※この作品はR-18です。

東京都高度育成高等学校・北郷伝   作:山上真

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北郷伝:67

「待たせたな! 白蓮!」

「まったくだよ……。期待と不安と興味で、何もしてないのに既にグッショリだ」

「期待は分かるけど……興味と不安?」

「そりゃお前、桃香と桂花相手にはまだ普通だったけど、風相手には気絶しているにも拘らずピストンを止めずにイき狂わせるし、稟相手には不意打ちのみならずアナル挿入までやってたじゃないか。

 そんなのを目の当たりにすれば、自分はどんな目に遭うんだろう? どうされるだろう? 的に不安と興味を抱くのは当然だろうが」

 

 言われてみれば尤もだ。『生挿入』と『中出し』は共通しているが、その他の部分で差異がある。その『差異』の部分に対し、興味や不安を抱いても不思議はないだろう。

 

「そう言われてもな……。正直、そんなにバリエーションはないぞ」

 

 それもまた事実である。風の場合は、あくまでも風が先に気絶しちゃったからの結果だし、稟の場合は彼女の妄想に応えた形に過ぎない。結果的にそうなってしまっただけで、最初からそうしようと思っていたわけではないのだ。

 白蓮が気絶してしまえば風の二番煎じだし、アナルに入れれば稟の二番煎じ、最後まで普通にヤれば、それはそれで桃香と桂花の二番煎じだ。

 それが事実であり、そもそものバリエーション自体がそんなに多くはないのだ。白蓮に限らず、高確率で桃香や桂花と同様、普通に前の穴に入れて快感を与えることになるだろう。――そう、思っていたのだが……。

 

「一刀、これは使えないか?」

 

 そこに清隆が声をかけてきた。その手に持っているのは……蔦!? いや、蔓? どっちで呼ぶのが正しいんだろうな? 取り敢えず蔓にしておこう。

 触ってみると、縄よりは少々細い。だが、手触りは十分だ。必要以上に肌を傷つけることもないだろう。長さも十分にあり、縄の代用品としては十分だろう。

 

「問題は強度だが、コレばかりは実際に試してみるしかないか……。しかし、よくこんな状態のいいのが見付かったな? 葉っぱとかも全然付いてないし……」

「流れが怪しかったんでな、ちょっと探しに行ってきた。目星を付けていたこともあったが、キチンと見付かってよかった。端的に言うと、それはスポットの占有特典だ。何の目的で用意されているのかは分からんがな」

 

 そういえば、いつからか清隆の姿が見えなかったな。そりゃあ、コレを探しに行ってたのならいなくて当然だ。

 

「へえ、スポットの……。ってことは、期待できるかな? ま、結論を出すのは実際に試してからか……」

 

 俺は受け取った蔓を片手に意気揚々と白蓮の許へと向かう。

 スポットの占有特典ということは、この蔓も何かしらの意味を持つはずだ。長さを考慮して考えると、それこそ縄の代用品と考えるべきだろう。

 果物や木の実の中には、当然ながら高所に生るものもある。おそらくは、そういうのを取る際の補助具として使う目的で用意された物だと思われた。木の枝なんかはそこら辺に転がっているのだから、組み合わせれば縄梯子の代用品とすることもできる筈だ。……まあ、そういう考えが浮かばなければそれまでではあるが。

 この推測が正しければ、強度は十分あるに違いない。

 

「ってことで、お縛りの時間だ! 白蓮!」

「どういうことだよ!?」

「まあまあまあまあ」

 

 俺は白蓮のツッコミにまともに答えることもせず、白蓮の態勢を変えていく。本心では期待しているのだろう。白蓮は抵抗することもなく、なすがままにされている。

 手と足を後ろに持っていき、動けないように縛る。トラップマスター蒲公英の教えは十全に身に付いていたようで、この世界では初めての縛りにも拘らず、スムーズに縛り終えることができた。

 白蓮は貧乳というわけではないが、巨乳というわけでもない。サイズ的には普通だ。それでも、美乳であることに違いはないのだが、残念ながら水着越しだとそれも分からない。そのため、特段胸が強調されることもない。実際にはされているのだが、特にはそれを感じないのだ。

 しかし。だがしかし。縛り終えた白蓮の姿は、さながら一つの芸術品だった。

 

「ふう、いい仕事をしたぜ!」

 

 俺は腕で額をゴシゴシして汗を拭う。

 

「だが、敢えて言うならネーム入りのスク水でないのが残念だな……」

 

 まあ、そこら辺は根強い論争が起こる部分ではあるし、俺はどちらも許容するが、やはり時と場合によって重視する方は異なってしまう。

 今回は無地のスク水だが、ネーム入りであれば自然と文字が歪むことになり、それによって胸部の協調が強まったことだろう。

 

「しかし、これは見事なものだな。本来、セックス目的の縛りともなれば卑猥さを感じる筈だが、むしろ芸術的美しさの方が勝っているように思う」

「分かるか、神崎。縛りにおいて重要なのは、用途に応じた猥褻さと美しさの両立だ。元から卑猥なものを汚したところで、人は特に感動も興奮もしない。だが、美しいものを汚す行為は、背徳感による高揚を齎す。だからこそ、芸術性を含んで初めて『縛り』と呼べるんだ。

 無論、素材の良し悪しに左右される部分があるのは否定できないが、今回は白蓮だからな。十分に上物だ。

 俺は自らの技量について一定の自負はある。それでも、まだまだだと言わざるを得ないのが実情だ。それだけ、『縛り』の道は長く、奥が深い」

 

 何せ、蒲公英の奴はトラップで複雑精緻な縛りを行うことが可能なのだ。とてもじゃないが、アレは俺にも真似できない。というか、どうやったら可能なのかも分からない。そして、それが分からない時点で、やはり俺はまだまだなのだ。

 ふと気になったが、蒲公英って今世の名前どうなってるんだろう? 他の面々に合わせると馬蒲公英だが、ものすっごく語呂が悪い。

 まあ、それを言ったら他にもそういう面子はいるんだが……。馬家繋がりで鶸とか。翠とか蒼とかは違和感ないんだけどな。

 

「状況によっては、縛った上で更に吊るす。だからこそ、縛るための縄には人を支えられるだけの強度が求められる。今回はそこまで考慮した上で縛ってはいないけどな」

 

 何せ、縄じゃなくて蔓だし。強度も分からなかったし。吊るすには環境が悪いし。

 

「あとは……股間部分にコブを作るかどうかか? SMプレイや拷問における『快楽責め』を主軸にするなら、コブを作るのもありだろう。だが、敢えてその部分の空白を大きくするのも、手法としてはありだ。縄という障害物がなくなる分、入れやすく、攻めやすくなるのも間違いではないからな」

 

 今回はコブを作ってはいない。縛りはあくまでも白蓮を飾り付けるためのアクセントだからな。……クリスマスやバレンタイン、誕生日などといった行事を題材にしたエロイラストで、女の子の全身をリボンで彩っていたりするものがあるが、要はああいうものだと思えばいい。見方によっては、あれも一種の拘束だ。

 

「なるほど。深いな……」

 

 俺の言葉を受け、清隆がウンウンと頷く。なお、その視線は白蓮を――正確には、その身を縛る蔓をガン見している。少しでも縛り方を覚えようとしているのだろう。何とも勉強熱心な奴である。

 

「縄を使って女性の『美』を盛り立てる……か。そう聞くと自分でもやってみたくなるから難儀なものだな。

 北郷、俺にも教えてもらってもいいか? 未だ人数は少ないながら、俺もまたなずなとユキという二人の女性によるハーレムを形成している。そして、俺の性知識と技量はまだまだ拙い。習熟に重きを置くのも必要だが、マンネリを防ぐために新たな道を模索しておくのも必要だろう」

 

 神崎もまた、真剣な顔で俺に頼んできた。内容だけなら卑猥なのだが、それもまた神崎の責任感によるものだ。主としてハーレムの組織運営を考えるなら、決して間違っているわけではない。

 当然、俺の返事は決まっている。

 

「構わないぞ。『エロの伝道師』を自負する者としては、『エロの開拓者』が増えることは大歓迎だ。――だが、素材となる女性を貸すことはしない。この島にいる間に実践したいなら、あくまでもお前がユキを説得するんだ。或いは、他の女の子をハーレムに加えるか、だな」

「それもまた、主としての手腕か……。道理と言えば道理だな。いずれにせよ、ユキを説得できないことには始まらないのも確かだ。早速、取り掛かるとしよう」

 

 神崎はユキの許へと向かった。言葉通り、説得に取り掛かるのだろう。

 

「お~い、お~い」

 

 そこで、下から声が聞こえた。おっといけない、白蓮のことを忘れていた。

 

「ゴメンゴメン。白蓮のことを忘れていたよ」

「そんなこったろうとは思ったけどさ。……いやまあ、それはいいんだ。早く抱かれたいのが本音ではあるけど、それで一刀の友人関係を邪魔しようとも思わないからな。

 私が言いたいのは、いっそのこと他の奴らも縛ったらどうだ? ってことだ。蔓もまだまだ余裕があるみたいだしな。

 一刀ほどじゃないが、私だって『縛り』の道が奥深いのは理解している。この世界で知識を収集すれば尚更だ。だからこそ提案するわけだが、複数縛りを実践するいい機会じゃないか?」

 

 その瞬間、俺は雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。

 複数縛り!? 確かにそうだ。何も、単独を縛るだけが『縛り』ではない。複数を縛ることで一つの芸術と見做す。これもまた『縛り』の道だ。

 それと同時、組み合わせ方と縛り方次第では、無限にも等しい可能性を生み出す。

 メンバー同士の関係性を構築する一助にもなる筈だ。俺はメンバーの自主性を重んじているため、その関係性にも必要以上に口出しをするつもりはないが、その一方で口出しするのも主としての責務だろう。

 

「ありがとう、白蓮。君の言葉で、俺は新たな気付きを得た! だからこそ、悪いがその言葉に甘えさせてもらう。悪いが、相手をするのはもう少し待っててくれ。

 清隆、神崎、手伝ってくれ! 新たな『縛り』の道を開拓する!」

 

 白蓮に感謝と謝罪の言葉を告げ、俺は早速に動き出す。無論、清隆と神崎への協力要請も忘れない。単独相手ならともかく、複数相手となれば俺一人だと手に余る可能性があるからだ。基本的には受け入れてくれると思うが、組み合わせ方次第だと反発もあるだろうしな。

 

 ♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢

 

 そして、瞬く間に時間は過ぎ去り、所々に『作品』が完成していた。

 作品その一、『トライアングラー』。

 桔梗、鈴音、澪の組み合わせである。手と足を後ろ手に組ませて動けないようにしているのは当然だが、それだけではない。桔梗と鈴音の顔をくっ付け、鈴音の股間には澪の顔をくっ付け、桔梗の股間と澪の股間を貝合わせにしているという、複雑にして精緻極まる力作だ。

 平たく言えば、鈴音が桔梗と澪から攻められる態勢である。とはいえ、澪のクンニから逃れる術は無いが、桔梗相手にはキスで反撃ができる。そしてお互いが密着しているため、桔梗への刺激は貝合わせにより澪に伝わるという寸法だ。澪もまた秘所から伝わる快感から逃れる術がないため、一方的に鈴音を攻めてばかりもいられない。正確には、鈴音を攻めれば、それが回り回って自分に帰ってくるのだ。

 その点で言えば桔梗が一番の安全ポジではあるのだが、法則を理解しない限り、澪が鈴音を攻めるのは必定だ。そうなれば、鈴音が桔梗を攻めない理由がない。その逆に、攻められた桔梗が鈴音に反撃しない理由もない。

 結局のところ、誰もが快感から逃れられない仕様となっている。ただ、並び方次第では上手く機能しない可能性があったのも事実であり、それを機能させるために澪の攻めっ気と反骨心を大いに利用した形である。

 その狙いは見事に当たり、三者三様に快感で喘ぎ、嬌声を上げ、何度となく絶頂している。

 

「ふむ……。櫛田と堀北は早期にこの態勢の弱点に気付いたようだが、そのための伊吹か。伊吹が二人の言葉を素直に聞き入れる理由などないからな。むしろ、嬉々として堀北を攻めるのが妥当であり、その狙いは見事に当たった。……凄まじい読みだな、北郷」

「澪は俺だけのハーレムメンバーってわけではないが、それでもハーレムの一員には違いないからな。早く馴染んでもらいたい部分はあるし、そうなると取っ掛かりとして最適なのは鈴音以外にないだろう。だが、鈴音だけだとまだ弱いから桔梗も組み込んだ次第だ。

 元より、桔梗と鈴音は『喧嘩ップル』状態だったからな。これで、桔梗も澪を意識せざるを得ないようになる筈だ。そして、コミュニケーションに優れる桔梗が意識して動いたのなら、輪の中に澪が組み込まれるのは時間の問題だ」

 

 作品その二、『義姉妹』。

 説明するまでもなく、有栖、真澄、美紀の組み合わせである。有栖→美紀→真澄→有栖でクンニを強制する縛り方であり、これから逃れる術は無い。何せ有栖が含まれているから。

 

「単純と言えば単純だが、攻めっ気の強い有栖がいることで、彼女が起点となるわけか」

「新たな関係性の構築には至らないが、基本を重視するのも必要なことだ」

 

 作品その三、『癒し』。

 帆波と波瑠加の巨乳組に、美雨とひよりを加えた組み合わせだ。

 まず、帆波と波瑠加を背中合わせにし、その上で帆波の頭側に波瑠加の足が、波瑠加の頭側に帆波の足がくるように縛りつける。この時、足を大きく開かせるのがポイントだ。

 第二段階として、美雨とひよりをそれぞれ帆波と波瑠加の胸に吸い付かせる形で拘束。こうすることで、帆波と波瑠加が少し頭を逸らせば、それぞれが美雨とひよりにクンニを仕掛けることができる仕組みである。

 その一方で、『娘を抱く母親』的な、芸術的な美しさを重視している面もあるので、無理にクンニをする必要もない。

 

「これは……美しいな。一之瀬と長谷部の巨乳が母性を象徴し、その胸に椎名と王が吸い付いていることで、圧倒的な癒し効果を発生させている。まあ、人選故のものもあるだろうが……」

「シナジーだな。波瑠加単独だと、母性という点ではともかく、癒しという点ではイマイチだ。俺自身は十分に癒されるわけだが、身に纏う空気とか雰囲気とかの関係で万人が癒されるわけではない。

 まあ、それを言ったら誰しもに同じことが言えるんだが、それでも、帆波、美雨、ひよりの放つ癒し効果は波瑠加とは比較にならないほど高い。それが波瑠加の不足分を埋めると同時に波瑠加から引き出しているわけだ」

 

 作品その四、『ギャル』。

 恵、麻耶、千秋の組み合わせだ。この三人は普通に仲がいいため、やはり関係性の構築には至らない。

 千秋を下敷きに、恵と麻耶をその上に並べる形だ。恵と麻耶で千秋にクンニを仕掛けたり、手で尻穴を攻めたりする一方で、千秋は二人の両穴を手で攻めることが可能となっている。無論、恵と麻耶でのキスも可能だ。

 

「これは……また違った意味で濃厚だな」

「千秋は千秋で不憫な目に遭うことが多いからか、ここぞとばかりに攻めているな。麻耶は麻耶でノリノリだし、恵も二人に引き摺られている」

 

 作品その五、『享楽者』。

 文字通りであり、星と千尋の組み合わせだ。態勢としてはシックスナイン。クンニで攻めるも、指で尻穴を攻めるもありである。

 

「クラスメイトという以外に接点は少ないと思っていたんだが……」

「二人ともノリノリだな」

「まあ、星は根っからの享楽者だし、千尋もレズビアンだしな。よっぽど気に入らない相手でもない限り、星は受け入れるさ」

 

 なお、桃香、桂花、風、稟の四人は縛りの対象外である。少しは休ませる必要もあるし、全員を縛ってしまったら、万が一見回りが来た時に誤魔化すのが大変だからだ。 

 

「さあ! 今度こそ待たせたな! 白蓮!」

 

 そして、縛りという下準備を終えた俺は、今度こそ白蓮に向き直ったのであった。 




白蓮はどうも縛られてるイメージが強いです。
そのため、縄ではないですが縛られてもらいました。ついでに他の面々も。
結果、気付いたら品評会っぽくなってました。

スポット特典として蔓とか用意されていてもおかしくはないと思います。木の実や果物の中には高所に生るものもありますし、木登りの補助具的な意味で。

桃色伝:25で一刀のハーレムメンバーが並び始めた辺りから、清隆はひっそりと縛りに使えそうな物を探しに行っていました。
前話で清隆のセリフが一切なかったのは、その場にいなかったからですね。

しかし、ホントに一部の恋姫の名前をどうしましょうかね?
登場するかはともかく、名前くらいならば話の中で挙がってもおかしくはないんですが、名字と組み合わせると途端に語呂が悪くなるのがチラホラと……。
あくまでも『恋姫』とは別世界なのでやりようがなくはないんですが、全員に適用できるわけでもないんですよね。
思いついたのは流琉の名字を『悪来』にするとか、音々音と書いて『みおん』と読むとか、思い切ってそれぞれの武器から名前を持ってくるとかですが、それ以外が……。
まあ、キラキラネームを考えると、気にしすぎと言えば気にしすぎなんでしょうが、どうしても気にせざるを得ません。

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