オリシューとISヒロイン(ry 作:user
と前話後書きに書こうと思ってたが忘れる
そう云うことです
宣言通りのキスだった。
リーシュの舌が簪の唇に触れる。簪は素直に口を開き、リーシュの舌を受け入れた。
自分の中に、違う体温が入ってくる。柔らかく滑っており、少し温度が低い。
舌が触れてくると、簪は小さく応えた。
簪は、もう目を開けていられなかった。
リーシュの制服に縋りつき、されるがままに、誘導されるままになっている。
口移しで、泡が混じる少し冷たい唾が送られてきた。口内に送られてきたリーシュの唾を、簪は舌で味わう間もなく飲み込んだ。喉が、こくり、と鳴り、食道を伝って胃の腑に落ちていく。
冷たい唾が、体の中で燃えているようだった。
また、送られてきた。
舌を絡ませあい、口内に湧いた唾を二人でかき回している。
簪は、また飲み込んだ。今度は冷たくなかった。温度が溶け合い、どちらの熱かわからなくなっていた。
次に、吸われた。
舌が吸われ、リーシュの唇を割って中に入っていく。自分から舌を伸ばしたのか、吸われたから入っていったのか、簪にはわからなかった。
リーシュの喉が鳴る。
粘ついた水音だけが響く中で、簪の耳には嚥下する音と、心臓の鼓動が鳴り響くように聞こえていた。
ここはIS整備室だ。
扉はロックされていない。
時間が遅く、今は二人だけとは言え、歴としたオープンスペース。いつ誰が入ってきてもおかしくない。
背徳感と緊張感が、簪だけでなくリーシュも興奮させていた。
ところで、キスの際、手の置き場は重要なポイントの一つだ。
頬や後頭部はいかにもキスを意識させるし、肩に置くのもオーソドックスだ。
背中に回すのは抱き合う形であり、やはり自然な形と言える。
リードされる側の簪は初心者であることだし、されるがままに、手の置き場に困ってリーシュの制服を掴んでいる。
リードする側のリーシュは、簪の腰に手を回し、抱きしめていた。
腰や臀部は、次のステップを意識させる。
互いの性器を押し付け合い、刺激する。
一番性的な形だった。
「あ……………………」
つい、やってしまった。
リーシュのキスは、ほとんどが次の行為に備えて高めあうためのものだし、楯無や本音と交わすキスも、この形から入ることが多い。
そして、簪のような可愛らしい少女と激しいキスをすれば、反応しないわけがなかった。
「男の人って…………」
簪が頬を染め、夢うつつに呟く。
リーシュは先を言わせなかった。
簪の唇を奪い、強く抱きしめる。
簪の背はほとんど弓なりになって、リーシュに支配されていた。
力技で誤魔化した、とも言う。
唇から唾液がこぼれ、顎を伝って制服の胸を汚す。
ようやっと開放されると、簪はリーシュの胸に顔を埋めて荒い息を吐いた。
簪は、アニメを始めとした創作の物語が好きである。
物語の中では、いつだって勇敢な主人公と、頼もしい仲間達が一緒になって戦っていた。
彼らはいつだって同じ台詞を言っていた。何度も使われる言葉なのだから、きっととても大切な言葉なのだ。
『これが最後のチャンスだ』
『このチャンスに全てを掛けろ』
『二度とあると思うな。これが最初で最後だ』
『チャンスが人を見捨てるより、人がチャンスを見捨てる方が多い』
至言である。
チャンスである。
こんな人と、こんな事になる機会なんて、二度とないかも知れない。
事実、リーシュと並び立つ男は世界の何処にもいない。
簪ほどの魅力があれば言い寄る男は幾らでもいるだろうが、リーシュはただ一人なのだ。
絶好の機会と定め、簪は覚悟を決めた。
「わたしで、感じて……、くれたんですよね…………」
キスで言葉を遮られないよう、胸に強く顔を押し付けた。
「すごく、うれしいです…………だから」
最後の言葉は見上げ、リーシュと目を合わせて言い放った。
「もっと感じて……、お手伝い、させてください…………」
箒はこのように申し出るべきであった。
リーシュは簪を抱きしめる力を緩め、優しく唇へキスを落とした。もう一度強く抱きしめると、外れた簪の手がリーシュに触れた。驚いて離れようとする簪の手を、リーシュが上からそっと押さえる。
目が合う。
簪は緊張と興奮で、口内に湧いた唾を飲み込んだ。
そして、スラックスの上から、ゆっくりと、擦り始めた。
二人、並んで長椅子の上に座っている。
簪は、一度もリーシュのものを見ていない。
ずっとキスをしているから、そちらへ目を遣る機会がないのだ。
手探りでベルトを外し、スラックスの止め具を外し、ジッパーを下ろした。
時間が掛かった。
今では、簪の手がリーシュの男性下着の中に消え、細い指が熱く固いものを握り、扱いている。
どうすれば、を、簪はおぼろげに知っていた。
アニメを入り口とした深い世界を垣間見たことがあり、俗に言う耳年増だった。もちろんしたことも見たこともなかったが。
リーシュは簪の肩に腕を回し、頬を撫で、愛撫の礼をするようにキスを繰り返す。
ISの整備室で、二人でこんなことをして、誰も見ていない、物音もしない。
単調な作業に飽きたわけではないだろうが、簪の視線が時折リーシュから逸れる。
自分の肩であったり。頬を撫でるリーシュの手であったり。
何を言いたいのか、リーシュはとっくに察していた。
簪は、状況に酔っていた。
こんなところで男性と、こんないやらしいことをして、身も心も任せたい人で、求めたくなるのが当たり前だった。
リーシュを見る目に非難が混じる頃になって、リーシュは簪の耳に囁いた。
「されたい?」
蕩けるようだった簪の顔は真っ赤に固まり、目を合わせられず、俯いてしまった。
はい、と蚊の鳴くような声で答えた。
リーシュは、いつか本音が言った意地悪な顔で、簪の膝に手を伸ばした。
指を立て、ゆっくりと太ももを登っていく。
すべらかで弾力ある簪の肌を楽しみ、内側へ落ちていく。やがて、スカートの中へ消えた。スカートの中には熱気がこもっていた。
簪の目を逸らさせない。
触れられる簪の顔を見てやろうと、羞恥に悶える顔を見てやろうと、辱めてやろうとしている。
目を伏せたり顔を逸らしたりすれば、手の動きも止める。
何度か繰り返すと簪も悟ったようで、涙目になり真っ赤な顔でいるも、リーシュから目を逸らせないでいる。
足の付け根にまで至ると、簪の下着に触れた。
人差し指と薬指で支え、中指で撫で上げた。
簪の顔が歪んでいく。
撫でるごとに染みが広がっていくのを、リーシュは感じていた。
簪はリーシュを扱くのも忘れ、胸にしがみついて鳴いていた。自分がこんなにも甘い声を出すなんて、信じられないでいた。
リーシュが上手いのか、背徳感に酔っているのか、愛しさすら感じる愛撫が嬉しいのか、肉体が求めているのか、心が求めているのか、簪は鳴き続けた。
簪の下着は滴るほどに濡れそぼり、簪に張りついていた。下着の上からでもくっきりと形がわかるほどに。
そうなってしまえば、感じて、興奮して、膨らんでしまったものが容易に知れる。
リーシュは、簪の下着の上からクリトリスを強く摘みきゅうと捻り、簪は鳴くわけにいかなかった。
声を出してしまえば、きっと響いてしまう。リーシュの制服を噛んで、子宮から生まれた波を耐えるしか、過ぎ去るのを待つしかなかった。
簪は生まれて初めて、絶頂を迎えた。
ふうふうと、荒い息が響く。
リーシュは簪の息が落ち着くのを、頭を撫でながら待っている。子供をあやすようにも見えた。
やがて落ち着き、簪は自分がどうなったか、リーシュが何をしているかを知った。
「ごめんなさい……わたし、だけ。…………あまり、上手にできなくて………………」
「いいや。簪さんの最高に可愛らしいところを見れたからね。それだけでも満足だよ」
「…………でも」
チュ、と。キスで誤魔化された。
自分だけ気持ちよくなり、リーシュは達していない。
ああは言ってくれたものの、自分に気を遣わせないためのリップサービスかも知れない。
自分が不甲斐ないと思ったし、子供のような扱いもイヤだった。
だから、
「………………………………………………昨日、終わったし……」
簪は、自分で一歩を進めた。
「いい、……ですよ」
リーシュは、またも優しくキスを落とした。
簪は悟った。
そうではない。
してもいい、されてもいい、ではない。
リーシュに甘えた。
甘えさせてくれるから、甘えてしまった。
違う。
自分が求めているのは、
「……リーシュさんに、して欲しいんです」
リーシュは応えず、やはりキスを落とした。
簪を優しく抱きしめ、長椅子に横たえさせる。
スカートの中に手が消えて、今度は二本の手が入っていった。
簪は無言で腰を浮かせ、リーシュの動きを手伝う。
指が掛かり、するすると、簪の下着を下ろし始めた。
可愛らしいストライプのパンツが現れ、太ももを超えて膝まで届き、簪の目に入ると同時に悲鳴を上げた。
「み、見ちゃダメです!」
リーシュを突き飛ばし、いそいそと自分で脱いで、慌ててスカートのポケットに仕舞った。
愛液が染みたパンツを見られるのは恥ずかし過ぎた。
「うぅ…………」
顔を両手で覆い隠し、唸っている間にリーシュの準備が整った。
目の前にはリーシュの顔。
スカートが僅かにめくり上がり、リーシュのものが触れているのを感じる。
性器で性器を撫でるように、簪の愛液を塗すように、ゆっくりと動き、動きが止まった。
亀頭が膣口に入り込み、少しずつ圧力を増している。
「あ……あ…………、わ、わたし、……はじめて、……なんです。……………………だから……」
リーシュの首に縋りつき、簪は懇願するように、言った。
「やさしく、してください………………」
「…………もちろんだよ」
濡れる簪に、暴れようとする情動を理性で抑え、リーシュはゆっくりと沈み込んでいった。
簪の呼吸を読み、リズムを合わせ、少しずつ入れていく。
「あっ!」
破れたとき、微かな痛みは熱となり、簪の理性を焼いた。
奥まで全て入り込むと、簪は恍惚と囁いた。
「このままなかで………………」
二人は学園寮を歩いている。
簪の足取りは危うげで、スカートの後ろを押さえている。
リーシュの腕にしがみ付き、内股で静々と歩いている。
リーシュはそんな簪に歩調を合わせ、いつもの半分の八掛けの二割引のペースで歩いている。
見る人が見れば、どころではなく、誰が見ても事後だった。
幸いなことに、IS整備室からここまで、誰の目にも触れないで来れた。
別れずに一緒に歩いているのは、リーシュの制服が乱れたからだ。
簪が噛み付いた拍子に縫い目が解れ、スラックスには良く見なければわからないほどだが、血のあとがついている。
簪が、自分で直す、と言って聞かなかった。
責任感が強いと言うより、やはり意地が、と呼ぶよりは、意思が固い少女なのだ。
見事、誰の目にも触れずに1021号室の前に辿り着いた。
リーシュが、ただいま、とドアを開けると、中から、おかえり~、と返ってきた。
聞き知った声に、簪は硬直した。
「あれ? かんちゃん?」
布仏本音がいた。
同室なのを、簪は知っていたはずだった。目の前の少女から聞かされていた。綺麗すっかり失念していた。
誰にも見られてはいけないのに、極親しい少女に見られてしまった。
「あ」
本音の声だったか、簪の声だったか。
ここにくるまで内股で歩き、気を付けていたのに、本音に会った衝撃で緩んでしまった。
事後、簪は自分のハンカチで、愛液に濡れるリーシュの男根を綺麗に拭き取っていた。
自分はそのままだ。下着もつけていない。周囲と太ももを濡らした愛液は乾いてきたが、中に、リーシュが吐き出した精液を収めたままここまで歩いてきた。それが緩んでしまった。
簪の愛液と混じりあい、緩くなった粘液が太ももを伝って降りていく。
悲鳴をあげ、その場に蹲ろうとする簪に、本音は優しく手を差し伸べた。
「一緒にお風呂入ろう? かんちゃん」
本音はやはり女神だった。
リーシュを放置するわけにもいかず、三人で仲良く入り、簪も新たな扉を開いてしまった。
似たもの主従、なのかも知れない。
翌日の放課後、簪は生徒会室を訪れていた。
姉との距離が縮まって以降、生徒会に所属しているわけではないが、顔を出す頻度が多くなっていた。
自然、姉であり生徒会長である楯無もそこにいる。
簪ちゃんえへへ簪ちゃんかわいい、と余り機能していないが、目に付くところにいるだけ、楯無の従者である布仏虚は大助かりだったりする。
その虚は席を外している。
本人に心当たりはない様であったが、職員室に呼び出されていた。
この場には更識姉妹と本音の三人が、きゃっきゃとお茶をしている。
今日も穏やかに和やかな空気が流れていたところ、楯無の耳に聞き捨てならない言葉が飛び込んできた。
「かんちゃんもオリシューの赤ちゃん産むの?」
「わたし15歳だよ。まだ早いよ。でもいつかは欲しいな」
「!?!?!?!?!?」
衝撃だった。
頭を殴られたような、との表現は比喩ではなかった。
「ちょちょちょちょちょ…………、簪ちゃん!? 一体何言ってるの!?」
「何って……。いつかリーシュさんの子供を産みたいなって話だよ」
「はあ!?」
「はあ、って…………。お姉ちゃんもスイスに行くんでしょ?」
「も!? 『も』ってなに!?」
楯無は簪の首を締めんばかりに縋りついた。
簪は嫣然と微笑んでいる。
明らかに、昨日までの簪ではなかった。
「お姉ちゃん、少し落ち着いて」
言って、自身の服を皺になるほど掴む、楯無の手に目を落とした。
楯無のしなやかな指に違和感を覚え、そっと服から外して目の前で凝視した。
「な、なにかしら?」
楯無の言葉は黙殺。
姉の指をじっと観察する。
先日会った際、指に医療用のテープを巻いていたことを思い出す。
何も聞かなかったが、よく見ると、テープを巻いていた部分に薄っすらと線上の痕が残っている。明日には消えてしまいそうな僅かな痕。
最近、似たようなものを見た覚えがあった。
昨夜のことだ。
三人で風呂に入り、リーシュの裸身を隅から隅まで見てしまった。
そのとき、腕に似たような、円形の痕が浮かんでいたのを思い出す。
ほとんど消えていたリーシュの痣だったが、湯に浸かって体温が上がり、浮かび上がってしまっていた。
歯形、と。簪は見た瞬間に看破していた。
本音が噛むとは思えなかった。
自分で噛める位置ではなかった。
姉の指に似たものがあり、あれが誰のものによるものか、簪は悟ってしまった。
「ふ~~~~ん」
「か、簪ちゃん?」
簪は嫣然と微笑んでいる。
「お姉ちゃんが噛んだんだ」
「!」
楯無は、愛する妹の身に何が起こったのか悟った。
「あ、あの男……わたしの簪ちゃんに…………」
「お姉ちゃん」
楯無の怨嗟を、簪がぴしりと止める。
「わたしはわたしの、だよ」
「か、簪ちゃん………………」
楯無は、強くなった簪を喜べばいいのか嘆けばいいのかわからなかった。
混沌とする場に、ピシャリ、と扉が開く音が響いた。
いつもより音が大きい。
虚が戻ってきた。
「お嬢様。お話があります」
「う、虚さん?」
会長と呼びなさい、とは言えなかった。
何がなんだかわからないが、虚が相当に怒っているらしいのがわかったからだ。
「更識の当主であることを辞め、スイスに行くと伺いましたが、本当のことでしょうか?」
「な、なんで、それを…………」
楯無はリーシュと交わした契約を、まだ誰にも知らせていなかった。
近く簪に話し、虚に話し、それから実家に知らせる予定だった。
それが何故か簪が知っている。虚も知っている。
自分が知らないところで何かが起こっていた。
下手人は簪である。
昨夜、本音を交えてリーシュから色々と話を聞いた。
リーシュの女性関係は気になることだったけども、やはりあれだけの成功を収めている人物なのだから、コツのようなものがあれば教えて欲しいと思ったのだ。
応えは単純明快。
行動すること。
的確に行動すること。
今すぐに行動すること。
考えることはいつでも出来る。だから行動すること。
行動しなければ何も動かない。だから行動すること。
簪は早速行動した。
実家に連絡を取り、いずれスイスに行きたいと告げた。
日本政府の窓口へも告げた。いずれリーシュの元で働きたいと。
更識家には既にリーシュの社からコンタクトがあり、近いうちに代理人が訪れることが決まっていた。更識本家としては、表側の巨人と通じるのは計り知れないメリットがあった。
日本政府も同様だ。
自国の代表候補生がリーシュ=オリオールと繋がれば、いまだ日本に伸びていないリーシュの、手と手を取り合うことが出来る。
ただし、楯無は別だ。
更識の当主だ。
いきなりスイスに行く、と言われても混乱するばかり。
簪は実家に対し、姉も行くらしい、と告げていた。
結果、確認のためにIS学園の虚に連絡が行き、職員室に呼び出されることになったのだ。
楯無に直接連絡しなかったのは、いつものようにはぐらかされるのを恐れたからだろう。
「あ、あの男………………!」
楯無に逃げ場はなかった。
愛しの妹はあちら側へ行ってしまった。
この恨み、どこへぶつけるべきか。
楯無は復讐することに決めた。
復讐は何も生み出さない。
虚しいことだと知りながら。