※この作品はR-18です。

魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました― ハーメルン版   作:ヨシMAX

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魔王立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)


第71話 オークと崩された戦線

 

 

 「じゃあ、ウェルニーに向かうにゃんね。イナバさんの魔力注入で最高速度で向かうにゃん?」

 

 「あれは使わんよ、馬2頭の負担がデカすぎるし制御を戻すのに大変なんだ」

 

 「冗談にゃんよ、アルシーさんに聞いたにゃ。お尻が腫れちゃうにゃん」

 

 

 アルシーめ、余計な事を。

 彼女にもらった魔力制御のペンダントも俺にはどうも効果を発揮できないでいる。

 一度アルシーに調べてもらったのだが原因は不明だ。

 

 

 『出力が大きすぎるんじゃないですか?』

 

 

 うおっ、急に話しかけるなよ。

 

 

 『主様の魔力出力量は本当に時として異常に大きくなります。魔法アイテム位では制御は難しいでしょう。例えアルシー様のアイテムでも……です』

 

 

 そうなのか、俺……異常なの?

 少ないよりかマシじゃない?

 

 

 『まあ、それはそうですけどね。装備される身にもなってください』

 

 

 魔力制御、頑張ります。

 

 馬車は静かな街道を走りグラントックを抜けて一路ウェルニーに向かった。

 

 その後、ウェルニーで一晩、宿泊し翌朝サンダルファン王国に向けて出発しようとした俺達に思わぬ一方が届いた。

 

 

 「魔王軍とベルリーザ軍が武力衝突して魔王軍が大勝したって?!」

 

 「そうにゃん、ベルリーザ郊外で魔王様は伏兵にあったにゃん。けど、それらを全部撃ち破って大勝し魔王様一行は意気揚々とベルリーザ帝都に入ったにゃんね」

 

 「魔王様は? みんなは無事なのか?」

 

 「問題にゃいと聞いてるにゃん」

 

 

 リリアが張っていた網にかかったベルリーザ近郊の情勢をリリアが教えてくれた。

 それは良いんだが魔王軍の戦果を何故お前が鼻息荒くドヤ顔で報告してくるんだ。

 それにしてももう両軍とも衝突してるのかよ、血の気多すぎだ。

 大勝出来たから良かったものの警戒心と言うものをもう少し持って頂きたい。

 

 しかし、嫌な予感がする。

 ゲームの頃のマルファス率いる魔王軍もそれはそれは強かったけど……伏兵とは言え、いきなり攻めるのは無謀すぎるぞ。

 伏兵の奇襲効果が薄れたにも関わらずその後も遭遇戦で戦いを続けるなんて俺でもやらないぞ、一度引くのがセオリーだろ。

 

 ルゼブナックめ……、何を考えているんだ。

 

 

 「心配ないにゃん、魔王軍は強いにゃ」

 

 「さすがは魔王様、やはりお強いですね……、それに逆らおうなんてお兄様は本当に……」

 

 

 リリアは楽観的でセレル様は静かにお怒りだ。

 とにかく大勝をして帝都に入れたのなら良しとするか。

 

 そんな風に考えていた俺達がサンダルファン王国への道中を順調に進んでいる最中に更に衝撃の情報が届いた。

 

 

 「ベルリーザ帝都でルゼブナック皇帝と相対した魔王様は……敵のだまし討ちにあい無念の討ち死に……。魔王軍は散り散りになりヒルベルダ様とアルシーは消息……不明……」

 

 顔面蒼白のリリアが持ち込んだ書状に目を通した俺は最初その内容を理解できなかった。

 当然だ、魔王軍が負けた、叔父さんが死んだだと?!

 ヒルベルダ様と……アルシーが消息不明?!

 

 

 「そ、そんな……魔王様が……、ああっ」

 

 「せ、セレル様、しっかりするにゃん!」

 

 

 セレル様があまりのショックで倒れてしまった。

 無理もない、俺だって一人きりだったら立ち上がれなくなっていた所だ。

 

 いったい何が起きているんだ?

 取り返しがつかない、分かれたのは致命的な失敗だった。

 目の前がぐにゃぐにゃになり何も考えがまとまらない。

 

 

 「大将っ! 大将っ! しっかりしろ!」

 

 

 ゴブリン小隊の隊長アルノートが俺に話しかけるが全く耳に入ってこない。

 もう、終わりだ、この時期に魔王がいなくなっては俺達に勝機はない。

 おまけに後を継ぐべき娘のヒルベルダ様と相棒のアルシーまで……。

 

 

 『しっかりなさいっ?! 主様!!』

 

 「痛っ」

 

 

 背中に背負っていたシャルルから魔力が弾けて俺を正気に戻した。

 

 

 『状況は確かに絶望的ですがまだ私がいます! リリアさんも! ゴブリン小隊だって! そしてセレル様はあなたが守らずにどうするんですか?! しっかりなさいっ!!』

 

 「わ、分かってる、だけどこんなのどうすればいいのか……」

 

 『くっ、私にもっと、力があれば……』

 

 「イナバさんっ! 大変にゃ! 敵の気配がっ!」

 

 

 なんだとっ?!

 俺の探索スキルにはなにも……、何て言ってる場合じゃないか。

 見れば確かに俺達は囲まれている。

 

 ただっぴろい草原を抜けるのがサンダルファン王国への近道なのだが、そんな経路は伏兵で狙い放題なので回り道をしあえて密度の薄い林の中を俺達は進んでいた。

 

 その為、身を隠す障害物はそこそこあるのだが大軍で囲まれるとなす術もなくすり潰されるのがオチだ。 

 

 敵軍は旗こそ上げていないが鎧の着こなしや特徴がもろサンダルファン王国の色が出ている、あほか、もっと隠せよ。

 

 ……これはマズい、状況は最悪だ。

 

 どうしてこう次から次へと……。

 そんな事言ってる場合じゃないか!

 早く何とかしないとここで全滅だ!

 

 

 「リリアは中でセレル様をっ! ガンマルは後方をっ! アルノートとファルスは馬車の上を警戒! ジータンは俺の隣で前方を開いてくれっ!」

 

 「「「「「おうっ(はいっ)!!!」」」」」

 

 『何とか士気は回復しましたか。こうなったら地獄までお供しますよ』

 

 「それはお断りしようか、……ここを生きて切り抜けるからなっ!」

 

 




ここまで読んでくださり有難うございます。

ここら辺りから戦乱がイナバを飲み込んでいきます!

宜しければ評価いただけると嬉しいです(*´▽`*)
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