幼馴染を交通事故から助けて死んでしまったけど、なんかそのまま現代にショタ転生して幼馴染に拉致監禁されました。 作:ひざぎ
◇
正直、これは夢なんじゃないかって起きたときに何度もそう思った。
いやほら、まず俺が穂波をかばって交通事故に遭うっていうのもなかなかラノベチックな話だし、そこから都合よく知っている現代に転生して、それから穂波と出会って、……ええと、その、あの、あれ、あれだよ、なんかちょっと、……いや、ちょっとというか、めっちゃえっちなことをする、とか、そういうのって、夢だと思った方が自然なくらいじゃないか。だから、起きるまでも、そして目が覚めてからも俺は夢だということを信じて、なんなら疑うくらいにはそう思っていた。
そして──。
「……」
知ってる天井だな、と呟きそうになったところで俺は声を飲み込んだ。
目を開けてから、先述の通りに知っている天井が目の前に広がっていることを理解した。天井をまじまじと見たことなんてなかったけれど、それでも周囲にある壁であったり、見覚えのある電灯であったり、それぞれが穂波の部屋であることを示す要素があったから、どうしたって知っている天井だな、とそう思った。
まあ、あれは夢だったのだから仕方がない。きっと、穂波と遊んでいる間に眠気が来て、そのまま眠りについてしまったのかもしれない。その方が辻褄は合うし、納得感がある。穂波の部屋で穂波との官能的な夢を見てしまうのは正直どうかとは思うけれど、それはそれとして夢であるのならばそれで──。
「──えっ?」
がちゃ、と少し重く感じる鉄の感触があった。体を起こそうとしたけれど、起こすために手首を支点にすれば動かない腕の感触を感じた。
夢の中で見たような、自分が細くなっている、というか小さくなっている腕。そこにはほどほどに体温に染まった手錠がつけられている。よくここで冷たい手錠の感触、とか表現されるものだろ、とか思ったけれど、実際に長くつけられていれば体温に染まるのか、ほどほどに自分の熱を感じて温かい。……いや、そうじゃなくて、……というか、冷たくないってことはずっとつけられていた、ということにもなるわけで──。
「──すう、すう」
とりあえず身体を起こせない状態、横になりながらも腕は万歳をしているような状態で、どうしたって身体を動かすことは難しい。足には手錠のようなものはついていないものの、それでも体を起こせないから顔だけ動かして、それで寝息が聞こえる方へと視線を向けてみる。
視線を向けてみれば、ベッドの下、おおよそ床の方で布団を敷きながら眠りこけている穂波の姿。きちんとというべきかはわからないけれど、それでも睡眠用にパジャマを着ている彼女がそこにはいて……。
……というか、俺、まだ裸なんだけど。
…………いや、この際裸であることは重要じゃない。重要だけれども、それ以外に考えるべきことは山ほどある。
あれは夢じゃないの? 夢の方が整合性があるじゃないか。整合性がある方に現実は偏るものじゃないのか? でも、どうしたって俺はいま裸で、そして子どもで、……なんか手錠をつけられていて、隣には穂波が眠っていて……。
「お、おい。穂波、穂波」
俺はがちゃがちゃと手錠を揺らすように腕を振りながら、隣で眠りこけている穂波に声をかけてみる。結構自分でも喧しい音だなと思うほどではあったけれど、それでも十数秒くらい穂波は反応することなく、俺が八回彼女の名前を呼んだところで「うぅ?」ととぼけたような息を吐きながら彼女は起きてきた。
「お、起きたか穂波……」
「……おはよ?」
「あ、ああおはよう。それでさ穂波」
「……うん」
どこか彼女は眠気におかされているようで、どうしてもこちらについてを意識に持ってきていない。おぼろげ、というかうつろげな雰囲気の彼女を見るのは可愛い、という感想もあるけれど、それはそれとして俺はこの状況を理解するために穂波へと声をかけなければいけない。
「ちゃ、ちゃんと起きて穂波ちゃーん。朝、朝だよー。太陽が窓から差し込んでますよー?」
「……うん、そうだね」
「だから起きよう、きちんと顔を洗って、それで俺の質問にいろいろ答えてほしんだけど……」
「……やらぁ、面倒くしゃい」
……そういえば、彼女は低血圧でめちゃくちゃ朝が苦手であったことを、俺はその時なんとなく思い出した。
いや、それでも声をかけることを諦めてはいけない。
「面倒くさいかもしれないけど! でも、でもさ! 早起きは三文の徳って言うし、目を覚ましたほうがいいんじゃないかな! ほら、せっかく時間って有限だし、夏休みもそれで早く終わっちゃうかもしれないし、とにかく目を覚ま──」
「──うるしゃぁい……」
──ぼふっ、と途端に重みをダイレクトに受け取る感触。
ぐへぇ、と声を漏らしそうになるけれど、これでも男子高校生、身体は子どもであっても何とかこらえてみる。そして重みで一瞬状況の把握ができなかったけれど、それでも穂波が俺の上に乗っかったことを瞬時に理解した。
「ほ、穂波さん……?」
「へ、へへ、そんなことを言うのはこの口かにゃ?」
俺の上に乗っかっている穂波の目は、どうしたって眠気におかされていてきちんと俺の瞳を覗けていない。それでも、彼女は的確に狙うように──。
──ちゅっ。
「ちょちょっ、何してんすか──」
そうして彼女は俺の額にキスをした。おでこにキスをされただけでしかないけれど、それでもくすぐったさが快楽を覚えて、一瞬で身をよじりたくなってしまう。
「……はずしちゃった」
それでも、額にキスをしたことは彼女なりにミスがあったらしく、穂波はそう声を漏らした。……まあ、彼女の言動から言いたいこととやりたいことについては把握したけれど、それならば尚更穂波の目を覚まさせてあげなければいけない。
だって、このままだと絶対にキスされるから。おでこじゃなく、口に。
「穂波! 穂波! 目を覚ませって! いつまでも寝ぼけてるんじゃ──」
「──うるしゃあい! こどもはおとなのいうことをききなしゃーいっ!」
けれど、そんな俺の声掛けも意味はなく──。
──ちゅっ。
「──!」
「──ふふっ」
穂波の唇が、俺の唇に触れて──。
──れろっ、れろっ。
──なぜか、俺のすべてをまさぐるように、舌が俺の口の中に入っていく。
「──ちゅっ、ちゅっ。れろっ、れろー」
声を俺の口の中で紡ぎながら、その声に合わせるように、俺の口の中を彼女の舌が撫でてくる。
舌に絡ませるように、俺の歯の裏を舐めとるように。俺の口のすべてを味わうように、ひたすらに俺の口の中を、彼女に犯されていく。
「──」
──息が、できない。
彼女の舌の勢いに飲み込まれながら、俺は為すすべなく彼女の舌に泳がされている。無理くりに絡む舌、こちらに伝ってくる呼吸、息のすべてが俺をくすぐるようにしてくる。なんでこんな状況になっているんだ、というツッコミも心の中でしかすることはできず、そんな心の中のツッコミも、口の中をくすぐる舌にかき消されて──。
「──んっ?」
ぷはぁ、と穂波はようやく俺の唇から口を話して、そして疑問符を声に浮かべる。何事か、と俺は穂波の表情を見つめ返すけれど、すぐに正体を理解してしまったがゆえに恥ずかしさが自分の身にこだまする。
「……なんか、おっきくなってる」
彼女のそんな言葉の通りに、俺のマイソンこと息子くんは穂波の起床よりも早く起きあがって、そうして屹立をしてしまっている。
「……いや、それは不可抗力、っていうか、なんというか」
「……小さくしなきゃ」
「……はいっ?!」
俺は彼女の声に驚愕することしかできない。
またこのパターンかよ、と夢の内容、……もとい昨日のことを頭の中に思い出しながら。
次回、エロあります。
それはそれとして朝弱い女の子ってかわいいよね(いろんなことに目を逸らしながら)