オリシューとISヒロイン(ry 作:user
「なんか……、あたしが知ってるマッサージと違うんだけど?」
「俺はエステティシャンじゃないんだ。一般的に行われるマッサージを出来るわけがないだろう?」
「そう、だけど…………」
「初めに言ったように、鈴音さんの体へ自分は女性だと教え込むのが目的だ。……それとも止めておくかい?」
「止めないわよ!」
逃げ道を自分で塞ぐ鈴音であった。
一般的に行われるマッサージとは、被施術者が寝台に寝そべり、マッサージを行うのが主だ。
今の二人は、そこからかけ離れている。
ベンチに座るリーシュと、リーシュの足の間に座る鈴音。
リーシュが後ろから手を伸ばし、鈴音を抱きしめる形になっている。
距離が近過ぎる。
始め、鈴音は激しく抵抗した。
汗が! シャワーを浴びてから! 明日にする? 今すぐやるわよ!
場所は、室内競技場に備えられた男子更衣室。
リーシュと、一夏しか訪れない場所。もう一人の男子である一夏は、アリーナでISの訓練をしている。
誰も訪れない二人だけの空間。
出入り口の扉は、鈴音がロックした。
誰も来ないはずだが、万が一にも誰かに見られたら色々とまずい。
リーシュとの関係を誤解されるのは嫌だし、何よりも、豊胸マッサージを受けていると知られたら、もう生きていけない。
悩みを赤裸々に打ち明けてしまったリーシュ以外には、けして知られるわけにいかないのだ。
「…………まだ……、しないの?」
「せっかちだね、鈴音さんは。スイッチを押すような簡単なことじゃないって、わかってるだろ?」
「そうなんだけど…………」
一々尤もで、強く言えない。
鈴音は、鏡に映る自分と目を合わせた。
何故か、正面に姿見が置かれている。
リーシュが言うには、客観的に自分を見れるように、なのだそうだが、どうにも気恥ずかしい。
早く始めて欲しい。
マッサージらしきものを始めてから、リーシュは鈴音に触れてはいるものの、触れているだけで手も指も動かしていない。
右手は下腹の上に、左手はお腹の上に。もちろん肌に直接触れているわけではなく、ブルマと、体操着の上からだ。
鈴音の中で、大きくなるかも、との期待より、何をされるのか、と言う不安の方が大きくなってきた。
女性には無駄に優しいリーシュ、と評判を聞いていても、未知への不安が湧いてくる。
早く始めて欲しかった。
こんなものか、と安心したかった。
リーシュは、焦らすように触れているだけ。
二人とも体を動かした後だから、体温が高くなっている。
手の平越しに、リーシュの体温が伝わってきた。
不快ではなかった。
温かい。
気持ちいい、ではなくて、心地良い。
汗の匂いに酔ってしまいそう。
包まれている実感があり、身を任せたくなる誘惑に駆られる。
リーシュに触れるのが気まずくもあり、手の置き所に困るが、後ろから抱きしめられているのだ。どうしても触れてしまう。
結局、軽く握って太ももの上に置いた。
「きゃっ!?」
不意の感触に、可愛らしい叫びが漏れた。
体を跳ねさせる鈴音を、リーシュは後ろから抱きしめて逃がさない。
鈴音は、鏡越しではなく、振り返ってリーシュを睨みつけた。
リーシュは、唇の片端を僅かに上げ、悪戯小僧のように笑っている。
「変なことするなって言ったでしょ!?」
「綺麗だったので……、つい」
「つい、じゃない!」
リーシュの両手は、鈴音の体の前に回されている。
鈴音に触れたのは手ではない。
温かく、柔らかく、ぬめった感触。
鈴音の髪型は、長い髪を両サイドで結んだツインテールだ。リーシュの目の前に、鈴音のうなじが見えていた。
「今度変なことしたらぶっとばすわよ!」
「師父の拳はたっぷり受けてきましたからね。訓練以外では遠慮したいものです」
「……………………………………、悪かったわよ…………」
鈴音は俯き、リーシュは微笑む。
言葉がなくても、二人ともわかっていた。
鈴音は、リーシュのしてきた事がわかっていたし、リーシュは、自分の行動に効果があったと確認できた。
わざわざ口で言うことではなかった。
リーシュと鈴音の格闘訓練は、転入して間もないラウラが知っていたくらいだ。広く知られている。
だけども、二人の仲を疑う者は一人もいなかった。
鈴音が全力で殴り、全力で蹴っていたからだ。憎しみすら混じる一方的な攻撃を見て、二人を男女の仲と誤解する者は何処にもいなかった。
最近になってこそ鈴音の攻撃を受け流すリーシュだが、始めの内は面白いように殴られ、蹴られていた。
リーシュの体が丈夫だったのか、鈴音が無意識に手加減をしたのか。
リーシュは倒れることなく、今日を過ごしている。
リーシュなりの贖罪だった。
少女の恋を、嘘で散らせたのだ。
殴られようと蹴られようと、それで気が済むのなら。
それに、リーシュが指導を得たいと思っていたのも本当なのだ。
無残な訓練を見て、鈴音にクレームをつけようとする生徒達がいた。
が、されているリーシュがけろりとしているし、倒れたら君が看病してくれないか、と。
言われた生徒達が、鈴音もっとやれ、と思ったかどうかはわからない。
鈴音が、リーシュを感情の捌け口にしていたのは事実だ。
そうと誘導したのはリーシュだし、鈴音が苦に病むことではない。
何も言わずにそうと伝えるリーシュが、鈴音には何故か気に喰わなかった。
何が不満なのか、内心でもやもやとしたものを抱え、顔を上げると、鏡に映る自分が目に入った。
そこでようやく気が付いた。
リーシュと、鏡越しに目が合う。
さっきよりも、唇の上がり方が鋭い。悪い笑い方をしている。
「う~~~~~…………」
ようやく始まった、とも言える。
鈴音に全く気付かせず触れるのは、経験が全くない鈴音からしても、手馴れすぎたやり方だった。
リーシュの左手が、鈴音の胸に触れている。
体操着と、ブラジャー越しに、鈴音の胸に触れている。触れているだけではなく、乳房の形が少し変わる程度には力を込めて。
始めろ、と何度も言っていたものがようやく始まったのだ。鈴音からは、何の文句も言えない。
揉むとも、撫でるとも違う。
先と同じように触れているだけ。ゆっくりとゆっくりと、指を乳房に沈めていく。
触られているのはわかる。けれど、優しすぎる。違和感がなさ過ぎる。とても自然すぎて、当たり前に思ってしまう。
リーシュが触れているのは胸だ。
高まる動悸伝わっているのかいないのか、鈴音にはそれだけが気に掛かった。
左の乳房の次は、右の乳房。
同じようにゆっくりと。
ただ、心地良い。
そして、恥ずかしい。
目を開けていられない。
頭の上で、すん、と鳴り、鈴音は羞恥に目を見開いた。
「に、においをかぐな!」
「どうして?」
「どうして……って、その……、汗臭いし…………」
「いい匂いがする」
「うぅ……」
恥ずかしくて涙が出てくる。
羞恥に悶える鈴音に、リーシュは容赦なく追撃を掛けた。
「!」
左手が胸から離れ、体操着の裾から潜りこむ。
「直に触れるよ?」
「っ~~~~~!」
いい、とも、ダメ、とも言えなかった。
どうにも出来ない鈴音を後目に、リーシュの指が、鈴音の柔らかい肌に触れていく。
舐めるように中を上がって行き、ブラジャーに触れた。
鈴音は、スポーツブラを着けていた。ワイヤーやホックは使われておらず、伸縮性の高い生地で乳房を支えるブラジャー。
リーシュは、アンダー部から親指だけを差し込むと、そのまま一息に捲り上げた。
「!」
体操着の下だ。二人の目には見えていない。鏡にも映っているわけがない。
けれど確実に、鈴音はリーシュへ乳房を晒していた。
リーシュの指が、直に触れている。
控えめであっても、確かに膨らんでいる鈴音の乳房へ、リーシュが触れている。
声にならない声が出た。
さっきまでとは違う触り方。
鈴音が、リーシュの指をしっかりと感じ取れる触り方。
リーシュの手は、鈴音の胸を揉んでいた。
体が熱くなる。
誰かに触られるなんて、初めてだ。
でも胸だけで、どうしてこんなに体が熱くなるのか。
温かく心地良かったものが、熱を持ち始めている。
どうしてこんなに熱さを感じるのか。
片側の乳房にしか触れられていないのを感じ、鈴音は、リーシュの右手がどうなっているのか、今更になって気づいてしまった。
目の前の鏡に、ずっと映っていた。
リーシュは、右の手の平を、鈴音の下腹に乗せていた。横向きにして乗せていた。
鏡に映るリーシュの手は、縦になっていた。位置も少し下がっていた。
ブルマと、その下に穿くパンツ越しに、リーシュの指先が触れているところは。
リーシュの指は、ずっとそこにあった。
鈴音は気付かず、されるがままになっていた。
変なことを、と。
羞恥なのか、怒りなのか、何かに突き動かされて、鈴音が叫ぼうとした時。
「――!!」
リーシュの指が動いた。
右も左も同時に動いた。
右手の指は、中指が伸びて鈴音の柔らかいところに沈もうとし、左手の指は、焦らしに焦らされ、鈴音の意思に反して尖ってしまった乳首を摘んでいた。
甘い声が漏れた。
咄嗟に、口を手で塞いだ。
止めろとは言えなかったし、自由になっている手で止めることも出来なかった。
力なく、リーシュの手に重ねているだけ。
マッサージなのか愛撫なのか。
鈴音の体は、自分が女なのだと感じていた。
リーシュは悪い男だ。
女を言い包めて、体を好き勝手にするような悪い男だ。
止めろと言いたくても、口にさせない悪い男だ。
リーシュは悪い男だ。悪い男だ。ずるい男だ。
鈴音は、繰り返し繰り返し、何度も自分に言い聞かせていた。
意思とは裏腹に、体は勝手に反応している。
口からは、聞いた事のない喘ぎ声が上がっている。
鏡に映る自分が、同じ自分とは信じられなかった。
蕩けた顔をしている少女が映っていた。男に体を任せる少女が映っていた。心のどこかで、あれは自分ではないと思っていた。
鈴音の心は。
リーシュはそんなに悪い男ではないと知っていた。
自分でも、激しい性格だと思っている。
激しい性格の中で一番激しいものを、リーシュは全て受け止めてしまった。笑いながら受け止めてくれた。
失恋して、ショックで、とてもショックで、内に篭って、独りになってしまいそうな自分を、掬い上げてくれた。
とても汚いマッチポンプだ。
でも、悪い男じゃないと知っている。
悪いのか悪くないのか。
二人きりの訓練は、決して嫌いじゃなかったのだ。
リーシュの両の手が離れ、ブルマの両サイドに触れた。
鈴音は、脱がすんだ、とだけ思った。
軽く腰を浮かせ、リーシュに任せた。
ブルマとパンツが一緒になって、膝のところまで下ろされた。
パンツが肌から離れる間際、肌とクロッチとの間で、短い糸が引いたのを、鈴音には見えなかった。
「これから鈴音さんに触るよ?」
鈴音は、ただ頷いた。
「だから」
鈴音の目の前に、右手を持ち上げた。中指だけを折り曲げて、鈴音へと向けている。
「舐めて綺麗にして欲しい」
「…………………………うん」
口を開いて、舌を伸ばした。
リーシュの指が、鈴音の舌に触れ、少しずつ口中に入っていく。
汗の塩気が舌を刺した。
指を根元まで口に含み、口内で唾を溜めて絡めていく。
薬指も唇を割って中に入り、鈴音は指で舌を弄ばされて尚、唾を溜めて絡ませ続けた。
指が離れると、唇とで銀色の糸を引き、すぐに千切れた。
リーシュは、鈴音の目の前で、中指だけを折り曲げて、下ろしていく。
鈴音は鏡に映る二人を見詰め、リーシュは鈴音の体を覗き込んでいる。
鈴音の陰毛は、体相応と言うべきか、薄い。
薄く開いた太ももに、リーシュの指が滑り込み、鈴音に触れた。
「ぅあっ…………」
指の腹で滑るように撫で、膣口を探し当てる。
そのままゆっくりと入り込んでいった。
第一関節。第二間接と。
手の平は鈴音の下腹に、クリトリスに押し当てて、小さな刺激を与えていく。
「痛い?」
鈴音は答えず、首を左右に振った。
入り込み、戻り、また奥まで入っていく。手の平の動きと合わせるように、中で折り曲げられ、鈴音は口を塞ぐことも忘れ、喘ぎ続けた。
気が付けば、薬指も一緒に、二本の指が鈴音の中をかき混ぜていた。
鏡に映るのが自分なのか、と。
自分なのだ、と。
男に、嫌いじゃない男に体を弄られて。
股間の上に、リーシュの手が張り付いているのが見える。
体操着の下で、リーシュの手が動き回っているのが見える。
鏡に映る凰鈴音は、鈴音の目から見て、とても、淫らだった。
鈴音は、しばらく前から気が付いていた。
リーシュは何も言ってこない。
だから、自分から言ってしまおうか、言ってはいけないのか。
流されているだけではないのか。
気持ちいいから、もっと、と思っているだけではないのか。
耳元で、何度も囁かれている。
可愛い、と。綺麗だ、と。愛らしい、と。素敵だ、と。
きっと、全部がリーシュの罠なんだ、と。
悪い男で、頭が良くて、顔が良くて、口も上手くて、ずるい男で、嫌いじゃなくて。
だから、きっと仕方がないこと。
だから、鈴音は言ってしまった。
「…………………………いい、よ」
鈴音は、リーシュの体に背を預け、後ろから抱きしめられている。
背中に、尻に、何かが触れればわかってしまう。
リーシュのが触れているのがわかってしまう。
何が触れているかわかっていて、どうしてそうなったかもわかっていて。
鈴音は、だから、いいと、言ってしまった。
指が止まった。
リーシュは、鈴音を慰めたいとも思っていた。けども、押し通そうとは思っていない。
鈴音は一途な少女だ。
何事にも一途で、だからこそ、たった一年で代表候補生にまで至れたのだろう。鈴音の一途が方向を定めた時、生み出す結果には計り知れないものがある。
そしてとても可愛らしい。
同時に、冷徹な計算も頭をよぎる。
鈴音は、中国の代表候補生だ。
リーシュは中国の経済にも手を伸ばしているが、中国は広く、深い。単純な国土面積で言えばロシアの方が上だが、ロシアは中国と違って人間の居住可能地域が狭い。一概に比べることは出来ない。
多様すぎる国家であり、一律な支配を受け付けない。リーシュにしても、少しずつ手を出すしかない国なのだ。
が、そんな計算は瞬時に頭から振り払う。
代表候補生と結ぶことが、即、国家との繋がりとなるわけではないし、なによりも、腕の中で悶えている少女を放置出来るほど非情な男ではないのだ。
だから、リーシュは鈴音に問いかけた。
鈴音の髪に顔を埋め、悪い顔を見られないようにして。
「鈴音さんは、もう少し素直になることを覚えたほうがいいね」
「え………………?」
「鈴音さんは、何をしたい?」
「!!!!」
顔から火が出る思いだった。
淫靡にたゆたっていた思考が、だけども現実に戻りきる前、リーシュの指が蕩けさせる。
「何をしたいのか、素直に言ってごらん?」
したいのはあんたの方、と言ってやりたかった。
卑怯すぎるこの男は、言わせてくれない。
自分が望む言葉を口にさせようと、容赦なく手指で責め立ててくる。
指が引き抜かれ、鈴音の目前に突き出されると、鈴音は声にならない叫びを上げて、固く目を閉じた。
指は、滴るほどに濡れていた。
当たり前だが、鈴音の唾ではない。鈴音が膣から溢れさせた愛液が、濡らしていた。
答えられない鈴音を、リーシュはまたも指で責め始める。
鈴音の性器と、もちろん乳房も同時に。
何度か鳴かされて、鈴音は消え入るような声で答えた。
「……………………………………エッチ……したい…………」
「どうして?」
「!?」
リーシュは容赦しなかった。
どうしてか。
そんなのとっくにわかっていた。
答えなければいけないのか。
きっと、リーシュもとっくにわかっているはずなのに。
鏡越しに睨みつけると、憎たらしい男はいやらしく笑い、鈴音の頬にキスをしてきた。
耳元でまたも囁かれ、鈴音は観念した。
女を罠にかける手の早い悪い男なのだ。
自分が敗れてしまっても、仕方がない事なのだ。
「……あんたが…………………………」
リーシュは目を瞑り、鈴音の頬に顔を寄せ、言葉の続きを待っている。
「………………好き……だから…………………………」
リーシュは鈴音の腰を支え、ベンチから立たせると、自分に向かせて正面から抱きしめた。
鈴音も応え、目が合うと、自然と唇を重ねた。
立った拍子にブルマとパンツが足首まで下り、鈴音は足を抜いた。
リーシュも同じように脱いでいる。
「指と同じように、ね」
「うん………………」
座りなおすリーシュは足を肩幅に開き、鈴音は跪いた。
リーシュの男根が、痛々しいほどに固く、強く、立っている。
愛しさすら感じてしまうそれを、鈴音は指のときと同じように、口を開き、舌を伸ばし、口に含んだ。
指とは全然違った。
熱くて、太い。
舌を這わせると、脈打っているのを感じられた。
鈴音の口では根元まで咥えられず、だから一旦口を離して、リーシュの亀頭目掛けて唾を垂らした。
泡立つ唾が床に落ちる前に、手で握って、根元まで唾を塗していく。
その間も亀頭を唇で挟み、口内に湧いてきた唾を送っていく。
鈴音は夢中になって、時間を忘れて舐め続け、リーシュに肩を押されてようやく離れた。
導かれるままに、正面からリーシュの上に跨って、リーシュが空けた太ももの間に腰を落として、互いに抱き合い、二度、深くキスをした。
リーシュの両手が鈴音の膝下を通って、鈴音の尻を持ち上げる。
鈴音は、リーシュの首に腕を回したまま。
亀頭が膣口に触れ、リーシュは鈴音に、いれるよ、と囁いた。
鈴音は短く、うん、とだけ応えた。
先端が、鈴音の中にめり込んでいく。
鈴音は、きゅうと強くリーシュを抱きしめた。
リーシュの手から少しずつ力が抜けて、鈴音の腰が少しずつ下がっていく。
鈴音の膣が、リーシュの男根を、少しずつ飲み込んでいく。
破れ、鈴音の血がリーシュを汚した。
時間を掛けて指で解しても、小柄な鈴音にはリーシュは大きかった。
痛みと、何だかよくわからない感情で一杯になり、鈴音は泣いた。
甘いのか辛いのか、心も体も麻痺してくる。
目が合うたびにキスを交わし、鈴音は少しずつ、ゆっくりとだが、リーシュの上で腰を振り始めた。
鈴音が泣いて鳴いて、リーシュが果ててから、二人は一緒にシャワーを浴びた。
精液で汚れた体操着を持ち込み、水洗いをした。
鈴音はずっと俯き、無言でいる。
かと言って、リーシュから離れるわけではなく、ずっとリーシュの指を摘んだままついて来る。
リーシュを意識し始めてから、いつかこうなるかも、と思っていた鈴音だ。
それが本当にこうなってしまった。
ドライな関係の師父と弟子だったのに、こんな関係になってしまった。
誰にも言えない。
まだ入っている気がして、どうにも歩きづらい。
リーシュはそんな鈴音に、歩調を合わせている。
二人、制服に着替えて、いつものように別れる時間、リーシュは柔らかく鈴音へ笑いかけた。
「今日のことは、二人だけの秘密、だね」
「! ………………言い触らしたりしたら、ただじゃ置かないわよ?」
「わかってるよ」
最後にキスをして別れ、鈴音の当面の問題は、違和感のある腰をどうやって誤魔化すか、だけとなった。
1組と2組は隣り合うクラスだからか、ISを用いる授業を合同で行うことがある。
学年別個人トーナメントを間近に控え、互いに奮起を促すためなのだろう。その日も1組と2組の合同授業があった。
リーシュが死んだ目で、織斑先生から金色のリングを渡されている。
リーシュの専用機のスペックを知っている者は、織斑先生を始めとしてリーシュへ憐れみの視線を送っている。
データに変換されるのだから、体を裸にされるだけならば問題ない。むしろ、必要な情報となるだろう。
それに心と、思考すら裸にされるとなれば、拒否しない者はまずいない。
憐憫の視線が痛いリーシュである。
リングを嫌々に薬指へ嵌める寸前、2組の生徒達の中に鈴音の姿を見つけた。
あれから数日が立ち、鈴音は体の不調もないようで、いつも通りの姿でいる。
この時はにこやかな顔に戻り、鈴音へと手を振る。
鈴音は、小さく手を振り返した。
初めは完全に無視をしていた鈴音だった。
苛立ちの視線を向けることすらあった。
それが段々と柔らかくなり、今では手を振り返すまでになった。
その過程を見続けてきた1組と2組の生徒達である。
二人が格闘訓練をしている事は知っていても、二人の間に何があったか、リーシュも鈴音も話そうとしない。何があったのかは誰も知らない。
だけども、折れずに手を振り続けるリーシュを見て、継続は力なり、を実感する生徒達であった。
突然、ぽん、と音がしそうなほど、鈴音の頬が紅潮した。
生徒達はリーシュを見るも、先と変わらず手を振っているだけ。
不思議に思っている内に授業が始まり、覚えた疑問は忘れ去られていった。
数名の生徒が、リーシュのサインに気が付いていた。
手を振っていたリーシュは、中指だけを何度か折り曲げていた。
ある生徒は、わたしもオリシューの指すきー、と思った。
ある生徒は、また別の女と……、と思った。
ある生徒は、あの指に自分もやられてしまった、と、苦く笑うしかなかった。
わからなくても、察せられるものがある。
言葉にならずとも、感じ取れることがある。
青い瞳を一層深い蒼に染め、頬を染める鈴音を、静かに見詰める少女の姿があった。
ぎり、と。
少女が奥歯を鳴らす音。
聞いた者は、ここには一人もいなかった。