※この作品はR-18です。

魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました― ハーメルン版   作:ヨシMAX

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魔王軍立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)


第14話 ゴブと伝説の武器シャルル

 

 

 俺は謎の武器シャルルに頭に直接話しかけられパニックになった。

 

 

 『落ち着きなさい、私は今テレパシー的な何かで貴方の脳に直接話しかけています。その娘には聞こえなくて当然です』

 

 

 え! そうなの?

 それならむしろ、やめてくれないか、怖いからダイレクトに脳に話しかけんな!

 

 

 『もちろん音声でも話せますが……ただ、なんかこの方が伝説の武器っぽいじゃないですか、敬って諂いなさい』

 

 

 なんじゃそりゃ。

 伝説の武器とかどこの厨○病患者だよ。

 まあ、確かに銀色に輝く外見は美しいのだが……。

 

 

 『冗談です、別に私は主の貴方と意志の疎通ができれば不都合ありません。特に音声での交信の必要性を感じませんし』

 

 

 主? 俺の事か?

 

 確かに戦闘中にこうして意思の疎通が取れて、それでいて他人に聞こえないというのは利点ではある。戦闘中に作戦を立てる事も出来るし仮に極限状態に追い込まれても話し相手がいるだけで正気を保てる事もあるだろう。

 

 まてよ、……こうして意思の疎通が取れるという事は逆に言えば俺の思考は常にお前にダダ漏れなのか?

 

 

 『そうですね、ダダ漏れですが、そんな些細な事は私と主の間では気にしないでOKですよ』

 

 

 どんな関係だよ、装備者と武器の関係だろう。

 重たい彼女みたいなこと言うなや。

 

 

 『彼女だなんて……、まさか貴方は私という武器に興奮しているのですか? いくら私が美しいからって……変態ゴブリンですね!』

 

 

 何言ってんだよ!

 確かに俺はゴブリンだけど人型の女性を選ぶわ!

 

 ……うーん、力説すればする程コンプラに引っかかりそうだ。

 それともあれか? 擬人化しちゃうってか?

 

 そんな訳ないか……。

 へし折っちゃうぞ、本当に!

 

 

 『わかりました、わかりましたよ。……冗談が通じないですね、……では、必要以上にテレパシーで話しかけませんので、そろそろ娘の可哀想なものをみる視線に気付いた方が良いですよ』

 

 

 あ、忘れてた……。

 あと、サラッと悪口言うのやめてくれません。

 

 

 「イナバ様、大丈夫と?」

 

 

 シャルルを持ったまま惚けていた俺を見かねて再度、アルシーが話しかけてくる。

 

 

 「あ、ああ。アルシーの言う通り、少し疲れたみたいだけども……大丈夫だ」

 

 

 正直、未だパニック状態なのだが、この場はアルシーに悟られないよう誤魔化す事にした。

 

 

 「わかりよした。ばってん、まだ訓練は始まりよしたばっかりっちゃ、調子が悪かりゃあすぐに言うてくれんね」

 

 

 何とか不審に思われながらも誤魔化す事に成功したようだ。

 

 そして彼女はいつか見た直径1メートル位の輪に魔力を込めると森の方角に放り投げて続ける。

 

 

 「さてと……それでは、今からイナバ様の格闘適正ば調べるけん、そこそこん魔力ば使って魔物ば多めに発生させるばい。奴らは殺す気で来よらすけど危のうなったら助くるけん、可能な限り戦闘ば継続してくれん。準備はよかと?」

 

 

 なに、このデジャブ……?

 

 

 「えっ! 今度は格闘のみでこの前の群れの相手をするのか!? ちょっと待ってく――」

 

 「訓練、開始――!!」

 

 

 俺の静止も虚しく、再び訓練は開始された。

 たった今無理はするなと言ったばかりじゃないかぁ!

 

 知ってる、……知ってるよ。

 この前は確かに少しでも気を抜いたら死にかねない数のゴブリン達に襲われた。

 

 今現在、静かな森がやがてはゴブリンパレードになる事を俺は既に知っている。

 そう思うが早いか森の奥から大群がこちらにやってくる足音が最早轟音となり響いてくる。

 

 

 「来るけん!」

 

 

 アルシーが、そう言うと森の奥の木々を薙倒し大小様々な野良ゴブリン軍団がやってきた!

 

 例によって個々は弱いが群れると途端に狡猾になるゴブリン達が、こちらに雪崩込んでくる!

 

 

 「ちょっ、ちよっと――、だから! 多いってば! アルシー!!」

 

 

 俺は森から飛び出してきたゴブリン軍団から無駄とは知りつつ逃げ出した。

 

 

 「やけん! 逃げたら何もならなかろうもん! 大丈夫ばい、今のイナバ様が更に武器ば持っとーばい! 例え上位種ゴブリンが混じっとっても負くるわけなかばい! ほら、戦うてくれん! ほら、ほら!」

 

 

 アルシーは浮遊魔法なのか。

 走る俺の隣を浮きながら着いてくる。だからそれ! 楽そうだよなっ!

 しかも今シレっと上位種がいるって言ったよね!?

 

 

 「だからさ! ちょっと数を減らしっふべっ!!」

 

 

 アルシーはいつかの再生の様に空中で器用に一回転し、俺に問答無用の廻し蹴りを食らわせた。

 

 

 「くっくっそぉ――、何度も何度もこんな事で……」

 

 

 アルシーの強烈な蹴りの破壊力にゴロゴロ転がりながら、何とか体制を立て直すと頭を振り悪態をついた。

 すると右手の銀色の棍棒が光り出して俺の脳内に女性の綺麗な透き通った声が響き渡る。

 

 

 『落ち着きなさい! 逃げなくても良いですよ。あんな連中、大した事ないです。私がいれば貴方に敗北はありませんよ』

 

 

 え?

 この武器か……、シャルル……だっけか。

 

 俺の正面から悍ましいゴブリン軍団が向かってきている!

 俺もゴブだけど……

 

 

 『ゴブ同士で醜いですがいいでしょう、私の準備運動位にはなるのではないでしょうか』

 

 「よ、よろしく頼むよ、ゴブリンになっちまったけど直ぐに死んだらさすがに悔いが残るしな……」

 

 

 シャルルに一喝され多少の落ち着きを取り戻せた。

 もうどうにでもなれ!!

 

 俺はこんぼ……シャルルを構え、大群に向け駆け出す。

 先頭の数匹が棍棒で俺を殴り倒す為に振りかぶる

 

 ――が、見える、動きが見えるぞ。

 頭を粉微塵に潰さんとする一撃が迫るが落ち着いて掻い潜り集団の裏にまわる。

 すかさず、両手で持ったシャルルを振り回しゴブリン達をなぎ払う一撃!

 

 

 『あ、ちょっと……』

 

 「うおりゃ――!!」

 

 

 いつぞやの様にまたまた豪快に空振った。

 一瞬怯んだゴブ共がグホグホ笑っている、毎度の事ながらムカつく……。

 とりあえず後方に飛び退き、距離をとる。

 

 

 『全く、見てられませんね。……主、貴方は惨めな程の短躯なのです、あんな広い間合いで当たるはず無いでしょう!』

 

 

 くっ、そうだ、今の俺はゴブリンなんだ。

 ゴブリンの間合いを理解しないとシャルルの言う通り、攻撃が当たらない。

 

 

 『私を持つ手を伸ばして敵との間合いを計り直すのです!』

 

 

 シャルルに言われた通りに慎重に、それでいて迅速に間合いを見定める。

 俺のリーチはシャルルを含めて1メートル半チョイ、よしっ!

 

 




ここまで読んでくださり有難うございます。
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