【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
――半年前
階下から音がする。
サイフォンの湧く音――コーヒーでも作ってんのか。
香ばしい匂いに惹かれるように降りていくと、珍しくリビングで小鳥が座っていた。
「こんばんは、瑚太朗くん」
「なんだ、来てたのか」
はい、どうぞ――、とコーヒーを手渡された。
なんかいつもと違う豆を使っている。俺はもっと安い豆しか挽いたことないのに。
見ると、母親がキッチンにいた。そうか、小鳥が来てるからか。この扱いの差は一体なんだ。
「なにしてんだ?」
小鳥の手元には編みかけのマフラーがあった。もしかして俺に?
そう期待をこめた目で見ると、
「これはちびもす用だよ」
「ちびもす?」
「あたしのお友達」
俺には? といった目で見つめる。だが小鳥は知らんぷりしたかのようにせっせと編んだ。
誰だよ、ちびもすって。
まさか俺以外の男がいるんじゃないだろうな。
それにしては変な名前だが……。
「瑚太朗、降りてきたなら小鳥ちゃんにこれをあげてちょうだい」
母親が皿に盛り付けたお菓子の類を指し示した。……だからこの扱いの差はなに。
しぶしぶと受け取ると、母親が耳元に小声で囁いてきた。
「だんだん可愛くなっていくわね」
「小鳥が?」
「きっと学校でとてもモテるんじゃないかしら」
「いや、あいつ……いつものらりくらりとかわしてるぞ」
「ラブレターもたくさん貰っているそうじゃない」
「小鳥がっ?!」
「あんたも貰ってるのにいつも破いてるでしょ」
「なんで知ってんだよ! ……小鳥か。あいつがバラしたのか」
「付き合っちゃいなさいよ」
「……母さん。あんな身持ちが固い女はいないぞ。何回告白したことか」
「お母さん、ちょっと、買い物に行ってくるわね。ファイト、瑚太朗」
「なんのだ!」
「なんの話してんのー?」
小鳥がリビングからこっちを見ていた。
母親は「おほほ」と笑って出ていった。なんて親だ。小鳥の貞操を売りやがった。
……いや。
これはチャンスだ。
親公認なわけだから、なんの問題もないはずだ。
菓子類の入った皿を持ってリビングに腰掛けると、小鳥が「わーい」と言ってマカロンを口に運んだ。
……さて。
どうやって口説こう。
何回告白してもスルーされるこの身持ちの固い女を落とすには、どうすれば。
親父は「女は押しに弱い」とか言っていた気がするが。
小鳥にそれは通用しない。押したらこいつは蹴り上げるからな。もう急所を殴られるのはごめんだ。
瑚太朗くんもどうぞー、と言って口元にポッキーを持ってきた。あーん、をしてくれるらしい。
久しぶりな気がする。小鳥の「あーん」は。
――ピーン
何かがひらめいた。
「小鳥、ゲームしようか」
「ゲーム?」
「ポッキーゲームって言ってな、わりとメジャーな遊びだ」
「へえ、どんなの?」
ポッキーを一本取ると、その端を咥えた。
「二人で両端をくわえて、同時に食べるんだ」
「…………。同時?」
「そう、そして食べ進んでいって、先に口を離したほうが負け」
「そんなの……負け確定じゃない」
「先に口を離したら、だ。離さなきゃいいだろ?」
「そっか。どっちかが離すから、離さないほうが勝ちか」
「そういうこと。やってみる?」
「うーん……」
「小鳥が勝ったら代返してやるよ」
「えー? 瑚太朗くんの声だとバレるよ」
「おまえの声は録音してある」
「いつしたんかい!」
「おまえしょっちゅう遅刻するからな。出席取るときの声、スマホで録っておいた」
「う…」
「勝利1回につき代返3回」
「乗った!」
ちょろい。
「じゃあ瑚太朗くんが勝ったら?」
「俺は別に代返なんて必要ない」
「…………。キスとかはダメだからね」
ちっ。
「軽いものならいい?」
「どんなもの?」
「小鳥の指先を舐める」
「…………」
「わかった。じゃあ、足の指を洗ってやる。それならいいだろ?」
「なんでそんなとこ洗うの!」
「気持ちいいぞ。俺の手はあの吉野の首筋を触っただけでやつの腰が砕けたんだ」
「瑚太朗くん……吉野くんにまでセクハラを」
「せんわい! 膝カックンのついでだ、ついで!」
小鳥はジト目で睨んでいたが、代返の魅力には勝てなかったのか、いいよ、と頷いた。
よし。
こんなセコい手段に引っ掛かるこいつの将来が不安だが、この際どうでもいい。
ポッキーの片方をくわえて、もう片方を小鳥のほうへと向けた。
「…………」
「ほら、早く」
「……っ、やったろうやないか!」
小鳥のバカは気づいていない。
こいつは勝とうと意気込んでいるが、俺は口を離す気なんかないからな。
おまえの顔が近づいたそのときがチャンスだ。
「…っ」
くわえた。
ポリポリポリ……。
互いに少しずつ食っていく音。あっという間に小鳥の顔が目の前に迫った。
小鳥が。
俺の目を見てたじろいでいる。やっと意図に気付いたか。しかしもう遅い。
途中までだったが、ポッキーを折り、そのまま小鳥の頭を鷲掴み、――唇を重ねた。
「……っっ!!」
暴れる。――が、もう手遅れだ。
ソファに押し倒し、口の中のポッキーを押し込めるように咥内をかき混ぜた。
「ふぁ……っ!」
逃げようと顔を逸らすが、構わず深く唇を重ねた。小鳥の舌……柔らかい。小さな口だ。こんな口で俺のモノを咥えてもらったらたまらないだろうな……。
想像しただけで勃ってきた。
小鳥が気づいたのか、また下半身を狙って足蹴にしようとしてきたのを、今度は身体全体に覆いかぶさり身動きできなくさせた。
そうそう何度も蹴られてたまるか。
乱暴に咥内を荒し、唾液を押し込めるようにかき混ぜていく。次第に目頭に涙がたまるのを見て、さすがにそろそろ離してやるか、と唇から離れると。
真っ赤に染まった小鳥が引っ叩こうとした手を掴んだ。
「この……っ!」
「俺の勝ち」
「こんなの勝負になってないでしょ!」
「直前で口から離そうとしたおまえの負けだ」
「違う! 瑚太朗くんが折って、無理やり……!」
「無理やり、なに?」
「き、き、キスっっ」
「それが狙いだからな」
「~~~っっ!」
「というわけで、小鳥の足の指を洗わせてもらう」
「勝負無効! これナシ! 瑚太朗くんに騙された!!」
「…………。ひとまず保留ってことでいい?」
「保留すんな! 帰る!!」
「おーい小鳥、マフラー忘れていくなよ。あと俺にも編んで」
「誰が編むか!!」
怒って出て行ってしまった。
しかし……。
小鳥の唇、柔らかかったな……。
舌も小さくて、すぐに咽喉に届きそうで、歯並びも綺麗で。
あの口でフェラして欲しい。
邪な妄想がとまらなかった。
「…ぁあっっ、……ぅんっっっ!」
浴室の壁に押し付けて小鳥の背後からねじ込んだ。
二人でシャワーでも入るか、と言ったが、応じた小鳥も期待していた。よほど俺のペニスの気持ちよさに憑りつかれたらしい。
尻を揉みながら回すように挿れると、腰を捻って飲み込んできた。身体はもうすっかり淫乱な女になってきた。
あとは……。
もっと小鳥を酔わせるだけ。
俺に愛されるということがどれほどの悦楽を齎すか、それを心にも身体にも教えてやる。
膝をガクガクと震わせる姿に笑みを零し、優しく内側から膝を持ち上げて正面を向かせた。
蕩けた表情で俺を見ている。今まで見たことがないほど感じ入った表情。
唇の端を持ち上げ、軽くキスを交わすと、小鳥は抱きしめるように腕を首に回してきた。
「こたろ……くん」
「うん?」
「あのね……」
耳元で囁かれた言葉に、目を丸くした。
「おまえ保留すんなって言ってたじゃん」
「だって……吉野くんにはしたんでしょ?」
「せんわい! 手をこう……首筋にちょっと擦っただけ! 変な誤解すんな!」
「それでも気持ちよかったんだぁ……」
「あのな……、いまもっと気持ちいいことしてるじゃないか」
「でも、やって欲しい」
「…………。まあ、いいか。小鳥のお願いだ。……じゃあ、ちょっと俺の嗜好も混ぜてもらうぞ」
小鳥の身体を持ち上げる。
そのまま泡で満たされた浴槽へと下ろした。あらかじめ入浴剤をジャグジーで攪拌してある。水流の勢いを強めると、小鳥はくすぐったそうに泡で身体を浮き上がらせた。
その足を掴んで浴槽の外へと出した。
小鳥の背を一段高いところへと移し、足だけを突き出させるようにした。うちの浴槽は全面がバリアフリーになっている。両脚を浴槽から出したとしても身体は泡風呂に浸かっていた。
その足を――開いた。
「……っ」
小鳥の陰部を目の前に曝け出す。
閉じようとする足を許さず、秘所の中へと指を挿し込んだ。ビクッ――と震える膣内を優しく指で揉みほぐしていく。するとだんだん力を抜いて、足が自然と開いてきた。
「こ、んな恰好……」
菊座まで見えるほどの開脚。
せめて泡で隠そうと小鳥の手が動くが、もちろんそんな動きで隠せるものではなかった。すっかり男根の形を覚えてしまった膣口が、奥で出した精液もろともありありと見えた。
「あ、足の指を、洗うだけなんでしょ?」
「それだけでいいのか?」
「う……」
「気持ちよくしてやるよ。小鳥、そこのレバーに掴まって腰を浮き上がらせろ」
「こ、こう……?」
「そうそう。ではまず、右足の指からな」
ボディソープの泡を押し出し、小鳥の指先を揉みほぐしていく。
ふ……。
俺の手淫はな、あのクソ生意気な女――草薙を篭絡させたんだ。
なにせ気持ちよさのあまり失禁までしたからな。小鳥にそれを期待はしてないが。
この位置だと正面からそれを拝める。万が一、漏らしそうになったら……まあ、泣いたらやめてやるか。
いじめたいわけではない。俺は小鳥を愛したい。
ほら。
指先が、もう震えてきた。小さな指だ。形もいいし、触っててとても気持ちいい。
「あ……う……、……んん」
「気持ちいいか?」
「こ、瑚太朗くんの……手……マッサージ師さんの手、みたい……」
「やったことあるのかよ」
「老人ホームのボランティアでね、お年寄りに介護するために教わって……あ、あうんっ、ゆ、指の間、……いい」
「ここは特に敏感なところだからな、優しくするぞ……。それで? 年寄りにマッサージしたのか?」
「あ、あたしは、その、素人なもんで……腰を揉んであげただけ……あ、ひゃうんっ、く、くすぐったぁい!」
「そうかそうか、小鳥に揉んでもらったその老人を殴りたいが……まあいい。ほら、どうだ? 爪の間もいいだろ?」
「ふあ……やん……あ、あそこが、ムズムズするぅ……」
「感じてる証だ。さっきからおまえの中、いやらしく蠢いてるぞ」
「や、やあ……見ちゃ、やだ……」
「ほら、もっとよく見せろ。……すごいな、こんなに濡れて。よほど感じてるんだな」
ヌラヌラと光る内部の襞がいやらしい。見ているだけでビンビンに勃ってきた。
女の膣ってのは、なんていうか……興奮の坩堝だな。男を虜にさせるのは感触だけじゃないのか。見た目もこれほど綺麗で虜にさせるとは思わなかった。
「な……なんでこんなに……上手なの?」
小鳥が気持ちよさそうな吐息を交えて聞いてきた。
「指を、洗ってるだけ、なのに……」
「小鳥を感じさせたいんだ」
「も、もしかして……あのときしようとしたのも……これ?」
「そう」
「こ、こんなのを……?! しようと、……したのっ?!」
「風呂場でこんなふうにするつもりじゃなかったけどな」
「で、でも……っ! あ、あたしたち、あのとき、まだ」
「あのな、小鳥。俺はな、いつだっておまえを求めていたんだ。機会さえあればおまえを押し倒す気だった。少し時間はかかったが、結局そういうことになっただろ」
「あのときの、キスも……」
「小鳥の口でフェラしてもらおうと思ってた」
「……っ」
「俺の、見ろよ」
「……すごい」
「これがさっきまで小鳥の中に入ってたんだ」
「こんな……ドクドク……してたの?」
「ほら、……触ってみろ」
立ち上がって浴槽に足をかけ、陰茎を目の前に突き出した。
「あつい…」
「咥えて欲しいが、今は小鳥の指を洗ってるしな。おまえの口も気持ちいいが、この可愛い指を弄るのも気持ちいい」
「あの……ね、瑚太朗くん」
「うん?」
「あたしもね、その……あのキスされたあと……濡れちゃったの」
「…………」
「スケベスケベスケベ、って罵倒し続けたんだけど……あんなふうに息もできないほどのキス、思い出しただけで胸が熱くなって……その日、日記は書けませんでした」
「書けよ。俺にキスされたって」
「そしたら過去の自分が羨ましくなっちゃうもん」
「なんだよそれ」
「瑚太朗くん、あの……」
「ん?」
「その手で……あたしの……」
「…………」
「あたしのあそこを……今と同じ動きで……」
「そうしたらおまえ、感じすぎて気絶するぞ。あるいはおしっこをまき散らす」
「……っ?!」
「もちろん俺としてはそういう小鳥も拝みたいが」
「ぐ……」
「どうする?」
「……して。……お願い」
「よし、今と同じ姿勢のままそこのレバーに掴まってろ」
まさか小鳥からリクエストされるとは。
こんなことならあのとき、無理してでも小鳥の足の指を洗っておくんだった。こんなにあっさり陥落するとわかってたら、もっと早くこいつとこうしてたのに。
まあ過ぎたことを言っても仕方ない。
股を割り開き、小鳥の膣襞を捲った。
「……っ」
「力を抜け」
……まだ緊張してるな。
だが、……よし、指はだいぶあったまってきた。これならいける。
軽く指先を鳴らすと、まずは敏感なクリトリスの包皮を捲った。
「あ……ゃ……ん……」
小さな淫芽だ。……だがまだ膨れていない。
ここは特に敏感だから、気安く触れない。だからこの周辺をまず揉み解す。
もみ、もみ……。
土手から少しずつ、少しずつ緩やかに揉んでいく。ほら……ちょっとずつ芽が主張してきた。そこを指の腹で軽く触れると、ビクッ――と痙攣したように震えた。
「あ、あ、あ、あの……ぉ」
「なんだ」
「お、奥、……むずむず、する」
「俺のが欲しいんだろ」
「う……」
「いいか、小鳥。実況中継してやる。まずな、」
「せんでいいっっ!!」
「…………。じゃあ録画してもいいか?」
「すんなっっ!!」
「こんなエロい状況を、おまえにも実感してもらいたいのに」
「瑚太朗くんがドスケベなのはわかってる! わかってるから黙ってて!」
「…………」
おまえもかなりのスケベだと思うが。
まあいい。
目を瞑ってるところを見ると、まだ恥ずかしさが抜けきれていないのだろう。どうせいやでも目を開けることになる。
――グチュ……
指をまず2本。
それを高速で回転させながら出し入れした。
「あ、っっ……ひゃあああっっ!」
まだだ。
ここからもう片方の手でさっきの淫芽を摘まむ。もちろん痛みがない程度の加減だ。どれくらいで痛むかはすでにある女で実証済み。
こうして考えてみると、あいつとの無茶苦茶なセックスも、小鳥を抱くためには必要な過程だったんだな。
さて。
俺のダブルフィンガーはどうだ。
すごい濡れてきているな。もうぬめりで動きが楽になった。よし……。
同時の動きだ。クリのほうは微細な動き、膣内は大胆、かつ迅速。
おそらくピアニストは両手を使って左右の動きを違うものにしているから、プロの音色は美しいのだろう。それを真似てみた。時折両方の動きを反転させ、痛む寸前で優しくする。――イくにはあと一歩足りない動き。
それをずっと繰り返していると……。
「あっ、あぁっ、んあああっ、も、……っ、イき……んんんぅぅぅっ!!」
「イけないだろ?」
「あ、っ、んああっ、な、んっ……でっ、……やああんっっ」
「こら、足を動かすな。……ほら、俺の背中に足を絡ませろ」
「こ、たろ……くんっ! おね…がぃぃっっ!」
「さっきと同じセリフを言ってみろ」
「こ、……瑚太朗くんのっ! お、……おチンポ……欲しいっっ」
「よく言えました」
――グッチュウ……!
ようやく得られた膣内を満たす質量に、小鳥は涙を浮かべて失禁した。
ああ、やっぱり出たか……。これ相当女をよがらせるんだな。膀胱まで刺激するのか。
ついでだ、とばかりにずちゅっ、と内部で動かしながら小鳥の尿道口を摘まむと。
噴水のように噴き出した。……泡を吹いて気絶しかかってる。
やりすぎたか。
ペチペチ、と小鳥の頬を叩くと、目が覚めてホッとしたのもつかの間、小鳥が首を引っ張って口づけてきた。
「ん、う……」
「瑚太朗くんの……エッチ」
「スケベ、とは言わないのか」
「あたしも、感じちゃったあ…」
「そりゃよかった。うお……中がうねってるな。こりゃよっぽど感じたな」
「動いて…」
「もちろんですとも。たっぷりと動いてやるよ。……なあ、小鳥」
「ん?」
「あとでフェラして」
「……いいけど、なんで、こういう状況でもフェラを望む?」
「おまえのフェラ、めっちゃ気持ちいいんだ」
「…………。えへへ」
「俺へのご褒美なんだ。イかせたら、してくれよな」
「うん。気持ちよくしてあげるからね」
縋りつく小鳥を抱きしめ、腰を動かした。
いまわかった。
小鳥の機嫌を取るには、まずイかせてから、褒める。
これでいこう。
嬉しそうにキスしてくる小鳥を見ながら、更なる妄想を脳内で繰り広げた。
小鳥の噴水でした。
うちの瑚太さんはかなりのテクニシャンなので、正直小鳥が羨ましい。
まだまだ続きます。
次回から第二部的なものが始まります。
新たな構想が浮かびました。もう少しだけお付き合いください。