【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
続けるつもりはなかったのですが、これもシリーズ化の予定です。
自分でもどこまで書く気なのか、わかりませんが……。
よろしければお付き合いください。
篝がピアノを弾いていた。
客寄せのために置いてあるグランドピアノ。たまに観光客が弾いてはいるが、まさか篝に弾けるとは思わなかった。
思わず立ち止まって聴き入った。……どことなく懐かしい音色。なぜだろう。いつかどこかで、こうやって彼女の演奏を聴いたような……。
いや、初めてだろ。
弾けるなんて思ってもいなかったし、……それにしても一体どうやって覚えたんだ。
演奏が終わった。
小さく拍手すると、篝がこっちを見て微笑んだ。
「聴いていたのですね」
「なんて曲なんだ?」
「さあ。ただ心に浮かぶままに弾いただけです」
……それにしてはかなり達者だったが。
トコトコ、と背後から娘がしがみついてきた。
「パパ、遊ぼ」
「よし、おいで」
抱き上げると、そのまま篝の座っているピアノの近くまで行き、隣に腰掛けた。
娘が手を伸ばして鍵盤を触ろうとしている。その指に篝がそっと重ねた。
「これが、……ド。そしてこれが、……レ」
「ど……、……れ……?」
「そう、そして、これが……ミ」
娘の小さな指で鍵盤を押して教えている姿が微笑ましい。
最初はでたらめに押していたが、篝の教える通りに次第にそれはメロディーへと変わった。
「……へえ。随分、のみこみが早いな」
「篝の子ですから」
「はいはい」
「さっき、ママが弾いてたのって、これ?」
「そう。……ほら、半オクターブ上げて」
「こう……?」
「…………。おい。いくらなんでも」
のみこみが早いなんてもんじゃない。
もはや篝並みの練達度だ。めちゃくちゃ上手い。すでに独自の作曲までこなしていた。
……この娘の将来が怖い。
だが、なにもこれに限った話ではなかった。この娘は、あらゆることが、そつなくこなすどころか、一瞬で水を吸うかのように覚えてしまう。
本を与えればあっという間に読み終えてしまうし、知識量は相当なものだ。
まだ――二歳だぞ。
「パパも弾いて」
「いや、パパは無理だ。ママと弾きなさい。……あのな、篝。教えてやるのはいいが、あんまり教えてやるな」
「なぜですか」
「我が子が天才なのは嬉しいが、俺は年齢相応の可愛らしさがあればそれでいい」
「…………」
「なにか不満そうな顔だな」
「あなたが
――ぐっ。
見られていた。
そう、……実はキスとか愛撫とか、……かなり際どいことをしている。
自分の娘だというのは、もちろんよくわかっているが、なにしろあまりにも可愛いので。
何度か手淫と口淫でイかせていた……。
「ママ、なに、怒ってるの?」
「怒ってないですよ。ちょっとパパを窘めているだけですから」
「いい子だな、茉莉。ママと話があるから、ちょっとだけ向こうで遊んでおいで」
「えー?」
「小鳥がフルーツケーキを作ってるぞ」
そう言うと、「わーい」と言って椅子から飛び降りて駆け出した。ああいうところは本当に二歳児らしい。
見た目はすでに小学生並みの身体なのだが。
成長が早いのは、やはり鍵の特性を持っているのだろうか。……あまり考えたくはないが。
「クリトリスを剥いていましたね」
「……う」
「膣内をクンニして潮吹きもさせてましたし」
「……はい」
「挿入はしましたか」
「そこまでしてねえよ!」
「……どうだか」
「妬いてんの?」
「呆れてるだけです」
「……小鳥に言った?」
「言うわけがないでしょう。篝以上に、茉莉を愛おしんでいます。……たった一人の子供ですから」
そう。
小鳥の子供は流産してしまった。
妊娠はやはり負荷だったのだろう。十代で身籠るという危険性を、俺はよくわかっていなかった。
茉莉がいたおかげで、かなり救われていた。
「……悪戯したかったわけじゃないんだ」
「わかっています」
「わかってんの?」
「あなたの我儘は、よくわかっています。いずれ茉莉に手を出すということも」
「いや、あの……そうとは」
「言えないでしょう?」
「…………」
「そうなったとしても、……篝には何も言えません。あの子はこれから先の、新たな道を作る人となりますから」
「はい?」
「……瑚太朗。小鳥は気づいてますよ」
「……っ」
「だけど考えたくないのでしょう。自分の娘に欲情してるなんて思いたくないのです。今夜――抱いてあげてください。きっと拒むことはありませんから」
「…………。小鳥はいつも拒否するぞ」
「あなたがいつも危険日に求めるからです」
「だって危険日じゃないと妊娠しないだろ。医者の話だと、別に妊娠できなくなったわけじゃない。……それをわからせてやりたいだけだ」
「小鳥はあなたを悲しませたくないだけです」
「俺は小鳥をもう一度幸せにしたいだけだ!」
「…………。本当に、あなたは、駄々っ子なのですね」
「こういう男だって、一番よくわかってるだろ」
「わかりたくもありませんが。……仕方ないですね」
篝が。
耳打ちした言葉に、目を丸くした。
「……最近まったくしてなかったじゃないか」
「小鳥も本当はしたがっていますが、恥ずかしくて言えないだけです」
「本当に? いや、あいつ、もう三人でするのは嫌だって言ってたぞ」
「瑚太朗。小鳥は……あなたの性欲に、ときめいているのです」
「……ほんとに?」
「それを認めたくないだけです。だから、篝もお手伝いします。二人で小鳥を愛しましょう」
「…………」
「そこに茉莉を加えたいと思ってますね」
「…………。……よくおわかりで」
「ダメです。今回は諦めてください」
「……今回じゃなければ、いい?」
「…………。その話はまた改めてしましょう」
篝の顔が諦めたかのように微笑んだ。
これは……本当に……してもいいと言っている。
小鳥は許さないだろうけど、母親の篝は、娘を好きにしてもいいと言っているんだ。
――ゾクッ……!
我ながら。
こんなことで興奮するとは、変態と言われても仕方ない。だけど。
俺は、……娘を愛したかった。
もちろん今すぐじゃなくてもいい。もう少し、身体が成長したら……。
あの娘が俺だけを見つめて、俺を男だと捉えて見つめてくれたら。
たまらない……。もう、想像しただけで勃起する。
その欲望を、篝は――わかってくれていた。
「篝……!」
抱きしめると、篝はよしよしと言った感じで背中を撫でてくれた。
本当に、おまえは、なんでも知ってるな。
物分かりが良すぎるぞ。
というか本当にそれ、いいのか?
俺は倫理観というものを、とうの昔に捨てさったわけだが。
この女の貞操観念は、いまいちよくわからなかった。
「……ほらな」
小鳥が茉莉を抱いて寝ていた。
最近はずっとこうだ。無言の拒否。欲しいと思っても娘を盾に取られてはどうすることもできない。
前に一度――無理やり引き剥がしたことがある。
そうしたら茉莉が泣き出した。小鳥の胸の中の感触が好きらしい。いつも裸で寝ているからな。
毛布を取って二人を見ると。
小鳥がパジャマの胸だけをはだけて茉莉を抱いていた。なんとも羨ましい……。俺には触らせてくれないのに。
これで拒まないだろうって?
明らかに拒んでるじゃないか。
「……小鳥」
肩を揺さぶる。
眠そうにまた茉莉を抱いた。……狸寝入りしてる。そんなに俺と寝るのが嫌なのか。
仕方ない。
このままやらせてもらう。
娘の前だが構うか。キスなら何回もしている。むしろ俺のキスを欲しがるかもしれない。
小鳥の顔をこっちに向けて顔を近づけた。唇が近づいたそのとき――両手で口を塞がれた。
「なにすんの」
「……ふが」
「あのね、茉莉が寝てるの、見てわかんない? 抱いてるんだからほっといて」
「……ふが、……ふが」
「いいから離れろ! いま危険日なんだから、やりたくないの! ……っっ」
知るか。
小鳥の唇を塞いだ。
茉莉が目を開けてこっちを見ている。だが構うことなく激しくディープキスで小鳥の抵抗を封じた。そのまま胸の谷間に手を挿し込む。……うお。久しぶりに触ったが、なんともサイズがデカくなりやがって。しかもこのモチモチした感触。柔らかくて気持ちいい。
「……パパ? ……茉莉にも……して」
「……っっ?!」
娘の言葉に小鳥が目を剥いた。そうだよ、この程度のキス、もう何十回も何百回もしている。
必死になって抵抗する小鳥からようやく口を離すと、わなわなと怒りの表情で睨みつけていた。
「なんてこと……すんの」
「なんのことだ?」
「とぼけんな! 娘にこんなキスしたんかい!」
「キス以上のことをしているが」
「……あのねえっ!!」
「ねえ、パパと喧嘩……やだ」
「喧嘩じゃないぞ、茉莉。これから仲良くなるからな。……おいで、茉莉」
娘の頭を抱きしめてキスをする。
ふにゃふにゃと抵抗なく俺の舌に追いすがってきた。……可愛い。いつもこいつの小さな舌は絡みやすくて動きが繊細で、ずっとキスし続けていたくなる。
唾液を交換し終えた頃、目がトロンとなっている茉莉をそっと横たわらせると、すうすうと寝息をたてて眠った。
それを一部始終見ていた小鳥が、ようやく――真面目な顔で俺を見た。
「……セックスしたの?」
「最後まではまだやってない」
「信じられるか!」
「いずれするつもりだけどな」
「……っ」
「俺がどんな男かは、おまえが一番よく知っているはずだ」
「……ここまで変態だとは思わなかった」
「なにを今さら」
「茉莉はまだ、二つ、なんだよ!!」
「だからなんだよ。もうこいつは思春期をとっくに迎えている。身体は10歳並みだし、知能だってほぼ大人レベルだ」
「それはそうかもしれないけど!」
「なあ、小鳥。……こいつは篝の子だ。普通の人間じゃない。おまえはそう思わないようにしてるようだが」
「それは……だって、もう篝は」
「あいつはな、まだ……星の加護に守られている。時間が止まってるだけなんだ。俺もそうだが、あいつもおそらく年をとらない。いつでも発動状態にあるんだ。その篝が、子供を産んだ。……それを星が黙って見てると思うか?」
「……え?」
「いつでも奪うってことだ。その気になればな。篝は俺が娘に手を出すのを知っても、止めないよ。あいつの倫理観も大概おかしいからな。だから俺は、茉莉を奪われる前に俺のものにするつもりだ」
「奪う、って……?」
「わかるだろ」
「だって、鍵じゃ……ないのに」
「なれるんだよ。いつでも、滅ぼそうと思えば。茉莉の成長が早いのも、そういうことだ。こんな地球の反対側まで逃げたって、無駄なんだ。篝と、茉莉は、……この星の意思なんだ」
「…………」
「とまあ、いろいろ言い訳させてもらったが、そういうことだ。わかってくれたか?」
「……やだ!!」
「……小鳥」
「茉莉とセックスなんて、しちゃやだあ!!」
「別に今すぐってわけじゃないから」
「いつするの?」
「初潮が来たら」
「…っっ」
「中には出さない。だけど初潮だぞ。こんなの興奮するなってのが無理」
「この変態!!」
「何回言うんだ、それ」
「何回だって言ってやる! この近親相姦願望の変態親父!!」
「久しぶりの小鳥の罵詈雑言は、やはり興奮するな……」
「こっち来んなぁっ!」
枕を投げてきた。
だがこんなもの、なんの妨げにもならない。嫌がる小鳥の手首を掴んで枕の上に押し倒した。
「やっ……だぁっ!」
「観念しろ」
「ま、茉莉がいるんだよ?!」
「このままやってもいいが……実は篝が三人でやろうと言っている」
「な……っ?!」
「久しぶりだ、隣の部屋のベッドに行くぞ」
「ちょっ……ま、また、あれやるのぉ?!」
「おまえが主役だ。篝もおまえを愛したいらしい」
「そんなぁっ!」
小鳥を抱きあげた。
暴れて抵抗するが、はだけた胸元がより大胆に揺れて、かえって目の保養になった。しかし胸がデカくなった。乳首もこんなに膨らんで、以前とは比較にならない。
部屋に着くと、すでに篝が全裸でベッドで待機していた。
それを見た小鳥が本気だとわかったのか、さらに激しく暴れた。
「大人しくしろ」
「やだ!! 3Pはもういやあっ!!」
「瑚太朗……ちゃんと説得してないじゃないですか」
「小鳥が納得できる言い方があれば教えてくれ」
「あなたの場合、言葉じゃなくて行動で示したほうが早いです」
「……確かに」
「篝っ! この変態をなんとかしてっ!」
ベッドに放り投げてから。
小鳥の頭を抑えこむように口づけた。
篝の言う通りだ。やったほうが早い。もうこうなれば身体で納得させてやる。
咥内で暴れる舌を痺れるほど強く、深く、かき混ぜていきながら。
頭の中でこれからどうやって小鳥を篭絡させてやろうかと、思い悩んだ。
もし篝が生きていたら、という仮定から派生したもうひとつの物語です。
三人が逃亡した経緯と、2年間にあったいろんな過程をカットしてます。
いろいろあったとだけ言っておきます。
徐々にそれらを織り交ぜて書いていくつもりなので。
なぜ、このありえない話を、続ける気になったかといいますと。
もう少し瑚太朗の変態振りを書いてみたかったからです。
というかエロを書きたかったんです。
ということで、もう少しだけ続けたいと思いますので、よろしくお願いします。