【Rewrite】命のカタチのその先は【瑚太朗×小鳥】 作:千月華音
――10年前
「ゃ……いや、もう、来ないでぇっっ!!」
ベッドからずり落ち、這いずるように窓際のカーテンに縋りつく女に苦笑した。
そんな化け物でも見るような目――まあ、当たらずとも遠からずだが。
腕まくりをして近づき、背後から女の腰を持ち上げた。
「――っっ!」
「続けるぞ。ほら、そんなのにしがみついてないで、こっちを向け」
「この……っ! あんた、何回出せば気が済むのよっ!」
「ピル飲んでるんだろ」
「限度ってもんがあるでしょ!!」
「…………。三国は何回出すんだ?」
「せいぜい2回で終わるわよっ!」
……少しやりすぎたか。
もう書き換えてしまったから元には戻らない。まあ戻らなくても特に支障はない。日々のオナニーの回数が増えるだけの話だ。
――グッチュゥ……!
遠慮なく女の膣内に突っ込むと、喉をのけ反らせてその硬さと太さに耐えている様子が窺えた。
「くっ……ぅあ……」
「ふう……。もう面倒だからここでやるぞ」
「なん……で……まだ、……かたい……の……っ」
「ほら、もっと腰を振れよ。さっきまでの動きはどうした」
「やだ……出しちゃ……いやあっ!」
「…………。草壁。おまえさ。キャラ違うぞ。なんで泣きそうなんだよ。調子狂うだろ」
嗚咽混じりの喘ぎ声。
本気で泣かせてしまった。そんなつもりはなかったのだが。いや、そういう女だと思ってなかった。
しかし今さらやめられるか。
さっき見つけた……こいつのイイところ。たぶんGスポットってやつだ。尿道口の裏側のあたり。――ここだ。
「あうっ……んんっっ!」
一際締まるソコを連続して叩きつける。まだだ……まだ試したいことがある。こうやってイかせながら、さらに速度をあげて――抉りこむ!
「あっ…、あううっ! はああぁぁんっっ!!」
――ジョロロロロ……
尿混じりの潮が大量に噴き出したが、構うことなくイってる女の膣内を蹂躙した。襞に絡めながら時折子宮口を突き上げ、ほとんどコンマ数秒単位の早さで穿っていく。
女の膣がこれほど柔軟性のあるものだとは知らなかった。
そういえばここから赤ん坊が産まれるんだよな。それに比べたら俺の肉棒なんてたいした大きさじゃない。もっと形を変えるほど動いたってついてこれるはずだ。
「い、いや……おねが……あう…っっ!」
「さて……と。そろそろ連続射精いきますか」
「……っ! ま、また、あれをっ?!」
「そこの窓枠にでも掴まってろ」
「は、離し……いやああっっ!!」
最初のセックスは――。
ありとあらゆる快楽を試すものと成り果てた。
公園の入口で待ち合わせることにした。
普通に小鳥の家に迎えに行ったら、「デートっぽくない!」と言われ、やり直しを要求されてこうなった。
単に手間を省こうとしただけなんだが……お気に召さなかったか。
時計を見る。まだ10時1分2秒、3秒、4秒……。なんでただ待ってるだけってこんなに時間が気になるんだ。いつも小鳥と待ち合わせするときは自然と時間なんて過ぎていくのに。
違う。
これ、デートの待ち合わせだ。
だから時間が気になるんだ。あいつに会ったら何を言おう、どうやって過ごそう、そればっかりを考えている。
中学生の恋愛してるんじゃないんだぞ。
しかも何度も身体を重ねたくせに。
……いや、仕方ないだろ。
だってこれ初デート。
しかも相手はあの小鳥だ。
いつもの慣れ親しんだ小鳥じゃない。恋人になってからの小鳥だ。意味合いがまるで違う。
……恋人でいいんだよな?
無理やりヤったようなもんだが。
あいつ、拒まなかったし。
だけど、まだ小鳥から愛の告白を聞いてない。
……ちょっと待て。
聞いてないぞ。俺は何回も言ったのに。
……思い返してみる。
セックスのとき、あいつ、言ってたか……?
…………。
…………。
…………。
…………言ってないっっっ!!!!
嘘だろ?!
なんなんだ、おい! 好き、の一言すら言ってねえ! こんなのってアリ?!
ちょ……ちょっと待てよ……。
女って、……そういうもんなの?
こんな時の親父語録を記憶から引き出してみる。あのエロ親父は暇さえあれば俺にお袋との情事を恥ずかしげもなくベラベラと喋っていた。その中にないか。母さんからの告白とか、そういうの。
…………。
ないな。
ほぼ親父のノロケだ。セックスのときの可愛い顔とか、感じてる声とか、そんなのしか思い出せない。
あるいは言ってたかもしれないが、親父フィルターで裏ごしされてすべて情事の内容に置き換わってしまってるのか。
クソ親父、なんの参考にもならん。
……しかし。
小鳥からの告白がないというのは、今さら気づいたわけだが、これはなんとかせねば。
このデートで引き出してみるか?
あんなにしつこくセックスしても言ってない小鳥だぞ。可能性はほぼゼロに近い。
…………。
こうなったら。
紳士協定は破棄だ。
フェラチオはもったいないが諦める。いやそればかりが目的じゃなかったけど。
小鳥を――告白させる。
言わせるんだ。俺を好きだって。あいつの気持ちをちゃんと知っておかないと、このままでは俺の一方的な行為になってしまう。
今回だってデートを喜んでいるわけだから、少なくとも好意は持っているはずだ。
だが、……本当にそうなのかを知りたい。
それは恋愛感情なのか、そうではないのか。
なし崩し的に身体から始まった恋愛じゃないのだと思いたい。
……いや、違う。
ただ俺は。
小鳥の口から「好き」を聞きたいだけなんだ。
「待った?」
ぽん、と。
肩を叩かれて後ろを見た。
――小鳥だ。
普段着ている服じゃない。ちゃんとオシャレな格好をしている。珍しくピアスしてる。化粧すら施して。
俺と……会うために。
「えへへぇ。どうかな? ちょっと奮発してみました」
クルリ、と回転してスカートが翻る。
その小動物のような動きすら、ため息が出るほど魅力的で、言葉にならなかった。
「…………」
「おーい、瑚太朗くん? 小鳥さんを見て何か言うことはないかい?」
「……小鳥」
「んー?」
「可愛いよ」
「はうっ」
「今までで一番可愛い」
「は、は、はう…」
小鳥は真っ赤になって頬を両手で押さえた。
いや、ホント。素直に可愛いとしか言えない。
ぽんぽん、と小鳥の頭に手を乗せた。
「デート、行こうか」
「…うん!」
「なに食いたい?」
「まず食うことからかい!」
「露店巡りしようぜ。美味そうなケバブがある店見つけたんだ」
「たこ焼き食べたい! あとね、チヂミと、イカ焼きと、かき氷と……」
「よし、全部奢ってやるぞ」
「わーい、瑚太朗くん太っ腹」
小鳥の手を引っ張って祭りの会場へと向かう。
ふわり、と香る小鳥の匂い。それが風に漂ってくる。
この匂いごと小鳥を抱きしめたい。
ただ、それは……ただの衝動からではなく、小鳥からも求めて欲しいという気持ちに変わっていた。
冒頭の10年前は伏線です。
さて、どこに絡んでくるでしょうか。そこまで書ければいいなあ。
ただのデートで終わるわけがありません。
これはエロ小説です。(二回言った)