ。
「わかった。女性の選定に対しては玲美に任せる」
次の月曜日から特別私空間に来た女性五人とは、検証のためフェラチオかアナルセックスしかできない。
最初の女性は胸が小さいが巨尻が眼を惹いた。
「伊沢千佳です……」
千佳はくりっとした瞳で、ちらちらと光司の表情を窺う。豊かな尻から陰茎を挿し込みたいと思ったが、今日の千佳とは、口内フェラチオだけだ。
「千佳ちゃん……」
いつもなら、行為の前に女性と身の上話しをするのだが、今の光司は性欲が昂っているようで、早速千佳を抱き寄せた。
びくん、と千佳は肉体を硬直させた。光司は唇を吸い、舌を挿し込んだ。
「んっ……ふんっ……んぐっ……」
千佳の肉体は硬いままだ。豊かな尻とは対照的な控えめな乳房を光司は掴む。
肉体を捩った千佳が堪らず唇を外した。
「小佐内さまっ! 怖いですっ!」
いきなり唇を奪ってしまった光司は、はっ、とした。
DKウィルスが発症する契機となるキスをいきなりしてしまった。今回は確実に抗体ができる膣内射精ではなく、フェラチオだけをすることになっている。
リスクを負った千佳が恐れから肉体を硬くしてしまうのも無理もない。
「ごめん、千佳ちゃん……早速、してもらえるかな?」
光司の言葉に千佳は肉体をがばっ、と起こし、光司の股間から硬くなりかけた男根をあたふたと取り出す。
はむっ、と何の躊躇いもなく口に含み、すぐに首を振り始めた。
情緒も色気もない必死の口淫だったが、千佳の恐怖を思うと無理もない。
「んっ……ぐちゅっ……ふっ……んぐっ!」
唾液を絡めて頭を上下させている千佳の表情は乱れた前髪に隠されて見えない。
先週までの女性とは、行為の前にしっかりと話をし、人となりを分かってからセックスしていた。
千佳とも最初に話をすべきだった、と光司は思ったが行為を始めてしまった今となっては遅い。
しかも、DKウィルスの恐怖に囚われて急いたような千佳のフェラチオでは、光司の股間が疼いてこなかった。
「んんっ……ぶちゅっ……んごっ……じゅるっ……んげっ!」
光司の陰茎が喉に当たり苦しそうに呻く千佳。
これではお互いが望まない苦行をしているようだ。
「ちょっと、千佳ちゃん……待って!」
光司の言葉を無視して千佳は首を振り続ける。
「千佳ちゃん、ストップ!」
光司は両手で千佳の頭を掴んで動きを止めた。
乱れた前髪の間から涙で濡れた千佳の瞳が覗いた。
「千佳ちゃん、ごめん。怖いよね……」
光司は千佳の頭を優しく撫でた。
「大丈夫だから……抗体ができなかったら、すぐに
よく見ると千佳の肉体が小刻みに震えている。
「千佳ちゃんのお尻、素敵だね……こっちにお尻向けて、咥えてもらえるかな?」
光司の言葉が千佳の頭の中で意味を結んでいないようなので、光司は改めて具体的に指示をした。
「千佳ちゃんが俺の足の方に向いて、俺の顔を跨いでくれるかな?」
千佳はようやく理解したようで、肉体の向きを変えた。
圧倒的なボリューム感のある巨尻が光司の眼の前に晒された。
「千佳ちゃんのお尻、凄いよ……」
光司の感嘆の言葉に応えず、千佳はシックスナインの体勢から光司の男根を咥え込んだ。
白いシンプルなパンティが食い込んだ巨尻を見て、光司の肉棒は一気に硬直した。
頭を浮かせて、鼻先をパンティのクロッチ部分に押し込むように当てた。
むわっとする雌の匂いが鼻を衝く。
「んっ……んんっ……んはあっ!」
肉棒を咥えた千佳の呻きが先ほどとは違い艶っぽくなった。
光司は両手で尻肉を掴み、舌先で鼠径部をなぞる。
小刻みに震えている千佳の尻が可愛かった。
パンティに指を掛け丸めるように下ろしていく。ミルクのように白い尻肉の割れ目から菊門がのぞく。
濃いめの陰毛の先には、膣口から漏れた愛液の粒がついていた。
「んんっ……じゅぽっ……んんっ!」
光司は薄茶色の菊門に鼻先を押し付けるように顔をつけ、陰唇に舌先を挿し入れた。
「んっ……はっ、はあんっ!」
千佳はたまらず唇を外して叫んだ。
じゅるじゅるとわざと大きな音をたてて光司は愛液を啜った。
「あんっ……やんっ!」
陰部に加えられた刺激で、千佳の口淫が疎かになった。
「千佳ちゃん……咥えて……」
光司の言葉で我に返ったのか、肉棒が再び温かいぬくもりに包まれた。
圧倒的な量感の尻が小刻みに震えている。光司の下腹部の疼きも高まってきた。
秘部を刺激された千佳のフェラチオが熱を帯びてきた。
ぶちゅっ、ぐちゅっ、と唇から漏れる淫靡な音が部屋に響く。
「ああっ……千佳ちゃん……気持ちいいよっ!」
光司の言葉で千佳の頭の動きがさらに激しくなる。吐精させようと追い詰めにかかっているのだ。
陰茎の根元の疼きが高まってきた。通常ならこの疼きを抑え込んで快感をさらに高めるのだが、千佳のDKウィルスが発症することへの不安に応えて光司は淫欲を解き放つことにした。
「千佳ちゃん、千佳っ! 射精すぞっ!」
必死で頭を振る千佳の喉元にぐん、と腰を浮かせて肉棒を打ち込んだ状態で光司が射精する。
尿道を次々と白濁液が駆けあがり、千佳の喉になだれ込んだ。
「んっ……んんっ……んぐっ……」
びゅるっ、びゅるるるっ、と長い射精が続いた。
「んんっ……んっ、げほっ!」
喉奥で呻きながら精液を飲み込んでいた千佳があまりの勢いにえずいた。
ようやく終わった長い吐精の後でも肉棒が空撃ちするように千佳の口内で蠢いていた。
行為を終え、ベッドで千佳を抱き寄せた。
唾液と白濁液にまみれた口元を拭き取ってやり、髪を撫でながら巨尻を擦る。
「千佳ちゃん……気持ちよかったよ……」
こくん、と頷く千佳。
「俺のために一所懸命に頑張ってくれて嬉しい……」
特に心に響かなかったのか、返事がない。
初めての実際の性行為だったと思うが、発症への不安は取り除けなかったのか、千佳の気もそぞろ、といった感じだった。
もう一度千佳にフェラチオをしてもらった後、光司は千佳の部屋を後にした。
リビングに戻った光司を見て、玲美が驚いたような表情をした。
時刻を確認してみると、千佳といたのは一時間半ほどだった。
「彼女が不安でいっぱいのようなので、直ぐに検査してあげてくれない?」
「かしこまりました。裏で検査アンドロイドが待機していますので」
玲美が言う。
「二十四時間過ぎても抗体ができなかった場合、小佐内さまには緊急で膣内射精をしていただきます」
光司は頷いた。
「もし千佳ちゃんに抗体ができたら、その後は普通にセックスしていいんだよね?」
光司は思い詰めたような千佳と心から打ち解けられなかったことで少し心を痛めていた。
頷く玲美を見ながら、千佳とも一体感を感じるセックスをしたいと光司は思った。
その日の夕方、千佳に抗体が発生した。わずか十二時間にも満たない間に効果がでた、ということだ。
あくまで推測でしかないが、光司の精子が女性の体内に入ることによって、ワクチンのような働きをするのだろう。
であれば、膣内射精である必要はなく、口内や肛門内でも、光司が精液を注げば女性をDKウィルスから救うことができる。
頑なに女性とのセックスでしか精子を提供しないと光司は主張し、政府もそれに従っている。
だが、光司が寿命を迎えるまでにセックスできる女性には限りがある。
パンデミックで大幅に減少したとはいえ、まだまだ人類は何十億もいる。
光司の精子が特異なものならば、それを提供してワクチンを生成してもらう方が、多くの人間を救うことになる。
光司はぼんやりと考えを巡らせた。
パンデミックによって妊娠・出産ができない状況で、人類を存続させるために、人工胎盤という禁断の果実に手を出してしまった人類。
もしパンデミックが、光司が精子を提供することで沈静化されたとして、人工胎盤の技術を廃止しようという流れになるのかは、疑問だ。
女性が腹を痛めて、我が子を産むのが当たり前だった旧人類と違い、人工授精と人工胎盤で機械的に生まれてきた新人類とでは価値観が違う。
それに、旧人類の中にも、出産という苦しみを避けて我が子を持ちたい、という指向を持つ者もあるかもしれない。
いずれにせよ、人類のなかで議論が必要な問題であることには変わりない。
ただ、現在の政府や議会が、政策の多くをAIに依存していることが気がかりだ。
AIの提案する政策はあくまで提案であって、最終的には人類が決定するという建付けになってはいる。
だが、多くの人間が気づいているように、政府や議会はAIの提案する政策を丸呑みしている部分が多い。
そんななか、パンデミックの恐怖に直面して、熟慮せずに人工胎盤を導入してしまったことが悔やまれる。
一日おいて、夜に千佳の部屋を訪れた。
光司が部屋に入ると、バスローブの千佳が抱きついてきた。
胸に顔を埋めた千佳の背にそっと手を添える。
「小佐内さま……ありがとうございます」
こうしてDKウィルス発症の不安で押しつぶされそうになっていた千佳が明るく迎えてくれて、光司はよかったと思った。
顔を上げて光司を見上げる千佳の瞳が潤んでいた。
光司は唇を塞ぐ。
「んっ……んっ……んんっ!」
喉の奥で可愛く呻く千佳。
光司は思わずバスローブの上から千佳の巨尻を両手で掴んだ。
「小佐内さま……私のお尻、欲しいの?」
千佳が唇を外し、切なげに歪めた眉で光司に尋ねる。
光司が頷くと、千佳はバスローブを自らはだけて全裸になると、大きく円い尻を光司に向けた。
「小佐内さま……私のお尻、好きにしていいですよ……」
魅惑的な円みを帯びた千佳の巨尻。光司の陰茎が一気に反り上がった。
光司は尻の谷間に顔を埋めた。
「あんっ♡」
千佳が尻を震わせて可愛く喘ぐ。
肛門を鼻先で突くようにして陰唇に舌を挿し込む光司。
千佳の膣から愛液がじゅわっと湧いてくるのを感じる。
モチのような弾力のある尻肉を両手で抱え込みながら、千佳の愛液をわざと音をさせて光司は啜った。
「ああっ……気持ちっ……いいっ!」
千佳が腰を小刻みに震わせている。
初めてフェラチオをしてもらった時の余裕のない千佳と違って、今日はしっかりと愛撫に応えてくれている。
光司が千佳の陰唇から口を外す。すでに溢れた愛液でしとどに濡れていた。
「千佳ちゃん……挿入れたい……」
光司は愛撫が足りないとは思ったが、既に受け入れ体勢にあると見て、痛いくらい硬直した陰茎のが導く欲求を口にした。
千佳は首を曲げて横目で光司を見ながら頷いた。
光司は膝立ちになり、反り上がった肉棒に手を添えて千佳の巨尻に腰を寄せた。
千佳の逆ハート型の尻は光司の腰より幅が広い。亀頭で千佳の陰唇をなぞる。千佳の愛液と光司の先走り液が絡んだ。
「ああっ……はあんっ! 小佐内さまっ、焦らさないでっ!」
千佳の尻が喋ったように揺れた。
光司は角度を合わせ腰を進めた。
にゅぷっ、と呑み込まれた肉棒が、ぐ、ぐ、ぐ、と千佳の膣壁を広げていく。
「あっ……ああんっ♡」
千佳が首を反らし叫ぶと、肉棒は千佳の最奥を突いていた。
ミルクのように白い尻に光司の赤黒い肉棒が深々と刺さっている。
思わず光司は右手で千佳の尻を叩いた。
「きゃんっ!」
千佳が短く悲鳴を上げる。絹のような尻肉が紅く染まった。
光司は腰を引き、再び千佳の最奥を突き上げる。
「あっ……ふうんっ!」
息が詰まったような声を上げる千佳。
光司は猛然と抽送を開始した。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と肉の当たる音が響く。
「あっ、あっ、あっ、ああんっ!」
千佳の尻肉が波打つように揺れている。
今まで何人もの女の尻に肉棒を挿し込んできたが、千佳の尻は特別光司を昂らせるものがあった。
「ああっ……凄げっ……気持ちっ、いいっ!」
光司は眼を閉じて肉棒を包む千佳の膣襞の締め付けを堪能した。
再び眼を開けると揺れる巨尻が艶めかしく光司を刺激する。
突然、下腹部の疼きが耐え難いものになってきた。
この快感をできるだけ長く感じていたかったが、あまりに刺激的で光司はあっさり限界を越えた。
「おっ、おおおっ!」
光司は低く呻くと千佳の膣内に精液を放射していた。
「ああんっ! おおんっ!」
千佳も同時に上体を痙攣させている。
どうやら同時に絶頂を迎えたようだ。
どくんどくんと蠢きながら精液を注ぎ続ける光司の肉棒を、千佳の膣襞がうにうにと包みこんでいた。