※この作品はR-18です。

【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】   作:千月華音

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婚礼の詩(うた)⑭

 

 

 

「なにを……しているのですか」

 腕の下で、篝が怪訝そうな顔で言った。

 少しは感じてくれると思ったが。

 まあ、触ってるだけだしな……。

「乳首を、勃起させている」

「……なんの意味が?」

 サワサワ……。

 指先と指の腹で触れながら、その感触と感度を確かめていた。

 普通の人間と同じように少し触れるだけで勃ちあがる。

 試しに少しだけ吸い上げてみた。

「…んっ」

 ……感じた。じゃあ、これは?

「んぁっ…」

 頭頂部を舐めながら吸い上げる。……変わらない。普通の女と同じだ。妊娠すればここから母乳が出るのも同じだろう。……篝の母乳。それを味わってみたくなった。

 なぜ。

 ここまで人間と同じ身体にしてるんだ。

「な、ん……んぁっ……こ、んなこと……に意味が、あるのですか」

「…篝」

「はい?」

「妊娠できるんだよな?」

「…はい」

「なんで?」

「なんで、とは?」

「あんた星の自浄作用が齎す終末装置だろ。なんで人間の姿で、それも生殖できるようになってるんだ」

「…………」

 少しきょとんとした後。

 ふう、と小さくため息をついて、首筋にしがみついてきた。

「人間を滅ぼすからです」

「はい?」

「人間は滅ぼさなければ……星が病んでしまう。抗生物質と同じです」

「人間は細菌か?」

「他の微生物の増殖を抑えるための抗生物質が篝です。ただしウイルスには効果がありません」

「俺がそのウイルスか?」

「いいえ。あなたは耐性菌を持ってしまった副作用です。篝の星の治療はあなたの出現で、細菌感染症を防ぐことはもうできなくなりました」

「つまり滅びの歌を歌っても……」

「人間は滅びますが、いつかまた同じ人間が現れるでしょう。そうすればまた滅ぼすために長い時間がかかります。そこまで星の命が続けばの話ですが」

「…………」

「時間をかけすぎました。もう篝の自浄作用には意味がないのです。星は新たな進化を求めています。滅ぼすための命ではなく、まったく別の形の命を、次の世代に託そうと」

「……俺に篝を妊娠させようとしたのか」

「あなたにその気があればですが」

 篝に口づけた。

 小鳥にするのと同じ、深くて情愛のこめた熱いキス……。口の中で篝の甘い吐息が聞こえ、自然と強く抱きしめていた。

「もっと早くそれを言え」

「はい?」

「あと24時間で妊娠させなきゃいけないんだろ」

「そういうことに、なります」

「こんなのはタイミングとか、生理直後とかでも、狙ってできるもんじゃないんだ。なのに俺の欲望を満足させるとか、遠回しみたいな言い方しやがって」

「…………。そうすればたくさん射精するかと思いまして」

「そうだけど! ……いや、いい。結局そういうことだよな」

「瑚太朗。上書きはしてますか?」

「ああ、終わっている。……いくか?」

「お願いします」

 ハードルがあがってしまった。

 だが、――むしろ望むところだ。これが星からの挑戦状だというのなら、やってやる。

 篝の足を持ち上げ、身体を折り曲げた。胸の形が潰れて僅かな膨らみが女性らしく艶のあるものへと変えた。……この身体を俺のものに染めてみせる。

 あと23時間半。

 いや、追手が迫っている。もっと時間は狭まっていると考えたほうがいい。

 ――スウ……

 一気に息を吸い込むと。

 篝の両尻を鷲掴みながら膨張した自身をねじ込んだ。

「……んぅっ!」

「篝、身体の力を抜いてくれ」

 最初からこの大きさはキツいかもしれないが、慣らす時間が惜しい。そのまま動きを続行した。

 上書きしたのは。

 常人の100倍の精子の生成。それもひとつひとつの精子に生命力を分け与えている。簡単には衰えたりしない。

 熱放射も粘着度も今までの比ではないだろう。篝を凌辱するためにそれだけ無茶な上書きをしたが、結果的にそれは、生殖に適していたといえる。

 篝の子宮口に届いた。

 窺うように顔を見ると、今度は笑みを浮かべて足を開いてきた。

「入って……ください」

 ドキッ……!

 なんだ。

 こんな可愛い顔もするのか。

 貪るように口づけ、促されるままに口を亀頭でこじ開けた。……柔らかい。あの締め付けは、まだ多少あるが、それでも動けないほどじゃない。

 ここから……。

 連続して射精していく。

 俺の体力がもつか、篝の身体がもつか。

 時間もないんだ。できるだけ早く、それも全力でやるしかない。

 図らずも。

 それはかつて草薙にしたのと同じやり方になるけれど。

「いくぞ、篝……」

「はい……」

 最後の性交が始まった。

 

 

 

 

 

 ――同時刻(場所:ガーディアン本部地下指令所)

 

「天王寺の行方はまだ掴めんのか」

「――はっ。いま金の流れを追ってますが」

「口座からの引き落としは?」

「ないようです。個人口座が使われた形跡はありません。タクシーの乗車記録から見てかなりの長距離を移動したようなのですが……」

「いま地図で確認してる。……こいつ、かなり複数のタクシーにダミーの走行をさせたな」

「そのようです。レンタカー会社にも記録を問い合わせてますが、複数の台車記録があり、特定できません」

「……車は盗んだ可能性が高いな。金の流れも掴めないのか」

「どうやら海外の口座を持っているようですが、秘匿回線経由らしく、カード履歴もネットからの照合での清算です。これでは特定するのに時間がかかります」

「どれくらいかかる?」

「あと二日は」

「遅すぎる! ……くそ、海外への派兵経験が仇となったか。あいつがいたのは特殊部隊だったな」

「場所さえわかれば踏み込む準備はいつでもできますが」

「トラップを仕掛けてるだろう。闇雲に突入するのは危険だ。……あと23時間か。とにかくやつを探せ! 鍵と行動を共にしているのは間違いないんだ」

 江坂は天王寺家に仕掛けた複数の監視カメラの映像を見てため息をついた。

 もしこれを鍵にしているのだとしたら、滅びの歌は……。

 だが結局。

 鍵がいなくなったとしても、人間の滅びは避けようがないのだ。

「うわお……」

 背後から今宮のとぼけた声が聞こえ、呆れたように手で制した。

「さっさと天王寺の捜索にあたれ」

「くそお、羨まし……いえ、なんでもないです。こりゃリビングですね。話しかけているのは鍵ですか?」

「そのようだ。映像には映っていないが、二人の様子から会話は成り立っているとみていい。鍵が行動を起こすにしても遅すぎる。もう発動状態に入っていてもおかしくはないのだが」

「神戸小鳥ですが、どうやら妊娠したらしいですよ」

「なに…?」

「産科医に受診した記録を見ました。二日目だそうです」

「…………。それか」

「なにがです?」

「鍵が現れた理由だ。ただの能力喪失じゃない。いや、もっと深刻な事態を引き起こすかもしれん」

「はい?」

「天王寺は見つけ次第すぐに殺せ。神戸小鳥は拘束、監禁だ。……鍵も始末しろ」

「はっ――!」

「『目』を総動員するんだ。とにかく全方位捜索しろ!」

 

 

 

 

 

 篝の手が伸びた。

 それに指を絡めて同じように腕を伸ばして背後から深く覆いかぶさる。……さすがにキツイか。まだ人間とほぼ変わらない反応だが。

 ズチュ……、と子宮に溜まった精子を掻き出すように動かしていく。クソ熱い。自分で出したものとはいえ、こんなものを注がれ続けていてはいずれ子宮の膜が破裂する。そう思って篝の横顔を覗いてみると。

 気持ち良さそうに目を細めていた。

 ……大丈夫なのか?

 俺でもこの熱量は陰茎を痺れさせるほどのものなのに。

 むしろ麻痺してまだ射精が止められずにいる。いや、止めるわけにはいかない。注ぎ続けるんだ、このまま。篝の子宮がどれほどもつかはわからないが。

「どう……しましたか?」

 少しずつ、断続的になってきた射精に篝が振り返った。そのタフさに痛み入る。ここまでやって泣かない女はおまえだけだ。

 篝を抱き上げ、ベッドの上に座ると、正面から抱きしめて座位のまま抱きしめた。

「ん、……ぅ」

「篝……精液、漏れてるぞ」

「泡立ってますね…」

「子宮は大丈夫なのか?」

「はい……もっと入れてください」

「そうしてるけどな、……壊れないのか?」

「瑚太朗の精子……すごくよく、動いてます……篝の中で」

「……っ」

「全部欲しい……どうして、こんなに求めているのに、……かわいそう」

 くそ……っ!

 なんでこんなに可愛いんだよっ!

 再び膨張した。中で膨れ上がった感触に慄く篝の喉を吸い上げる。求められるままに口づけていた。

 さらに熱の上がった精液を篝の中に注いでいく……。その感触に身悶えて感じている姿が、この上なく美しく見えた。

 小鳥を愛している。その気持ちは今でも変わらない。

 なのに俺はいま、小さな身体で俺の精をすべて受け止めようとしているこの女に心を奪われていた。

 ずっと……。

 そうして欲しかった。

 草薙に無茶なセックスをしたのもそれだ。肉欲もあったけれど、結局のところ、俺は自分の欲望を受け止めてくれる相手が欲しかったんだ。

「瑚太朗……?」

 涙を流していたのは俺のほうだった。

 篝が唇で拭い取ってくれていた。

「篝…」

「はい」

「俺と……一緒になってくれ」

「…………」

「小鳥と二人で、……ずっと」

「…………」

「そんなに首を傾げるようなこと言ったか?」

「……呆れてなにも言えません」

「ですよね……」

「とまってますよ、射精」

「……返事。……聞かせてくれ」

「…………」

「篝、……頼むから」

「…………。…………。わかりました」

「……っ!」

「受精したらの話ですが」

「俺のものに……なってくれるのか?」

「篝はものじゃありません」

「いや、その、言葉尻を捉えないでくれ。受精したら、本当に、俺と……」

「小鳥の許可が必要です」

「もちろん取る! 小鳥にもちゃんと説得する! ……それなら」

「そんな捨てられた子犬みたいな顔をしないでください。すべてはこれが終わったらです。射精、とまってますよ」

「……篝……」

「本当に、仕方のない人ですね、あなたは。子供ですか。……そうでした。長いこと子供だったのでしたね」

 グイっと。

 篝が足を巻きつけて背中に交差した。

 ……あ。

 いま、子宮の口が、……少し撫でてくれた。

 ちゅう、と吸い付くような感触。これ、篝の愛撫だ。子宮で愛撫してくれている。

 まるで小さな子供をあやすかのような仕草だった。

「俺……子供なのか」

「わがままで、乱暴で、欲しがりで。瑚太朗の遺伝子提供者の教育のせいもあるのでしょうけど、そういう性格なのだと思います」

 あたってる。

 それだけに言葉もでない。

「仕方ないので篝が面倒を見てあげます。瑚太朗、もっと……もっと出してください。子宮から溢れても構いません」

「篝……愛してる」

「それは小鳥に言ってください」

「二人とも愛してる。もう手放せない。おまえは俺のものだ……」

 だから篝はものじゃないと、という言葉を口づけで封じながら、再び動きだした。

 小鳥。

 おまえのせいで俺は子供になったんだぞ。

 あのとき死んでいれば、俺はこんなにわがままにならなかったのに。

 10年前――。

 あれがそもそもの始まりだった。

 自分で生まれ変わる道を選んだ。そして、……ようやく手に入れることができたんだ。

「……んぁっ」

 今までより更に熱い射精を浴びせた。子宮内はもう溢れるほど満ちている。それを押し出すほどの勢いで噴出した。

 篝の身体を持ち上げる。結合部からの漏出が凄い。量もだが異常なほど泡立っている。

 これ全部、俺のか。

 篝の愛液が見えない。真っ白で湯気が立っている。これほど出しても、まだ……足りないのか。

 グチュッ……と押し戻す。酔ったような陶酔した息を吐く篝を、ベッドに押し倒してもう一度深く繋がった。

 出す場所なのか。

 あらゆる場所で出しているが、篝のGスポットがわからない以上、動かしながら出し続けるしかなかった。小鳥は子宮口の裏側だ。だが同じ場所を突いても女が感じる独特の快感らしきものは感じられない。

 もう一度――子宮の中へ。

 突き上げる勢いで押し込む。すると、波打つ感触の気持ちよさにたまらず篝を抱きしめた。

 子宮が熱い……。

 だが篝は内側からこの熱さに耐えている。顔を見るが……辛そうには見えない。相当熱いはずなのに。

 違う。

 膜が、……押すとちゃんと伸びる。草薙のは擦り切れていた。それで途中でやめたんだ。気絶したからというのもあるが。

 ……篝が変えたのか。

 それにしても、なんて柔らかい子宮だろう。こんなに包み込まれる感触は今まで感じたことがない。

 もう一度――出してみる。

 吸い込まれる……。

 この子宮にすべて吸われていく。それでもっと出せと言ったのか。こんなの出し続けても終わりがない。

 あ……。

 ゴボッ……、っていま、内部で弾けた。俺の精子が暴れている。篝がこれ、やってるのか。攪拌している。そればかりか動きをもっと加速させていた。電子レンジの中の水蒸気のように。

 すごい……。

 俺、なんていう存在と交わっているんだろう。

 星の化身だということは知っているけれど、人間が交わっていいようなものじゃない気がする。

「は、う……」

 気持ちよさそうだった。

 ああ、そうか。

 小鳥が言っていた。篝は鍵だけど女の子なんだから……、いま、その意味がわかったよ。

「篝、俺の背に、掴まれ……」

 腕を伸ばしてしがみつかせ、射精する動きを早めた。

「ん、くぅ……はう……」

「気持ちいいか?」

「はい、……とても」

「俺も……。こんなに出せるなんて夢みたいだ」

「瑚太朗の、子供が……欲しいです」

「いいな、それ。……なんて名前にしようか」

「あなたには絶対、名づけ、させませ……んんぁっ」

「ふんっ! ほら、もっと出してやる。……なんで俺じゃダメなんだよ」

「センス、ないですから……はうんっ!」

「言ったな。めちゃくちゃセンスいい名前にしてやる。……ん、ふぅ、……あ、く……くそ、もう……」

「もう、……終わりですか?」

「くそ、強化、したのに……いや、まだ……だ……篝、リボンは……あるか?」

「…………。ありますね」

「はあ、ふう……もう一度だ。もう一度、ここを、締めてくれ」

「はい……」

 ――ギュウッ……!

 再び子宮の孔が締まった。その動きで更に膨らむ。もう容赦なく穿った。

 篝の喉が震え、小さな胸が震えて突起が可愛く揺れた。それにむしゃぶりつきながら、ひたすら精巣から絞りあげていた。

 

 

 

 ――3時間後

 

「……篝」

 気絶した篝の手から、――リボンが消えていた。

 ただ、……彼女はもう、息をして、……いなかった。

 

 

 




ええと(苦笑)
まずは言い訳させてください。
小鳥が出てきてませんが、この話はですね、途中から展開が変わりました。
一応、瑚太朗と小鳥の、二人の物語……です。
ですが。
作者は篝が好きなものでして(バレバレ)
こういう展開になりました。これでも篝の出番は控えめにしたほうです。
あとこの話の決着をどうするかは、まだ考え中です。
⑮はすでに推敲済ですが、もうしばらくお待ちください。
ほんと、いつまで続くんだって感じですが。
なるべくまとまる形にしたいと思ってます。
最後までお付き合い頂けると嬉しいです。ほんとに。
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