【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
――1年7ヵ月前
フキフキ……
こそばゆい感触。だがもう慣れた。
小鳥が精巣を拭いていた。
下半身はすべて曝け出している。いやもう股を広げて尻穴まで見せていた。なのに恥ずかしがりもせず優しくタオルで拭いてくれていた。
決して。
それ以上のことはしてくれないが。
「瑚太朗くん、タオル熱くない?」
「ちょうどいいよ」
「よかった。もうちょっと待っててね」
……いや、むしろ。
ずっとしていて欲しい。
小鳥の清拭が気持ち良すぎて、毎日昇天しそうだった。
最初の頃は、勃起する俺のを見るたびに顔を染めていた小鳥が。
今ではもう、ここまでビクビクと脈動するモノを見ても、ただ――優しく拭いてくれていた。
「……あ」
小鳥が。
さすがに手を止めた。
先端から出てくる先走り……そこから白いものが出かかっている。自分でもわかっていた。わかっていて身を任せていた。
……吸ってくれないかな。
邪な想いがとめどなくこみあげてきた。
「せっかく拭いたのに……」
また温かいタオルで拭った。
だが拭っても拭っても、白いものが出てくる。困った小鳥が俺にようやく視線を向けた。
「瑚太朗くん……」
「ん?」
「落ち着こう、ね? 気持ちいいのはわかるけど」
「……止める方法があるけど」
「どんな?」
一度だけ。
して欲しい。
フェラして欲しいとは言わないから。
「根元を抑えるんだ」
「根元って……ここ?」
「そう、そこ。そこをギュッと」
――ギュウッ……
小鳥の手が握った。俺の根元を。……うお。これだけでもたまらない。
堰き止められる感触にさらに下半身がビクついた。だが、……この感触がまたいい。
「あ、ちょっと止まった……かも」
「…………」
「そっか、ここを抑えればいいんだね。でもこれだと、拭けなくなっちゃう」
「…………」
「片手じゃダメ?」
「両手がいいんだ」
「うーん……。ダメだ、難しい。瑚太朗くん、素数だ。因数分解の問題でも解いてみよう。えっとね」
「小鳥、愛してる」
「ふえっ?!」
「俺とセックスして」
「…………」
「ダメ?」
「あのね、瑚太朗くん」
「うん」
「いくらなんでも、それは直球すぎるよ。もうちょっとこう……ムードというか、タイミングというか」
「俺の肉棒を握りしめてる今が絶好のタイミングだと思うが」
「これは瑚太朗くんが出しちゃうからでしょうが!」
「なにを?」
「な、なにって……」
「小鳥だって出るだろ」
「なにが?」
「愛液」
「……っっ」
「やっぱりな。俺にここまでしておいて照れないの、おかしいと思ってた。あえて考えないようにしていたな、おまえ」
「あのねえ! セクハラが強烈すぎるよ! もういい、わかった! 今日はここまで!」
「帰るのか?」
「あとは自分でやって!!」
小鳥がタオルを俺に放り投げて、そのまま病室から出て行った。
すぐに。
彼女が座っていた見舞い用のパイプ椅子に顔を近づける。
……やっぱり。
わずかだが匂う。小鳥の愛液の匂いだ、これ。濡れてこそいないが、俺の言葉で少しでも感じてくれた。
小鳥……。
おまえの愛液を啜りたい。
いや、もう、おまえをめちゃくちゃにしたい。
なんで俺、こんなふうに小鳥を思うんだ。
好きな女にこんな欲情抱いていいわけないだろ。
……だって仕方ない。
あいつのしたことは、俺の性欲を煽りやがった。
あの手……。優しく拭く動き。少しずつ膨らんでいく胸の形。細い足に細い腰。もう見るものすべてが劣情を誘う。
ぶっちゃけると。
犯したい。
どうすりゃいいんだ。
小鳥に嫌われたくなんかないのに。
心と欲望がせめぎ合う。いまのところ欲望のほうが勝っている。いつこの天秤が壊れてもおかしくない。
見下ろすと。
自分の息子は、涎を垂らして物足りなさそうに震えていた。
ここから先は――。
小鳥には見せたくはない。
だけどこいつは俺と篝の行為を見たがっている。……どうする。
「…瑚太朗くん?」
隣のベッドに腰を下ろして考えていると、小鳥が覗きこんできた。
篝はいまシャワーを浴びている。子宮の中の精液をすべて分解するらしい。――チャンスは今しかない。
グイっと小鳥の腕を引っ張った。
「え…?」
そのまま深く口づけた。
今までのような甘く優しい、情感を引き出すようなキスじゃない。乱暴な、息すらできないほど激しいキス。酸欠で喘ぐまでし続ける。本気を出せば小鳥なんて1分足らずですぐに酩酊させられる。ほら……もう足が攣って目頭が潤んできた。
「あっ、ふぁあっ、は…っ、やっ」
嫌がって顔を背けるが、構わず口づけながら――貫いた。
「――っ?!」
ベッドに押し倒して一瞬で届いた子宮を貫く。
妊娠しているんだ、乱暴にしたくはない。だが小鳥が感じるのはここだ。弱い部分を重点的に攻めていく。
やるか。
子宮の口に咥えこんだそのとき、膨張した。
「――はうっっ!」
一気に膨らんだその衝撃で小鳥の身体が慄いた。それに構わず高速で出し入れを繰り返す。引きずりだす勢いに内部で空気音が聞こえるほどだった。それほど激しく動いていた。……そう、かつて。
俺はこういう動きで、草薙を犯したんだ。
「や、やだ……っ、ど、どうし……んんんぅぅっっ!!」
……悪い。
おまえをめちゃくちゃにしたいと、かねてから思っていたけど。
こういうことなんだよ。これでもまだ足りない。それほど俺は狂気を抱えている。
入院してた頃からだ。おまえをずっとこうしてやりたいと思っていた。それを抑えるのにどれほど自制していたか。
小鳥の頭を鷲掴み、再び乱暴に口づけた。そのまま突き上げながらドリルのように回転させていく。キスしながら小鳥が目を見開いた。……こんな動きがあるの、とでもいった顔だ。そう、おまえにしなかっただけ。
小鳥――イくんだ。
連続絶頂させてやる。女の性感を最大限引き出すために、小鳥の早すぎる鼓動に同調させながら瞬時も動きを止めなかった。動かしながら腹の間に熱いものが広がっていくのがわかる。いまこいつはイき続けていた。
声も出させない。
俺の顔を見る間も与えない。
激しすぎる動きに小鳥の焦点が合わなくなってきた。そろそろか……。
叩きつける――!
熱い精子を膣内と、子宮口にねじ込みながら連続して放出した。
「……っっっ、――……っっ!!!!」
出しつつも、今度はひっくり返して背後からさらに深く捩じりこむ。これで終わりじゃない。おまえが気絶するまでこれをする。
小鳥の手が伸びてきた。それを引っ張り背後で両手を括り付けるようにし、動きを封じてから。
今までの比じゃない強く早い動きで突き上げていった。
「やぁぁぁ……っっ! あうううっっ!!」
小鳥……。
泣くな。
あとで仲直りのセックスをしてやるから。
今だけは耐えてくれ。これでもまだ抑えているんだ。おまえを壊したくないから。
背後からがに股にさせて、男根で切り裂くほどの勢いで穿つ。射精しながらの動きに小鳥の膣内が許容範囲オーバーかのように収縮と拡張を繰り返した。ここまでくればあとは絶頂させたままキスをすれば。
座位にして小鳥の足を抱え上げてキスしようと顔を向けさせたが。
小鳥はようやく――気絶した。
「…………。ごめん」
軽く咥内をかき混ぜ、目元の涙を吸い上げる。
半分の本気を出しただけだが、やはり小鳥には強烈だった。
このまま気絶していてくれ。
念のためだ。隠し持っていた睡眠薬をコップの水に入れ、それを小鳥に口移しで飲ませた。
……あと24時間。
もう、時間がない。
たとえ理性を壊しても、狂気に身を委ねても――やるしかないんだ。
……篝が。
部屋の入口に佇んでいた。
「……小鳥を隣の部屋に運んでおくぞ」
「優しいのですね、あなたは」
「俺が?」
「小鳥に手加減していたのでしょう?」
「……あんたにはすべてお見通しなんだな。だけど優しいやつがこんなことするか?」
「優しいですよ。小鳥を傷つけたくなかったのでしょう?」
「…………。あんたには容赦しないからな」
「そうしてください。時間もありませんから」
俺が――優しい?
……ふっ。
俺はな。
ただ臆病なだけだ。
小鳥は生きがいみたいなものだ。こいつを失うわけにはいかない。こいつのすべては俺のものだ。
今だって。
たとえ嫌われても殺されようとも、小鳥をめちゃくちゃにしたい欲望が渦巻いている。
俺に愛されるってのはそういうことだ。
いつか小鳥にそれをわからせてやる。――そのためにも。
「すぐに始めるぞ、……篝」
「はい」
小鳥を抱き上げる。
すでに上書きは終えていた。