解凍されたら1000年後。人類から男が絶滅してました。〜ピッチリスーツの性欲旺盛美少女たちに人類保全の種付けセックスを強要されるらしい〜 作:ユリイカ
数日後。発表されていた予定通り、〈ミグダル〉が通常空間への浮上時刻が迫ってきた。船内はいつになく緊張感が漂い、流石にいつものように気軽なセックス、というわけにもいかない。手持ち無沙汰となった俺は艦橋へと赴くことにした。
「プルーシェ。艦橋にお邪魔してもいいかな?」
「トウヤさんのご用命であれば、問題ありません。我々が護衛いたします」
今日のシフトはガンマ隊。アルファ、ベータに続く第三部隊で、隊長のプルーシェは銀髪碧眼の儚げな面持ちの少女だ。とはいえ、体は例に漏れずムッチムチのわがままボディ。スキンスーツがパツパツに張り詰めるほどの太ももで、歩くたびに尻肉が揺れてバニュッバニュッと音がしそうなほど。
いつもは彼女と部下のガンマ隊の面々で楽しんでいたところだが、今日は普通に身辺警護としてついて来てくれていた。
北欧系の美女と共に船内を行き、〈ミグダル〉の艦橋へ。
広々とした艦橋は、滑らかな直方体のような〈ミグダル〉の唯一の突起部分となっている。全方位を見渡せる巨大な窓となっていて、万が一機械類が全て故障した場合でも最低限の航行ができるようになっているらしい。
広々としたその場所には、多くの船員に混ざってセイル艦長も立っていた。
「おはようございます、艦長」
「トウヤ殿。部屋で休んでいてもよかったのですが」
「いやぁ、自分まで緊張してしまって」
意外そうな顔をこちらに向ける艦長に頭を掻きながら答える。他の船員達がピリピリしている中で、一人だけ私室にいても時間を持て余すだけだ。そう言うと、彼女も納得した様子だった。
「セイルさんも艦橋にいるんですね」
艦長といえば、てっきり操舵室とか中央指揮所とか、そういう場所にいるものだと思った。そんな意味を込めて話しかけると、ムチムチ爆乳を揺らして腕を組みながら彼女は苦笑した。
「艦長といっても、仕事は責任を取ることだけですからね。私はここからのんびり見物させてもらうだけの気楽な立場ですよ」
どう考えてもその程度というわけがないのだが、わざわざ指摘するのも野暮だろう。彼女はいつもの濃紺色のスキンスーツの上にどっさりと勲章のついた軍服を羽織り、泰然として船の針路を見守っていた。
空間潜航中、窓の外に広がっているのは完全な漆黒だ。そもそも光速を超えた速度で進んでいる以上、それ以外の何も見えるはずがない。
「そろそろです。トウヤ殿」
「トウヤさん、衝撃に備えてください」
浮上の際には船体が揺れるという。俺はセイルさんの指示に従い、彼女の豊満な肉体に抱きついた。
「ひゃあっ!? と、トウヤ殿!?」
「なっ!?」
「あ、すみません。つい……」
珍しい艦長の悲鳴。同じく、プルーシェたちも驚愕の声をあげ、俺は我に返る。最近では掴まれと言われたらイコールで抱きつけという意味だったりしたから、すっかり油断していた。そう言われてみれば、近くに手頃な手すりもあった。
「で、ですがまあ、その手すりでは心許ないというのであれば、私が支えましょう。いえ、衝撃に備えるならばこちらの方がきっと柔軟に対応できると思いますし!」
「ちょっと艦長!?」
「そうですか? じゃあ、お言葉に甘えて」
何やら早口で捲し立てる艦長。許可も出たと言うことで、ありがたく彼女の柔らかく熟れた肉体に腕を回す。
プルーシェが慌てふためいているが、艦長はそれから俺を守るように背中を丸めた。
「おっほ♡ トウヤ殿も体ががっしりしてきましたね」
「艦長!」
熟年の女性の腕が、俺の胸元を弄る。
なんだかんだ、セイルさんの体に触れるのは初めてだ。スキンスーツ越しにも柔らかい脂肪とその下の確かな筋肉が感じられて、なかなか抱き心地がいい。思わずさわさわと手のひらでお腹の辺りを撫でると、彼女はビクビクと震えた。
「んふぅ♡ ふぅ♡ ――ふっ!」
荒い吐息を繰り返していた艦長だが、すぐに気を取りなおす。彼女は俺を体の前へと促し、後ろから包み込むようにして抱きしめてくる。爆乳が容赦なく頭の上に乗り、全身を包み込まれてしまった。これならたとえ倒れても怪我一つしないだろう。
「そろそろですね」
時刻が迫る。
俺が身構えると、セイルさんが優しく腕に力を込めてきた。その時。
ガガガガガガガッ
「うぉっととっ!?」
「大丈夫です。通常の浮上時の振動なので、安心してください」
これまで全く揺れることのなかった〈ミグダル〉が明らかな振動を発する。広大な宇宙はまばらに浮かぶ天体以外、ほぼ全てが何もない空間であるはずだ。しかしそこには“空間”というものがあり、〈ミグダル〉の巨体はその僅かな変化を受けるのだ。
超光速から数日かけて減速し、通常空間に出られるほどになってなお、その衝撃は凄まじい。
俺は思わずセイルさんの腕を掴み、背中を委ねる。
「星が――」
真っ暗だった窓に光が見えた。黒いカーテンが暴かれ、その向こうに星海が広がっていた。
光の砂を撒いたような、美しい宇宙の姿がそこにある。長く空間潜航を続けていたためか、船員たちも喜びの声を漏らしていた。
「通常空間への浮上完了。船体への損害なし。周辺の情報収集を行います」
「了解。警戒を密にせよ」
セイルさんの元へと報告が上がり、彼女はすぐに次の命令を下す。俺を抱きしめたままというのが、少し格好がつかないが。
大宇宙に姿を現した〈ミグダル〉の表面に埋め込まれた隔壁が開き、そこから次々と小型の宇宙船やドローンが飛び出す。それらは手慣れた動きで船艦の周囲で隊列を組み、警戒網を構築する。
「セイルさん、あの宇宙船って」
「はい。アルファ隊の皆が乗っています」
先鋭形のいかにも機動力の高そうな機体が窓の前で雁のように連なっている。一人用のコックピットには、黒いフルフェイスヘルメットと厚手のジャケットを着たパイロットが乗っている。
ジャケットの下から見えるのは、濃紺色のスキンスーツ。セイルさんと同じく、上着だけ羽織るのが正装なのだろうか。
通常空間に出たことで、アリサ達が〈ミグダル〉の護衛に着いたのだ。これから辺境の都市惑星〈ティリア〉まで、彼女達は交代で警戒を行う。
「ドローンに任せるわけにはいかないんですか?」
アルファ隊の宇宙船に混ざって、というかそれよりも大量のドローンが次々と展開している。警戒監視だけであれば、疲れをしらない彼らに任せるのがいいだろうと素人目には思えてしまう。
しかし、セイルさんは俺をぎゅっと抱きしめたまま頷いた。
「大半の警戒だけであればドローンで十分ですが、海賊の中には手練れもおります。なので、人力での監視と即応体制の構築も必要なのですよ」
「そっか……。アリサたちも大変ですね」
「あれが彼女達の仕事ですから」
こちらに手を振っていたアリサが、エンジンを吹かして離れていく。燕のように軽やかに翔ぶ宇宙船はとても頼もしく見えた。
「……隊列を乱す行動は慎めと厳命したのに」
……なので、頭上から漏れ聞こえる艦長の声は聞かなかったことにしよう。
「でも、平和なものですね。事前の話を聞いてちょっと不安だったんですが……」
艦橋から外を見渡し、その広大な宇宙に舌を巻く。前々から浮上時には襲撃もあり得ると脅されていたが、今の所その予兆はなさそうだ。
「浮上位置はいくつかのダミーも混ぜています。それぞれ30光年ほどの幅は取っていますので、そう滅多なことがなければ襲撃も――」
セイルさんが大らかにそう言おうとしたその時。
「艦長、レーダーに所属不明船の反応!」
「超高速で接近しています!」
「何っ!?」
彼女の声を遮るように、アラームと急報。セイルさんは血相を変えて悲鳴を上げる。
「トウヤ殿の護衛を! 私は指揮所へ戻る! 総員、第二種戦闘配置!」
静寂が破られ、待機していたガンマ隊の戦闘員が俺を囲む。艦橋から非戦闘員が退散する中、セイルさんは立っていた床ごと下へ消えていく。
「トウヤさん、こちらへ!」
「は、はい……」
プルーシェに手を引かれ、俺もまた私室へと走る。艦橋から去る間際、振り返ると窓の外で燕達が軽やかに翻るのが見えた。