蒼香はぐったりとベッドの上に倒れていた。
エリカに犯されたオマンコとアナルがいまだジンジンと熱さを帯びている。火花が飛び散るような一戦だった。
蒼香は思う。もしソリムに敗北する前のエリカが相手だったら勝つことは出来たのだろうかと。
目を瞑り少し思案に耽った。
答えはすぐに出た。悔しいが不可能だろう。
今回、エリカから勝利をもぎ取ることができたのはソリムの手によりエリカの肉体が敏感体質になっていたからだ。一言で言えば、運が良かったのである。
蒼香は身震いした。
敗者復活戦が開戦したのも、エリカが弱体化していたのも、全て蒼香の実力から離れた運によるものだ。ソウタを救うための手立てが運の上に成り立っていると思うとどうしようもない不安が脳裏を包み込んだ。
「ちょっと早いですけどお風呂に行ってみますか。」
蒼香はベッドから立ち上がる。
選手専用の大浴場へと続く廊下は静まり返っていた。
カツンッ、カツンッと蒼香の足音が虚しく木霊する。するとやがてもう一つの足音が廊下の向こうから来ているのに気が付く。そして、なにかを引きずる音も。
音の出所は角を曲がったところからのようである。正体を直接見ることはできない。
「ミン・ソリム‥‥‥。」
蒼香の目つきが鋭くなった。
親しくなった翠月を卑怯な手を使って負かしたからだけじゃない。今、ソリムの手に握られているリードが握られていた。その先は首輪になっていて、裸の女が四つん這いになっている。
黒い目隠しとボールギャグを装着させられた女は唾液に混じったくぐもった喘ぎ声を漏らしていた。
「ソリムさん。やっぱりあなたとは仲良くなれそうにはないですね。」
蒼香は気づかぬうちに苛立ちの籠った声になっていた。
「あら?残念ね。あなたならきっと喜ぶと思ったのだけど?」
「なぜですか?」
ソリムの妙な言い方が気になった。
少しの間が空き、女の喘ぎに鼓膜が揺らされる。この声はまさか―――。
蒼香はハッとしてソリムの顔を見つめた。
「ようやく気が付いたのね。」
ソリムはニヤリと笑い、声が出せないままでいる蒼香に代わって答えを告げた。
「藤宮瞳———改めて牝豚よ。」
ソリムは足を組んで瞳の背に腰を降ろした。そのとき猿轡も外したらしい。牝の声が廊下に響く。
「静かにしなさい、牝豚。」
パシンッ。乾いた音が鳴った。
「ぶひぃぃぃ~~~っ!!!♡♡♡」
尻を叩かれた瞳が頬を赤らめて背を仰け反らせる。
蒼香は唖然とした。あの女帝のような雰囲気を纏っていた藤宮瞳がなぜ?
「調教したのよ。私が」
蒼香の表情を読み取ったソリムが答える。
だが答えになっていない。問題はなぜそしてどうやって調教を行うまでに至ったのかである。
「あなたの目的はなんなのですか?」
蒼香の質問にソリムはなにも答えず瞳の尻をすべすべと愛撫していた。
頭がくらくらとする。まるで、追っていた魚がさらに巨大な魚に一呑みにされていたような気分だ。理解が追い付かない。
「あなた湯浴みに行くつもりでしょう。私もいいわよね?」
この牝豚は臭くて敵わないから、と言い残してソリムは大浴場に向かって歩き出した。
「ソリムさん。説明してください。」
浴槽に使ったソリムに向かって蒼香は詰め寄った。
「知りたいかしら?」
ソリムは瞳の体を引き寄せた。胸を軽く揉み上げると瞳は甘美な声を奏でる。
すっかりと骨抜きにされてしまった牝の姿がそこにあった。
「神崎綾女が潜入捜査官であったように私もこの大会に潜入していたのよ。ただ私の目的は彼女とは全く違うわ。むしろ逆ね。」
「どういうことですか?」
「この大会を乗っ取りに来たのよ。今回の大会だけじゃないわ。運営そのものを奪うという意味よ。」
蒼香は息を呑んだ。そんなことが可能なのだろうかと。
「成功したのですか?」
蒼香の問いをソリムは笑い飛ばした。
「馬鹿なことを聞かないで頂戴。この牝を見たら明らかじゃない。」
ソリムはお湯の中で瞳のオマンコを指でかき乱した。こぽ、こぽと水泡が上がる。
「ひ、ひぐぅ~~~っっっ♡♡♡ んあぁっ!!っ~~~ん゛ん゛!!!!♡♡♡」
瞳は数回ほど肩を小刻みに震わせた。そして、ソリムの胸にもたれ掛かる。
「完全に掌握したわよ。もはやこの大会の運営は全て私の組織の者が行っているわ。」
「いつの間にそんなことが‥‥‥。」
蒼香は驚いた。自分の知らないところでこんなことが起きていたなど驚き以外の何でもない。
「これはあなたが思っているよりも緻密な作戦の上に成り立っているのよ。」
「ソリムさん。あなたは一体何者なのですか?」
蕩けた目をした藤宮瞳が口を開いた。
「んぁっ♡ はぁ、はぁ♡ ソリム様は、韓国バトルファック協会の人なの。~~~っ♡♡♡ 私たちは韓国人様たちの侵入していただいて‥‥‥。あぁんっ♡ 無能な私を退治していただいのぉ‥‥‥ぉぉお゛っ?!♡♡♡」
手マンをされながらの彼女の言葉はたどたどしく聞き取りにくかった。その上、おかしな敬語が混ざっていて、理解を妨げてくる。
しかしソリムは満足気に藤宮瞳の胸に手を回した。
「良く言えたわ。偉いわ。」
「韓国バトルファック協会?」
「えぇ。日本協会とは規模も資金力も桁違いの組織よ。でも、悔しいけどこの違法大会に関して言えばかなりの収益を上げていたわ。韓国内でも類を見ないくらいのね。」
「それで乗っ取ろうとしたということですか?」
「そういうこと」
ソリムは頷き、話を続けた。
「だけど見事だったのは収益だけね。違法大会だというのに警備はザルだったわよ。責任者の女をこうすることができる程度にはね。」
「なるほど。状況は分かりましたがどうして私にこの話をしたのですか?」
蒼香はシンプルな疑問を口にした。
「ソウタという坊や。あなたにとって、とても大事な人のようね。」
ソリムの言葉に蒼香の心臓の鼓動が跳ね上がった。
「どういうことですか?まさかソウタ様に何かしたのですかっ!」
蒼香は立ち上がるとソリムを鋭い眼光で見下ろした。その瞳には普段はけっして宿らないであろう殺意に近い感情がゆらゆらと灯っている。
「まさか。大事な交渉道具だから傷つけたりなんてしたりしないわ。」
「交渉道具?どういうことですか?」
蒼香の口調に苛立ちが含まれた。主を道具呼ばわりされたことに対する怒りだ。
この女を絶対に許さないという感情が剥き出しになっていた。
「あら、怖いわ。でも、あなたにとっていい話よ。明日の試合、この牝豚と戦ってもらうわ。」
ソリムは藤宮瞳の髪を掴んで頭を持ち上げた。
彼女の口から呻き声が漏れる。
「もしあなたが勝てばソウタを返してあげるわ。でも、負けたら‥‥‥。」
ソリムはここぞとばかりに間を空ける。たまらなくなった蒼香は口を挟んだ。
「どうなるのですか?」
「彼には調教係をしてもらうわ。こういう雌豚みたいなバトルファックで負けた牝を犯す役割よ。最近はショタ需要が増えているから丁度いいのよ。」
「そんな」
蒼香は愕然とした。脳裏によぎったのはエリカ戦の前にスクリーンに映し出された加崎綾女の調教映像である。
ソウタ様があのような行為に加わることになる。蒼香は首を横に振って嫌な妄想を頭から追い出した。そんなことは決してならないし、そうはさせない。
「その条件で飲みましょう。明日の決勝戦で藤宮瞳さんを完膚なきまでに犯しますっ!」
蒼香の瞳には決意の焔が灯っていた。