解凍されたら1000年後。人類から男が絶滅してました。〜ピッチリスーツの性欲旺盛美少女たちに人類保全の種付けセックスを強要されるらしい〜 作:ユリイカ
無数の光点は全て宇宙に浮かぶ恒星の輝きだ。1,000年後の人類は、今ここから目に見える全ての星を手中に収めた――というわけではない。それほどまでに宇宙は広く、果てしない。
辺境の資源開拓惑星〈ティリア〉は、そんな無数の恒星のうちの一つを軸とするロロアル星系の第七惑星だった。元々は生命の存在しない荒涼とした岩石惑星だったが、その内部に希少な金属資源を豊富に蓄えていた。人類の開拓船が入植を果たして既に100年ほどが経過しているようで、惑星軌道上に巨大なリング型のステーションが組み上げられている。
「トウヤさん、そろそろ停泊が完了しますよ」
「遠くで見たときは豆粒みたいだったのに、ずいぶんとデカいな」
〈ティリア〉軌道上に浮かぶ宇宙ステーションは、宇宙を航行する船を係留する桟橋の役割も果たす。その姿を肉眼で捉えられたのは二日ほど前のこと。それから近づくほどに影は大きくなり、やがて〈ミグダル〉の窓からは全容が見えないほどにまでなった。
ゆっくりと回転している円環に、〈ミグダル〉が船側を合わせる。彼我の相対速度をゼロにしていくと、ステーション側から係留フックが次々と飛び出し、固定を始めた。かなり大型の宇宙船であるらしい〈ミグダル〉でさえ、宇宙ステーションと比べれば小指の爪のようにしか見えない。こういうのをメガストラクチャーというのだろうか。
ステーションの周辺には、〈ミグダル〉と同様に幾つもの船が係留されている。そのほとんどは〈ミグダル〉と大きさこそ似たようなものだが、その体積のほぼ全てが倉庫となっている輸送船だ。100年掛かっても掘り尽くせていない〈ティリア〉の鉱物資源を統一銀河帝国各地に運ぶ、宇宙の運ちゃんたちである。
「トウヤ殿。これより本艦は物資補給体制に移る。後方支援部は忙しくなるが、トウヤ殿に何かお願いすることもない。予定通り、アリサたちと共に惑星地上の観光を楽しんできて下さい」
「セイルさん。お気遣いありがとうございます」
わざわざステーションと接続した入場レーンの手前まで送ってくれたセイル艦長に礼を言って、いよいよ初めての船外へ出ることになった。
「アルファ隊、トウヤ殿のことは頼んだぞ」
「了解です!」
俺の周囲を固めるのは、ガチガチの重武装を纏うアリサたちアルファ隊。更にベータ隊とガンマ隊が偵察とバックアップについているらしい。俺という人類起死回生の鍵を守るため、万全の警備体制だ。そもそもティリア観光がしたいというのは俺の我儘なので、なんとも申し訳ない話である。
「トウヤさん、エアロックが解除されましたよ! 行きましょう!」
少し心苦しさを感じる俺に、アリサは弾むような声色で手を引く。
せっかく彼女たちがこうして用意してくれたのだから、俺もしっかり楽しんだほうがいいだろう。
〈ミグダル〉の船体に複数のロックで繋がった通路を通って、ステーションまで向かう。船内は人工重力発生装置とやらが働いているが、通路は宇宙らしい無重力空間だ。突然浮かび上がる体に驚きながら慌てて手すりを握ると、アリサたちが微笑ましそうに見てきた。
「仕方ないだろ。無重力空間は初めてなんだ」
「うふふっ。大丈夫ですよ。ゆっくり行きましょう」
さすがアルファ隊の面々は慣れた様子で、特に苦労することもなく進む。ミミとリリなど、お互いの尻を蹴る余裕すら見せていた。
えっちらおっちらと進むことしばらく。やがてドーナツ型のステーションへと入る。
「うおっとと」
「ここからは重力の向きが変わりますから、気をつけて下さいね」
ドーナツの床から、アリサに手を引かれて這い出す。グルグルと回るトーラス型は、その外縁部に外側の遠心力を発生させ、擬似的な重力として機能する。この規模の宇宙ステーション全てに擬似重力を発生させるのはエネルギー的なコストの問題が大きいため、このようになっているらしい。
「〈ミグダル〉も船とは思えないほど広かったが……ここはもう町だな」
「これでもステーションの中では小規模なほうなんですけどね」
そこに広がっていたのは、湾曲した都市だった。巨大な円環の内側に広がるのは空気に満たされた広々とした空間。滑らかで先鋭的なデザインの高層ビルが立ち並び、キラキラと光り輝いている。
驚いたのは、宇宙に浮かぶ構造物にも関わらず、その内部に緑が溢れていることだ。まるで地上――懐かしの地球のようだ。そう思いかけて空を見上げれば、巨大ディスプレイの空が見える。
それによくよく目を凝らしてみれば、どの植物も見覚えがない。おそらく地球にはない種類の植物か、1,000年かけて大きく変容した種なのだろう。
「トウヤさん、あんまり離れないでくださいね」
「あ、ああ。気を付ける」
周囲を歩く人々は、やはり全て女性だった。誰も彼もぴっちりと体に密着するスキンスーツを着ているが、そのデザインは割合色々と多様さを見せている。〈ミグダル〉の船員は軍隊的な性質もあるため、基本のスキンスーツはシンプルな濃紺色だったが、世間的にはやはりデザイン性でおしゃれを楽しむ余裕はあるらしい。
しかし、辺境の資源惑星を訪れるのは運送業者がほとんどだからか、大体の女性たちが俺より身長が高くてがっしりとしている。おそらく、強化手術も施術済みだろう。重たそうな荷物を軽々と抱えて歩いているところも頻繁に見られる。
「あんな人たちに男だってバレたら……」
「まず間違いなく襲われますから、気を付けて下さい」
思わずぼそりとつぶやくと、アリサが真剣な顔で念を押してきた。
今の俺は、調達部で用意してもらったロングコートで体を隠し、更にフードを目深に被った怪しい風体だ。これでも正直隠しきれるとは思えないのだが、そもそもとしてこの時代の女性たちは数世代にわたって男性というものを見たことがない。存在しないものが当たり前のものが目の前を歩いていても、チンポ丸出しとかでもなければ、そうとは思わないだろう、というわけだ。
ロングコートも相まって、往来の真ん中で局部露出してみたい衝動が若干脳裏をよぎるが、リアルな生命の危機が迫るため流石に自重する。
「声も、まあないとは思いますがあまり大きな声で喋らないでくださいね」
「了解。苦労かけるね」
一応、声変わりというものも済んでいる。低い声の女性もいないわけではないだろうが、あまり大声を出すのはいらぬ注目を集めることにもなるし、避けた方がいい。
「しかし、なんか意外なんだが……」
周囲を見渡して、抱いた違和感を口にする。
「思ったより俺も溶け込めそうだな。なんというか、ボーイッシュな人も多い気がする」
短髪だったり、ガタイが良かったり。無論、大抵の女性が爆乳をブルンブルンと揺らし、ムチムチのケツを振り回して歩いているのだが、あえてボーイッシュな雰囲気に纏めているような女性も多い。開けっぴろげの局部を見ればぷにっとしたマンスジが見えるから、女性には間違いないのだろうが。
「そういう趣味趣向の人は多いですよ。本物の男性がいないこともありますし」
「なるほどねぇ」
この時代じゃ、レズビアンも珍しくない。むしろ、同性しかいないのだから、普通なのだろう。中には世帯を持つ女性同士のカップルもいるのだとか。
デモニアの侵略を受け、男性が急激に減少を始めた時期。帝国は精液供出令を発布し次世代の種を集め、保管した。今は補給の目処が立たないそれを慎重に削り出し、なんとか命脈を保っている段階だ。
「アリサも、親は……」
「国が親ですよ。正確に言えば、親権を持っているのは出身星統括政府です」
アリサたちの数世代ほど前から、母胎による養育と出産というものは、安定性と効率性の面から形骸化している。彼女たちは母親となる女性の卵子と国から配給された精子が受精したタイミングで人口子宮へと移植される。そこで機械による万全の管理体制で育ち、生まれ、教育を受け、成人となる。
母親は探せば見つかるはずだが、父親は下手すれば数百年前に精液を提供した名も知らぬ男だ。
「ですが、人工授精や体外養育では、女子しか産まれないんですよ」
「そうなのか」
「問題となっているのは、精子の遺伝子汚染だと言われています。デモニアとの性行為が、男性の精液を遺伝子的に破壊してしまうようで……」
「そこにもデモニアが関わってくるのか……」
人類とデモニアが衝突した初期は、多くの男性が戦力として投入された。結果として捕虜となった男性はデモニアに犯され、生殖能力に異常を来たす。それは、人間の女性と子を成しても、全て女子になってしまうという呪じみたものだ。また、そうして産まれた女子にも遺伝子破壊は継承されており、彼女と男性が結ばれて子が産まれても女となる。現代の医療技術でもそれは解消できず、汚染された遺伝子を持つ現行人類種に対して、俺の持つ遺伝子は
以上、セイル艦長からの受け売りである。
それなら、俺と現代の女性が子供を作ってもデモニアの呪いは残るのでは、と思ったのだが、現行人類が呪いに負けるのは1000年かけて遺伝子の強度が薄まったせいということで、純粋人類遺伝子は呪いを破壊するだけの力があるらしい。伊達に千年熟成していないというわけだ。
「デモニアは恐ろしい種族です。トウヤさんが見ることはないでしょうけど、万が一そんなことになったら気をつけて下さいね」
「分かってるよ」
デモニアは女性だけの種族だが、その身体能力は強化手術を施した現行人類女性を遥かに凌ぐという。となれば、俺が抗える可能性なんて万に一つもないのだが。
流石に人類の支配圏域にデモニアがひょっこり現れることもないだろう。
「それよりトウヤさん、あそこ見て下さい!」
アリサが前方を指差す。ステーションの中央――ドーナツの穴を貫通するように眼下の星に向かって伸びている一本のケーブルがある。それはカーボンナノチューブで編まれた強靭な構造体にして、星とステーションを繋ぐ紐帯。ティリアの起動エレベーターだ。
「あそこに乗り込んで小一時間もすれば、いよいよ地上ですよ」
久しぶりの地上に、アリサたちも心を躍らせている。俺は彼女に手を引かれ、エレベーターとは名ばかりの超巨大なビルのようなシャフトに乗り込んでいった。