セックスが禁じられた世界で俺の精子が狙われている 作:夜狩景士
光司の種付け生活が始まった。
待機して光司のペニスを受け入れる五人の女性たちのプロフィールを、光司はあえて確認しなかった。
一番手前にあるナンバー1の表記がある部屋に入った。
所在なげにベッドに座る小柄な女性は、ツインテールにピンクのパジャマ姿だった。
(えっ……小学生?)
幼過ぎる容姿の彼女は、学校制度が維持されていた頃の小学校に通っているような年齢に見えた。
「初めまして……小佐内さま……三井未優と申します……」
ちらちらと伏し目がちに光司を見る。
「未優ちゃん……歳はいくつ?」
光司は思わず年齢を確認していた。
「ニ十歳……です」
未優は童顔だったのだ。
特別私空間の担当官である玲美からは、遺伝子の多様性を維持するために様々な女性と性行為をしてもらう、と聞いていた。
当初は新人類の女性との行為を優先するという光司の希望だったので、年齢としては最高二十歳になるはずだった。
「小佐内……さま?」
考え事をして固まってしまった光司を訝しんで、未優が恐る恐る声をかけてきた。
「ごめんね、未優ちゃん」
「いえ……」
未優の表情が固いが、かしこまった身体も固そうだ。
「ちょっと、話そうか」
光司が声をかけると、未優は意外だという瞳をして顔を上げた。
未優がいるナンバー1の部屋は、広めの私空間だった。メタクックやメタルームも設置されている。
特別私空間の中にある女性用の私空間ということだ。
「何飲む?」
光司がメタクックの前に立つ。
「え……?」
「俺はカフェオレにしようかな」
アイリンクに表示されたドリンクカテゴリーから、お気に入りのカフェオレを選択した。
未優がベッドに座ったまま、呆然としている。
いつもなら、配偶機に指示をして飲み物を提供させているのだろう。
配偶機のいないこの私空間に、未優は戸惑っているようだ。
「未優ちゃん、何にする?」
光司は笑顔で未優に尋ねる。
「えっ……と、パインジュースでお願いします」
未優のパインジュースを持って、光司もベッドに腰かけた。
ローテーブルに飲み物を置く。
新人類に対して、光司はステレオタイプな見方をしていたように思う。
人工胎盤から生まれ、幼少期は育児アンドロイドと接して育ち、家族や友人とはバーチャルな関係性しか持たないため、コミュニケーション能力や共感能力に劣る。
そんなイメージを新人類に持っていた。
だが、夜衣子のように明るく人懐っこい娘もいるのだ。
新人類だといっても、様々な考えを持った人間なのだ。
光司は種馬として精子をばらまくだけではなく、新人類の女性が何を考えているのか、知る必要があると感じていた。
「未優ちゃんは、普段何をしているの?」
恐らく初めての生身の人間とのセックスに不安を抱えてここに来ているであろう未優に、光司は優しく微笑みかけた。
「えっ……と、メタルームで色んな所に旅行しています……」
「そうなんだ。未優ちゃんはどこがお気に入りの場所?」
心がほぐれたのか、未優の表情が明るくなる。
「北欧のオーロラが見える景色が好きです……」
光司は、亡き妻の貴美子が一度でいいからオーロラを見てみたいと言っていた事を思い出した。
産婦人科医として多忙を極めて貴美子にしっかり向き合っていなかった自分を悔やんでいる。
パンデミックが始まったとき、セックスレスが三年も続いていた貴美子が発症した。
光司以外の誰かとセックスをしたということだ。
悲しかったが、貴美子を責める気にはなれなかった。
「小佐内……さま?」
未優の声で光司は我に返る。
その後も、飲み物をおかわりする間、未優と話をした。
やはり光司は新人類に対して偏った見方をしていた。
こうして自分から心を開いて話しかければ、きちんと応じてくれてコミュニケーションが成立する。
未優は時折声をあげて笑うようになった。
「なんでここに来ることを希望したの?」
未優の心が完全にほぐれた頃合いを見計らって、光司は思い切って尋ねてみた。
少し息を呑んだ未優が、躊躇いがちに話し始めた。
「私……憧れていたんです……」
光司は微笑みながら次の言葉を待った。
「本物の、セックスに……」
未優が頬を赤く染めて俯いた。
アイリンクを通して、旧人類時代の愛し合う男女の映像に未優は夢中になっていたのだという。
夜衣子も同じことを言っていたことを思い出す。
「
「もちろん、しました……でも、何か違くて……」
未優が黙り込んだ。
光司は共感する。光司自身も配偶機のキミコとのセックスに充たされずに、あれこれ改良を加えていたのだ。
「こんなオジサンだけど……いいの?」
未優は光司の自虐の言葉に、顔を上げ、首を縦に振った。
「未優ちゃん……」
光司は未優に身体を寄せた。未優が光司の胸に顔を埋めるように身体を預けてくる。
光司はアイリンクで指を弾いて照明を落とした。
お互いの唇を、ちゅっ、ちゅっ、と合わせて啄み合う。
未優の方から唇を押し付けてきた。光司が舌で未優の唇を割った。
「んふっ……んっ……はあっ……」
濃い息と舌を絡めて未優と貪り合うようなキスをする。
光司は未優を抱きかかえ、そっとベッドに倒した。
可愛いピンクのパジャマの胸を開く。
未優はブラジャーを付けていなかった。
小ぶりの三角錐の乳房が空気に晒された。大き目の乳輪が艶めかしい。
このところ巨乳の女性と多く交わっていたが、乳房の大きさは光司にとって関係ないのだと悟った。
未優の控えめで幼い雰囲気が小ぶりの乳房の可愛さと相俟って光司の淫欲を刺激した。
光司は乳首を唇に含んだ。
「あっ……はっ……」
未優が小刻みに震えている。どうやら乳首が敏感なようだ。
優しく唇に含み、舌先で丁寧に舐め上げる。
「あはんっ……いっ、いいっ!」
背中を反らして快楽で肉体をよじる未優。
光司は乳首を咥えながら、股間に手を伸ばした。
陰毛の感触がない。綺麗に手入れされたであろうツルツルの陰部から陰唇をなぞる。
未優は今度は腰を浮かせた。光司の愛撫に対して常に敏感に反応している。
新人類の女性たちは、配偶機との疑似的なセックスを体験している。
そういう意味では処女ではない。破瓜の痛みを気遣う必要はない。
人差し指と中指を膣口に挿し入れながら、親指の腹でクリトリスをなぞる。
「あんっ……うんっ!」
じゅわり、と未優の膣から愛液が湧き出してきた。
この自然な愛液の分泌が配偶機では再現できていない。お互いの淫欲の高まりに合わせた自然な汁の分泌は配偶機には再現が不可能だ。
「未優ちゃん……どう?」
光司は未優が配偶機とのセックスと違いを感じているか確かめたくなり、尋ねた。
未優は快感で眉を歪めながら、うすく瞼を開けて光司を見た。
「気持ち、いいっ……ですっ……」
濃いめの吐息を交えて未優が言葉を吐き出した。
光司は舌を躍らせながら、下腹部まで頭を下ろしていく。
「うっ……ふうんっ!」
光司の舌が鼠径部をなぞると未優が大きな声をあげた。
白いパンティを下ろし、陰毛のないツルツルの陰部を晒す。サーモンピンクの陰唇が別の生き物のように蠢いている。
両手を伸ばして乳首を指で刺激しながら、光司は新鮮な陰唇に唇をつけた。
「あっ……はっ、はあんっ!」
未優は腰をがくん、と揺らした。
光司は鼻先をクリトリスに当てながら、膣に舌先を挿し入れる。
じゅるっ、じゅるっ、とわざと大きな音をさせて愛液を啜った。
「や、あんっ!」
未優がたまらず腰をよじる。光司は振り切られないように顔全体を陰部に押し付け、刺激を続ける。
愛液が溢れ出し、顎を濡らした。未優は相当感じているようだ。
幼い外見の娘を犯しているような背徳感で光司のペニスは怒張していた。
光司は上体を起こして、腰を未優の股の間に入れる。
「未優ちゃん……」
膝立ちで反り上がったペニスを晒した光司を、未優が薄目を開けて見つめる。
「いくよ……未優ちゃん」
光司が亀頭を膣口に当てる。少し腰を落としただけで、にゅるっと亀頭が呑み込まれた。
未優の膣壁は多少の抵抗感があるものの、光司の陰茎を包み込むように呑み込んでいく。
「うっ……ふんっ!」
光司の先端が子宮口を突くと、未優が息を詰まらせた。
未優の膣襞がうねうねと光司の肉棒を咥え込んで蠢く。
「未優ちゃん、気持ちいいよ!」
光司は顎を反らし口を大きく開いた。
未優の恥骨から震えが伝わってくる。光司がゆっくり腰を引くと肉棒に白濁した愛液が絡んでいた。
亀頭が抜ける寸前まで引いて、再び未優を突き上げる。
「あっ……はあんっ!」
奥を突かれた未優が声を上げる。
光司はゆっくりとした抽送を始めた。
未優は眉を歪めて瞼をきつく閉じ、首を左右に振っている。
乳肉が乏しい三角錐の乳房は、光司の突き上げで揺れることはないが、ぷくっと勃った乳首が艶めかしい。
光司が徐々に抽送の速度をあげる。
「あっ、あっ、うっ、ふんっ、あっ、ああっ!」
奥を突くリズムに合わせて未優は切なげに息を漏らし、声を上げる。
紅潮した頬と汗が浮いた肌を見て未優が快楽の高みに達しているのを光司は感じる。
陰茎の根元に疼きを感じているが、光司は一定の速度で未優を突き続けた。
小刻みな震えが未優の肉体から伝わってくる。
「ああっ、あっ……何かっ、来るっ!」
未優の声が切実さを増してきた。
光司は抽送のギアを上げた。くちゃっ、くちゃっ、と愛液が肉棒で捏ねられる音が部屋に響く。
「あっ……やんっ! く、来るっ、来るっ、来ちゃううっ!」
びくん、びくん、と未優が腰を痙攣させた。
「あっ、あっ、あああああんっ……!」
光司の抽送を跳ね返すように、ぐいっと未優が腰を上げ、絶頂の叫びをあげる。
光司は未優の最奥まで陰茎を挿し込んだまま、未優の全身の震えを受け止めた。
しばらくして未優が脱力してベッドに身を沈めた。荒い息で可愛い乳房が上下している。
うっすらと瞼を開けて未優が光司を見上げた。
光司は華奢な未優に愛おしさを感じていた。
「未優ちゃん……後ろから、したい」
こくんと頷く未優。
光司は性器を結合させたまま未優の肉体を回転させた。
細い腰を持ち上げ、四つん這いにさせる。
小ぶりだがぷりっとした可愛い尻に赤黒い光司の陰茎が刺さっている。
光司が上体を倒すと、身長差で未優の上体を包み込むような形になった。
腰を引いて、とん、と突き上げてみる。
「ひゃんっ!」
未優が軽い悲鳴をあげて顎を逸らした。ちょうど光司の顔の真下に未優が顔を向けた。
そのまま光司は未優の唇を吸った。
「んっ……ぐっ……んんっ!」
光司に唇を貪られながら未優が喉の奥で呻く。
左手をベッドについて右手で乳首をまさぐる光司。
徐々に腰の振りを早めていく。
ぱちん、ぱちん、と音をさせて尻に肉を打ち付ける。
ぬちゃっ、ぬちゃっ、と結合部から音が漏れる。
光司は幼女を無理やり犯しているような錯覚に陥る。それは光司の淫欲を昂らせ、抽送の速度と強度を上げさせる。
「んっ……はっ……ぐっ……はあんっ!」
未優は堪らず、唇を外して声を上げる。
光司は胸を未優の背中にぴたりと密着させ、容赦なく腰を突き上げる。
まるで小動物を抱え込んで捕食しているような錯覚に光司は陥った。
「あんっ、あんっ、あんっ……はあんっ!」
甲高い嬌声で子犬のように啼く未優。光司の下腹部の疼きが耐えがたいものになってきた。
「ああっ……未優っ、射精そうだっ!」
射精欲に肉体の芯を支配された光司が切実な声音で叫ぶ。
「あんっ、うんっ……だっ、射精してええっ!」
未優はツインテールを揺らして頭を縦にふる。
「未優っ、未優っ……あっ、あああっ!」
光司は未優の最奥を突いて溜め込んだ淫欲を解き放った。
びゅるるっ、びゅるるるるっ、と連続して白濁液が尿道を駆け上がり、未優の子宮を満たしていく。
未優の膣襞が光司の精液を搾り取るかのように蠢いている。
あまりの快感に光司は全身を小刻みに震わせた。
未優が脱力してうつ伏せにベッドに臥せったので、光司はそのまま倒れこんだ。
体重を未優にかけないように光司は少し上体を浮かせ、未優の顎をくいっと持ち唇を吸った。
「嬉しいです……小佐内さま……」
目尻に涙を浮かべた未優が光司に向かって微笑んだ。
「これが……本物のセックス、なんですね……」
その後、光司は連続して二回、未優に精液を注いだ。
昼食の時間になり、光司は未優をリビングに誘った。
未優の姿を見た玲美が驚いた表情をみせる。
「彼女と食事をしたいんだ……いいよね?」
玲美は光司と未優を交互に見て、頷いた。
本来、本物の食材を使った料理の提供は光司のためだけにある。
だが、光司は肉体を重ねた未優にも本物の食材を味わって欲しかった。
今日の昼食のメニューはカツ丼だった。
「これ、凄く美味しい、ですっ!」
本物の食材に未優は感嘆した。
本物の食材、本物のセックス。
DKウィルスが奪った人間本来のあり方が、光司と交わった女性たちを通して復活するかもしれない。
何かの縁で光司と交わることになった新人類の女性たちに、今の分断され孤立させられた人類のあり方を変えていって欲しい。そんな願いを光司は持っていた。