妹しか居ない異世界にイッたので妹ハーレムを作りました 作:ぶっかけ龍之介
――――アルヴェリス国防戦の成功。及び二番隊壊滅から、10日後。
「法王代理の名の下に、ミーナとアキトは兄妹として契りを交わしたことを、ここに宣言します」
ユイの澄んだ声が、静かな教会に響き渡る。
「貴方たちに女神様の祝福がありますように――」
聖書を片手にした彼女は、神聖な儀式の所作で錫杖を掲げ、ミーナとアキトそれぞれの肩に優しく触れさせた。
鈴が軽やかな音を奏で、兄妹たちの身体が淡い光に包まれる――こうして、兄妹の契約が厳かに執行された。
「ん……♡ お腹、あったかい……♡ あっ、見て下さいお兄ちゃん! 契約の証が!」
ミーナは嬉しそうに笑いながら、スカートを捲り上げた。桃色のショーツの上、下腹部に艶めかしいハートの模様が浮かんでいる。
「えへっ♪ 可愛い模様ですね! 私、初めて見ました」
「……ふむ、完全に淫紋だな。いいのか?」
「インモン……? よく分かりませんが、私は気に入りました!」
「ならいいけど…………にしても、ミーナはピンクのスケスケだなんて、意外とエッチなパンツを穿いてるんだな」
「きゃっ♡ お兄ちゃんのエッチ♡」
「はは、ミーナ。これからもよろしくな」
互いに微笑みを向けながら、兄妹は握手を交わした――その瞬間、
「お゛っっ♥♥ ほぉぉぉっっっ♥♥ どっ、どうぞよろしくお願いしましゅぅぅぅぅンンンッ♥♥♥♥」
新妹ミーナはアヘ顔でぶっ倒れた。
「あっ、ごめん。手袋つけるの忘れてた」
「大丈夫ですよ、お兄様。想定の範囲内ですから――お願いします」
「はっ! 救護班の元へ運びます!」
仰向けに倒れた妹を、騎士たちが慣れた手つきで表へと運んでいく。教会内は再び静寂に包まれた。
「今日はあと何組だっけ?」
「あと205組ですね。少しお休みになりますか?」
「いや、大丈夫だよ。ユイこそ大丈夫か? 疲れてないか?」
「お気遣いありがとうございます。わたくしも問題ありません。こう見えて、意外と体力あるんですよ」
ユイは穏やかに微笑んだ。
漆黒のフードを目深に被り、後光を浴びて微笑む姿は神聖なものに感じられる。
「お兄様こそ、無理はなさらないでくださいね。大切なお身体なのですから……」
「ん。それはもう何回も聞いたぞ。ユイは心配性だな」
「もう……お兄様がすぐ無茶をなさるからですよ」
フードを目深に被り、金の刺繍が煌めく法衣をまとったユイの姿は、まさに神の意を伝える法王代理そのものだった。静かに微笑むその佇まいには、厳かな威厳と慈愛が同居している。
「ですが……お兄様、本当によろしいのですか? アルヴェリスの全妹と兄妹契約を結ぶなど、前例のないことですよ」
「何か問題でもあるのか?」
「……はい。通常、『兄妹契約』は二人目と結んだ時点で死にます」
表情に微かな不安を滲ませつつも、ユイはきっぱりと言い切った。
「”ひとりの妹にひとりの兄を”――これは『一妹一兄制』と呼ばれる、絶対遵守のルールです。創世の女神さまは浮気をお嫌いですから」
「そうか……」
アキトは思わず笑ってしまう。
最愛の妹が、ぷくっと頬を膨らませて怒る姿が、簡単に思い浮かんだからだ。
「? お兄様、どうかされました?」
「いや、何でもない。でも俺、死んでないし……大丈夫だろ」
「それはそうですが……わたくしは、儀式を行うたびに心臓が止まりそうです」
「……それは悪いな。でも、この世界の妹は兄ちゃんが居ないと寿命が縮んで――えっと、石になっちゃうんだろ?」
「はい。兄不在の妹の肉体は早期に結晶化し、魂は女神様の元へ返されます」
「それってセラも……女王も同じなのか?」
「いいえ。女王には女神様との絆がありますので、早期結晶化はありません」
ユイは淡々と答えていた。
その口調は冷静で揺らぎがなく、まるで祈りの言葉のように静かだった。
「これは『女神因子』と呼ばれるものです。女神様との強い繋がりにより、身体や魔力の強化はもちろん、特別な力を授かります。逆を言えば、そのような力を持つ者が女王に選ばれるのです」
「そうか……じゃあ、女神に選ばれなかった妹を俺が選ぶことにする。可愛い妹を、宝石にするわけにはいかないからな」
アキトは肩の力を抜くように笑った。その穏やかな笑みには、決意と優しさが滲んでいる。
「お兄様……♡」
ユイは一瞬、目を見開いたまま動かずにいたが、やがて静かに頷く。
フードから覗く表情には安堵と、言葉にならない感情の色が浮かんでいた。法王代理としての威厳を保ちつつも、頬にはうっすらと紅が差している。
「わかりました。では、契約を続けましょう――――次の方を」
ユイが目配せすると、教会の重厚な扉が音を立てて開かれる。
控えていた騎士が一礼し、新たな妹候補を堂内へと案内した。
「…………」
そんな様子を、シルヴィアはじっと見つめていた。
背筋を伸ばし、凛とした瞳に微かな揺らぎを宿し――その胸の内は、誰にも読めないままだった。
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「あっ♥ ンッ、んぁぁっ♥♥♥ おにいさまっ♥♥ おにいさまぁぁっ♥♥♥」
「くっ……またですか……!」
遠くから聞こえてくる嬌声に、シルヴィアは頭から布団を被って耳を塞いだ。
「あのバカ……! いったい、どれだけヤれば気が済むのです!」
アキトの部屋の前には、毎晩のように長蛇の列ができていた。人目もはばからず、毎日1000人を超える妹たちが夜這いに訪れていたのである。
そのあまりの多さに、ついにはアルヴェリスの文官たちが、列の整理要員として派遣される事態となっていた。
さらにシルヴィア率いる騎士隊までもが、アキトの護衛兼、身の回りの世話係として駆り出されている。
「あっ♥ あぁっ♥♥ イクッ♥ イきますっ♥ おにいさまっ♥ 手をっ♥ 手を繋いでくださいましっ♥♥ あぁっ♥ イクッ♥ イクイクッ♥ イックゥゥゥゥゥゥゥッ♥♥♥」
『善き心の象徴』と称えられた白亜のアルヴェリス城には、毎日毎晩、妹たちの艶めかしい声が響き渡っていた。
「ぬ……ぐ、ぐぅ……! あの淫獣は今すぐ去勢すべきですっ!!」
白亜城は愛液と嬌声に塗りつぶされ、淫らの監獄に成り下がっている。
夜這いに訪れた妹たちは、ますます色っぽくなり、心も穏やかに落ち着いていく。その一方でシルヴィアの心はささくれ立ち、寝不足に悩まされていた。
「あっ♥ あぁッ♥♥ んぁぁぁぁっっ!?!?♥♥♥ おにいさまお許しをッ♥♥ わたくしっまたイグッ♥ イきますぅッ♥♥♥ イッてるのにまたイッちゃいますぅぅぅっっ♥♥♥♥♥」
「っ! ゼッタイ許しません!! もうガマンできません!!」
日に日に、アルヴェリスの常識・秩序が破壊されていく――――シルヴィアは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の兄を除かなければならぬと決意した。
シルヴィアには性交はわからぬ。シルヴィアは処女である。剣を振り、魔物や盗賊を排して暮して来た。しかしそれ故、膣序に対しては人一倍に敏感であった。
「えへへ、お兄ちゃん♡ 今夜はノノアのことをかわいが――んひぃっ!!♥♥♥ お゛ッ♥♥ お゛っぎぃっ♥♥♥ このお兄ちゃんしゅごいよぉっ!!♥♥ さすがみんなのお兄ちゃんぅっ!!!♥♥♥♥♥♥」
「まだ続くのですか!! これで1876人目ですよ! もういい加減にしてください!!
布団をかぶっても、耳を塞いでも、なおも聞こえてくる嬌声。
快楽のたっぷり染み込んだ喘ぎ声に歯がみしながら、シルヴィアはぎゅっと目を閉じ、無理やり眠りにつくのだった。
――翌朝。
「……どうした、シルヴィア。寝不足か?」
「…………うるさい…………」
アキトの何気ない問いかけに、シルヴィアはそっぽを向いたまま低く答える。口調はいつものように尖っていたが、声に張りはない。
「すごいクマも出来てるし……倒れそうだぞ? 手を繋いでやろうか?」
「っ!? 繋ぐわけないでしょう!! 私の名誉をこれ以上汚さないで下さいっ!!」
「名誉……? ああ、玉座でアヘ顔絶頂したことか? はは、大丈夫だ、俺は気にしてない」
「私が気にするのですっ!! あとっ! その件については二度と口にしないように!!」
シルヴィアはアキトからさらに一歩、距離を取った。
まるで少しでも近づけば何かが爆発するかのように、廊下の壁ギリギリに身を寄せる。
「あの屈辱……っ! 私にとって消し去りたい過去なのです! ゼッタイに誰にも話さぬようにっ!」
「はいはい、わかったわかった。『崩壊の女騎士―白昼の玉座アクメ―』については黙っておくよ」
「はっ、破廉恥な! 勝手に下品なタイトルをつけないでください!!」
「黙って聞いていれば……なんですか、貴方のその態度は」
静かに割って入ったのは、アキトの右隣に控える小柄な少女――ユイだった。フードを目深に被った瞳が、女騎士を鋭く射抜く。
「アキトお兄様は女神様の兄――『シスター・オブ・ハート』なのですよ。それにアルヴェリスにとっては救国の英雄でもあるはず。貴方の態度は不敬が過ぎます」
「くっ……! うるさい! 貴方に私の気持ちが分かるはずありません!」
「分かりたくもありませんね」
「な、なんですって……!」
シルヴィアは、法王代理を睨み返した。頬は羞恥で紅潮していたが、それでも視線は逸らさない。
「しかし、あのような目に合わされれば私と同じ事を思うはずです! 貴方がまともであれば、ですけど!」
「”あのような目”というのは、貴方が尊敬する女王陛下と憧れていた兄王の前で、悶絶アヘ顔特大絶頂をキめた時の話ですか?」
「っ!!!?? はっ、破廉恥な! よくも恥ずかしげもなく…………貴方、本当に法王代理なのですか!!」
「信じられないならば、教会本部に確認しますか? ちなみに、わたくしへの侮辱はOD教への――ひいては創世の女神様への冒涜とみなし、異端審判にかけますのでお気をつけを」
「なっ、なぁ……っ!? し、信じられません! なぜこのような者が法王猊下の代理に……っ!」
「おや? 今、異端者の声が聞こえましたね……? 神判がお望みなのでしょうか」
「まあまあ、ふたりともケンカするなって。早くセラのとこ行こうぜ」
「はい、止めます♡ お兄様♡」
アキトたちは玉座へと向かっていた。
まだ正式な発表はなされていないが、セラ女王はアキトに「救国の英雄」としての報奨を授ける意向を示していた。この日は、式典の日取りを決めるための打ち合わせが行われることになっていたのである。
(本当に信じられません……法王猊下の代理がこのようなものであることも、アキトが本当に『彼』であることも――)
廊下の窓からは、いつも通り穏やかな光が射し込んでいた。
しかし遠くに見える広場には、今日もアキトとの『兄妹契約』を求める長い長い行列ができている。
(ま、また今夜もあのような……)
日常と非日常が交わる光景を、シルヴィアは虚ろな眼差しで見つめた。
妹たちの群れとまぐわうアキトの姿が浮かんでしまい、頭がクラクラしてしまう。
「……本当に、元気ないな。抱っこしてやろうか?」
「結構です!!!」
「恥ずかしいのか? んなこと気にしなくいいって」
「もう黙ってください!!」
女騎士の凜とした声が廊下に反響するなか、アキトたちは変わらぬ調子で進んでいく。
しかし――シルヴィアだけは、いつもとは違っていた。
まるで足元に重しでも付いているかのように、ひと足ひと足を引きずるようにして、玉座へと向かっていった。
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玉座の間に足を踏み入れると、静かな空気が漂っていた。
「……おはようございます、アキト殿。ユイ殿、シルヴィアも……」
高い玉座の上、後光を背にして微笑んでいたのは、アルヴェリス女王・セラだ。その笑みは柔らかく、どこか儚げなものだったが――疲労の色は隠しきれていない。
「セラ、ちゃんと寝てるか? あんまり夜遅くまで励むのはよくないぞ」
「ふふ……大丈夫です。アキト殿、お気遣いありがとうございます……」
薄い隈が目の下に滲み、言葉の端々には夜の眠りの浅さがにじんでいた。
「陛下……どうかご自愛ください。少しでもお休みになられては……」
シルヴィアが心配そうに声をかけると、セラは小さく首を振って、優しく笑った。
「いいえ、大丈夫です。皆さんが来てくださったことが、なにより嬉しく……私も元気になれますから」
小さな声でそう言いながら、セラは静かに手を膝の上に重ねる。
「それに、こうして国が平穏を取り戻しつつある今……女王たる私にできることは、きちんと感謝の形を示すことだと思っています」
彼女の声は弱々しいものではなく、確かな意志と優しさが宿っていた。
静かに、しかし確かに玉座に在る者としての覚悟を持って――セラはアキトを見つめた。
「あなたのおかげで、アルヴェリスは守られました。……そのことに、あらためて感謝を申し上げます」
その声には、王としての威厳よりも、一人の民としての深い感謝が滲んでいた。背後に控える大臣達も一斉に頭を下げる。
「それでは英雄アキト殿。報奨については、陛下に変わって私の方からお伝えさせていただきます」
女王の言葉に続くように、玉座脇から一人の文官が歩み出る。
長い青髪を一つに束ねた知的な女性――国庫を預かる大臣、アマリアである。
「国民へのアキト殿の正式なお披露目、および戦勝式についてですが……現在の情勢を鑑みるに、アルヴェリス中――いえ、世界中が混乱に陥る可能性がございます。式典の開催は、改めて慎重に判断させていただきたく存じます。何卒ご容赦くださいませ」
洋紙を手にしたまま、アマリアは丁寧に一礼する。
「ですが、ご安心ください。報奨の内容につきましては、すでに陛下のご裁可を頂戴しております。まずは聖妹金貨十万枚。それから爵位につきましては――」
その褒賞がどのような形であれ、アキトが国を救ったという事実に異を唱える者はいない――はずだった。
「ちょっと待ってください!!!」
突如、シルヴィアの声が玉座の間に響き渡った。
厳粛な空気が揺らぐ中、彼女は勢いよく立ち上がる。
「……なんですか、シルヴィア殿。発言を遮るとは、無礼ではありませんか?」
「ご無礼をお許しください。報奨に異論はありません。ただ、その前にどうしても『とある噂』について話させていただきたいのです」
「噂、ですか?」
アマリアが女騎士へ厳しい目を向ける。
「今回の報奨に紛れ、大変不敬なことにアキトを女王陛下のパートナー……すなわち“兄王”に据えようとする動きがあると聞きました」
「そ、それは……」
「いかに“救国の英雄”とはいえ、“女神様の試練”を経ずに兄王を名乗るなど――言語道断です」
シルヴィアは隣に立つ小柄な少女へと視線を向けた。
「そのような者はOD教法王代理のユイ殿も、当然お認めにならないでしょう?」
いきなり巻き込まれた形のユイは、小さな溜息をついた。
「……たしかに。兄王と認められるには、“女神様の試練”を受け、それに合格する必要があります。試練を経ずにその資格を得ることはできません」
「もし、我が国にそのような不正を行う者がいれば――――国家反逆罪として裁かれるべきかと」
ユイの言葉に、すぐさまシルヴィアが言葉を継ぐ。玉座の間に冷たい空気が漂う。
(よくもあんな平気な顔を……さすがは大臣たちですね……)
シルヴィアは玉座の脇に並ぶ大臣たちを一瞥した。
幹部たちが揃いも揃ってアキトと兄妹契約を結んだことを、シルヴィアは知っている。あんなに涼しい顔をしているが、たった3日前の夜には、
『んひゅーっ!♥ 採用♥ 採用でしゅぅっ!!♥♥ 兄さんこしょっ♥ この国兄王!!♥♥ ゆーあーざーきーんぐおぶぺにーす!!!♥♥♥』
と内務大臣は叫び、
『ひっ、ひぐ――っ!♥ ひっひぎゅぅぅぅっ!!♥♥ おっきぃちんぽじゅぼじゅぼしちゃうにょおぉっ!♥♥ これは記録っ♥♥ おまんこで記録しなきゃでしゅぅぅぅ♥♥』
と、王家筆頭秘書官は啼き、そして――
「…………なにか?」
「いえ、別に……」
この目の前の知的美女。アマリア国庫大臣でさえ、
『ンホーーーっ♥♥ しゅっ、しゅごいぃっっ!!♥♥ わたしの子宮に納付っ!!♥♥ 精子も全部っ!♥♥ ぜんぶれふっ♥♥ このおちんちんはぁっ♥♥ あっ、あぁぁぁっ♥♥ 永遠におまんこから出しませんからっっ♥♥ ンッ♥♥ ンホォォォォッ♥♥♥』
と破廉恥極まるオホ声で啼き喚いていたのだ。
大臣や高級文官たちは品位を保ったままに見えるが、その内面は――身も心もアキトに蕩け堕ちている。
国家の中枢を担う女たちが、“淫獣の妹”として夜を過ごしている――その事実に、シルヴィアは軽く眩暈を覚えていた。
「そして! 一番伝えたいのは、後ろに控える者たちのことです!!!!」
声を張り上げ、シルヴィアが玉座の間の奥を指し示す。
そこには、黒の二番隊の兵たちが整列していた――その数、じつに10万。
当然玉座の間に入りきれるはずもなく、精鋭らしく美しい列を作って城外まで並んでいる。
かつて敵軍として恐れられた彼女たちは、今や全員がアルヴェリスの軍門に降っていた。
「……あぁん? なんだ、ザコ騎士。ケンカ売ってんのか?」
最前列に並ぶ”暴虐のジリオラ”が、ふてぶてしく腕を組んで睨み返す。
「アキト兄様直属の親衛隊『兄イチバン隊』にケチをつけるとは……殺されたいのか?」
「弱いメス犬ほどよく吠える、というやつですね隊長」
副官のリリナが冷淡な笑みを浮かべる。その双眸には凍えるような冷酷さと、アキトへの崇拝が同居していた。
「アキト兄様を独り占めしたいってか? 結局、ああいう真面目そうな顔してるヤツが一番のドスケベなんだよな」
「きっとあの子は、何度も想像の中で妊娠してるわね。私と同じニオイを感じるもの」
「分かった! あいつ顔真っ赤じゃん? きっと、あのミニスカの中にローター仕込んでるのよ!」
「えっ!? じゃあ兄様がスイッチ入れたり切ったりしてるってこと!? エッッロ!! あたいにもしてほしい!!」
「だからさっきからキャンキャン鳴いてるのね! いーなー! あたしも愛のサントロペしたい!!」
「黙りなさい!!!! 女王陛下の御前でなんと淫らなっ!!!」
顔を真っ赤にして憤慨するシルヴィアを、挑発混じりに笑う元黒の二番隊・現『兄イチバン隊』の親衛隊たち。その瞳にかつての敵意はなく、兄に仕える妹としての愛情と忠誠に燃えていた。
「”暴虐のジリオラ”! 貴方のような強者が、アキトの性奴隷になるなど……見損ないましたよ!」
「フン、妬いているのか? アタシはごしゅ……兄様との交わりと経験して確信した。あたしは歩くオナホだ。おまんこを兄様に使っていただくことこそ、アタシの悦びであり幸福だ」
鋭く研がれたナイフのようなジリオラの目が、一瞬で蕩けるようなメスのそれに変わった。
「なっ……そんな堂々と! ジリオラ! 貴方、恥ずかしくはないのですか!」
「恥ずかしい? 何がだ? アタシは兄様のモノだ。兄様が『アルヴェリスの人間を殺せ』といえば従うし、『ここで公開全裸ガニ股大回転オナニーを披露しろ』と言ったら、おまんこを濡らして従う」
「よ、よくも恥ずかしげも無くそのような下品な――」
「あっ、アキト兄サマ! お願いがあるんですっ! ぜひあたしの妹も素敵なアキト兄サマの妹にしてくださいっ!」
一触即発の空気の中、ひとりの隊員が割って入る。
片手を高く上げてぴょんぴょん跳ねながら、遠くからアキトに声を投げかけた。女王の御前だというのに、礼儀もへったくれもない。
「お願いですアキト兄サマ! あたしの妹をブチ犯してくださーいっ!」
アキトは軽く振り返りながら、手を上げて応じた。
「任せておけ、妹が求めるなら……俺は何人でもブチ犯すよ」
不似合いな爽やかな笑みを浮かべ、グッとサムズアップする。
「あっ、ありがとうございますぅぅぅぅぅ♥♥♥♥」
最低な返事にも関わらず、声をかけた少女は絶頂していた。アキトの言葉に、兄イチバン隊の面々も大いに沸き立つ。
「きゃー!♥」「お兄様素敵っ♥」「カッコイイ……♥うっ、イクぅッ♥」という黄色い声と、愛液が滴る音が玉座の間に木霊していた。
「は、破廉恥な……! 恥を知りなさい!! 妹とはもっと慎み深くあるべきです!!」
女騎士の激が飛ぶが、周囲の反応は冷ややかだった。
「ヤツは何を言ってるんだ? 慎み深く……? フン、兄様を独占したいだけだろが」
「見ろ、あの目を。アイツが玉座の間でオホった女騎士だ。ウチらとは面構えが違う」
「なるほど。夜は娼婦を地で行くってワケね」
「アナル弱そうな顔してるもん。あれは相当なスケベよ」
「お兄ちゃん棒の鞘を気取ってるの? 鞘は私のグチョ濡れおまんこよ!」
「ええい!! うるさい!!! いい加減黙りなさい!!」
シルヴィアは一喝し、女王へと向き直る。
「アキトが兄王になるなど、もっての他です!!! 陛下!! このような陰謀は今すぐ! 正式に潰すべきかと! あと後ろの捕虜たちもすぐに投獄を!」
「フザけるな!! ごしゅ……兄様以外に誰が兄王になれる!? 伝説の『シスター・オブ・ハート』を舐めるな!!」
下った敵軍の大将と、女王直属の騎士が鬼気迫った表情で詰め寄ってくる。
セラ女王は溜息をつき、そして――――決断を下した。
【『兄イチバン隊』命名会議】
「……ノクスヴェール本国からは音沙汰なし。幹部どもめ……勝てば莫大な報奨だの、爵位だののたまっておいて、負ければこのザマか」
部屋の窓辺に立ち、外を睨むジリオラがポツリと呟く。
「ええ。増援や救援などの連絡は一切届いていません。私たちは完全に見捨てられたのでしょう」
リリナが淡々と返す。紅茶の入ったカップを揺らす手は落ち着いていた。
「フン、だがそれでいい。あんな腐った連中とは袂を分かつつもりだった。アルヴェリスを潰し、アタシ達の自由な国を作る……それが目的だったんだからな」
「ですがその“敵国”に敗北。隊長共々、我らはこうして捕らわれ、自由を失いました」
「……そうだな。自由は失った。だが、それ以上のモノを得た」
「同感です。つまり、今必要なのは――」
「アタシたちの、新たな部隊の名だッ!!」
バン!とジリオラが机を叩いた。
「私としては、隊長のご意見に沿いたいと思っています」
リリナもティーカップをそっと置いた。
「じゃあ、『ご主人様絶対主義隊』ってのはどうだ?」
「……少々長いですね。軍旗に収まりそうにもありません」
「それもそうだな……では『兄様ラブ♡突撃天使団』はどうだ」
「悪くはありませんが……天使の文言はOD教がうるさそうです」
「チッ……じゃあ『兄様おチンポ傭兵団』だ!」
「……過激が過ぎませんか?」
「だーっ! 難しい!」
ジリオラはソファに崩れ落ちた。
「兄様を慕う者の集まり、という正確なニュアンスを伝え、なおかつ短く、耳に残る名称が理想かと」
「それが難しいってんだよ。じゃあ、お前が考えてみろ」
「そうですね……では『兄イチバン隊』というのはいかがでしょうか」
「『兄イチバン隊』?」
「“誰よりも兄を尊ぶ”という主張は明確。短く覚えやすく、発音のリズムも良好です」
「悪くはないが――国に認められた兄はロイド卿含め、他にもいる。それでは『兄』が誰を指すのか分からん。アタシはごしゅ……アキト兄様にのみ忠誠を誓いたい」
「ふふ……ご心配なく、隊長。いずれ“兄”といえば、世界中の誰もが、ただひとり――アキト様を思い浮かべるようになります」
リリナは紅茶を優雅に口へと運び、微笑んだ。ジリオラの目が見開かれる。
「そうだな……! その通りだ! さすがリリナ! これでいこう、決まりだ!」
「ありがとうございます。すでに隊章のデザインも3案ご用意しています」
「お前……! アタシにさんざん提案させたくせに! 初めからそのつもりだっただろ!?」
「私から先に提案したら、隊長は却下していたでしょう。タイミングが重要だったのです」
「コイツぬけぬけと……まあいい。アタシたち組織の名前は決まりだ!」
「ええ。全てはアキト兄様のために……」
部屋の隅に飾られたアキトの肖像画に向かって、二人はぴしりと敬礼した。
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