※この作品はR-18です。

魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました― ハーメルン版   作:ヨシMAX

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魔王軍立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)


第6話 ゴブの今後とステータス

 「なるほど、記憶と技術を残したままスタートに戻されたって訳か。本当なら絶望感しかないがその分、レアスキル3個……【再生】は超回復スキル、【超成長】は通常経験値の10倍を得ることが出来る成長スキル、更には【絶影】か……、道理でどんだけ走ろうともスタミナが尽きる事が無かった訳だな。あ、あと蹴っ飛ばされたダメージも瞬間で回復したしな、……それはそうとその君の話し方だけど訛りきついよね? いまいち内容がすんなり入ってこないんだけど……」

 

 

 俺は火の玉でやって来た少女アルシーに話し方の改善を要求したのだが。

 

 

 「はっ? わ、わたしが? そげん事なかよ、な、訛っとらんね!」

 

 

 アルシーは顔を赤くして細い両手を振り上げプリプリと怒っている。

 思いっきり訛っているだろうが、……直せないならまあ仕方ない。

 

 アルシーの身長はゴブリンの俺より少し高い。

 艶のある漆黒の髪は真ん中で分けられ眉毛の上で揃えられている。

 濃い碧眼は吸い込まれる様に美しく鼻筋が通っており、その下には小さな可愛らしい口。

 

 体格は小柄で年相応の可愛らしさが全体から醸し出ている。 

 ゴブの俺とは違い地球にいたとしても疑い様のない程に外見は人族そのものだ。

 ただ唯一人と違う所は……両の側頭部からは小さな白い角が生えている。

 

 袖が振袖の様にダブついた薄青色のワンピースを着て黒のブーツを履いている。

 服の上からウェストニッパーを付けているが、その身体は凹凸が少なく効果の程は定かではなく手足も細い為、実年齢は分からないが小学校高学年位と言われても信じるだろう。

 ここが本当に異世界なら彼女は歳上かもしれないが容姿だけをみればとても可愛い美少女だ。

 ――黙っていればな。

 

 

 「何ば見よると。私の魅惑ボディに欲情でもしたんか?」

 

 

 黙っていれば美少女、黙っていれば……。

 

 

 「良かばい、グリッシュ様からはそちらんお世話もする様に仰せつかっとりますし外見年齢は今よりも上げる事も可能ばい。何やったら番(つがい)になり子ばなして主ば盛り上げよちゅう指令も受けとりますけん全てお任せしてくれんね」

 

 「――OK、OK、わかった、わかったが今はそれはいい。これから宜しくな、アルシー、それでこれからどうしたらいい?」

 

 

 何やら如何わしい提案がなされようとしていたので無理矢理に本題に戻した。

 こんな一見すると小さな少女であるが世界を生き抜く為には彼女のサポートは大いに必要だ。

 最終的な目的は未来の四天王を始めとした魔王軍の再建、俺を中心としたこの世界の統一といった所か、とにかく同じ時間軸で再び失敗する訳にはいかない。

 それでは魔王軍全体で頑張った意味が無いのだ。

 

 ここは先ほどアルシーが盛大な爆音と共に着弾した場所だ。

 荒れ果てているし、これからの方針を決めてさっさとマシな場所に移るべきだ。

 

 

 「まずはこん装備ば身につけてくれん。やる事は沢山あるとに、ここで体制ば整えますけん」

 

 

 アルシーは中空から見覚えのある装飾の鎧を取り出し俺に差し出す。

 ゲームの頃の常識では空間魔法は高レベルな魔術師しか使えないはずだが、さすがサポート役になるだけの事はあるか。

 ――と、渡された鎧を見る。

 

 

 「こ、これは……!」

 

 

 この鎧は俺が前世、魔王時代に身につけていた伝説の鎧だ。

 どうしてこれがここにあるのか、しかも腹に付けられた傷が全く見当たらない。

 初めてこの鎧を見つけた時の様に真っ新な新品の状態だった。

 

 

 「そん鎧だけ元ん時代で回収できたけん。放っといても傷が治るっちゃ持ってきたばい」

 

 「有難い。だけど、これは今の俺にはでかいぞ。装備できれば心強いけどな」

 

 「大丈夫、着れば馴染むけん」

 

 

 何を言っているのだろうと思ったが鎧を着ようと試みるとあっと言う間に丁度良いサイズに変化した。

 確かによくよく考えたら魔王の頃の俺が着けていた鎧とは言え幾つもの所有者の手を転々と移ってきたはずなのだ。

 身体の大きさで装備できなければその都度、調整が必要となり不便で仕方ない。

 ゲーム上では省略されてたのかもしれないが身に着けるアイテムには共通としてこの様な機能が有ってもおかしくないのではないか。

 

 

 「おーっ、これは凄いな、さすがだ。こうなると武器も欲しい所だけど……剣は、俺の使ってた剣はないのか?」

 

 「申し訳ごじゃらん、戦闘中に紛失されたて思わる魔王様の剣は見つくる事ができんやった」

 

 

 それは残念。

 ただ代わりの武器を用意してくれているとの事。

 木の棒で嫌と言う程に思い知ったが今の俺はゴブリンだ。

 バランスの良い武器をくれぐれも頼みたい。

 

 

 「あ、それとこれば下げんしゃい。レベルとスキルが任意で確認出来る様になるけん」

 

 

 アルシーはプレートの下がったペンダントを俺に渡した。

 言われた通り、首から下げて念じると目の前に俺のステータス情報が浮かぶ。

 うーん、なになに……。

 

 

 名前:イナバ(♂)

 種族:雑魚ゴブリン

 称号:伝説の量産型ゴブリン

 レベル:1

 HP:15/15

 MP:10/10

 固有スキル:再生   LV1

      :成長促進 LV1

      :絶影   LV1

 常時スキル:言語   LV3

 魔法スキル:なし

 

 

 うっそ!! 俺のステータス低すぎ!!

 魔王の頃のステータスの1000分の1もないぞ。

 

 おいおい、突っ込み所が多すぎて渋滞しているぞ。

 雑魚なのに伝説で量産型なのかよ!

 アルシーがそれを見て笑い転げている。

 あと、再生のスキル!

 説明文に肉片からでも再生できると書いてあるけど怖すぎだろ!

 

 あとは言語スキルだけかよ……。

 異世界転移、サービス悪すぎるだろう。

 

 俺は笑い転げているアルシーに苦々しい顔をむける。

 分かっていた事だけどこのステータスの低さには閉口してしまう。

 前途多難だぜ、全く。

 




ここまで読んでくださり有難うございます。
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