※この作品はR-18です。

魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました― ハーメルン版   作:ヨシMAX

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魔王立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)


第101話 オークのboy meets girl

 エルンヘイムで立ち上った戦乱の火種。

 その真っただ中に今、私は居る。

 

 どういう事だか分からないのだが私は味方であるアルシー殿と戦っている。

 最初、私はリリア殿が一方的にやられていたのでこの娘は敵だと思っていた。

 

 どうやら彼女は成人化したアルシー殿らしい。

 そして、どういう訳なんだい、これは。

 一つ一つの攻撃が殺意高過ぎやしないかい。

 いや、それは私が最初に同じ様に殺意MAXで攻撃していたからだと言われれば返す言葉もないのだけどね。

 

 それにしても……イナバ殿は一体何をしているんだぃ!

 リリア殿には救援要請を頼んだが果たして私がもつだろうか。

 さっきから能力アップの特殊スキルを使い続けているのに何でこんなに押されているのか。

 

 私の攻撃は紙一重でかわされて全く当たる気がしない。

 しかしながらアルシー殿の攻撃は僅かであるが私に全て掠っていてダメージは少しづつ増えていくのが分かる。 

 

 全く、嫌にな……あ。

 アルシー殿の数度目の攻撃が完全に私の隙を突いた、ヤバイ。

 

 

 ズカァァァアア――――ン!!

 

 

 「イテテテッ……。まいったね」

 

 

 空中でアルシー殿の会心の攻撃をモロに喰らった私は地面にこれでもかと言う程に叩きつけられた。

 少しは手加減してくれ給えよ……。

 

 ズタボロの身体を引き摺り何とか起き上がるとアルシー殿に向き直るが……。

 ダメだ……、もう、手が上がらない。

 

 初手からスキルを使い続けてるのに戦いが長引いてしまい挙句に、ここまでのダメージの蓄積度合いをかんがえれば当然の話だね。

 アルシー殿が武器を構えて私に向けて駆け出した。

 いよいよ来るか……受け止められなくともかわす位は……。

 

 

 「私の邪魔をする奴はみんな、いなくなっちゃえぇぇ――っ!!」

 

 「は、速っ?!」

 

 

 マズった。

 そう思った時には既に彼女は私の目の前にいた。

 かわす位は出来るかと思ったけどこのままでは私は真っ二つ――。

 

 

 ドバァァァァアアア――ン!!

 

 

 瞬間、私の目の前からアルシー殿が消えた。

 正確にはアルシー殿の右側から閃光が煌めき彼女は光の帯に飲まれた。

 一体何が起きたんだい。

 

 だるい身体に力を込めて頭を閃光の走った方向に顔を向ける。

 

 

 そこには――。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 ~ヒルベルダがアルシーと激突する少し前~

 

 

 俺が地下水路を走っていると衝撃が数回起こりバランスを崩す。

 くっそ、街の中で何かが起きてるのは確実だな。

 

 俺が狭くて暗い地下水路をこうして全力で走っているのには理由がある。

 眠っていた俺をシャルルが叩き起こしてある場所に行けと急かしたのだ。

 

 まあ、シャルル曰く、緊急事態との事で空中を猛スピードで飛んできて俺の頭を一閃したのだが流石に多少イラっとしたのは内緒だ。

 ダメージも少し通ったし痛い。

 

 ただいつも冷静なシャルルがあんなに慌てたのは初めて見た。

 だから俺は文句も言わずにシャルルと一緒に取る物もとりあえず部屋をでたのだ。

 

 

 『主様、ここを真っすぐ、突き当りを右です』

 

 「わかった。そちらの方向に居るんだな、……アルシーが!」

 

 『そうですよ! 絶対に見失ってはいけませんよ』

 

 「もちろんだ! 今度こそ絶対に失ってたまるものか!」

 

 

 シャルルに導かれ俺は地下水路を走り突き当たり付近についた時だった。

 

 

 「――っ?!」

 

 『主様』

 

 「こちらも捕らえた」

 

 

 曲がり角の先に気配を感じた。

 それは極微量でややもすれば見逃してしまいそうな弱い気配だった。

 

 俺はシャルルを構えて慎重に近づくと曲がり角を飛び出した。

 するとそこに居たのは――。

 

 

 「イナバ君でしたか……。私とした事が少々敵の規模を見誤った様です……。申し訳無いですが後は……任せます」

 

 

 そこに居たのは全身傷だらけになり、壁際にへたり込んでいるフェルンデル――ここエルンヘイムのギルマスだった。

 まじかよ……、この人程の実力者がここまでボコボコになるなんて敵も本気だな。

 まあ、流石なのは全身傷だらけで中には数ヶ所深手も多少あるものの致命傷になる様なダメージは一切無かった。

 

 

 「……レインの隊は帰ってますか?」

 

 「ああ、ついさっき俺が出てくる時に入れ替りで会ったよ! ギルマスの部隊も無事に合流して施設に帰りついてる」

 

 「そうですか。それは……一安心ですね」

 

 「立てるか?」

 

 「……先を急いでいるのでは?」

 

 「そうだけど放っておく訳にもいかんだろ」

 

 「大丈夫ですよ。自分で帰れます。今は周りに結界を張り体力の回復に努めていただけなのですから。見つかるとすればあなた方位です」

 

 「……本当か?」

 

 「イナバ君、私は今回の侵攻は盛大な時間稼ぎと考えている。ある人物と君を会わせない為のね」

 

 「ある……人物?」

 

 「まあ、薄々感じてはいるでしょう。あなたのその相棒も分かってる様だ。……この先の通路を回り込んだ突き当たりに隠し階段があります。それを使えばあなたの目的地まで通常の10分の1以下の時間で着けますよ。私はレインに見つかるまで……少し休みます」

 

 

 そう言うと彼は穏やかな寝息を立てて眠った。

 信じられないがこれだけのダメージを受けながら彼は既に回復し始めていた。

 俺程のチートではないにしろ大したもんだ。

 

 それにしても「見つかる」まで?

 「見つけてもらえる」まで、じゃないのか。

 

 

 『無茶をして仲間を逃がす為に戦線に1人で残ったのでしょう。レインがそれを聞いたら飛んでくるに違いない。だから「見つかる」まで……、実にこの人らしい』

 

 「ああ、そう言う……。 この人らしいって?」

 

 『さあ、早くこの通路の先へ!』

 

 「わ、分かったよ!」

 

 種族進化時に会っただけなのに……。

 あから様にごまかされた節はあるがまあいい、俺は地上への出口を目指して再び走り出した。

 

 

 「……頼みますよ」

 

 

 背後に静かなギルマスの期待を背負って。

 

 

☆★☆★☆★ 

 

 

 ~そして現在時間~

 

 

 「おいこら、大丈夫なのか? 今のは!」

 

 『彼女にあれしきの攻撃が通る訳がないでしょう?! ほら、無駄口叩かずに警戒してください! 主様』

 

 

 ふう、やっと来たのかね。

 悪運の女神足る私とはいえ今回ばかりは流石に本当に死ぬと思ったよ。

 

 私の視界に入ったのは地下からの階段から上半身だけ出してアルシーに向かい攻撃を放ったイナバ殿の姿だった。

 

 

 




亀の歩みの様な遅筆になってきました( ;´・ω・`)
ここまで読んで頂き有難うございます♪
宜しければ評価を貰えると嬉しいです꒰ ´͈ω`͈꒱
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