【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
――ザザァ……
潮騒の音。
最初は耳に煩いくらい響いていたのに、今ではもうすっかり日常に馴染んで、セックスのBGMくらいの感覚になっていた。
隣に眠る小鳥のこめかみに軽くキスをしてから、反対側にいる篝の腰を引き寄せた。
「ん……、もう少し……寝かせてくださ……」
「さっき小鳥に譲っただろ。……次はおまえだ」
「……隣にいますよ」
「だから?」
「…………。起こしてしまいますけど」
「そうしたらまた三人でやればいい」
「…………。…………。あのですね」
「うん」
「お腹、……見てわかりますよね?」
二人とも、――臨月を迎えていた。
あともう少しで産まれる。待ちきれない気持ちは強いけど。
むしろその姿が、これほど欲情を煽るとは……自分でも気づかなかった。
「どうしてこれで興奮するのですか」
「興奮しない男がいるのか?」
「瑚太朗くらいです」
「ならよかった。俺以外の男がこれで興奮するなら、おまえたちを人目に曝すわけにはいかないからな」
「ちょ……足を開かないで」
「大丈夫だって、小鳥みたいに優しくするから。……ほら、腹を横に倒して、俺に胎動を聞かせてくれ」
篝の膨らんだ腹部に耳をあてる。……静かだ。眠っているのだろうか。前はよく動いて、中を足で蹴ってたりしていた。
そうしながら足の間に手を伸ばした。下着の隙間から指を挿し込むと、グチュ……と濡れた音が彼女の発情を窺わせた。
顔を覗きこむと、仕方ないなあ、といった顔で頬を両手で包み込んできた。促されるままにキスをする。腹部を優しく撫でながら、少しずつ少しずつ……ゆっくりと。
焦らすような動きで挿れていく。
篝の熱い吐息が肩のあたりで聞こえてくる。柔らかく包み込まれる膣内は産道が出来つつあるためか、かなり動ける余裕があった。小鳥もそうだが、篝のほうが奥まで突けるほどの滑らかさがある。
もう――我慢できない。
篝の腰を抱えこんだ。腹部をできるだけ刺激しないように動かしていく。背後から覆いかぶさるように繋がっているが、大胆に開いた足が挿入の動きを助けてくれていた。篝もイきたがってるのか……。首筋を吸い上げながらそう囁くと。
早く終わってください、との素っ気ない言葉。
いい加減、素直になれ。
何度抱いてもこの女は……。
そこが可愛いといえばいえなくもないのだけど。
「こんなことしてたら……いつ出産してもおかしくないですよ」
別に。
いつ出産してもいいんだ。
なんなら俺が取り上げてもいい。そういう本を読んでいる。それにここには、医者もいない。
三人だけしか住んでいない無人島だった。
本土とは小さな船で行き来している。ここは借家のコテージだが、オフシーズンの間だけこの島の管理を任されていた。そういう契約で借りた。だが居心地があまりにも良くて、このまま永住してもいいかとすら思っている。
どうせもう日本には戻らない。
このまま三人、いや、親子でずっと――この島で暮らすのも悪くなかった。
「んん……。篝? …………。あのねえ、瑚太朗くん。篝もね、出産間近なの、わかんない?」
「だから俺が出産を促してやってるんだ」
「エロい手段はやめろ! ……はあ、もう、中に出したまんまだし、二人とも夢中だし……」
「いえ、夢中なのは瑚太朗だけで……あうっ!」
「いいから、もう少しでイかせてやるから黙ってろ」
「……あたし、隣の部屋で寝るから。あんまり篝のお腹を刺激しないでね」
「わかってるよ。ここにいてもいいんだぞ」
「二人の見てたらオナニーしそうだから」
「見せろ」
「やだ。……じゃあ、おやすみなさい」
ネグリジェを着直して出ていく小鳥を見送り、月明かりで見た小鳥の尻のデカさにため息を吐いた。あんなにヒップのサイズが変わったのか。やはり身籠ってからだいぶ体型が女っぽくなった。それに……。
篝の胸のサイズが、どう見ても、いや間違いなく一回り大きくなっている。
乳首を陥没させるように揉むと、うっとりとした喘ぎとともに、僅かに母乳が滲み出てきた。その感触に喉が鳴るほど興奮する。もう子供を迎える準備の整った身体を、……俺はいま抱きしめている。
膝を立てて篝を後ろから腕を引っ張りながら貫いた。
なんて柔らかい膣内だろう。いくらでも動ける。子宮も降りてきているが、あまり刺激しないほうがいいと思い、その周辺を優しく撫でるように突いていた。その感触が焦らされるようでたまらないのか、篝が縋るような目で顔をこっちに向けた。
その可愛らしさに口づける。何度抱いても、俺を求めてくるその瞳が、その小さな顔が、淫らな膣内が、いつまでも虜にさせるんだ。
いつまでもこうしていたい……。
突き上げながら篝の尻を揉み、揺れている突っ張った腹を持ち上げるように優しく撫でていく。
こんなふうに抱けるのは今だけだ。
いや、……何度だって孕ませてやる。二人とも俺の子を何人でも産ませてやるからな。
「は、ぁ……いい……瑚太朗の、……もっと……くださ…い……」
「いいぞ、ほら……ここをもっと開くんだ。子宮口を開けて、早く俺に子供を見せてくれ」
「ダメ、です……突いちゃ……あ、ぅんっ!」
「突いてない、捻じ込んでるだけだ」
「お、同じことですけど……ひゃ、あああんっっ」
「ふう……開いた。いいか、篝、開いたままにするんだ。ここから出てくるんだから、いつでも開けておくんだ」
「そ、んな……あああっっ」
グリグリと捻じ込むと、潮のような熱いものが中から漏れてきた。
破水だろうか。
とうとう……。
俺の肉棒で、こんなふうに出産できるなんて、感動だ。
「あ、や……い、いた……」
「痛いか?」
「ぬ、抜いて、くださ……んんんぅぅぅっっ!!」
「力を抜くんだ。……大丈夫、俺が取ってやるから」
「こ、瑚太朗……!」
「大丈夫だって。ちゃんと準備はしてある。いま抜いてやるからな……」
その夜は、このうえなく興奮した。
なにしろセックスの最中に出産したのだから、興奮しないわけがない。
案外あっさりと子供を取り上げることができて、隣の部屋で寝ている小鳥を起こすまでもなかった。
「へえ……。随分、皺くちゃなんだな」
「…………。抱かせてください」
「ほら。……なんか、そういう姿も可愛いな」
「これが……ずっと……お腹にいたのですね」
「ご感想は?」
「産んでよかったです」
「それだけ?」
「これでやっと、篝の義務が果たせました」
「……は?」
「瑚太朗。……ありがとうございます」
「こちらこそ」
「……おやすみなさい」
「おやすみ、篝。……お疲れ様」
すうすう、と眠る篝を撫で、傍らの子供を見つめた。
……いなくなったり、しないよな?
篝はもう人間になったんだから。
まだ、……なにか。
この女を、縛りつけているものが、あるような気が……。
瑚太朗ならこれくらいやりそうです。やりすぎだが。
あり得ない未来ですが、三人で一緒に過ごす、そういう時間もあってもいいなと。
ただのセックス三昧になりそうですが。