有栖の意気込みを余所に、その日は結局テスト対策について話し合われることはなかった。――できなくなった、と言う方が正しいか。
何故かと言えば、真澄がお客さんを連れてきたからだ。……まあ、そのお客さん自体は、割と困惑していたが。
とはいえ、そのお客さんの目が赤くなっているのは見て取れたから、ある程度の推測を立てることはできた。
「この子、1ーBの白波千尋。別に仲が良いってわけじゃないんだけど、部活メイトでもあるからね。
事情は知らないけど、見知った相手が落ち込んで目元赤くして泣いている姿を目撃して放っておけるほど私は人非人じゃないから、取り敢えず連れてきた。
かといって、私に何ができるとも思えないから、あとはコミュニケーションが得意な連中に任せた」
真澄はお客さんの簡単な紹介を済ませ、あとは丸投げして部屋に戻っていった。
それはそれでどうかと思うが、決して間違っているわけじゃあない。よく知らぬ相手だからこそ、事情を語りやすい場合もあるのは確かだ。
同時、真澄は決してコミュニケーションが下手なわけじゃないが、得意というわけでないのも事実だ。
受け答えする分には問題ないが、用がなければ自分から積極的に話しかけるタイプでもないからな。事情を訊くにしろ、慰めるにしろ、泣いている女子の相手は難題だろう。
「はぁ……。取り敢えず、同性同士の方が、その子――白波さんも事情を説明しやすいだろう。俺も部屋に戻るから、後は頼む」
言うだけ言って、俺は自室に下がることにした。良くも悪くも、俺の女好きは有名だからな。泣きはらした女の子が相手となっては、警戒させてしまう可能性の方が高いと判断したのだ。
まあ、既に下校時刻からある程度経っていることもあり、全員ではないがグループメンバーもある程度帰宅していたからな。その中に桔梗の姿があるのも確認すれば、後を任せるのに不足はない。
「……寝るか」
そうして部屋に戻ってきたのは良いのだが、同時に手持無沙汰になってしまった。初期部員を考えるにしろ、テスト対策を考えるにしろ、俺一人だと芳しくないのは事実だ。
そのため、俺は仮眠を取ることにした――のだが、夜でもあるまいし、寝ようと思って即座に眠れるのなら苦労はない。俺はのび太くんではないのだ。
そこで、ふと気になったことがあった。……俺の気のせいでなければ、真澄が白波さんの対応を丸投げして部屋に戻っていく際、僅かに俺のことを見つめてはいなかったか?
真偽は分からない。俺の勘違いの可能性もある。だが、一度そう思ってしまえば、それを否定するのも中々に難しかった。
「……確かめるか」
思い立ったが吉日。
帰ってきてからずっとリビングにいたこともあり制服を着っぱなしだった俺は、取り敢えず私服に着替えて真澄の部屋に向かうことにした。
マナーとして扉をノック。
「真澄、俺だが入っても構わないか?」
「……お兄ちゃん? どうぞ」
返事を受けてからスルリと部屋へ。
真澄もまた私服に着替え終わっていた。パンツスタイルではなく、ミニのスカートスタイルだった。サイズ的には制服のスカートと大差はないが。
真澄の部屋は比較的落ち着いた様相を呈していた。少なくとも、恵や麻耶、千秋のようにギャルギャルしいグッズが目立っているわけではない。そんな中で目立つ物があるとするなら――
「スケッチブック?」
「あ、うん。私、美術部だから。それはさっきの白波もなんだけど……」
「へえ? 見てもいいか?」
「構わないよ。あまり一般受けしない内容だし、下手でも構わないのなら、になるけど……」
スケッチブックの中身を見れば、真澄がそう言ったのも頷ける内容だった。何と言うか、その内容が『破滅』を想起させるものばかりなのだ。とはいえ、天変地異とかそういったものじゃない。仲間外れの子供とか、そういった感じだ。
おそらくは真澄の破滅願望が表れたものだとは思うが、何を描いてあるかが一目で分かる分、そこまで画力が下手なわけじゃない。その一方で、良くも悪くも『画伯』と言われる程でもない。
「それで、お兄ちゃんは何で私の部屋に?」
「うん? ああ、そうだった。俺の勘違いじゃなかったら、真澄の方が何か用があるんじゃないかと思ってな。去り際に俺のことを見てただろ?」
「ッ……!? 気付いてくれたんだ」
俺の言葉を受け、真澄はパアッと表情を明るくした。
しかし、それ止まり。そこから先を話すことは――用件を口に出す様子は見られない。……これはつまり、俺に気付けということか。
言外のメッセージを受け取った俺は、高速で思考を働かせる。
真澄は俺に何を求めている? 何を期待している? ……正直、今日、真澄のしたことは少ない。落ち込んで泣いていたという白波さんを連れ帰ってきて、簡単な紹介をし、対処を周りに押し付けて部屋に戻っただけだ。
ああ、それか。見方によっては『自分にできないことを他に頼った』ことになるが、見方を変えれば『他への丸投げ』だ。それでいて、一人でサッサと部屋に戻っている。これも見方を変えれば『白波さんの心情を慮った』ことになるが、結局は受け取り手次第だ。
「つまり、あれか? 真澄は『白波さんの対処を周りに押し付けて一人でサッサと部屋に戻った』のを悪いことだと思ってるし、そこを俺に叱ってほしいわけか?」
俺の言葉を受け、真澄は喜び溢れた表情のまま、無言で首をコクコクと縦に振る。
「……なるほど。俺は別の捉え方をしていたからそこまで悪いことだとは思ってなかったが、本人が叱ってほしいというんなら、それに応えるのが兄の務めでもあるだろう。
だが、改めて確認するが、良いのか? 俺は外面を取り繕っているだけで根はスケベだから、俺が叱るってことは自然とエッチなことになるぞ? それこそ、真澄がドン引きしたり呆れたりするようなエッチなお仕置きだ。それで構わないのか?」
「……うん。お兄ちゃんなら良い。お兄ちゃんだから良い。私にエッチなお仕置きをして?」
良いだろう! 普段はクールな態度を取っている真澄から、ここまで媚び媚びな態度でおねだりをされたなら、男として、義兄として応えないわけにはいかない! 俺のスケベ根性の総力を挙げて、エッチなお仕置きをするとしようじゃないか!
何をするかと考え始めた俺の目にそれ――スケッチブックが飛び込んできたのは、果たして当然の帰結だったのだろう。
「真澄、油性ペンはあるか? 大きめのやつ」
「油性ペン? ……これでいい?」
俺の言葉を受け、真澄は机のペンスタンドから一本の油性ペンを持ってきた。言った通りに極太サイズで、これなら十分に用を果たしそうだ。
「それじゃあ真澄、スカートとショーツを脱いで? 既に『チョーカー』はプレゼントしてあるけど、やっぱり、もっと直截的に真澄が俺のものだって伝わるようにしてあげるからさ」
ペンを片手に持っての俺の言葉で、俺が何をしようとしているのか見当が付いたのだろう。まあ、ある程度のエロ知識があるのなら、自然と想像がつくことではあるからな。
だが、それが周りにバレた場合、破滅する可能性は――少なくとも、社会的に死ぬ可能性は限りなく高い。
だからこそだろう。真澄は息を荒くして、見るからに昂っている。――まあ、そんなのは序の口に過ぎないわけだが。
「うん」
短く答え、真澄はスルスルとスカートと下着を脱ぎ去った。それに伴い、真澄の綺麗な下半身が露わになる。
「動くなよ」
俺もまた短く告げ、真澄の秘所に向けて矢印を引き、そこに『一刀専用』と書いた。これで、誰が見ても真澄が俺のものだと一目で分かることだろう。
まあ、一般的に生活する分には誰に見られることもないだろうが、プール授業もあるので、水着に着替えるためにも人前で裸にならないわけにはいかない。タオルで隠したり、有栖や美紀に隠してもらう方法もあるだろうが、決してバレないわけではないのだ。
「もし、誰か他の女子に見られちゃったら、堂々と俺のものだって言うんだぞ? 場合によっては、その子を連れてくるのもありだ。俺の方からも、シッカリと説明をするからさ」
俺の言葉に、真澄は一層昂る。裏を返せば、俺のハーレム要員を増やすのに協力しろ、と言われたに等しいからだ。
バレたら社会的に死ぬ。それでいて、自分の手で他の女の子を差し出さなければならない。……マゾヒストの真澄にとっては、これ以上ないほどの『お叱り』であり『ご褒美』だろう。その証拠に、真澄の秘所からはしとどに蜜が垂れ下がってきている。
だが、俺のお仕置きはこれでまだ終わりではない。当然である。この程度で終わっては、真澄はともかく、俺が満足感を得るには程遠いのだ。
「おっと、お仕置きはまだ終わりじゃないぞ? ……真澄は悪いことをした自覚があるんだろう? なら、その気持ちをシッカリと書いて反省しないとな。一言で言えば『反省文』だ。
だが、反省を表すわけだからな。字が汚かったり、内容が反省に程遠かったりするようなら、お仕置きはもっとキツくなるからな? そこは覚えておくんだぞ?」
「……うん」
俺が言っているのが、普通の反省文ではないことなど、自然と理解したのだろう。頷きながらも、真澄が差し出してきたのは手ではなく、俺に落書きをされたばかりの秘所だった。
「理解の早い子は大好きだよ」
俺は真澄を褒めながら笑いかけてやり、ご褒美にクリトリスを甘噛みしてやる。十分に昂っていたこともあり、それだけで真澄は軽くイってしまった。当然のこと、ラブジュースは美味しく頂く。
そして、手に持ったペンを、ペン先を下にして真澄の秘所へと突き刺した。
つまり、この状態で反省文を書け、と俺は言っているのだ。……まあ、当然ながら無理だろう。これで上手な字を書けるならよっぽどだ。
真澄だって、当然ながら上手くいかないことは理解している。慣れれば別なのかもしれないが、初めてで上手くいく道理なんてない。それを理解した上で、不満や文句を言うでもなく受け入れた。その後に待ち受ける、『キツイお仕置き』を期待してのことなのは間違いない。
そうして、真澄のスケッチブックの空白の一ページに、秘所に持ったペンによる反省文が書かれたわけだが。
「お疲れ様――と言いたいところだけど、これはひどいな。どう贔屓目に見ても、これはひどい! としか言いようがない出来栄えだ。
つまりは、真澄が反省しているのは言葉だけの見せかけで、本当のところは反省も何もしていない、ってことになるわけだ。だって、本当に反省しているのなら、こんなにひどい出来栄えのわけがないからね。……違うかな?」
俺の酷い論法に、果たして真澄は目を輝かせる。
「うん、そう。そうなの! 真澄は悪い子だから、反省の気持ちなんかどっか行っちゃって、お兄ちゃんにお仕置きされることの方に期待しちゃったの!」
そうして、昂った気持ちのままに、俺にお仕置きをねだってきた。
「素直に言えて偉いな、真澄は。……じゃあ、真澄の希望通りにお仕置きをしてあげなきゃな。
しかし、リビングでは有栖や桔梗たちが真澄の連れてきた白波さんを慰めているっていうのに、当の本人はサッサと自室に戻って、俺にお仕置きされることを期待して股を濡らしているんだから、はしたない、と言うよりないな。
まあ、そんな子が好きなのも事実だし、それを言ったら俺はどうなんだ? って話にもなるけど、だからこそ燃え上がるのも本当だしな。真澄もそうだろ?」
「うん。イケナイことをしてる自覚はあるけど、だからこそ余計に昂ってる」
「よく言えました。……まあ、有栖たちが白波さんを慰め終わった段階で、俺も真澄も、また白波さんの前に顔を出さなきゃいけないだろ。だから、その分だけ時間的な余裕はない。そんなわけで、手早く満足するためにも激しくいくぞ。
とはいえ、いちいちコンドームを着けなきゃいけないのがなぁ……」
俺はコンドームを手に取り、僅かに愚痴を零した。必要だと分かってはいるが、使用に乗り気じゃないことも事実である。
なお、コンドームは普段から持ち歩いているだけでなく、俺の部屋とハーレムメンバーの部屋にも常備されている。もはやこのパーティールームにおいては、ティッシュや何かと同じで、日常生活に欠かせない日用品と化していた。無論のことティッシュなどと同様にストックもある。
「あの、私なら別に生の中出しでも……」
「駄ぁ~目。こういう言い方はアレだけど、セックスぐらいなら表沙汰になっても停学レベルで済む可能性は高い。けど、妊娠となったらそうはいかないだろう。学生同士なら尚更で、退学は確実だ。未成年ってのは、一般的に見て『責任能力がない』わけだからな。
まあ、かく言う俺自身、生の中出しに勝る喜びは無いとも思ってるけど、守るべき部分は守らなきゃな。劇的に状況が変わりでもしない限り、中出しするのは覚悟と本気を示す最初の一回だけだ」
「は~い。中出し、気持ち良いのに……」
俺の言葉に、真澄は不貞腐れたように告げる。実に愛い。俺好みのエロい子だ。
「そんなわけで……はい、これを口に含んで」
そう言って、俺は真澄が脱いだショーツを笑顔で差し出した。
「これ、私のショーツ?」
「ああ。激しくいく、って言っただろ? 普段ならともかく、この状況で嬌声なんか挙げられた日には、流石に白波さんにバレるからな。それを防ごうと思えば、詰め物ぐらいはしなきゃならないだろ?
かと言って、俺のジュニアは、これからお仕置きに期待してヌレヌレになってる真澄のオマンコに突っ込むわけだからな。必然的に代わりの物が必要だ」
俺の言葉に頷いた真澄は、ついさっきまで自分が穿いていたショーツを口に含んだ。
「ふぉふぇふぇふぃふぃ?」
その言葉に、俺は頷いた。もごもごとしており、実際に何と言っているかは分からなかったが、この程度なら想像がつくのは事実だ。
「それじゃあ、激しくいくからな。まあ、この間は有栖だって耐えれたんだから、真澄が耐えられない筈がないさ」
そう気楽に言って、俺は真澄をベッドに横にならせ、そのままマングリ返しにした。そして一気に突き刺し、そのままピストンを繰り返す。
決して真澄を気にかけないわけではないが、それよりは俺が満足するのを第一にする。何故ならば、それが真澄の希望にも沿うからだ。
激しければ激しいほど、それだけ真澄を求めていることに繋がる。
その一方で、ただ快感を与えるだけでなく苦痛を伴う内容であれば、より激しく真澄は燃え上がる。罪悪感を抱かなくなるほどに万引きを常習した真澄は、それだけ自分が罪深い存在だと認識し、引いては罰されることを望んでいるからだ。
ただ、その根底にあるのは『愛情の飢え』であるからして、やみくもに苦痛を与えればいいというわけでもない。『愛情あっての行為』だと真澄に認識させなくてはいけないのだ。
「ふぁ❤ ふぉ❤ んふぉふぉ❤」
口に詰め込んだショーツのおかげで、くぐもった声しか聞こえない。
それを認識しつつも、ピストンを緩めることはない。抜いては突き、抜いては突き、一発一発、確実に子宮をノックしてやる。
それをハイスピードでやっているのだから、俺に齎される快感はかなりのものだ。
そして、それは真澄も同じだろう。
「んふぉ❤ んふぁ❤ んほぉ❤ ふぁ❤ んほぉ❤」
その証拠に、くぐもっているとはいえ、絶え間なく嬌声を上げているのだから。
そのままフィニッシュ! コンドームの中に、俺の精液が勢いよく放出されたのが分かった。
真澄のオマンコからジュニアを抜き取り、次いでコンドームも外した俺は、中身の入ったそれを真澄へと手渡した。やはり体力の差だろうか。有栖と違い、真澄は気を失わなかったのだ。……まあ、短時間で何度もイったために、体力の消耗が著しいのは間違いないようだが。
唾液でビチャビチャになったショーツを口から抜いた真澄は、俺から手渡されたそれを、何の戸惑いもなくショーツの代わりに口へ運ぶ。既に無言の催促を理解しているようだ。或いは、真澄自身が飲みたかったのか。どちらにせよ、コンドームの中身が真澄に飲み干されたのは事実である。
精を放出した以上、次に待っているのはお掃除だ。これもまた、やはり何を言うでもなく真澄の方からジュニアを口に含んだ。真澄の口内で舌が這いずり回り、程なくしてチュポンと音を立ててジュニアが抜かれた。
そして、僅かに悩んだ後、真澄はビチャビチャのショーツを再び穿いた。
「んぇ、気持ち悪……。でも、お兄ちゃんが喜んでるし……」
それもまた事実であった。エロに忠実な男である以上、俺もまたアブノーマルなプレイへの興味は持っている。正直、ここまで来たら認めざるを得ないというものだ。だからこそ、俺が何を言うでもなく実行した真澄には花丸満点をあげなければならないだろう。
部屋のドアがノックされたのは、俺が真澄の頭を撫でてから少し経ってのことだった。
漸く前々から言っていた白波千尋の登場です。
なお、展開に合わせて元々の予定とは変更してあります。
元々の予定では千尋を連れてくるのは桔梗の筈でした。桔梗のコミュニケーション能力を思えば不思議でも何でもありませんし。
ただ、有栖たちが加わったこと、本文中で語っている通り、真澄と千尋が美術部員同士ということで、その役目が真澄にシフトしました。
この二人が美術部というのは原作通りです。データベースでそうなってますから。
桔梗のままでも構わないと言えば構わなかったんですが、原作でも然程クローズアップされてない部分を強調していくのも本作の試みです。
また、トレードが導入されたことにより、告白のタイミングも数日前倒しになってます。トレードがなければ原作通りのタイミングでした。
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