評価コメントで指摘を受けたので、『乱交あり』のタグを追加しました。
個人的にはあらすじに乗せた警告文の『アブノーマルなプレイも普通にあります』に含めていたつもりだったので、そういう意味では完全に盲点でした。
☆3でしたが、こういうご指摘はありがたい限りです。
そして夜を迎えた。
点呼も終えた現在、邪魔者が訪れる道理はない。
つまり、何を憚ることもないセックスタイムへの突入である。
だがその前に、俺はこの場の全員を前にして口を開いていた。
「はい。一部の方には既に伝えてますし、信じる信じないは皆さんに任せますが、今の俺は中出しをした相手に妊娠させるかどうかを、俺の意思で選べるようになりました。道中に船でその話を聞いた結果、俺は基本的に生でしかセックスを行わないことにしました」
「しつも~ん。それは危険日とかも関係なくですか~?」
俺の言葉に対し、真っ先に挙がったのがこの質問であった。
口調は軽いが、俺の言葉が正しいことを前提に受け止めていればこその内容であると言えるだろう。いや、もしかしたら中出しセックスへの期待ゆえかもしれないが。ちなみに発言者は桔梗である。
「関係なくです。そもそも、危険日というのは確率が高いだけでしかありません。今や俺の意思の前では、そこに関しての確率など関係ありません。文字通り、孕むか孕まないかしかないわけです」
「カズピーがその話を信じる理由は?」
鈴音の問いかけに、俺は何とか説明した。……が、これもまた現実離れした内容であり、信じるか信じないかの判断は相手に任せることになる。
「その話をしてくれたのって貂蝉さん?」
「はい、そうです」
「あの筋肉ダルマが……。それならまあ、信憑性は十分にあるか……」
「確かに一刀殿は龍殺しを成していましたからね。である以上、神話や伝承の例を見ても、一刀殿が何かしらの影響を受けていてもおかしくはないでしょう」
桃香の質問に俺が頷くと、貂蝉を知る面々は次々と頷いた。それは=『俺の龍殺しを知る者』であり、神話や伝承に登場する『龍殺し』の逸話が信憑性を補強する。
必然、訳知り顔の面々とそうでない者に分かれるわけだが、そこに関しては仕方がない。
「まあ、オカルトとされている『気功』が現実に存在するんだ。そんなことができたとしても不思議はないだろう。……何せ北郷だからな」
「あ~、まあ、確かにね~。あの精力と回復速度は、ちょっと普通じゃあり得ないもんね。龍の影響とかあってもおかしくないでしょ」
「気功で女性には快感を与え、男性には不快感を与えるのも、言ってみればアレじゃない? 縄張り意識の表れ!」
「そう考えると、妊娠云々もあり得そうだよね。だって一刀くんだし!」
だが、神崎の言葉で残りの面々も次々に頷きを示したのは何とも解せない。いやまあ、納得してくれたのなら、それはそれでありがたいのだけれども。
「まあ、事前説明も済んだところでこれからセックスタイムに突入するわけですが、この中には初めての方もいらっしゃいます。その方々にも配慮して順番や内容を決めたいと思いますが、俺は女性への配慮を心掛けている男なので、可能な限りは合わせます。
なお、輝彦と心は二人だけでシッポリと室内プレイに勤しむそうですが――面倒だな、この言葉遣い。うん、いつも通りに戻そう。……で、神崎と姫野さんはどうするんだ?」
「俺たちもここで。姫野は未経験だし、お前たちの相手をさせるつもりもないが、やはり同性の経験者が近くにいるのは違うだろうからな。ついでに言えば、将来を考えると、俺も姫野もこういうのに慣れておく必要があるのは事実だろう。……まあ、姫野は俺が巻き込んだ形だが」
俺の質問に対し、神崎は同席を選択した。
「ってことは、神崎ってやっぱりあの『神崎』の生まれなのか?」
「伯珪がどの『神崎』を指しているのかは分からないが、父親が大手企業の代表を務めているのは事実だ」
「その言い分で十分だよ。まあ、だったら参加しておいて損はないだろうな。
いまいちよく分かってなさそうな姫野のために説明すると、上流階級には上流階級のしがらみがあるんだよ。そして、往々にして接待が欠かせない。
だが、接待の範囲なんて明確に定められているわけじゃないからな。相手次第では、こういう艶を使った接待も普通にあり得るわけだ。実行する側、受ける側に限らずな。
本来は客をもてなすのが接待なわけだが、ビジネスが絡むと途端に意味合いが変わってくるのも間違いではない。もちろん、全てが全てってわけじゃないが、それこそあらゆる手段を使ってくるような奴もいる。家内や娘とのセックスは如何ですか? なんてパターンもないわけじゃあないんだ。そこで狼狽えてしまったら、或いは艶に溺れてしまったら敗北は濃厚だな。
まあ、その逆に、元からそういう接待を要求するような奴もいる。そういう奴に限って影響力を持っていたりするからタチが悪い。
だからこそ、その手の知識や耐性を付けておくに越したことはない。上流階級に関わるんなら尚更だ。事実は小説より奇なり。そういうのは、決してフィクションの中の出来事ってわけじゃないんだよ」
「うぇ~、選択するの早まったかな? でも、玉の輿は捨てがたいし、まだ付き合いは短いけど、神崎ほどの優良物件もそうはないしな……。
よし、私も女だ! 覚悟を決める! 神崎に抱かれて既成事実作って玉の輿だ!」
白蓮の言葉を聞いた姫野さんは再び悩みだしたが、それでも一学期という期間におけるクラス内での付き合いもあり、即座に掌を返す選択には至らないようだった。それどころか、むしろ覚悟を決めている。
「あ~、姫野、お前ってそんなキャラだったか?」
「さあ? 公孫が私をどう思ってたかなんて、私の知ったこっちゃないし。そもそも、私は成り上がることを目的にしてこの学校に入ったし、そういった意味じゃあ終始徹底しているつもりだよ。玉の輿なんて、ある意味では最も簡単で効果的で効率的な成り上がり方だ。
本人前にして言うのもアレだけど、私は一之瀬のやり方が好きじゃあなかった。そりゃあ理解はできるさ。でも、その内に通用しなくなるだろうことは目に見えていた。――だってのに、誰もそのことに危機感を持っていない。危惧を言う者もいない」
白蓮が姫野さんに問えば、姫野さんは素っ気なく返し、帆波を向いてそう言った。
正直、Dクラスの俺ではBクラスの実情はよく分からない部分もあるが、それでも、帆波がリーダーだった頃は正攻法に特化したスタイルだったことは分かる。姫野さんの言うことも分からないではない。
「そう思ってるんなら、言ってくれれば……」
「ハッ! クラスには危惧を言わせる雰囲気がなかったし、それで是としていたのは、一之瀬、他ならぬリーダーだったアンタだろ? アンタは『クラスメイト』に対して色々と確認を取ってはいたが、個人個人に対してはそれをしなかった。
ああ、そうだ。どれだけ正しかろうと、その意見を通すには何らかの『力』が必要なんだよ。少数派の、弱者の意見は、封殺され、黙殺されるのが世の常だ。そんな状態で何を言える? どうやって信じさせる? そんなのは無理な話さ。だって、アンタのやり方には確かに筋が通っているし、率先して行動してるし、見たいモノだけを見るのが人間って生き物なんだから。
私は経験則でそれを知っている。だからこそ、言っても無駄なことを自分から言うつもりはないし、やっても無駄なことを自分からやるつもりもない。
逆説、私個人に対して訊いてくるのであれば、キチンと答えはしたよ。必要以上に輪に染まるつもりはないが、輪を壊すつもりもないからね。
でも、そんなことは結局なかった。それが事実で、アンタのやり方の限界ってことなんだろうさ」
帆波に対し、姫野さんは冷たく返す。
それもまた分からないではない。立場が違うからこそ見えるものがある一方で、それを信じ認めさせるには、相応の『理由』が必要なのだ。そしてそれは、道理や理屈だけだと足りないことが往々にして存在する。
そして姫野さんは、犠牲者の側に、被害者の側に立たされたことがあるのだろう。それが、ある意味で姫野さんに諦観を根付かせた。
「だが、神崎は違う。だって、神崎はアンタほどには人望がない。同じ『提案』であっても、断りやすさや、断った際にこちらが受けるであろうダメージは、アンタほど高くはない。
それでいて、神崎は私を見てくれた。私だけに言ってくれた。私だから誘ってくれた。その時点で、アンタよりはよっぽど信じられるし、好印象も抱くってもんさ。
元より私を抱くため? 別に良いさ、それでも。だって、私の目的ともマッチしている。それに、私に見せた態度の全てが偽りってわけでもないんだろうから」
半ば自棄になっている部分はあるのだろうが、それでも姫野さんに悲壮感は見られない。もはや神崎に抱かれることを受け入れている。
「姫野は覚悟がガン決まってるみたいだが、神崎の方はどうなんだ? そもそも経験があるのか?」
「俺も覚悟は決まっているつもりだし、相手は一人だけど経験もある。回数もそこそこ熟している。ただまあ、甘やかされるというか、そういう感じのが多かったが……」
「羨ましいな、神崎。朝比奈先輩からそんなに甘やかされたのか?」
「お・ま・え・が、雲長先輩と鬼龍院先輩を俺に嗾けたからだろうが! 言ってることに筋は通っているし、理解も納得もできるが、地獄だぞあれは! 毎日毎日が疲労困憊だ!
それを見兼ねたなずなが俺を癒してくれてたんだよ。俺も男だからな。現金なことではあるが、なずなほどの美少女に癒されれば、どれだけ疲労困憊になっても気力が湧き上がる。
だが、それによって再度の地獄行きが確定するわけだ。おかげで、学力も身体能力も、短期間でかなり向上した自信はあるが……」
俺が神崎に訊けば、神崎は思いっ切り怒鳴り返してきた。だが、そう言われれば否定はできない。愛紗を嗾けたのは事実である。
「そっか~! 愛紗ちゃんがなんか上機嫌だったのって、神崎くんのおかげだったんだね!」
「まあ、そういうことなら分からなくはないですな。愛紗はアレで存外面倒見のいい女ですから。主に頼まれたこともあるでしょうが、神崎が逸材であるのも理由でしょう」
「愛紗のシゴキを受けたのか……。神崎、よく耐えられたな……」
桃香が喜び、星が訳知り顔で頷く横で、白蓮が戦慄していた。
「って言うか、神崎くんってなずな先輩と付き合ってたの!? いつから!?」
その一方、思わぬ話題に神崎へと飛びつく帆波。
「あ~、部活に入ったその日。坂柳に精神をボッコボコにされて落ち込んでいた俺を慰めてくれたんだ。まあ、そこで期せずして気功が暴走してしまったわけだが……。
そんなわけで素直には喜べないわけだが、だからこそ、俺は覚悟を決めた。決めることができた。もはや綾小路先生を尊敬してはいないが、その言葉には同意させてもらう。使えるものはすべて使って、俺はAクラスでの卒業を目指す」
「それはいいけど、私を巻き込んだ以上、私を捨てることは許さないからな?」
「分かっている。――それで、だいぶ脱線してしまったが、どういう順番にするんだ?」
その言葉に、女性陣は顔を見合わせた。
「差し支えなければ、伊吹さんからヤってもらってもいいでしょうか? 彼女、自分の失言で墓穴を掘ってしまったことをだいぶ不安がってますので。もういっそのこと、サッサと済ませてしまった方が、逆に心は軽くなるんじゃないかと……」
そう提案したのは椎名さんだった。その表情には、伊吹さんに対する純度100%の心配が浮かんでいる。
「椎名!? ……あーもう! 分かった! 分かったよ! 私だって自分の言ったことから逃げる気なんてないからね! 三人同時だってかかって来いってんだ!」
気合を入れた伊吹さんだったが、再び墓穴を掘っていた。……何だろう。見ていて楽しくなってくる。
「まあ、当の本人がそう言っていることだし、ここは三人同時に相手をしてあげようじゃないか。なあ、清隆、神崎。……ここに男が三人いて、穴も三つあるわけだから、場所に関しては順番でいいと思うが、どうだ?」
「オレはそれで構わない。……いわゆる『輪姦』というやつだな。正直に言って興味があったんだ」
「俺も構わない。個人的には忌避したい気持ちがないではないが、いずれ避けては通れない道でもあるだろうからな。……だが、差し支えなければ、今日のところは口を担当したい。ユキの相手をする前に、ユキの前で他の女の相手をすることに抵抗がないわけではないんでな。口ならば、まあ許容範囲だろう」
「俺は尻でいいぞ。今の俺は吹っ切れているんでな。メンバー全員の尻を味わうことが目下の目標だ」
「そういうことなら、オレはありがたく伊吹の処女をいただくとしよう。
ああ、そうだ。志保、伊吹を昂らせてやれ。伊吹は『レイプ風』、かつ『多人数』でのプレイを希望のようだが、それだと俺たちが直接前戯をするのは差し障りがある。だがまあ、配下の手で昂らせる分には希望の範疇内だろう。伊吹だって、濡れてもいないところに突っ込まれるよりはマシな筈だ」
「そういうことなら喜んで。正直、コイツが気に入らないのは変わってないからね。ご命令に託けて甚振って――昂らせてあげるよ」
伊吹さんの意思を余所に俺たちで色々と決めていったわけだが、清隆は更なる一手を繰り出した。自身のハーレムメンバーである志保を嗾けたのだ。志保も志保で、伊吹さんを嫌っていることもありノリノリで引き受けた。
しかし、なるほど。確かに筋は通っている。だが、志保だけだと双方に危険があるのも否めないか。
「そういうことなら……千尋、君も伊吹さんを――澪を可愛がってやれ。根がレズビアンの君にとっても望むところだろう?」
「いいの!? そういうことなら遠慮はしないよ!? ……それと、確認だけどキスはしてもいいの?」
「構わない。まずは俺たちの目を愉しませろ。……だが、それと同時に、君は安全弁でもあるから、その点は忘れないように。志保と澪は互いに嫌い合ってるから、二人だけだと不安なんだ」
「了解りょうか~い! ああ、初めての帆波ちゃん以外の相手だ。う~ん、愉しみ!」
「ふむ……。ユキ、お前も混ざるか? 『ただ見ているよりは、女性相手だろうと混ざった方が緊張感もほぐれると思うが、どうだ?』」
「ああ、まあ、それにも一理あるか……。分かった、混ざる。全くの未経験でお前の相手をするよりはマシだとも思うし……」
そんなわけで、今宵最初の相手は澪に決まり、まずは澪VS志保、千尋、ユキのレズプレイから幕を開けることになったのだった。
一般的に使われがちな多数決ですが、その『正しさ』の基準は曖昧です。道理に依る場合もあれば、発言者に依る場合もあります。
過去、姫野はマイノリティー側に属し、敗北し、それによってダメージを負ったことがあり、そのたにある種の諦観が根付いている設定です。
基本的にはダウナーで、自分の心を押し殺してまで周囲に合わせ、それでいて完全には迎合していない原作での描写から、そのように解釈しました。
意見を通すためには『力』が必要で、それは定まった形のあるものでなければ、一つだけでもありません。
だからこそ、姫野は『成り上がる』ことを目的として、『次代を担うに足る実力者の輩出』を謳う『高度育成高等学校』を受験した設定です。
ただ、初期配属がBクラスだったのが、ある意味で姫野の不幸になりました。他クラスに比べて特段同調圧力が強いクラスでもあったからです。
しかし、その空気も帆波の移籍によって薄くなり、次に台頭したのが桃香ではなく白蓮だったことでだいぶマシになりました。
そんな状況で受けたのが、『父親が大手企業の代表を務めている』=『本人もいずれはその立場を継承する可能性が高い』神崎からの誘いです。
姫野が割かしすんなりと神崎に同調しているのは、その『成り上がり』志向と、以前よりリラックスできている心境、神崎自身が優秀なこと、という複合的な要因によるものです。
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