解凍されたら1000年後。人類から男が絶滅してました。〜ピッチリスーツの性欲旺盛美少女たちに人類保全の種付けセックスを強要されるらしい〜 作:ユリイカ
補給部によるトウヤ殿の
オリーテを筆頭とする補給部の連中は平時より溜め込んでいたクレジットを惜しみなく解放し、500万で彼の1時間を購入した。部署の裁量に任せてある談話室を設備部に大量の施工費を渡すことで改造し、完璧な乱交部屋へと作り替え、調達部が保管している秘蔵の酒を根こそぎ買い漁った。
挙げ句の果てに、あのスキンスーツである。
広く銀河中に浸透している万能着であるスキンスーツだが、その機能性を確保するために生地の色やデザインには一定の制約があった。しかしオリーテたちは設備部の技術開発班を札束で叩き、画期的なスーツを開発した。
宇宙空間での耐久性などオーバースペックな機能を排するかわりに、より効果的にトウヤ殿を誘惑できる淫靡な衣装へと変えたのだ。
その結果はもはや言うまでもない。
「うっ、くっ♡」
執務室に潮がぶち撒けられる。
机の上に載せたタブレットには、補給部の女たちと乱れるトウヤ殿が高解像度で映っている。音声もまるでその場に立ち会っているかのような臨場感で、それを聞くだけで股間が疼くほどだ。
巧妙な計略も巡らせ、まんまとトウヤ殿とのお楽しみを朝まで延長し続けた彼女たち補給部の連中は、当然かなりの出費を強いられた。しかし、そんな享楽の夜を一度きりの夢とするはずがない。
このタブレットに流れている映像は、オリーテたちが部屋の改装とともに各所に設置したカメラによって撮影されたものだ。シフト制の導入と共に官製AVの作製と配布は終わったが、中には自ら機材を用意してハメ撮り映像を作る者もいる。オリーテたちはそんな前例に倣い、この乱交パーティを映像商品として売り出したのだ。
「くそっ、前半1時間だけで50万とか。足元を見過ぎだろう!」
補給部の肉に埋もれ、一心不乱に女を喰らうトウヤ殿。その姿を収めた秘蔵の記録は、全5巻に及ぶ。全巻セットなら特典映像も付いて230万クレジット。いくらなんでも高すぎると思って、1巻だけを買い求めたが、すでに続きが気になってしまっている。
ちなみに特典映像は寝落ちしてしまったトウヤ殿の寝顔接写映像らしい。くそっ。
いくら艦長と言えど、艦内経済では多少の給与が出る程度でしかない。むしろ部下にちょいちょい奢ったりすることもあり、懐は寂しいくらいなのだ。
「うう、こんなAVに金を掛けるより、スーツを新調するか? いや、しかし……」
支出を埋めるため自分たちの楽しんでいるAVで荒稼ぎしている補給部だが、あの夜以降乾く暇がないのは彼女たちだけではない。あの助平なセックススーツを求めて、設備部にも人が殺到しているのだ。
今では部隊ごとに独自のカラーリングのスーツを統一するのが一般的になり、乳房の部分をまるまる透明生地にしたものや、マンコの筋を強調させるようなハイレグデザインなど、思い思いのスーツが広がっている。
一応、艦内で業務にあたるときは従来の濃紺色のスキンスーツを着用することを厳命しているが、逆にそうしないと風紀紊乱が甚だしい。
かくいう私だって、無味乾燥なスーツよりも胸を強調するようなスーツを着てトウヤ殿の反応を見てみたい。――そもそも、私のような行き遅れは興味を示されないだろうと思っていたのに、タブレットの中の彼は私とそう歳の変わらないオリーテたちと楽しげにセックスに興じているのだ。
「こんなのを見たら、期待してしまうじゃないか……」
てっきりアルファ隊のような若い女が好みなのかと思ったが、必ずしもそうとは限らない。そんな事実が、一層私の心を焦がす。
あの日以来、艦内経済は活発に動いている。誰も彼もがトウヤ殿と一夜の夢を過ごすため、金を集めようと躍起になっているのだ。この前は設備部の連中が、なんと三日連続の自由時間占有をしでかした。談話室の改装やセックススーツの開発で富を築いたブルジョワジーの遊びである。
調達部もなかなかの売り上げをあげて、私腹を肥やしている。補給部AVのマージンや、酒やディルドの稼ぎが大きいようだ。
順調な後方支援部と対称的なのが、アルファ隊をはじめとする実戦部隊だ。空間潜航中の艦内においては、彼女たちが稼ぐ手段は限られる。高騰するトウヤ殿の自由時間を買えるほどの収入はなく、必然、2週に一度のシフトで渇きを凌いでいるような状況だった。
「特にアリサだな。早急に毒抜きでもなんでもしてやらないと、何をしでかすか分からなくなってきた」
マンコをほじって快楽に浸っていたはずが、いつの間にか艦長職としての思考に切り替わってしまう。悲しいかな、船員のケアもまた私の職域だ。
元より性欲と独占欲の強いアリサは、補給部を皮切りに後方支援部が連日連夜のようにトウヤ殿を連れ去る状況で、かなり鬱憤を溜めている。自由になる時間がわずかでもあれば激しい自慰行為に興じてなんとか抑えているのだ。
さりとて、彼女だけを特別に扱ってトウヤ殿を会わせるのも難しい。ベータ以下他の地上降下部隊も、境遇は同じなのだ。
「そういえば、そろそろ浮上の頃か」
艦のスケジュールを思い出し、今の日付と合わせる。一ヶ月ほどに及ぶ超長距離空間潜航を続けていた〈ミグダル〉だが、そろそろ艦の大部分を占める超大型エネルギータンクの中身が枯渇する頃合いだ。予定通りならば、数日後には通常空間へと浮上し、近郊の惑星へと寄港して物資の補給を受ける手筈となっている。
そんなことを考えていけば、だんだんと思考も冴えてくる。
いくらなんでも艦内の雰囲気が爛れすぎだ。寄港すれば外部からの商人や技術者なども多少は入ってくる。あんな助平丸出しなスーツは慎むように厳命しなければ。
「トウヤ殿はこの時代の社会を見てみたいと言っていたな」
彼が目覚めてすぐの頃、変わり果てた世界にひとしきり困惑した後でそんなことを言っていた。その約束も叶えてやらねばなるまい。
となると……。
「護衛は必須だろうな」
それも、なるべく屈強で信頼のおける者が。
私は指令書の雛形を開き、手早く内容を書き込む。宛先を確認した上で送信。
「とりあえず、これでいいだろう」
寄港を果たし、補給が始まれば後方支援部は忙しくなる。その間にでも、ちょっと羽を伸ばして貰えばいい。
ひとまず一件落着と見て、私はタブレットに手を伸ばす。
「――とりあえず、残りの4巻もまとめて購入するか。って、追加購入だと特典映像は付いてこないのか!? ほ、補給部のババアどもめっ!」
悪どい商売をするクソババアに怨嗟を吐きつつ、泣く泣く230万クレジットを支払うしかなかった。