【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
ベッドの上で、嬉しそうにネックレスを弄っている小鳥を見つめていた。
さっきからにやけ顔がとまらないでいる。そんなに嬉しいのか。指先で宝石がついた月のモチーフを触ってはため息をついて、うっとりと眺めていた。
……やっぱり小鳥も女なんだな。
普段はアクセサリーはおろか、化粧すらしたことがない、まるで味気ない女なのに。
でもこういう可愛いところも小鳥らしいといえば、そういえなくもなかった。
「ねえねえ、瑚太朗くん」
ネックレスを指で触りながらようやくこっちを振り向いてくれた。
「似合う?」
裸の胸につけているネックレス。似合うもなにも、それしかつけてないからな。
「似合う似合う。可愛いよ」
「…………。なんか義理っぽい言い方」
「あのな。いまのおまえの姿、裸なんだぞ。せめて着飾ってから言え。あとな、髪ももう少しなんとかしろ。乾かしたとはいえ、クシャクシャだろ」
「瑚太朗くんが髪にも射精するからパサパサなんじゃない」
「……そうでした」
「顔にもぶっかけるし」
「悪かったよ!」
「でもいい。こんな綺麗なネックレス、くれたんだもん。わーい。毎日つけてようっと」
「学校行くときは外せ」
「やだ。隠してつけていく。えへへぇ。瑚太朗くんの女みたい」
「みたい、じゃなくて、そうなの」
「ね、瑚太朗くん」
「ん?」
「もっかい、しよ」
小鳥が腕に縋りついてきた。
初めてかも。
こんなふうに嬉しそうにセックスをねだる小鳥は。
反対側の小鳥の腕を抱き寄せ、目を瞑る顔に近づいて口づける。ほう、と小さな吐息が口の中で甘く響いた。
「……あ、ちょっと待って。これ外す」
「そのままでいい」
「だって、汚れちゃったら」
「汚さなきゃいいだろ?」
「…………」
「疑い深いやつだな。もう顔射しねえよ。今度は子宮の中に注いでやるから」
「あのね……瑚太朗くん」
「なんだ?」
「もしかしたら、なんだけどね……」
小鳥がごにょごにょと耳元で囁いた言葉に、思わず目を丸くした。
「…本当か」
「昨日の夜、陽性だったの。でもいつもは陰性だよ」
「外れることもあるのか?」
「一応毎日ね、検査キット使ってるんだけど、昨日の夜だけ陽性だった」
「…………。病院に行くか」
「えー? だって学校にバレるよ?」
「おまえの身体のほうが大事だ。バレたっていい。むしろちゃんと話せば、学校側もわかってくれる」
「……瑚太朗くんは、責任、取るつもりなの?」
「あたりまえだろ。二人の子供なんだぞ。これからその準備をちゃんとしないとな」
「でも、妊娠したかどうかは、まだ……」
「それを確かめに病院に行くんだ。さあ、小鳥。シャワーを浴びて、支度しろ」
「い、今からなの?」
「早いほうがいい」
「……しないの?」
小鳥が縋るように胸に抱きついてきた。
その頭を優しく撫で、こめかみにキスをした。
「じゃ、一回だけするか」
「…うん!」
「どこに出して欲しい?」
「出すの前提なのかい……」
「子宮の中以外にするよ。妊娠初期だとマズいからな」
「えっとね……」
小鳥が耳打ちした言葉に、呆れて言葉が出なかった。
「……そういうプレイは、おまえにはまだ早い」
「ま、また子供扱いして!」
「せっかくだ、このディルドを使うか。こっちで我慢しろ」
「そんなもの、入れたら壊れちゃうよ……」
「ほら、どうだ? このボタンを押すと」
「わわわっっ! な、なんなの、これっ?! こんな動きすんの?!」
「これが尻の中で暴れまわるのを想像してみろ」
「ふわあ……」
「やってみたくなった?」
「やっぱり瑚太朗くんって……変態が過ぎる。もうあたしゃ諦めた」
「やってみるか?」
「しょうがないから、やってあげる。……ね、瑚太朗くん」
「ん?」
「…………。ずっと一緒にいてね」
「なに言ってんだ。死ぬまで一緒だぞ」
「……うん」
「ほら、泣くなって。これから幸せになろうな。三人で」
「……そうだね」
静かに泣く小鳥を、不思議に思いながらも、優しく身体を組み敷いた。
小鳥はわかっている。
瑚太朗には最後まで気づかれたくないこと――この世界の終焉。
せめて終わるその日まで、彼には幸せなままでいて欲しかった。
これでこの話はおしまいです。
エロなくてすみません。
まあ、書いてもいいのですが、それはまた別の機会に。
デート編は終了しますが、他のエピソードも思いついたら書きたいです。
ちなみに小鳥は妊娠しますが、江坂さんの言う通りあと二日でこの世界は終了です。
たった二日間の蜜月ですが、おそらく小鳥にとってそれは人生で最高の日でしょう。