※この作品はR-18です。

俺の夏の出来事   作:遠藤良二

4 / 9
4話 鈍感な俺と譲れない思い

 俺は今までナンパで知り合った女からLINEがきた。本文を見てみるとこうだ。

<田口邦弘! お前の子どもを妊娠したよ。責任とってくれるのか?>

 俺はそれを見て、本当か? と思った。いつやった子だよ。そんなの信じられるか!

 

 この女は佐藤ゆりの前に知り合った女。また、この女とやりたい。氏名は、

河東美香(かわとうみか)という。普段は、美香、と呼んでいる。因みに年齢は二十歳。嘘でなければ。多分、本当だろう。

 

 ゆりは俺がスマホを弄っているのを見て、声をかけてきた。

『LINE見てるの?』

「ああ、そうだ」

 どうしたというのだろう。

『また、あたし以外の女を抱こうとしてる?』

 何でわかるんだ。さすが、女は勘が鋭い。

「抱けたらいいなーと思ってるだけだ」

 彼女はニヤニヤしながらこちらを見た。

『やっぱりそうか。そうだと思ったよ。変態だよね」

 言いながら笑っている。

「お前に言われたくないよ」

 そう言うとゆりは、

『お前って言わないでよ』

「何でだよ。年下だからいいだろ」

 そう言うと、ゆりは黙った。

 

 美香の話しは、嘘か本当かわからないから、放っておく。

 

 俺はナンパに行ってくる。あ、でも、ゆりはどうしよう。適当に誤魔化しておくか。

「ゆり、ちょっと出掛けてくるから」

「うん。どうせナンパに行くんでしょ」

 俺は一瞬黙ったが、

「そうだ! 悪いか!」

「べーつにー」

 そう言いながら、また笑っている。何人ナンパしてるんだよ、とゆりは言った。

「100人くらいだ」

「マジで? 冗談でしょ」

「本当だ。嘘をついてどうする」

 

 ゆりはさっきまで、余裕な感じでいたけれど、いざ、本当にナンパに行くとなったら哀しそうにしている。ということは、ゆりは俺に惚れているのか? そういうことになると思うが。俺は訊いてみた。

「ゆり、何で俺がナンパに行くと言ったら、急に哀しそうになるんだよ」

 彼女は黙ったまま。

「もしかして、俺に惚れてるのか?」

「はあ? ふざけたこと言わないで!」

「じゃあ、なんでだよ」

 

 ゆりは泣き出した。

「おいおい、どうしたんだよ。何で泣くんだよ」

「邦弘は女心が全然わかってない……」

「言われないとわからないよ」

「察してよ!」

「だから、言われないとわからないって。察するのは限度があるよ」

「まあ、そうかもしれないけどさ」

 

 ゆりは言った。

「邦弘は鈍感よねえ」

「まあ、敏感ではないな」

 

「もう、この際だから言うけど、邦弘には傍にいてほしいの。ナンパなんかしないでさ」

「おいおい、俺を縛るのか。それだけは勘弁してくれ。俺は自由が好きなんだ」

 

「ここまで言っても、まだ、わかってくれないの」

「わかってるよ、お前の気持ちは。でも、俺はいろんな女を知りたいんだ。そこは譲れない」

 

「あっそ! じゃあ、好きにして!!」

 そう言われて俺は出かけるためにシャワーを浴びることにした。下着を引き出しから持ってきた。

 

 シャワーを浴びたあと、香水を上半身と下半身に振りかけた。服装は青いTシャツに赤いハーフパンツを身につけた。煙草も持ってと。あと、財布とスマホと部屋の鍵を小さなバッグに入れて部屋を出た。

 

 車はあるが、それじゃ、ナンパができないから歩いて繁華街に行く。

 

                                            

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。