※この作品はR-18です。

解凍されたら1000年後。人類から男が絶滅してました。〜ピッチリスーツの性欲旺盛美少女たちに人類保全の種付けセックスを強要されるらしい〜   作:ユリイカ

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第25話「ミグダル入星」

 宇宙ステーションからティリア地表へと降下する軌道エレベータは巨大な構造物だ。八基のシャフトはそれぞれが小型のビルほどもある巨大さで、一度の往復で大量の人員や物資を輸送することができる。それでも星の物流を纏めると追いつかないようで、昼夜を問わず延々と稼働し続けているらしい。

 俺たちが乗り込んだシャフトも、俺たち以外の現行人類種の女性たちを数百人、そしてティリアで生産できない生活物資などを満載したコンテナを積み込んで降りていく。

 

「お、思ったより速いんだな」

「だいたい自由落下と変わりませんよ。これでも小一時間程度はかかるので、ゆっくりしていってください」

 

 エレベーターの窓からはグングンと近付くティリアの空が見える。雲はあまり浮かんでいないが、大気の薄い層が曇りガラスのようだ。カーボンナノチューブ製のケーブルを伝うシャフトは、遠心力と慣性力をうまく制御しながら危なげなく降りていく。

 周囲の反応を見るところ、起動エレベーターもさほど珍しいものではないらしい。こんなところでキョロキョロとしている方が、かえって周囲の注目を集めてしまうかもしれない。

 エレベーターシャフト内には、昇降の時間を潰すために簡易の休憩室のような設備も整っている。テレスが壁際に並んだ自動販売機から、お茶のようなものを買って来てくれた。

 

「ティリアのご当地ドリンクです。ここは天然水や炭酸ガス泉も有名なんですよ」

「へぇ。こういうのはいつの時代もあるんだな」

 

 “ティリアのティーや!”というネーミングも含めて、人類は1000年経ってもそう変わらないことを確信する。飲んでみると、普通の紅茶のようだった。

 

「地下資源が豊富な星ですから。基本は採鉱で有名ですね」

「鉄はいくらあっても足りないってことなんだろうな」

 

 星を飛び出し、〈ミグダル〉級の巨大宇宙艦船も無数に往来する時代だ。鉄は有人星の埋蔵量だけでは到底足りず、〈ティリア〉のような資源開拓惑星は他にむ無限に存在する上に、まだまだ深宇宙に向けて開拓船が送り出されているという。

 

「悔しいことに、技術力でも人類はデモニアの後塵を拝しています。奴らに追いつき、追い越さなければ、人類の安寧もあり得ません」

 

 広い宇宙、狭い船内という環境ではあまり意識もしていなかったが、人類は現在もデモニアと戦争中だ。主戦場となっている星系では、今も大量の人と兵器がすり潰されている。

 人類がデモニアと出会ったのはつい数百年前のことだが、デモニアはそれより以前から産まれた星を飛び出して宇宙を放浪していた。行く先々の人型生命体の男を駆逐しながら進むことで多くの異星文明を取り込み、非常に高い技術力を身に付けているらしい。

 アマゾネスのようなイメージを抱きがちだが、知能の面でも人類は遅れを取っている。

 その大きな格差を少しでも埋めるため、統一銀河政府は星を食い尽くす勢いで資源を絞り、それを原資に技術開発を行っている。

 

「なあ、アリサ。浮上直後に撃ってきた奴もデモニアなんじゃないのか?」

 

 聞きづらいことだが、時間も十分に空けたはずだと思って踏み切る。空間潜航から浮上した直後にあった襲撃。アリサはデコイを用いた狙撃を受けた。その際の下手人はまだ見つかっていない。

 間違いなく最新鋭の監視設備を搭載しているはずの〈ミグダル〉を欺けるとなれば、それはデモニアの手によるものではないか。そんなことは、彼女たちも真っ先に検討していたはずだ。

 その上でアリサは曖昧に首を捻る。

 

「確かに奴らが〈ミグダル〉を襲撃する可能性は高いです。しかし、デモニアは集団戦を得意としているはず。あのようにデコイと狙撃手だけ、単独での奇襲は彼女たちのやり方とは思えないんです」

「そういうものなのか?」

 

 俺という人類唯一の男、純粋人類遺伝子の保有者を滅するためならば、そのような矜持も捨て去るのではないか。素人考えではそう思ってしまうのだが、アリサたちには不可解に映るらしい。

 

「普通、デモニアはわざわざこちらの共通回線をジャックして雌々しく名乗りをあげますからね。ついでに顔写真まで送ってきます」

「ええ……」

 

 どこかの武士よりも更に好戦的というか、真正面から突っ走ってくるタイプらしい。顔写真を送ってくる理由を聞けば、向こうの男に今からお前を犯す女だと誇示するためだとか。

 そのへんの文化は、女だけの戦闘種族特有のものなのだろう。

 ミグダルは額にツノを持つ体格のいい種族らしいし、実際威圧感は凄まじいはずだ。

 アリサが端末を操作して、いくつかミグダルの顔写真を見せてくれる。銀髪に褐色の逞しい美女だが、額から5センチほどのツノが二本生えている。更に唇からは鋭利な犬歯が覗いているし、吊り目がちな目も猛禽のように好戦的だ。

 

「これは?」

「有名なミグダルの将軍ですよ。いろんな宙域に突然現れて奇襲をしかけてくる悪辣な奴です」

 

 人類は彼女に相当な苦渋を飲まされたのか、アリサも複雑な表情だ。

 ミグダルの将軍と言いつつ、その実態は海賊のようなものに近いらしい。はるか昔に首星というものを概念ごと失ったかの種族は、船を生活の基盤としている。だからこそ、一箇所に定住することもなく、種族全体としても緩い連帯でしか繋がらず、好き勝手に雄を襲う。

 アリサの示した写真の女――デケデケという名前の将軍は、中でも多数の大船団を率いているという。

 

「デケデケ?」

「ミグダル人の名前を翻訳機にぶち込むとこうなります。ま、発声器官もほとんど変わりませんし、ラーニングマシンを使えばミグダル語もすぐに習得できますよ」

 

 流石に名前は異国感、いや異種族感が拭えない。実際、胸も尻も身長もデケデケだが。

 数百年単位で争っているということもあり、お互いの言語もある程度は理解できているらしい。というか、向こうが名乗りをあげる文化というのも関係しているはずだ。名を名乗っても、理解されなければ意味がない。

 

「隊長、そろそろ到着します」

「本当ですね。トウヤさん、準備をしてください」

 

 そんな話をしているうちに、シャフトが地表へと近付く。大気圏内に突入しても、全く揺れを感じない。

 テレスの声でようやく気付き、俺は腰を浮かせる。大きな窓から見えるのは、赤茶けた荒野。巨大な重機が群れをなし、地表を捲っている。長いケーブルの先に目を向ければ、その終端に銀色の町が広がっていた。

 ぐんぐんと町は近づき、建物は鮮明となる。宇宙港と繋がるエレベーターポータルの周囲は物流倉庫となっており、周囲に放射状に太い幹線道路が敷かれている。未開拓の土地に計画的に都市を置いた、整然とした街並みだ。

 

「町の中は人の数も桁違いです。トウヤさんも、私たちから離れずに歩いてくださいね」

「分かった。護衛よろしく」

 

 シャフトは柔らかな着地を果たし、扉が開く。広がっていたのは、近未来的な都市の輝きだった。

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