※この作品はR-18です。

魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました― ハーメルン版   作:ヨシMAX

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魔王立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)


第112話 オークと魔王VS魔王①

 

 

 「さて、今度は全力で行かせてもらおうか」

 

 

 ロマリアスは優雅に右手の指を鳴らすと奴の後ろの空間に沢山の騎士が暗闇から浮かび上がってきた。

 なんだよ、あれ、便利過ぎやしないか。

 

 

 「兄様、シルバースピリットアーマーです。大丈夫だとは思いますが念の為にご注意ください」

 

 

 シルバースピリットアーマーか。

 確かゲーム内では魔王城に配置される騎士の中でも側近に入る。

 レベルも高ければ技量も高い、装備している武具も一流だ。

 うん、これはあれだな、殺しに来てる。

 俺は手持ちのメイスに魔力を流して臨戦態勢に入る。

 

 最終的に入口ホールにシルバースピリットアーマーが50体現れた。

 ……と言うか、多すぎやろ!

 オーバーキルだよ、こんなん。

 

 

 「お前達をこの世から消せさえしたら私の敵は最早いない」

 

 

 そんな事ないぞ。

 割と俺クラスのレベルは居るはずだ。

 今まであった事は無いけど俺と叔父さん以外でも転生者はいるかもしれないし。

 

 

 「兄様、考え事をしている場合ではありませんよ。私も戦いますが身体強化魔法をかけてあげますので兄様も頑張ってください」

 

 

 そういうとグリッシュは俺に身体強化をかけた。

 俺の身体は青白く光り……なんだ、これ?

 なんだか俺はこればっかりだな、驚いてばかりだ。

 

 結論だけ言うと俺の身体レベルは段違いに跳ね上がった。

 グリッシュの魔法はここまで強力なのか。

 これならいける、かもな。

 

 ロマリアスはシルバースピリットアーマーの群れの後ろに隠れてしまった。

 だが今の俺ならこれ位の戦力なら……。

 

 俺は姿勢を低くしてメイスを構え地面を蹴った。

 全力で敵軍に突っ込んでいく。

 

 攻撃が届くかどうかの距離で俺はメイスを振るいだす。

 するとメイスの先から光の帯が伸びてシルバースピリットアーマーを次々となぎ倒していく事ができた。

 

 だが俺の持っているのはただの普通のメイスだ。

 そこら辺の武器屋で売られている量産品の一つである。

 実際の話、量産品の武器がここまでの強力な魔法にどこまで耐えられるかがこの戦闘の重要事項である事は既に本能で感じる事が出来ていた。

 

 

 ……1、2、……3、4、……5っ!

 

 

 順調に動く鎧達5体を元の置物に戻し6体目に目標を定め攻撃を加えた瞬間に装備していたメイスが砕けて折れた。

 

 おぉいっ!

 もう壊れんのかよ! 速すぎんか?!

 

 

 「グリッシュッ! 武器が壊れた! 予備は無いか!?」

 

 

 グリッシュも集中攻撃を受けない様に敵の周りを走り回りながら戦っていた。

 

 

 「あら、もうですか。想定よりも早かったですね」

 

 「そうだ! だから早く替わりの武器をくれ!」

 

 「うむむ、これを渡すのは少し速いかと思ったのですが仕方ありません」

 

 

 グリッシュは懐から1本の剣を取り出し――空間魔法で取り出したのが正しいか――俺に向かって投げてくれた。

 

 その間、シルバースピリットアーマーに追い掛け回されている訳だが身体強化魔法が掛かっているので捕まらないし攻撃も受けない。

 投げられた剣を追いかけるのもそこまで困難ではなかった。

 

 

 「よしっ! 捕れた!」

 

 

 俺はグリッシュの投げてくれた剣を無事にキャッチ、装備に成功した。

 

 あれっ?

 逃げ回りながら装備した剣を抜き放つと何やら違和感を感じた。

 違和感……と言うよりかは懐かしい……と言う方が正しいか。

 

 何と言うか……ずっと前から愛用していたというか、親しい人が近くにいる感じと言うか……とにかく不思議な感覚が得られた。

 

 

 「うぐっ!」

 

 

 そんな暢気に物思いに更けながら逃げている俺をシルバースピリットアーマー達が逃す訳もなく後方からの体当たりをもろに喰らってしまった。

 俺もオークなのでまあまあの巨体なのだが結構な勢いで前方に吹き飛ばされた。

 

 更に悪い事にせっかく貰った新しい剣を手放してしまった。

 くっそ! また丸腰になってしまったぜ。

 俺は自分のバカさ加減に呆れながらも起き上がり敵の方に振り向く。

 するとなんとも信じられない光景に驚く。

 

 放ったはずの剣が宙に浮かび敵に向かい警戒態勢に入っている。

 うん、何を言っているのか自分で分からないがとにかく剣が俺を守っている。

 

 

 『早くしろ!! くるぞ!!』

 

 

 話しかけられた!

 武器に話しかけられたぞ!!

 俺はこんな武器を知ってるぞ!

 

 でも……性別が違う様な……

 

 

 『誠広っ! しっかりしろ! ボサッとするな!』

 

 

 はっ?! はっ?!

 俺を誠広と呼ぶのは――。

 

 いや、今はそんな事はどうでも良い。

 俺は宙に浮かぶ剣の柄を握り全力で魔力を流し込む。

 

 

 『ぶふぉああ――っ! お前はぁ――っ! 加減を知れぇ――!』

 

 

 うぉっ!!

 まぶしっ!!

 剣から物凄い強い光の帯が出た。

 なんかシャルルを思い出すな。

 あ、あいつはグリッシュだったっけ。

 

 

 そぉぉおおおおいぃぃぃ――っ!!!

 

 

 俺は光の帯になった大剣でこちらに大挙するシルバースピリットアーマー達を一気に横薙ぎにした。

 

 うぉぉぉっ!

 ぶっとい光の帯に飲み込まれていく銀色ヨロイの騎士達の群れは意外にもちょっと奇麗だななんて思っちゃった。

 

 

 『ふぉぉぉ、転生したと思ったらもう死ぬかと思ったぜ……』

 

 

 叔父さんかよっ!

 なんで武器になってんのさ?!

 

 

 『なんでって……。ゲームオーバーになりたくないからに決まってんだろ』

 

 「決まってるって……」 

 

 『おいっ! しっかりしろ! とりあえず目の前の敵に集中しろ!』

 

 

 そうだった。

 何だか数分の内に情報量が多すぎて色々気が散ってしまった。

 とりあえず剣を構えなおして前方に注意を向ける。

 

 散々追い掛け回されたシルバースピリットアーマーは1体残らず粉みじんに消え去りロマリアスのみが異様な圧力を醸し出しながら立っていた。

 奇麗なヨロイだったし1つ位は残しておいても良かったかな……。

 

 

 「その気配は……ロマリアスか。くっくっく……。大人しくしておけば2度も滅せられる苦しみを味わわなくても良かったのにな」

 

 『ふん、生憎俺は同じ相手に2度負けない事にしているのだ。前の様に行くと思うな。っーか、あんな不意打ち、誰でも死ぬだろうがっ!!』

 

 

 ロマリアスと俺の武器が煽りあってる。

 果たしてどんな死に方だったのか、気になる事が多すぎるが……。

 叔父さんとグリッシュと俺の3人がかりでもここでロマリアスは仕留めておかないといけない。

 

 また増援を出される前に一気に行きたい所だ。

 とは言えあいつが増援を出す時は一瞬だし抗い様も無いんだけどな。

 

 それであるならばロマリアスの使える手を悉く潰していくまでだ!

 

 

 




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