オリシューとISヒロイン(ry 作:user
「――――――!」
音だけの、感嘆の声が出た。
本音はきぐるみパジャマの下にタンクトップを着けていた。う~う~と唸る本音をキスでなだめながら裾に手を掛け、ゆっくりとめくり上げる。胸に引っかかって脱がせない、なんて初歩的なミスは犯さない。脱がされていることすら気付かせない巧みの技である。
セックスを最初から最後まで、理性でもって行うのは難しい。互いを求める内に夢中になるからだ。それは獣の本性であり、だから人間の世界で性は疎まれる。
人間は人間であり、獣ではないのだから。
本音から獣の性を引き出し、初めてへの恐怖を消し飛ばし、夢うつつのままいくところまで行ってしまう。
と、大まかな方針を決め、頭の中で具体的な手順を描いていた。
あっさりと崩れた。
めくり上げたタンクトップが本音の胸を通過し、露になったのをちらと確認した途端、キスすら忘れて見入ってしまった。
「…………わたしのおっぱい、……おかしい?」
「とんでもない! 素晴らしいよ」
「……ほんとう?」
「もちろんだ!」
返す言葉に力が入る。
本音はタンクトップの下に何も着けていなかった。
脱がしきり、恐る恐る手を伸ばしてゆっくりと乳房に触れた。下部から包み込み、確認するかのように優しく持ち上げる。
「ん…………」
確かな重量感がある。
「おお…………!」
リーシュは、本音の胸に感動していた。
長身のリーシュからすると本音は相当に小さい。並んで立てば頭一つ以上に違う。
そんな小さな本音に、アンバランスなほど大きな胸。腰は身長相応に細く締まり、豊かな乳房を強調している。極めつけは潤んだ瞳で見上げるベビーフェイス。
感動しないわけがない。やはり男は馬鹿だった。
だが仕方ない。おっぱいは正義なのだ。
リーシュの感動が伝わったのか、本音は素直に身を任せた。
動悸が止まない。求められているのを実感する。言葉にならない。言葉になるものではなく、体が勝手に声をあげる。
リーシュは本音の反応を見ながら、触れる手に力を込めていく。
指が沈み込むほど柔らかい。
乳房全体が形を変えるほど強く握り、指先だけで撫でる様に円を描き、顔を埋めて本音の体臭を吸い込み、乳房を持ち上げて付け根に唇を付けた。強く吸った。赤い跡が残った。
優しく、ゆっくりと。けして急がない。
本音は気持ちが良かった。
一人遊びすらろくにした事がない本音にとって、徐々に高められていく性的快感は考えたこともないものだった。
リーシュの指使いから、優しさが伝わってくる。
本音の様子を窺いながら、少しずつ、少しずつ開拓していく。
本音は気持ちが良かった。
指も、唇も、気持ちも、触れているもの全部が良かった。
そのうちに物足りなさを覚えた。
何が足りないのかわからない。でも、何かが確実に足りていない。
横たわったまま首を上げると、リーシュと目が合った。いやらしい顔をしている。あの顔は知っている顔だ。
本音に言わせようとして、意地悪をした顔だ。
少しくらいの意地悪なら良いけれど、子ども扱いはイヤだった。
自分の体を見下ろしてすぐに気付いた。
あんなになっているのだから、何も知らなくてもすぐにわかる。
本音は、自分のものかどうかさえわからない手を動かし、リーシュの指先をつまんだ。
つまんだまま、力を絞って乳房の真ん中に導く。
「本音は乳首も触ってほしいのかい?」
「うん……。乳首も、いっぱいして………………。はぁ――っ!」
このとき、リーシュは微かな予感を覚えた。
本音の要求どおりに乳首を指で挟んで軽くひねると、高く深い声が返ってくる。高められたものが中で弾けている。
本音の反応のよさに、予感はすぐに忘れてしまった。
キスをして、胸をなぶって、至るところに唇と指を這わせ、作法通りに下へ移っていく。
本音は、装飾のないコットンのパンツを穿いていた。
色は白。バックプリントにきつねさんがいるかどうかはわからない。
肌とパンツの隙間から手指を差し入れ、指先に柔らかな陰毛を感じる。柔らかくちくちくしたものを手の平全体で感じると、指先は熱くぬかるんだ部分へ届いていた。まるで滑らかな泥へ突っ込んでいるよう。
本音が溢れさせた愛液を中指と薬指に絡め、何度か全体を撫で回すと柔らかな泥の中で小さく弾力がある部分が生まれた。
両の指の腹で摘み、前後に動かす。緩急をつけ、時には左右に。指先に引っ掛けては開放する。
中指だけが先行し、膣口に指先を埋めた。第一関節と。第二間接まで入って、中で僅かに指を曲げる。
本音は鳴いた。
指を抜き、そろそろと、本音のパンツに手を掛けた。
「ま、待って!」
揺蕩っていた本音が、声をあげてリーシュを止めた。
脱がされて、見られるのが恥ずかしいわけではない。本音は先に全部見てしまったのだし、それでは不公平だ。
「わたしも、オリシューにしたい」
コミュニケーションとは、お話とは、双方のやり取りがあって成立するもの。片方だけではダメなのだ。
されているだけではダメ。リーシュにも気持ち良くなって欲しい。
本音は間違いなく良い子である。
攻守を交代したものの、どうすればいいかわからなくて途方にくれているのが可愛らしく、そして健気だった。
「本音がされて気持ちよいと思うことをすればいいよ」
「………でも、オリシューはおっぱいないよ?」
「男と女だからね。本音が好きなようにしてごらん」
「……うん!」
されて良かったこと。もしくはされたいこと。
本音はリーシュの固い胸に手をつき、唇と、舌を這わせていく。顔ごと、体ごと下がっていき、すぐにハーフパンツへ辿り着いた。
視線で訊くと頷かれた。
手を掛け、一思いに下ろす。
準裸族なだけあって、トランクスやブリーフなどの下着は着けていなかった。
リーシュの男根が跳ねるように現れた。
恐る恐る触れてみると、熱い。本音の小さな手では握りきれないほど太い。先端が膨らんでいて、可愛く見えなくもない。本音は亀頭という言葉を知らなかった。
両手で握ると、躊躇なく唇で触れた。
舌先だけで突いてみる。舌を大きく出して舐め上げてみる。一部分だけではなく、色々な場所に色々な舐め方を試してみる。
あむ、と亀頭だけを口に含み、中で小刻みに舌を動かす。
こぼれた唾液が男根を伝って流れていった。
「オリシュー、気持ち良い?」
「ああ、とても気持ちいいよ」
礼を述べながら、リーシュは本音の頭を撫でる。
先に覚えた予感が、再び浮かび上がってきた。
「本音は舐められるのが好きかい?」
意地悪く、サディスティックに歪な笑い。
男は基本的にサディストで、女はマゾヒストだ。吐き出す性と、受け入れる性の違いである。
リーシュは本音を辱め、サディスティックな悦びに浸ろうと思った、わけではない。
もちろんそのつもりは大いにあるが、予感の正体を確かめるのが先決だった。
「うん……。オリシューに、いっぱいぺろぺろして欲しい……」
「そう…………。本音は俺にどこを舐めてほしいんだい?」
「えーっとね………………」
本音はリーシュから離れ、ベッドに寝そべった。膝を立て、尻を浮かせ、自分の手でパンツを脱いでいく。バックプリントは確認できなかった。
衣服を全て脱ぎ去り、本音は膝を立てたまま足を広げていく。
「ここ」
両手の指を使って、左右から広げて見せた。
いやらしく、リーシュを誘っているわけではない。ただ、舐めやすいように隠れている部分を見せているに過ぎない。本音は良い子なのだ。
自慰の経験が少ない女性器は未成熟で、だけども膣口は薄く口を開き、透明な愛液を溜めていた。
「オリシューに、いっぱい舐めて欲しいな」
ふらり、と。
リーシュは本音の股に顔を埋め、舌を伸ばした。
舐めて、吸い。甘噛みする。舌を尖らせて、膣口に差し入れもした。
リーシュ=オリオール17歳。若干17歳にして掛けた毒牙は3桁に届こうとしている。『リリスの愛人』との称号を与えられ、あろうことか初体験は精通前までにさかのぼる。
とある一部からは魔人とも恐れられる男が、二つ年下の処女に完敗した瞬間だった。
人には様々な側面が隠れ潜んでいる。
一生表に出ないモノがあれば、本人ですら気付かない思わぬものが顔を出すこともある。
善人が悪を為し、悪人が善を成すのはそのためだ。
リーシュは、本音の隠された扉を開いてしまった。
本音が満足するまで舐め、なぶり、きつく抱き合う。
本音が下になり、リーシュの首に腕を回して離さない。
いれて、と。この時はか細い声で鳴いた。
リーシュは本音の背に腕を回し、押さえるように肩から抱いた。
腰だけで位置を合わせ、突き入れる。
滑って、撫でるに止まった。
「ねぇ。いまのはいった?」
「まだだよ」
「……………………あっ。こんどははいってる?」
「入り口だけ、ね」
「ねぇ…………。あぁっ!! いたっ…………い」
「本音の中に、全部入ったよ」
「うぅ~~~。おりしゅぅ…………、いたい、よぉ………………」
「もう少し、このままでいられるかな?」
「すこし、まって…………。もう、すこし………………」
「本音が痛がってるのを見てられないよ。一度抜くよ?」
「まって……。大丈夫。うごいて、いいよ」
「本当に?」
「……うん」
この時ばかりは、初めての本音を征服した悦びに浸っていた。
ほんの数時間後には打ちひしがれることを知らずに。
だが、それで萎れるほどやわではない。応えられないでは男ではないと、意地を張る。
ほんの数時間後のお話。
翌朝、リーシュと本音が寮の食堂に現れると、津波のようにざわめきが広がった。
本音が、リーシュの腕を引いている。
本音を知る人間ならおかしくはないと思う光景だが、どこか、何か、距離が近い。
「おはよう、一夏。…………と、箒さん」
「おりむーと箒ちゃんおはよー!」
「あ、あぁ。二人ともおはよう」
「…………………………………………おはよう」
「それじゃわたし、たっちゃんの所に行ってくるね。お昼は一緒に食べようね」
「あぁ……、行ってらっしゃい」
「いってきまーす!」
元気な本音を見送るリーシュは、対照的だった。
見るからに力がなく、疲れているように見えた。
ゆらり、と椅子に座る。
ゆらり、である。
生気を吸い取られたような有様だった。
「な、なんか元気ないな? それにのほほんさんと一緒だったし」
「あぁ…………。本音さんがルームメイトだったんだよ」
「あれ? あのエプロンさんは?」
「知らん」
「しらんて……。すごい疲れてそうだけどほんと大丈夫か? 何があったんだ?」
「………………俺が風呂に入っている間に引越ししてきてな……」
「……それで?」
「上から下まで全部見られた」
「ぜっ…………。お前少しは隠せよ!」
「そのまま寝るつもりだったんだよ。あぁ? 文句あるか!?」
「なんで逆切れしてんだよ!?」
「…………………………機嫌をとるのに一晩かかったよ…………」
始まりと終わりだけは合っているが、過程がごっそり抜けている。
あの後、リーシュは本音の腹の上に出した。
子供が出来ても一向に構わないのは事実だが、あえて可能性を高める必要はない。
不謹慎な例えだが、薬や手術で治るからと言って、わざわざ病気にかかる馬鹿はいない。医療技術が発達したとは言え、生命のリスクは確かに存在するのだから。
だが、本音が拗ねた。
中に欲しかったらしい。
こんこんと説き、なんとか納得してもらったがそのまま二回目に移行した。二回目は口に出した。
本音は勉強熱心だった。
楯無との映像を見たがった。始めこそ拒否したものの、今度はリーシュが根負けした。
リーシュによる解説付きで映像鑑賞する。
同じ事をしたがった。
半月の長きに及ぶ疲れと睡眠不足が出てきたが、気力でもたせた。今度は楯無と同じ背中だった。
終わった頃には、東の空が白んでいた。
四月の朝は日ごとに早くなるとは言え、結局一時間も眠れなかった。
本音は元気だ。
きっと授業中にお昼寝をするのだろう。
「そりゃなんつーか。大変だったな」
「大変なんて言ったら本音さんに失礼だろう。でも疲れたよ、一夏。俺、今日学校休む」
「あの千冬姉がそんな理由で欠席を認めるわけないだろ」
「織斑先生に伝えておいてくれ。一夏君にぶっ飛ばされたから動けなくなりました、って」
「てめぇ、ぶっ飛ばすぞ!?」
男子生徒二人は、昨日に続いて今日も仲が良かった。
ちなみに、の話になるが、
昨日、寮でリーシュと別れた後の一夏は神経を高ぶらせ、抜き足差し足で与えられた部屋に入った。静かにしていれば、リーシュと裸エプロンさんのけしからん声が聞こえるかも、と思ったわけではない。一夏の名誉のために断っておくが、けして違う。大人の世界を垣間見せられ、わけもわからず緊張してしまっただけである。
そのおかげで、1025号室の先客がシャワーを浴びていることに気付いた。
そっと部屋を出た一夏は、リーシュよりもよほどジェントルマンである。
廊下でじゅげむじゅげむを唱え、時間をたっぷり潰してから部屋に戻り、篠ノ之箒が同室と知るのであった。
「た~っちゃん♪」
「本音? 朝からどうしたの?」
「これ。忘れ物だよ」
そう言って、二つの紙袋を差し出した。
受け取って、楯無はその場で少し開いて確認した。IS。楯無の専用機だった。
「あ、ありがとう! どうしようかと思ってたのよね」
朝のショートホームルームか一時間目をサボタージュし、リーシュの部屋へ忍び込もうと考えていたところだった。
「こっちは?」
同じように確認し、固まった。
どこかで見た覚えのある布切れが入っていた。
「大丈夫。ちゃんと洗っておいたから」
洗っておかなければいけない状態だった。本音は良い子なのだ。
何故洗わなければいけない状態になってしまったのか。
その理由を楯無は知っている。
「あ……あ……………………」
洗った本音も知っている。
本音が、いつもより綺麗に見えた。
情事の後に、女性の肌がツヤツヤになる描写があるのは、男性の精気を吸ったから、なのはもちろん違う。子宮から栄養を吸収する能力を、人間は持っていない。
性交渉により女性ホルモンの分泌が促されるからである。
それにより肌は潤い、瞳は魅力的に輝き、髪に艶を与える。さらには生理の周期も安定すると、いいこと尽くめなのだ。
若さと恋が両方そなわり、最強に見える。
そこへ肉体の充実が合わされば神になる。
本音は女神だった。
慈母の如く優しい瞳で楯無を見詰めている。
「あ……ああ……ああ………………」
「大丈夫だよ、たっちゃん」
楯無は、撃たれたようにびくりと震えた。
「誰にも言わないから」
「ああーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
楯無は神の威光に恐れおののき、脱兎の如く逃げ出した。
助けを求めて逃げ出した。
親友とも呼べる布仏虚はダメだ。本音の姉だ。何がどうなるかわからない。
仲が良く、互いに気安い黛薫子もダメだ。新聞部所属の彼女に知られたら、何がどうなるかわからない。
リーシュは論外だ。なにせ諸悪の根源なのだから。
辛いとき、苦しいとき、助け合えるのはいつだって決まってる。
「簪ちゃーーーーーん!!!」
「お、お姉ちゃん?」
「うわーーーーーーーーーーん!!!!!」
「ど、どうしたの!?」
同じ学園に通う家族に、妹の簪に救いを求めた。
「本音がぁ…………。本音がーーーーっ!」
「本音? 本音が何かしたの?」
「うえぇーーーーーーーーーーん!!!」
更識楯無。妹の胸でマジ泣きである。
簪は幼少の頃から優秀すぎる姉にコンプレックスを持ち、あえて疎遠でいようと距離を置いてきたのだが、泣きに泣いている姉を突き放せる性格ではなかった。
疑い深い簪が演技を疑えないほどに、本当に泣き喚いている。
距離を置いていたけれど、素敵で、憧れの姉なのだ。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。わたしがいるから」
「ぐすっ…………、簪ちゃん……………………!」
美しい姉妹が、人目を憚らずに抱き合っている。
それはとても美しい光景だった。
後に、楯無が泣いた理由が本音に恥を握られたからと知り、大いに呆れる。
ともあれ、これをきっかけに姉妹は再び仲の良い姉妹に戻り始め、同時に、今まで突き放してきた本音とも関係を深めていくことになった。
私は本作を素晴らしく面白いと思っております。誤解なきよう。
(さっき蛍見てきて気分が良い)