※この作品はR-18です。

東京都高度育成高等学校・北郷伝   作:山上真

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お気に入りや高評価がめっきりと増えない……。
アクセス数にも低迷の兆しが見える。
やっぱり説明や描写がくどいんですかね?
でも、それが本作の味だと思っているのも事実。
う~ん、難しい……。


北郷伝:64

「ヒャッハアアァァッ!! 泳ぐぜえええぇぇっ!!」

「一刀に続けえええぇぇっ!!」

「わあああぁぁい!!」

 

 Cクラスの大半がリタイアし『海の家』が空いた現在、そちらに拠点を移した俺たちのグループは、それぞれが夏を満喫するための行動に出た。

 或いは泳ぎ、或いは浮き輪を使ってプカプカと浮かび、或いは砂遊びに興じ、或いは自己鍛錬に勤しんだりと、実に様々である。

 食材の類にはまだまだ余裕があるし、クラス丸ごとに比べれば人数も少ないため不和も起きにくい。そしてクラスの面倒を見なくていいとなれば、俺の仕事などスポット更新ぐらいしかない。実に気楽なものである。

 それは各自についても同じことが言える状態であり、仕事と言えば食材回収と調理くらいなものだ。

 そのため、食材に余裕がある今は遊ぶことを優先した次第である。

 ある程度海を堪能して砂地に戻った俺は、風から声をかけられた。

 

「お兄さん、お兄さん。そこに横になってください」

「お、風。もちろん構わないぞ」

 

 風の勧めで砂地に横になった俺は、その全身を砂に埋められた。いわゆる『砂風呂』状態である。そしてご丁寧なことに、ジュニア部分が見事に盛り上がっている仕様である。

 

「アンタねぇ~。こんな真昼間から、何をおっ勃たせてんのよ……」

 

 呆れ口調の桂花だが、その表情はニヤついているため、分かって言っていることは確定的に明らかである。俺を埋めるのには桂花も協力していたしな。

 一方、そんな俺の横では――

 

「清隆くん、清隆くん。これは清隆くんも負けてられないよ!」

 

 そんな感じで無駄に意気込んだ愛里の手で、清隆もまた俺と同じ目に遭っていた。もちろん、ジュニア部分の仕様も同じである。

 いや、そこを競っても……と思う部分がないではないが、今や清隆のセックステクニックも著しく上昇しているのは確かだ。それを思えば、その象徴たるジュニア部分を盛り上がらせようというのは、女にしてみれば譲れないことなのかもしれない。

 まあ、この程度の悪戯をされるのも、横になるのも構わないのだが、どうせなら枕がほしくなるのが人情というものだ。

 

「はぁ……。枕がほしい……」

「じゃあ、私の膝をどうぞ」

 

 俺の呟きに応え、美雨がその膝――正確には腿を提供してくれた。流石は俺のメイドさんである。

 

「あ~、柔らかな腿の感触が心地いい」

「……む。愛里、愛里。愛里もその膝を貸してくれ」

「ゴメン、清隆くん。私、清隆くんを砂に埋めるので疲れちゃったから、ちょっと無理かな……」

 

 それを羨ましがった清隆が愛里にねだるも、結果は失敗。愛里は頬を掻きつつ断った。

 そりゃまあ、そうだろう。俺の砂埋めには風以外にも面白がった連中が参加していたために各自の疲労も少ないが、二番手ということもあってか、清隆の方にはほとんど参加者がいなかったのだ。いないわけではなかったが、一人当たりの疲労は重くなって然りである。

 

「じゃあ、私が貸したげる。――って、砂熱っつ!?」

 

 千秋が膝を提供しようとしたが、座った瞬間、熱さに驚いて立ち上がっていた。……そりゃそうだろう。

 

「流石にそのままだと熱いですよ。私みたいに、下にタオルか何かを敷かないと……」

「痛感した。ってなわけでキヨポン、タオル取って来るまで待っててね~」

 

 見兼ねた美雨が苦言というかアドバイスを送ると、千秋は素直に頷いて『海の家』へと戻っていった。言葉通り、タオルでも取ってくるのだろう。 

 清隆が悲し気な眼差しを千秋へと送る。理由に頷けはするものの、清隆にしてみればお預けを食らったに等しいからな。しかも、持ち上げて落とされたも同然なので、その精神的ダメージも大きいだろう。

 だが、捨てる神あれば拾う神あり。千秋と入れ替わる形でやって来た志保が、その膝に清隆の頭を乗せるのだった。……もう面倒臭くなったので、俺であれ清隆であれ、ハーレム入りした人物に関しては基本的に呼び捨てにすることにした。無論、『主』の許可は取ってのことだが。

 

「いや、もうマジでお願いね。アンタと繋がってんの龍園にバレてるし、アンタに見捨てられたら私もどうなるか分かんないからさ。

 この学校の実態が、入学前の前評判から想像できるような夢溢れたものなんかじゃないのは、もう十分に理解できてる。私自身、身体能力にはちょっと自信があるし、それ以外だって人並かそれ以上には熟せる自信がある。でも、その程度じゃあ孤軍奮闘するには到底無理。友人とか、そういう当たり障りのない関係じゃなくて、本当の意味での協力者が必要。

 その点において、クラスで真っ先に頭角を表した龍園には期待が持てた。『主』と仰ぐに問題は無いと思った。自分との能力さも理解できた。だから、その命令に従った。――でも、決して重宝はされなかった。アイツは唯々諾々と、或いは黙々と命令に従う奴よりは、一々自分に噛みついてくる奴を好んだ。

 まあ、『暴君』だ何だと言っても、龍園も人間だからね。そこには理解も納得もできる。――でも、元より薄い関係で、重宝されないと分かっていながら必要以上に協力する義理もない。

 有体に言えばその結果が今なわけで、だからそんなに私を睨まないでくれる。ねえ、伊吹? アンタと私の主義主張が噛み合わないのは十分に理解できてるけど、それとこれとは別問題でしょ」

 

 清隆の頭をその腿に乗せ、懇願するように事情を説明していた志保だったが、不意にその視線は別の人物に向けられた。……伊吹さんである。

 最終的には龍園もリタイアに踏み切るつもりだが、変更先の選択肢が多ければ多いほど、当てづらくなるのもまた然り。そう言った目論見と俺の希望から、Cクラスの大多数がリタイアした今も、試験に残されることになった一人である。

 

「私は龍園よりも清隆を『上』だと踏んだ。決して偶然が絡まなかったわけじゃないけど、私にそう思わせたのは他ならぬ龍園で、実行に踏み切らせたのも龍園なのよ。

 配下に忠を尽くさせようとするなら、上司にも相応の器量が求められるってだけのこと。そして、龍園は私にそれを示せなかった。――その逆に、重宝されようと思うなら、配下もまた上司にそれだけのものを示す必要がある。そして、私はそれを龍園に示せなかった。

 言葉にすればそれだけのこと。単純な道理ね」

 

 肩をすくめて志保は言う。

 

「そんなことは言われるまでもなく分かっている。私が気にしているのは、何でアンタが今も残っているのかってこと。当初の方針通りに運んで龍園がリタイアしたとして、次のリーダーを指定できるかも分からないのよ。ランダムオンリーでアンタになった場合、アンタは間違いなくソイツに教えるでしょ。

 私にも分かるようなことが、龍園に分からないわけがない。だってのに、その選択肢を残すような行動をするアイツが理解できない。いくらCPにダメージを食らわないと言っても、差を縮められるのは間違いないだろうし、場合によっては逆転すらされかねないのよ?」

 

 顔を顰めながら伊吹さんは言う。その危惧もまた道理だ。

 

「澪ちゃんと翔くんでは視点が違うからですよ~」

「……風? それ、どういうこと?」

「翔くんは、お兄さんと本格的に組むことを選択したというわけです。まあ、順当と言えば順当の結果ではありますね。学校側から一方的に測られるだけの状況を、翔くんが我慢できるとも思えませんので。そんなわけで、翔くんはお兄さんと組んで、逆に学校側を測ることを選択した次第ですね。

 敢えてスローガンを挙げるとすれば、『オープン暴力、オープンエロ』になるでしょうか? それらも一つの武器として、今よりもっと使いやすくする状況を望んでいるわけです。

 まあ、一度『大人』として社会に出れば、『子供』のときほど手厚い保護を受けられなくなるのも事実ですからね。だからこそ、学校が真に『実力者の輩出』を謳うのであれば、『子供』のうちからそれらを経験・体験させるのは決して悪いことばかりではない、というのも理に適っていると言えるでしょう。

 とはいえ、いくら理に適っていると言っても、ここが国立の学術機関である以上、法律やら何やらを無視するわけにはいきません。そんな状況で、学校は掲げるお題目のためにどこまで許容できるのか? を測ろうという魂胆です」

 

 相も変わらず眠たげな眼差しを浮かべたまま、風は淡々と説明する。

 

「法の名の下に禁止事項を増やし、雁字搦めにすればするほど、抜け道や抜け穴を探す者たちの実力は上がり狡猾になっていくのも一面の事実ではありますからね。

 そして、それに十全に対処できているかと問われれば、残念ながら否と答えるしかないのが実情です。護り手の実力が追いついていないんですよ。まあ、それも無理はありませんがね。相手は反則上等で、こちらはルールに縛られるとなれば、その優劣は深く考える必要もなく明らかです。

 こうなっては、ダメージを覚悟で大々的な改革を実行するのが最大手です。護り手側も、もっと大々的にイリーガルな手段を使える状況を整えるわけです。前提が覆る以上、今ほど手玉には取られなくなるでしょう。

 ただ、それの実行に当たっては、当然ながら批判が相次ぐでしょう。それを受け止めてまで実行するほどの気概があるのか? 一刀殿と龍園殿は、学校を通して政府に問いかけようとしているのですよ。理論的には、この学校が日本政府直轄校だからこそ可能な手段ですね」

 

 それを補足するように稟が。

 

「どんな組織や世代にだって、変化を嫌い受け入れまいとする勢力は一定数存在する。それを指して『保守派』だの『老害』だのと言われるわけだけど、あながち間違ってもいないわ。

 そもそも、世は絶えず流動していくものなんだもの。民の護り手の最大手である筈の国が停滞している様では、追いつけなくなるのも道理というもの。柔軟に、そして臨機応変に変化を受け入れていくことこそが、永続きの骨というものでしょう。それを怠れば滅ぶのも已む無しね」

 

 そして桂花が。

 結局は滅んでしまった漢帝国。末期とはいえ、その時代を実際に生きた三人の言葉だからこそ、そこには言い知れぬ重みがある。

 

「いくらこの学校が『次代を担うに相応しい実力者の輩出』を目的に掲げ、実際にそのような人物が現れたとして、肝心の国がそれを受け入れられないようでは本末転倒だからな。そうなっては、せっかく苦労して育成した実力者にも他国に逃げられて終わりだ」

「変わることの全てを良いとは言えない。けれど、全く変わらないことを良いとも言えない。

 民衆に平和な暮らしを送らせるためには、敢えて民衆に不便を強いることもある。ただ、『上』に立つ者も立場に見合った労を背負っている。

 それが事実である一方で、双方にキチンと伝わっていないのも事実なら、正しくないことも事実。要職に就いた者ほど、権力に溺れやすいのも事実だからね」

「ま、それが人間というものなのでありましょうな。『下』が快適に暮らせるようになって、初めて『上』も快適に暮らせるのが正しい在り方というものです。まあ、その『快適さ』にランクの違いがあるのも事実ですが、その道理に従う者だけではないのが実情です。

 とはいえ、その陰に著しいまでの技術の発展があることもまた、間違いではないのでしょうが……」

 

 白蓮、桃香、星も続く。

 どれもこれも間違いではない。

 技術の発展に伴い、諸々と利便性が上がったのは確かだ。その分だけ、民衆も快適な暮らしを送れているのも間違いではない。しかしその分だけ、負担が圧し掛かっていることも事実だ。

 買って終わりではなく、維持し続けることで効果があり、そのために維持費を払い続けなければならない物が、今では身の回りに溢れすぎている。

 必然、そういった分野の研究開発に人手が割かれるのは道理だろう。だが、そうやって人手が割かれれば割かれる程に、割りを食う分野が表れるのもまた然り。最初期にフォローできれば問題も少なかろうが、必ずしもそれが叶うとは限らない。

 結果、必要不可欠ながら人手不足に喘ぐ職種が増加する一方で、人手が多過ぎて仕事にありつけない職種もあるのが現状だ。

 

「ぶっちゃけ、今の日本という国は問題を抱え過ぎているのが実際だ。

 そして、『どこから』なんて悠長なことを言っていられる状況はもう過ぎたんだよ。そんな余裕なんかありはしない。一斉改革に乗り出して、成功するか失敗するかのハイリスク・ハイリターンに賭けざるを得ないのが現実だ。このまま手を拱いていれば、『日本』という国は間違いなく滅ぶだろう。

 まあ、それでも『国』という規模の大きな組織のことだから、その尺度は人とは違う。実際に滅ぶまでにはまだまだ時間が掛かるだろう。

 だが、そのある意味で見当はずれの安心感が、宮仕えの人間たちから危機意識を奪っているのも間違いはないだろう」

 

 だからこそ、こういう結論になるし、なってしまう。

 この学校の創設者は、真の意味で正しく危機感を抱いているのだろうが、必ずしもそういった者たちばかりが政府にいるわけでもあるまい。

 

「……それ、マジで言ってる? いや、言ってることを理解できないわけじゃないんだけど、流石に現実味がなさすぎるわ」

「まあ、それが大多数の反応だろうな。……けど、俺がここにいる。その時点で世が混乱を迎えているのは間違いない。何故なら俺は『天の御遣い』――世が乱れ、人々が困窮した時代に、救いを齎すべく天より遣わされる存在だからな。

 桃香! 白蓮! 星! 桂花! 風! 稟! 俺は『天の御遣い』としての責務を果たす! 手始めにこの学校を! 次に日本という国を! やがては世界をも手中に収める! そうまでしなくては、世の混乱は治まらない! そのためにも力を貸せ! ……きっと、君たちはそのためにこの世界へとやってきたんだから」

 

 ああ、そうだ。今となってはそうとしか考えられない。国獲りの――世界を獲るための拠点。そのために『三國コーポレーション』は用意されたのだ。

 

『御意! 我らが力、『天の御遣い』の意思の下に!』

 

 俺の言葉に従った彼女たちが、一斉に拝礼をする。

 

「もちろん、他の皆にも協力してもらうぞ」

「なんか、途端にスケールが大きくなっているが、まあいいだろう。『三國』がオレを保護してくれる限り、オレもまたそのトップであるお前に協力しよう。……ハーレムを維持するのにも、その方が都合が良いしな」

 

 真っ先に賛同を口にしたのは清隆だ。まあ、コイツの場合、『三國』の保護を受けられなければ父親の魔手から逃れられるとは思えないしな。その時点で乗るしかないのが現実だ。

 その一方、最後にポソリと付け加えられた一言が、前向きであることを示している。

 

「もちろん、私たちも協力するよ! ってか、現実的に考えても協力の一択しかないでしょ。そうすれば『三國』の支援も受けられるんだし。

 仮に身を引いたところで、相手側がどう受け取るのなんか分からないわけだし。その可能性がある限り、身を引いても安全とは限らないわ。

 一刀くんのことだから、どっちにしろ『三國』から護衛用の人材を派遣してくれるんだとは思うけど、実際に護衛をする身にしてみれば、『護衛するように命令されただけの対象』と『部署は違えど同じ組織の一員』なら、どっちの方が前向きに臨めるかは明らかよ。コネなり何なりを作れることを期待すれば後者に重きを置くのが自然で、それを考えずにはいられないのが末端ってもんでしょ」

 

 そして桔梗が。

 その論はひどく現実的で合理的な思考に基づいたものであったが、その一方で感情も考慮している。有り得ない、とは言い切れない可能性であった。

 

「……で、何だって私までそんな話を聞かされているんだ?」

「当然、巻き込まれるのが――正確には、俺が巻き込むのが確定しているからだな」

「おい、神崎?」

「まあ、『素直に諦めて俺に協力してくれ、姫野』。そちらが望むなら、将来的には『神崎』でのポストも用意するぞ? うちも『大手』の一角には数えられるんでな」

「……む。そうなると、ある意味で女の憧れである玉の輿に突入? 左団扇の生活も夢じゃない?

 分かった分かった。諦めて協力するよ。――ただし、あくまでも神崎くんにだから、そこは間違えないように!」

 

 その一角で繰り広げられる、神崎と姫野さんのやり取り。ズビシ! と姫野さんが神崎に指を突き付けているのが見える。……神崎も順調に姫野さんを攻略しているようだ。

 その立場上、神崎は否応なく俺に協力せざるを得ない。部活の一員としてもそうだが、大企業の後継者として『三國』との友好的関係は見逃せないものがあるからだ。むしろ、その功績を以てすれば、『後継者候補』から『候補』の文字が消えるのは確実だし、その時期も格段に早まるだろう。

 

「ちょっと待った。だとすると、この場に私と椎名がいる意味は……」

「逃がさないし、逃げられない。つまりはそういうことでしょうね。私たちは龍園くんの配下ではあるので、それも話を聞かされた一因ではあるでしょうけど……。

 ただ、面子と状況を鑑みれば、性行為になだれ込むのは必然ですよ? その一方で、私たちが『龍園くんの配下』というポジションに護られているのも事実なので、無理に参加する必要も無いとは思います。しかし、見てるだけ、聞かされるだけで、果たして耐えられますかね? 私はそうは思えません」

 

 そのやり取りを聞いた伊吹さんと椎名さんのやりとりである。

 椎名さんの推測は正しい。この状況下で俺が自重をする道理はない。大分お預けを食わせてしまった相手もいることだし、タップリと愛する所存である。

 そして、同じ空間にいる以上、経験がないと思われる伊吹さんも椎名さんも、そして神崎のお相手である姫野さんも、完全に逃れられる道理はない。

 

「そんなわけですので、実際にヤるとなったら、私は北郷くんを希望しておきますね」

 

 椎名さんによる宣言が繰り出され、伊吹さんは裏切られると同時に追い詰められることとなった。

 

「いや、いやいやいや! 私はそんな簡単には身体を許さないからね! それこそ、私とヤりたけりゃ無理矢理ヤるしか手はないから!」

 

 伊吹さんが指を突き付けてそう言った瞬間、確かに静寂が支配した。

 

「伊吹……アンタ、墓穴を掘ったね」

「は?」

「だって、無理矢理ならセックスOKって宣言したじゃん。それを口にした時点で、レイプ風行為ならOKだよ、って言ったも同じだから。実際にヤったとしても和姦として判定されるよ。しかも、この場の全員がそれを聞いてるわけだから、誰も助けないよ。相手の数にも言及してないから、この場の男全員から一度に襲われても文句は言えない。……まあ、ハッキリ言うとご愁傷様」

「……あ? ああ! ああああぁぁぁっ!? そうじゃん! そういうことになるじゃん! 私ってば何を口走ってんの!?」

 

 志保に説明された伊吹さんは、頭を抱えて絶叫するのであった。

 だがまあ、慣れというか何というか。確かにそう考えられるのは事実だが、それの現実化を現実的な意味で考慮していることこそが、もはや一般的な思考ではない。俺たちがセックスを前提としていることも一因だが、騙し討ち上等な学校生活を一期間送ったことによる影響も確実にあるだろう。

 しかし、我ながら思う。砂に埋められた状況じゃあ、今までの流れも締まらないな……と。




学生らしい平穏な一幕――と見せかけて、それで終わらないのが本作です。

一学期の間、『高度育成高等学校』のような環境で生活すれば、大なり小なりと影響を受けて変化の表れる生徒もいると思います。
そこら辺を最後の方に描写してみました。

あとは、真鍋の清隆に対する媚び具合だったり、伊吹と真鍋が揃っているんだから対立描写も入れるべきかな……と。

砂風呂描写はいらないと言えばいらないんでしょうが、学生らしさや親しさを表す描写は必要だと思いますし、その点では環境的にもベターだと思っています。

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