セックスが禁じられた世界で俺の精子が狙われている 作:夜狩景士
配偶機のキミコに新機能を実装させるため、外部の業者に預けていた。
キミコとセックスできない光司は、アイリンクで旧人類時代のエロ動画を閲覧している。
過去にインターネットに繋がるデバイスとして人類が主に使用していたのは、スマートフォンやパーソナルコンピューターだった。
現在は部屋の隅に複数設置された投射機から人間の瞳に直接映像を投射する「アイリンク」というシステムが主流だ。
眼を開けてさえいれば、顔をどこに向けてどこに動いても自動的に映像が瞳に投射される。
そして耳には高音質の音場が投射され音響も良い。
眼の前の空中に画像や動画がリアルに再生されるこの技術は余計なデバイスを持つ必要がないので、あっと言う間に普及した。
操作は言葉や指で簡単に行える。今ではパンデミックで人間同士の接触が禁じられているが、アイリンクを通してお互いの姿を立体的なホログラムで確認することはできる。
アイリンクはシステムとして完璧だったが、時折ノイズが混ざることがある。
光司は特に気に留めていなかったが、最近特定のノイズの頻度が上がっていることは感じていた。
どうやら、一瞬視界をよぎるノイズとしての画像は、裸の女性の姿らしいことは無意識に認識している。
「
いわゆる都市伝説というもので、サイバー空間に彷徨う幽霊が時折現れるという現象だ。
光司の思考は、新たにアイリンクに届いた通知によって止まった。
改良した配偶機が明日届く、という報せだ。
光司は、自分の配偶機であるキミコに対して、セックス機能の開発協力をしていた。
今回リクエストしたのは「潮吹き」機能だった。
今は亡き実の妻の貴美子には、実際に潮吹きさせたことはなかった。
だが、光司の願望として、配偶機にも潮吹きさせる機能を実装させたかった。
他の人間が、配偶機のセックス機能に関してどれだけこだわりがあるかは、知らない。
だが、光司のリクエストによって配偶機に多彩な性癖に対応する機能が追加されることは、人類の性生活の向上にとって貴重なことだ、という信念が光司にはあった。
配偶機のキミコが機能改善のため、光司から離れている間、代替配偶機が提供されるのだが、光司は断った。代替配偶機にはセックス機能が装備されていないからだ。
改めて配偶機のない生活をしてみると、特に不便は感じない。食事はメタクックで素早くできるし、掃除や洗濯も全自動で大した手間もかからない。
配偶機に食事の準備や身の回りの世話をさせて王侯貴族のような生活を自分の私空間で堪能することは、人間として自立しているという自覚を失わせているのではないか、と光司は思う。
だが、今更配偶機のない孤独な私空間における生活には人類は耐えられないだろう、という思いが光司にはある。
人間が、個々の私空間に幽閉されているような現状では、配偶機の存在は欠かせないものとなっている。
「おかえり、キミコ」
二十代の若々しい頃の亡き妻を再現した配偶機のキミコが、光司に微笑む。
光司は早速ベッドルームにキミコを誘う。
「光ちゃん……会いたかったよう……」
キミコが甘えてきた。
配偶機は基本的に所有する人間からの働きかけのみによって動く。
配偶機から甘えた声を出したり、抱きついてくる能動的な機能も、光司のリクエストで実装されたものだ。
唇を合わせ、舌を絡めながら、お互いの服を剥いでいく。
「光ちゃん、今日はわたしのおまんこ、いっぱい弄ってね……」
キミコがいつになく積極的だ。
ちゅっ、ちゅっ、と唇を啄むように合わせた後、舌を絡めながら、キミコの服を脱がしていく。
キミコも光司の服に手をかけて、お互い全裸になりベッドに倒れ込んだ。
「んっ……はっ……光ちゃんっ!」
キミコの息が荒い。興奮しているようだ。
光司はキミコの首筋に舌を這わせ、耳朶を軽く噛む。
「あっ……はあんっ!」
キミコが首を反らして大きく口を開けていた。
乳首を唇に含みながら右手を陰部に伸ばす。
親指で敏感な肉芽に触れながら、人差し指と中指を膣口に挿し込む。
じゅわっ、と愛液が湧き湿り気を感じた。
「あっ……ああっ……あんっ!」
両手で滑らかな絹のようなキミコの肌を擦りながら、舌を皮膚の表面で躍らせるように下ろしていく。
鼠径部を舌先でなぞったあと、鼻先を敏感な肉芽に押し付けるようにキミコの陰部に顔を埋めた。
「やっ……やあんっ!」
腰を捩じるキミコ。すでに膣口からは愛液が湧いている。
光司は秘蜜をわざと大きな音をたてて啜った。
びくんびくんとキミコが下半身を小刻みに震わせている。なかなかリアルな反応だ。
今回、潮吹き機能の実装とともにキミコの性的反応についても微調整を依頼していた。
配偶機の機能改善についてこだわりを持つ光司の要求に、真摯に応えてくれる事業主に光司は心の底から感謝している。
キミコのクリトリスを唇で含んだ。ちゅうっ、と吸い込み、舌で優しく舐め上げた。
「あんっ……はんっ……ううんっ!」
腰をくねらせ快感から逃れようとするキミコをクリトリスに吸い付いた光司は逃さない。
キミコを追いつめ、イカせるために、必死に舌を躍らせる。
「あっ、あっ、あああっ! 来ちゃうううっ!」
キミコが、ずん、と腰を浮かせると同時に、ぷしゃああっ、と潮が噴き出した。
クリトリスを責めていた光司の顔が液体を弾く。思わず口を開くと、光司の喉にも潮が吹き込んでくる。
配偶機であるキミコが噴出した潮は、単なる水であることがわかっていたので、光司は喉で潮を受け、水分補給するように渇きを充たした。
想定より早いとは思ったが、絶頂を迎えるタイミングに合った潮吹きに、光司は満足する。