※この作品はR-18です。

東京都高度育成高等学校・北郷伝   作:山上真

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北郷伝:50

 打ちひしがれ、一人先に帰ることとなってしまった神崎には申し訳ないと思うが、俺は早速に帆波と千尋をSMルームへと連れ込んだ。

 

「え~と、一刀くん? ここに私と千尋ちゃんを連れてきたってことはやっぱり?」

「ああ、今から君たち二人を抱く。特に帆波に関しては、万引きに対する罰の面を含んでいるから逃がさないぞ。店側に許されたことで問題として取り沙汰されなかったのは確かだし、それによって君が自責の念に苦しんだのも確かだが、だからこそ、君は明確な罰を欲している」

「そうだけど……一刀くんは罰として私の処女を奪うの?」

「まさか。俺は帆波が帆波だから、抱きたいと思ったし抱くんだ。罰云々は、帆波が自分に言い訳しやすくするための名分だよ」

「名分……」

「ああ。だって、こういう風にこっちの方で落ち着き所を用意してやらないと、帆波ってばどこまでも自分を責め続けそうなんだもの。それで潰れられちゃあ、こっちが堪ったもんじゃない。

 かといって、開き直れ、って言われて開き直れるタイプでもないだろ? 家庭環境も相俟って、帆波は責任感が強過ぎるんだ。責任感が強いのは結構なことだが、度が過ぎれば困りものだ。実際、中学時には自責の念から塞ぎ込んで、生徒会長の役目を半年間も放置することになっちゃっただろ?」

「そう言われると、確かに……」

 

 事情を鑑みれば塞ぎ込むのは理解できるが、それが半年間もとなると些か異常だ。普通は、それだけの時間が経つ前に折り合いを付ける。その折り合いを指して『開き直り』と言う。

 しかし、現に帆波は自責の念から半年間を不登校に費やしてしまった。責任感の強さが、生徒会長としての責任感の欠如を招いてしまったのだ。もはや『開き直りが下手』どころのレベルではない。

 

「だから、それらしい名分を用意して、無理矢理にでもそれに嵌め込んでいくことにしたわけだ。これを繰り返していけば、帆波は必要以上に『良い娘』、『良い姉』に縛られることもなくなると思う。

 ってか、縛られなくたって『良い娘』で『良い姉』で『良い女』であることに違いはないんだから、その責任感を利用して、敢えて『イケナイ女』の枠に落とし込んでいく、って表現した方が正解かもな」

「……なるほど。習うより慣れろ! ってことだね? 一刀くん」

 

 横から千尋が確認をしてきた。

 

「イグザクトリー。言ってみれば、帆波はこっちが何を言う前から規則でガチガチに身を固めちゃうタイプなんだ。それは『立派』ではあるんだが、見方によっては『華がない』とも言える。場合によっては雁字搦めで身動きが取れなくなってしまう。

 だから、敢えて規則に反するような命令を下し、実行させることで、それに慣れさせる。そういう寸法だ。

 普通ならそんなに簡単にはいかないが、俺は『ハーレムの主』として、明確に『ハーレムの一員』である帆波の『上』に立ったからな。自身が納得できる一面があるなら、帆波はそれに従ってしまう。

 本人はその内容に疑問を抱いても、責任感の強さから『命令』には従わざるを得ないのが帆波なんだ。

 言ってみれば、麻耶とはまた別ベクトルで従属適性が高いのが帆波なんだな。『体育会系』とか『軍人気質』とか言われるやつだ。

 まあ、感情を持ってる人間であるのに違いはないから、命令内容次第ではやはり本人が潰れてしまいかねないけど、注意すればどこまでも積極的に働いてくれる。このことから、『有能な働き者』タイプでもある」

「その表現、何か聞いたことがあるかも?」

 

 帆波と千尋は揃って小首を傾げた。

 

「組織を構成する人材を四つの分類――『有能な怠け者』、『有能な働き者』、『無能な怠け者』、『無能な働き者』で区分けできるって考え方だな。

 一に『有能な怠け者』は、有能なので物事の本質をとらえることができ、判断に優れる。また、自分から動くことを好まない『怠け者』なので人を動かすことに長けており、組織においてはトップやチームのリーダーに向いている。

 二に『有能な働き者』は、課題解決のために自ら進んで打開策を打つため、組織においては参謀や秘書などのサポート役が向いている。

 三に『無能な怠け者』は、無能なので自分で適切な判断ができず、なおかつ自分からは動こうとしない人である。指示の不理解を除けば言われたことだけを愚直に行い、余計なことをしないため、組織においては下級兵士や作業員、肉体労働者といった命じられたとおりに動く職に向いている。おおむねどの分野の組織でも大多数を占める存在である。

 四に『無能な働き者』は、無能なので自分で適切な判断ができず、そのための知識もないにもかかわらず、根拠のない思い込みや誤った独断でなんとかしようとして自ら進んで動き回る人。更には、間違いをしてもそれを認めないうえに反省もしないため、組織にとっては悩みと不安の種となる。いわゆる『獅子身中の虫』であり、『真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である』……と言われる原因。

 まあ、全部が全部、完全に当て嵌まるってわけでもないが、概ねは間違っていないと思う。

 そして、おそらくこの学校が求めているのは一と二の混成だな。二の度合いが高めで、一が程々ってところだろう。

 一の度合いが高いと、根が怠け者だからある程度のところで良しとしてしまう。これは進化・発展・改革を目指す上で好ましくはない。

 二の度合いが高いと、効率的に物事をこなし期待した以上の成果を出すには向いているが、根が働き者だから自分の限界を度外視して動きかねない。果てに待つのは自滅であり、やはりこれも好ましくない。だからこそ、基本は敢えて一段低いところに就けて動き過ぎるのを制限するわけだな」

 

 俺は指折り数えつつ、それぞれについて説明をした。

 

「確かにその区分だと、『実力者』を指すのは一と二になるね。一は安定志向が強いタイプになるのかな?」

「とも限らないんじゃない? 確かにその区分だと帆波ちゃんは二のタイプになるだろうけど、『委員長』とかってモロにこれまでの学校生活に倣っているわけだし、毎月のポイント収集も言ってみれば貯金だし、十分に安定志向だよ」

 

 帆波と千尋が意見を交わし合う。余裕があるならそれを続けさせてもいいのだが、今は他に優先するべきことがある。

 

「それについては、後でゆっくりと語り合ってくれ。いま優先するべきは二人とのセックスだ。なお、ハーレムメンバーと最初にヤるときは欠かさずに生の中出しをしてるから、その点はご了承を」

「生!? 中出し!? え、コンドーム着けないの!?」

「ハーレムの主として、覚悟と本気を示すためだ。二回目以降はコンドームを着けている。……まあ、女性陣には不評だが」

「不評なの!?」

「なんか、生の中出しほどには快感を得られないみたいだよ。避妊のために許容してるだけって感じだった」

 

 俺と帆波のやり取りに、千尋が補足を入れた。

 

「なんか千尋ちゃんが詳しい!?」

「まあ、実際に一刀くんたちがヤってるところを見学したから。一刀くんと清隆くんのオチンチンは大きかったよ。少なくとも、輝彦くんのよりは確実に」

「しかも複数!?」

「大丈夫。あくまでも見学しただけだから」

「オマケに達観してるし!?」

 

 正直、このやり取りを見ているだけでも面白いが、時間は有限だ。

 

「ほらほら、おしゃべりはそこまでだ。二人とも、先ずは着替えてきてくれ。せっかくだからコスプレをしてのプレイをする。ちなみに、俺から服の指定はしないから」

 

 俺が笑顔でそう告げると、千尋は僅かに顔を青褪めさせた。

 

「ちょっと不味いよ、帆波ちゃん。私たちのセンス次第で、プレイ内容が変わっちゃう」

「どういうこと? 千尋ちゃん」

「聞いた話なんだけど、『セックスに貴賤無し』が一刀くんのスローガンなの。

 一刀くんがああ言うってことは、その衣装に適した内容のプレイをやるってことでもあるし、その一方で、私たちがどれだけ一刀くんを興奮させることができるかを測ってる。

 どんなコスプレ衣装があるかは確認してみないと分からないけど、あり得ない組み合わせを選んだ場合や、あまりにも芸がない衣装を選んだ場合、実力不足を指摘されて、きっとお仕置きプレイになっちゃうよ。幸か不幸か、道具に困ることはなさそうだし……」

 

 そんな、二人の会話が聞こえてきた。

 ほう? 千尋はシッカリと俺について予習してきているようで何よりだ。とはいえ、必ずしも正解というわけではないが。

 芸がないということは、逆に言えば鉄板な内容でもある。何度も続くようなら努力不足のお仕置きを与えざるを得ないかもしれないが、それも場合によりけりだ。

 少なくとも、初回からお仕置きをする必要はない、というのが俺の判断である。波瑠加を相手にしてパイズリをしないなど考えられないからな。まあ、それは帆波についても同じことが言えるが。巨乳の持ち主が巨乳を武器にしないなど、それこそ言語道断である!

 さて。二人がどんな衣装を選択するのか、実に愉しみである。俺は期待を胸にベッドに腰掛け、着替えた二人が現れるのを待っていた。

 

 ♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢

 

「あの、お待たせ……」

「お待たせしました!」

 

 片や消え入りそうな声で恥ずかしそうに、片やハッキリと。前者が帆波で後者が千尋だ。

 二人の衣装はお揃いで、肩出しのボディスーツ、丸い尻尾の飾り、ウサギの耳をかたどったヘアバンド、蝶ネクタイのついた付け襟、カフス、網タイツ、ハイヒールという構成のそれは、紛うことなきバニーガールだった。

 オマケに、千尋の方は色々と小道具――大人のオモチャまで用意しているようだった。間違いなく棚を漁ってきたのだろう。

 

「はいどうぞ。私が今の時点でこの部屋の鍵を持ってれば冷蔵庫から生の人参を取ってきたんだけど、ないんだからしょうがないよね」

 

 渡された手提げ籠の中身を見て、千尋の言わんとするところを察した。オモチャの中に人参を模したバイブを見付ければ、否応なしに分かるというものだ。

 

「そうだな。ないんだから、仕方ない。だがいいのか? その場合、俺は間違いなく千尋の蜜漬けキャロットを食べていたぞ? もちろん、帆波のも食べるだろうが……」

「その代わり、私も帆波ちゃんの蜜漬けキャロットを御馳走になれましたよね?」

 

 俺の言葉に、千尋は平然とそう返してきた。

 

「いつか、実際に食べられる機会があれば良いんだが。……まあ、やろうと思えば普段でもやれないことはないんだろうが、それはなんか違うんだよな」

「分かります。やっぱり、雰囲気って大事ですよね。やっぱ、ああいうのは非日常感溢れる行為になりますので、日常の中でやるのはなんか違うというか……」

「良いな。実に良いよ、千尋。君をハーレムに加えたのは間違いなかったようだ。……あ、それと言葉は崩しても構わないよ」

「そう? それじゃあお言葉に甘えて」

 

 こんな感じで、帆波を置いてけぼりに俺と千尋の会話は弾んだ。よもや、吹っ切れた千尋がこれほどの逸材だったとは思いもしなかった。

 

「さて。早速だが、可愛らしい兎さんの二人には、協力して俺のジュニアを舐め舐めしてもらおうかな? もちろん、ハムハムしてもグポグポしても構わないよ。むしろしてくれ」

「うわぁ~、正直ぃ~。……それじゃあやろっか、帆波ちゃん」

「う、うん。って言うか、前向きだね千尋ちゃん。恥ずかしくないの?」

「恥ずかしいけど、それ以上に愉しみだから。――合法的に帆波ちゃんとイチャつくのが」

「ほえ?」

「だって、私が一刀くんのハーレムに加わったのって、帆波ちゃんとイチャつくためだし! 帆波ちゃんとキスしようが、胸に吸い付こうが、あそこをペロペロしようが、ご主人様である一刀くんを昂らせるのに必要なことなんだよ! 少なくとも、そういう大義名分があるんだよ! そのために私は帆波ちゃんを裏切って一刀くんに売ったんだよ! まあ、結局は無駄になっちゃったけど……」

「言った! いま大義名分って言っちゃったよ千尋ちゃん! 自分の思惑を隠せてないよ! しかも、私を売ったって自白しちゃってるよ!」

「だって、隠す気ないし。帆波ちゃんと結ばれる可能性がない以上、せめて肉体関係は求めるよ! レズをなめるなって話だよ!」

 

 ギュッとこぶしを握り締め、千尋は高らかに宣言をした。

 早い話、千尋にとって俺との行為は二の次になるが、俺はそれを忌避しない。多少悲しいことは事実だが、俺が快感を得られることに違いはないからだ。

 それに、やり方次第ではレズ気質はそのままに、俺を優先するように仕向けることも不可能ではない。実際にできるかどうかはまだ分からないが、そういった愉しみがあるのも否定はできない。

 

「そんなわけで、早速ヤるよ。帆波ちゃん!」

「う、うん……」

 

 千尋の勢いに帆波はタジタジだ。

 

「あ、その前に」

 

 と言って、千尋はその唇を帆波の唇に重ねた。

 俺がするのと同じように、舌を絡ませ合い、唾液を送り込んでいる。最初は完全に受け身だった帆波も、時間が経てば千尋の勢いに根負けしたのか、消極的ながらも反応を返すようになった。

 

「チュ❤ チュロ❤ ジュロ❤ ジュル❤」

 

 淫靡な音が鳴り響く。

 それと同時、美少女同士の濃厚なキスシーンを目にしたことで俺のジュニアも興奮を隠しきれなくなり、勢いよく天を向いたのであった。




四つの分類の下りの部分は、ほぼpixivからの引用です。
ぶっちゃけ、説明として分かりやすいですし、下手に弄ると逆に訳が分からなくなりますので。
一応、一刀もリーダーとしてここら辺の知識は押さえていることを示した形です。

言ってみれば、帆波は『リリカルなのは』のなのはタイプです。
母子家庭という、一般的には不利な環境で、それでもシッカリと愛情を注がれて育ったため、極端に『良い子』であろうとしてしまったわけですね。
帆波の場合、妹ができたことにより、そこに『良い姉』もプラスされています。

そんな状態で、万引きという罪を犯しながら問題となる前に許されてしまったことにより、認識の齟齬を引き起こしてしまったことも、引きこもりの一因です。
帆波の認識→自分は犯罪者だから罰を受けなきゃいけない。
店の認識→初犯だし、盗った物も返してくれたし、親御さんもシッカリしてるし、本人もキチンと反省をしているようだから、今回は問題にしないよ。何より学生さんだしね。

ここに一刀が割り込んだわけですね。
一刀→お店は許したみたいだけど、帆波は罰を受けたがっているみたいだし、事情を察する俺が代わりに罰してあげるよ。ついでだから、俺の女にして面倒も見てあげる。

本来なら一刀の論なんか通るわけもないんですが、とにかく罰を受けたい帆波にとっては救いになります。
同時に、万引きに対する自責行為が、結果として『生徒会長としての責務放棄』したことを咎められてDクラスに落ちたばかりなので、尚更『私ってダメダメだ。自分一人じゃダメなんだ』状態に陥ってます。
それもあって、存外コロリと一刀に堕ちました。

本作の千尋は吹っ切れて欲望に素直になったこともありノリノリです。
レズビアン=性的嗜好の対象が女性ということもあり、ある意味では最も一刀と馬が合います。
他の女性陣はレズ行為に理解があるだけで、性的嗜好の対象は一刀ですからね。

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