オリシューとISヒロイン(ry 作:user
優しいキスだった。
キスの優しさは、唇を合わせるだけ、を意味しない。
リーシュはゆっくりと、丁寧に唇を合わせていく。
虚の下唇を柔らかく食み、舌でなぞり、唇の間へ舌を差し込んでいく。
舌先が歯に触れ、一旦離れて虚を見詰めると、虚は緩く口を開いた。
もう一度唇を重ね、今度は口内まで侵入する。
虚はされるがままでいた。
抱きしめられて体が溶け、唇が重ねられて瞬時に固まり、見詰められるとまたも溶けていく。
リーシュの舌が、自分の舌に触れた。
何が起こっているのかわからなかったし、何をされているのかもわからなかった。
遅れて、これがキス、と気が付いた。
舌が舌に絡んでくる。
自然と、唇と舌に、キスへと集中していく。
リーシュとのキスに夢中になっていく。
だから、すぐには気付かなかった。
腰に回されていたリーシュの手が、虚の胸元へ伸びていることに。
触られる。
まだ早い。
言えなかったし、動けなかった。
口は塞がれていて、虚の手はリーシュの背に回っている。
拒否をして、固い女、面倒な女、と思われるのが怖かったのもあるし、触られるくらいなら、とも思ってしまった。
目を閉じて、リーシュに体を任せてしまった。
虚はもう少し、本音からリーシュの事を聞いておくべきであった。
リーシュの手は、制服の上から虚の胸に触れるのではなく、制服のボタンを外し始めた。
片手で、密着状態にもかかわらず、器用に外す。
虚はいまだ気付かない。
ブラウスの首元を留めるタイを外し、制服の中へと入り込んでいく。
ブラウスのボタンすら器用に外していき、虚の柔らかな腹部へ指を這わせた。
虚はようやく気が付いた。
「まっ…………!」
リーシュが唇を離した瞬間に叫ぼうとするも、すぐに塞がれてしまう。
後ろに下がろうにも、下がれない。壁際に追い詰められたまま。
会ったばかりで直接触られるなんて早すぎるし、下着を見られるのが恥ずかし過ぎる。
誰かに見せるなんて考えもしない、無地で飾り気のないブラジャー。今は、特にそういう期間なのだ。
虚も女の子だ。
人並みに可愛いものが好きだし、可愛いものを身に着けたいと思っている。
それがよりにもよって。
虚の祈りが通じたわけではないだろうが、リーシュは虚の背に手を回し、あっさりとブラジャーのホックを外した。
制服の前を開き、ブラウスも肌蹴させ、ブラジャーの肩紐を外して捲りあげる。
虚の胸には、一度も目をやっていない。
虚と優しいキスを交わしながら、逃がさないよう壁に押し付けて。
そうして虚を優しく抱きしめた。
虚は縋るように、リーシュへ抱きついている。展開が早すぎて、リーシュに縋ることしか出来なかった。
「……恥ずかしい、です………………」
上半身は、全て脱がされてしまった。
脱がされて、今は生徒会長の執務机に押し倒されている。
重厚なデスクだ。上に人が乗ってダンスをしようと、びくともしない。
隠すように胸を抱き、目には涙を溜めて横を向いている。
リーシュは何も言わず、ただ優しくキスをした。
急がずに、胸には触れずに、頬を撫で、頭を撫でる。
虚の手が緩み、リーシュの手へと重ねられ、捉えられた。
「え?」
手の平を合わされ、指が絡み、離さないとばかりにしっかりと握られる。
右手も、左手も。
リーシュの体が離れていった。
胸を隠す腕は、とらわれたまま。
虚は、何も隠さない自身の乳房を、リーシュへ晒してしまった。
「おお…………!」
「見ないで、ください……。恥ずかしい…………」
「とても綺麗だ……」
「あぁ………………」
リーシュを感動させた本音の、姉の乳房だ。
妹は姉に似たのか、姉が妹に似たのか、どちらでもいい。
虚の乳房も、大きかった。
大きく、それでいて形がいい。仰向けになっているため、ゆるく潰れて柔らかさを想像させる。
羞恥が体を火照らせて、男を誘う色香を漂わせていた。
鷲掴みにして、思うさま形を変えたくなる。
羞恥が興奮させたのか、本音と似て小さめな乳首が自己主張をしていた。
抓み、鳴かせたくなる。
だが、両手は塞がっている。
空いているのは口しかなかった。
「ダメです…………!」
乳房の谷間に顔を埋め、舌を這わせた。
甘い体臭と、微かに浮いた汗を舐めていく。
虚の乳房に、リーシュの唾液が跡をつけていく。光る跡は、乳房の下部から弧を描いて先端に向かっている。
リーシュは、虚の乳首を口に含んだ。
「――!!」
感じた刺激に虚は背を反らせ、余韻に浸る間もなく次の刺激が送られてくる。
自分の体を見下ろすと、リーシュの頭が見えた。
自分の胸が、乳房が、乳首が、リーシュの口で隠れている。
口の中で、何をされているかはわからない。感じる刺激は、知らないものばかり。
甘く、鋭く。
リーシュは虚の胸に顔を埋め、虚の顔を見ていない。
だからだろうか、羞恥が薄れ、甘い刺激に、体の疼きに、性的な快楽に、リーシュに体を任せてしまった。
いつの間にか両手の拘束は外れ、リーシュは両手も使って虚の乳房を弄っている。
鷲掴みにして形を変え、両の乳房を寄せて乳首を合わさせ、唇で食み、同時に舐め上げ甘噛みした。
虚は、リーシュの頭を強く抱き、背を反らせて鳴き続けた。
虚が一際高い声を何度か上げると、リーシュの舌が降りていく。
虚の柔らかな腹を舐め、へそには軽くキスをして、制服のベルトに辿りつこうとした時、虚は我に返った。
「ダメです!!」
快感に溶けていた心と体に、理性と力が戻ってきた。
上体を起こして、リーシュの頭を必死で押さえた。
そんなのはまだ早い、とか、嫌われるかも知れない、とか、そんな些細な問題ではなかった。
それ以上はダメなのだ。何が何でも絶対にダメなのだ。
見られたら、触られたら、恥ずかしすぎて死ぬ。
羞恥で死ななくても、身を投げる。
荒い息を吐きながら泣きそうな顔でリーシュを見詰めると、リーシュが顔を上げた。
「意地悪が過ぎちゃったね。わかってるよ、虚」
唇の片端を軽く釣り上げて、笑っていた。
リーシュは、虚が拒否した理由をわかっていた。
わかった上で、辱めていた。
楯無が何度も言っていたように、意地が悪い男なのだと、虚はようやく理解した。
「うぅ…………」
泣きたかった。
恥ずかしいにもほどがある。
リーシュは、人が慌てふためいているのを楽しんで見ていたのだ。
悪い男だ。
酷い男だ。
「とても可愛らしくて、素敵だったよ」
そうして柔らかく、虚の頭を自分の胸に抱いてくる。
見られたくない顔は見ようとしないし、優しい言葉を掛けてくるし、力強く包んでくる。
手のつけようがない、悪い男だった。
虚が落ち着いてくるのを見計らい、顔を上げさせて、またキスをしてくる。
今日は、もうこれ以上を出来ない。
虚の準備が整っていない。
「だから代わりに…………」
虚はリーシュにキスをされ、甘く囁かれた。
間近にリーシュの顔がある。
赤い瞳と青い瞳。
至近で見詰めると、どちらの瞳を覗いているのかわからなくなる。眩暈がしてくる。
考える事を放棄して見詰めると、どこまでも飲み込まれてしまうような錯覚に陥ってしまう。
だから虚は、リーシュの提案に頷いてしまった。
蕩けた理性は、リーシュのことしか考えなかった。
音もなく、生徒会室の扉が開く。
少女の小指ほどの隙間を空けて、中を覗き込む目が一つ。
リーシュが、生徒会長の執務机に座っていた。
左肘を立て、頬杖を突いている。
ぼんやりと、書類の山を眺めているように見えた。
あれから随分と時間が経っている。書類の処理は終わったのだろうか、どことなく疲れているように見えた。
虚の姿はない。
僅かな隙間から、生徒会室の隅から隅まで窺うことは出来ないが、虚はどうやらいないようだった。
安心して、中に足を踏み入れた。
「ありがとう。……ごめんね」
「…………それは順序が逆だよ」
楯無は、あはは、と苦く笑った。
「虚は?」
「見ての通り席を外してる。ただ、仕事が全部終わったわけじゃないからね。直に戻ってくるよ」
「……じゃあちょっとだけ…………。これ、終わった?」
「判子押しも全て完了。あとは各部へ手配すればお仕舞い。…………今度からは自分でするように」
「だって……つまんないんだもん」
「詰まる詰まらないじゃない。仕事ってそういうものだろ」
「ちぇっ…………、は~い」
「…………………………」
「…………ん………………、虚の、紅茶の味がする…………」
「とても美味しかったよ」
「でしょ?」
声は無く、時計の音だけがしばらく鳴っていた。
「そろそろ行くわ」
「もう虚さんを怒らせるんじゃないぞ」
「だって……、リーシュが悪いんだもん…………」
今度は、リーシュが苦く笑った。
「虚を泣かせたら承知しないわよ?」
「わかってるよ」
最後にまたキスをして、楯無は生徒会室を後にした。
「刀奈は行ったよ」
リーシュは、虚の頭を撫でた。
虚は、執務机の下にいた。
座り、足を開いているリーシュの元に、跪いていた。
リーシュのスラックスはベルトが外れ、ジッパーも下りている。
虚の体に興奮し、固く勃起した男根を、虚は口に含んでいた。
言われるがままに手で扱き、熱い男根を舐め上げる。
たっぷりと唾を塗し、ぬらぬらと光る男根を握り、しゃぶっていた。
服は肌蹴させたまま。
時折、リーシュの右手が伸びて、虚の乳房を弄ぶ。
楯無の声を聞いた瞬間、心臓が止まりそうになり、反射的に離れようとした。
出来なかった。
リーシュの手が後頭部を押さえつけ、深く咥えろと言ってきた。
楯無のすぐ傍でこんな行為をしている背徳感と、楯無に見つかるかも知れない恐怖感を、忘れるためには夢中になるしかなかった。
夢中で激しく舌を動かし、頭を振った。
リーシュが楯無とキスをした時、口の中の男根がピクリと震え、少しだけ胸を刺した。
背徳感か、恐怖がもたらすスリルか、行為への興奮か。
虚は、経血が薄れるほど愛液が溢れているのに、気付かないでいた。
リーシュに宣言され、手指の動きを速める。そのまま口内に射精された。
口の中の精液を、吐き出すわけにいかない。
飲み込むしかないが、粘つく精液は飲みにくい。湧いた唾液と絡めて薄め、飲み込んだ。
言われるがままに再度口に含み、丁寧に舐めて強く吸った。
精液が美味しいわけが無い。
色々な意味で虚は涙目になり、デスクの上に冷めた紅茶を見つけ、口内を洗って飲み干した。
一息ついて落ち着くと、自分が何をしてしまったのか、倒れたくなる。
「気持ちよかったよ、虚」
悪い男が抱きしめてきた。
違う女性のすぐ傍で、しかもキスをしながら、あんなことをさせて。
楯無が言っていたように、外道で色情狂な男だった。
睨み付けても、微笑み返される。
挙句、虚の下腹を撫でて、囁いた。
「今度はここに、ね」
胸中に感情が溢れていたが、嬉しかったのは確かだ。
自分で感じてくれた。目に見える形で表してくれた。
幸せ、なのかも知れない。
楯無も、簪も、本音も、だから囚われてしまったのだろう。
こんな悪い男に。
だから、虚は応えてしまった。
「………………………………はい」
抱き合い、自然と甘いキスを交わした。
翌日の放課後、楯無はそろりと生徒会室の扉を開けた。
虚の背中が見える。
簪と本音は、まだ来ていない。
リーシュはいない。生徒会所属ではなく、昨日は偶々だったのだから当然だ。
はぁ、と溜息が聞こえ、虚の三つ編みが揺れる。
嫌な予感がした。
音を立てず、虚に気付かれないよう背後へ回りこむ。
虚は手帳を開いていた。
電子手帳ではなく、紙媒体の手帳。虚が言うには、この方が機能的なんだとか。
開いてるページはカレンダー。
ハートのシールが貼ってあったらどうしよう、と。
幸いにも楯無の予感は外れ、学園の行事が書き込まれているだけだった。
ただ、三種類のラインが引かれているのが気に掛かった。
真っ赤な線。黒い線。薄いピンクの線。
今日の日付は、赤いラインが始まってから三日目になっている。
非常に、嫌な予感がした。
「虚」
虚の反応は劇的だった。
バタン! と、音を立てるほどに強く手帳を閉じ、ばね仕掛けの人形さながら、勢いよく楯無へと振り向いた。
「お嬢様!? …………人のプライベートを覗き込むのは感心出来ません」
「ここはIS学園よ。生徒会長と呼びなさい。それより今の、……何?」
「う……………………」
「………………」
「…………何のことでしょうか? ……学期末が近づいていますから、定期考査に向けてスケジュールを組んでいただけです」
「……………………………………もしかして、…………………………安全日?」
虚の顔が、見る間に赤く染まっていく。
言葉以上に雄弁な返答だった。
カレンダーに引かれた赤は月経日。黒が危険日。ピンクが安全日。
楯無も最近になって、意識し始めたものだった。
「もう! どうして会ったばかりなのにやられちゃうのよ!」
自分のことは忘れている楯無である。
リーシュと顔を合わせて三十分後には体を開き、更に三十分後には心も開いていた。
「まだやられていません!」
「まだ!? まだって言った!?」
「オリオール様に迫られて拒めるわけがありません!」
「開き直った!?」
女の戦いなのか、幼馴染のじゃれ合いなのか、判断がつきかねた。
「本音もちゃんと計算してる?」
「んーー」
二人がじゃれ合っている内に、簪と本音も生徒会室に訪れていた。
「オリシューはおっぱい触っただけでわかるんだって。すごいよね~」
女性の生理周期は、メンタルはもちろんの事、肉体にも変化が現れる。
色情狂らしい、いやらしい特技だった。
「ダメだよ、ちゃんと自分で計算しなくちゃ」
「でも、わたしが計算するより正確なんだよ?」
「男性にそんなことをさせてはいけません! きちんと自分で計算しなさい!」
「え~~~~!」
混沌としていた。
いつもならば窘める立場の虚が、あちら側へいってしまった。
収拾のつけようが無かった。
しかし、そこに何の問題があるだろう。
彼女達は、自分たちの年齢も、立場も、ここが何処であるかさえも忘れ、昔に戻ったのだ。
互いを隔てるものは何も無い、幼い子供時代へ。
『仲良きことは美しきかな』
名言である。