重力の底で雛鳥は哭く 作:星乃海(十両)
「えっと、『アマテ・ユズリハ。十七歳、女性。サイド6/イズマ・コロニー出身』……」
モニターに流れる画像と文章をヴァーニが読み上げる。
「現地で行われていた非合法賭博『クランバトル』の有名プレイヤーで、当時のプレイヤー名は『マチュ』……」
「クランバトル?」
「二機一組でMS同士を戦わせる賭けバトルだ。割と良い
私の質問に横に立つカバスが答える。
今、私たちはララァお姉さまの個室に集まっていた。しかし現在、天蓋付きのベッドに横になっているのはお姉さまではない。
昨晩、屋敷の裏庭に不時着した戦闘機。それに登場していた赤毛の少女が布団に包まれ、今は静かな寝息を立てている。ヴァーニが続きを読み上げてゆく。
「サイド6で発生した巨大MSによるキシリア・ザビ暗殺未遂事件の重要参考人、及び100名以上の死傷者を出したテロ行為の実行犯として国際指名手配中……ホントかな、こんな人が?」
「ワルクナイ、マチュ、ワルクナイ!」
PCの──「カバスの館」では脱走を警戒して外部との通信端末の所持・使用には制限があるが、上級将校と話を合わせる必要などから高級娼婦には所持が許されている──モニターから視線をベッドに移し、ヴァーニが首を傾げつつアマテを見た。床に転がっていた白いハロが電子音声で抗議する。
「何処からか逃げてきたのは、間違いないでしょうね」
彼女の額に当てていた濡れタオルを取り、洗面器に浸しながらララァお姉さまが言った。昨晩の墜落で彼女が屋敷に運び込まれてから、お姉さまは付きっ切りで看病をしている。私はお姉さまに尋ねた。
「その……大丈夫なんですか、彼女?」
「重傷ではないわ。あの衝撃で落ちてきたのに、少しの打撲と擦り傷で済んでる。起きないのは疲労や睡眠不足もあると思う」
先ほどヴァーニが言っていたキシリア・ザビ暗殺未遂事件。娼婦の間でも噂になるほどの大事件が起きたのは数日前だ。確かにあれから不眠不休で逃げ続けていたなら、疲労は相当なものだろう。
「なら、引き渡すのには問題なさそうだな」
取り出した扇子で襟元を仰ぎつつカバスが言った。不穏な響きにヴァーニが尋ねる。
「引き渡すって……警察にですか?」
「警察じゃねえ、ジオンだ。テロリスト容疑者なんてウチに置いておいても厄介の種にしかならねえ」
「それは……」
それは確かにそうだ。カバスの言っている事は正論ではある。しかし──
「もう基地司令に連絡はしてある。そろそろ慌てて本国か親衛隊あたりから……おっと」
その時、カバスの携帯が鳴った。ポケットから取り出し、怪我人がいるというのに大声で話し始める。
「カバスだ……ああ、そうだ。例のアマテ・ユズリハ、ウチの庭に落ちてきて引き取ってる。ええと……
ぴたり、とカバスの扇子が止まり、声色が変わった。
「おいおい、勘弁してくれよ。なんでウチがテロリストを……言っとくがな中佐、民間人だからって素直に軍人サマの言うことを聞くって勘違いしてんじゃねえぞ。ここはアンタより……なッ!?」
急にカバスは声量を落とし、囁くような声で──と本人は思っているのだろうが、地声が大きいから丸聞こえだ──電話の向こうの「中佐」に問いかけた。
「いや、ちょ……ちょっと待て! 何でアンタがその名前を……そっちじゃねえ! 何で連邦の方のまで……」
カバスの額に汗が滲む。どうやら頭の中で高速で算盤を弾いているようだ。
数秒間の無言の後、カバスは大きく息を吐き、肩の力を抜いた。
「……オーケイ、どうやらアンタの方が俺の首根っこを掴んでるようだ。条件を飲もう。ただし! 言った通り出すモンは出して貰うぜ」
そう言うとカバスは携帯を切り、先ほどとは異なる、扱いの難しいペットを押し付けられたような怒りと困惑が入り混じった表情でベッドのアマテを見た。
最初のひと言をかけづらい中、お姉さまがカバスに尋ねる。
「どうなりましたか?」
「……こいつを暫く
「預かる?」
「それ以上は聞くな。とにかく! 引取りの連絡が来るまでは怪我を治しながら飯を食わせておけ」
詮索されたくないのか、カバスは強い口調で言うと扉に足を向けた。
「身請けで出ていった奴の部屋がまだ片付けられてないはずだ。鍵はあとで預けるから、目ぇ覚ましたらそっちに移してやれ。後は頼む」
少なくとも、彼女が怪我をしたまま屋敷を追い出される事態は回避できたようだ。
内心で少し安堵した私に、部屋から出かけていたカバスが顔を向けて言った。
「ああ、忘れてたカンチャナ。『用事』があるから昼飯あとに地下に来てくれ」
「……分かりました、旦那様」
──こんな状況でも「研修」は続けるということか。
努めて平静を装いつつ、私は丁寧に頭を下げた。
「それはそれ、これはこれだ。『お相手』の都合もある」
地下への階段を降りつつカバスは言った。後ろから続きつつ私は尋ねる。
「それで旦那様、本日の研修は何を……?」
「カンチャナ、お前、闘犬は知ってるか?」
何とも唐突な質問だ。とりあえず正直に答える。
「犬を戦わせる賭け試合……だったでしょうか」
「そうだ。当たり前だが、ああいう試合に出される犬ってのは生まれた時から好戦的ってワケじゃねえ。そいつより弱い『かませ犬』と戦わせて、ご褒美もやって、戦うことへの抵抗感を無くしてゆくんだ」
「………」
「そんで、それはお前にも同じことが言える」
犬と同列に扱われるのは不快ではあるが同時に納得してしまう部分もあった。鎖に繋がれ、自由もなく餌を与えられる今の私は確かに似たようなものかもしれない。
「『客を取る』って事への抵抗感。最初っからそういうのが薄い、適正ある奴も居るが……お前の場合、そいつが簡単に取れるモンじゃねえのは分かるつもりだ」
「……恐れ入ります」
「だから、今回の研修は
言葉を交わしている内に私たちは階段を下り切り、部屋の前まで到着していた。扉に手をかけつつカバスが言う。
「お前のために『かませ犬』を用意した」
小奇麗な室内。そこには一人の少年が不安げに立っていた。
現地の人間ではないのは肌の色で分かった。白い肌に綺麗に切り揃えられた金髪。鼻筋は整っているが、まだ顔には幼さが残る。歳の程は私より更にひとつ、ふたつは下だろう。着ている服は清潔感ある白いシャツと黒のスラックス。どちらも市販品とは異なる高級品であることは光沢だけで伺える。
予想外の相手に私は流石に驚き、カバスに尋ねた。
「だ、旦那様、彼は……!?」
「攫ってきた訳じゃねえぞ。お前が相手した中将さん、覚えてるか? あいつの孫だ」
「……!」
私に「お父様」呼びをさせていた壮年の顔が思い浮かぶ。顔だちは全く似ていないが、眼前のこの少年も年を取ればああなるのだろうか。
「どうにも内気で彼女も出来ないから、度胸を付ける意味でもここで初体験をさせてくれってお願いだ」
「それなら私の研修相手でなく、ちゃんとした
「歳の近いので頼むって条件付きでな。ま、この位の坊やが初体験で
「あ……」
その時、おずおずと少年が口を開いた。向き直ったカバスと私の視線に一瞬たじろぐが、そのまま言葉を続ける。
「あの……難しいなら、いいです。お爺ちゃんには、僕が頑張ったけど上手くいかなかったって言えば良いですし……」
「おぉ? いやいや! 坊ちゃん、これは失礼。彼女にまだ説明してなかったもんで。ほら、お前もご挨拶しな」
なるほど。祖父が初体験の場を設けてくれたにこの状況で、期待するより及び腰になるのは確かに
これ以上の不安を与える訳にはいかない。私は改めて少年に向き直り、スカートの端を摘まんで丁寧に頭を下げた。
「……本日、相手を務めさせていただくカンチャナです。不慣れではありますが、よろしくお願い致します」
「う……うん」
こちらが中断する気が無いと分かり、少年は頷いた。
「よし。俺は戻るから、終わったら報告に来い」
「旦那様?」
「知らない親父に見守られての筆おろしとか、坊ちゃんも落ち着かねえだろう。やり方はお前に任せる。優しく相手してやれ」
それだけ言い残すとカバスは背を向け、ひらひらと手を振り部屋から出て行った。
「………」
「………」
沈黙が部屋を支配する。
「……スゥ」
何とも唐突な状況だが、仕方ない。私は小さく息を吸い、顔を上げて少年に言った。
「それでは始めましょう、坊っちゃま」
「えっ?」
「お名前でお呼びするのは恐れ多いので……駄目でしょうか?」
──これは半分は本当で、半分は建前だ。
この「カバスの館」のルールに従うのであれば、私は彼の恋人のように振る舞わねばならない。しかし、私にはまだ
また、一張羅に身を包んだ少年と給仕服姿の私なら、その呼び方の方がしっくり来るだろうという考えもあった。
「……ううん。良いよ、そう呼んでくれて」
「ありがとうこざいます。それでは坊っちゃま、こちらへ」
果たして少年は少し考えた後に頷いた。一礼して、私は彼をベッドへ促す。
「あっ……う……うん」
改めて自分がこれからする行為を想像したのだろう。顔を赤くしつつ少年はベッドへ向かい、縁に腰掛けた。その横に座り、身を添わせる。
「うぁ……!」
それだけで少年の心臓は跳ね上がったようだ。上擦った声を漏らして身を離そうとするが、柔らかく膝に手を置き、それを止める。
さて、ここからどうしたものか。内心の困惑を表面に出さないように努めつつ、俯いたままの少年を見る。
相手をリードするのは当然初めてだ。しかし、ゴールが「少年を私の膣内で射精させること」というのは確定している。ならば、そこから逆算して辿ってみよう。まずは相手の緊張を解くところから。
「坊っちゃま……」
膝に置いた手をスライドさせ、小さな手を握る。汗の滲みが彼の緊張を伝えてくる。
「あ、あの……」
ふと、少年が顔を上げて口を開いた。
「はい、なんでしょう?」
「カンチャナは、その……いつも、
──何とも答えづらい事を聞いてくる。
とはいえ、この質問に軽蔑や非難が含まれていないことは彼の表情から理解できた。彼からすれば、自分とさほど離れていない私が「このような仕事」をしている事が信じられないのだろう。
「……いつでも、という訳ではありません」
完全な嘘は見抜かれる。「適度な本当」を織り交ぜつつ、私は彼の問いに答える。
「普段はこの屋敷の小間使いとして働いていて……たまに、必要とあれば」
「嫌じゃないの?」
まったく、本当に答えづらい事を聞いてくる。
とはいえ──
「そうですね……嫌な人も居ます。失礼な人も居ます。ですが……坊っちゃまとこれから行うのは、私は嫌ではありません」
「……!」
少年の顔が真っ赤になる。
自分でも不思議なことに今までの「務め」で感じていた嫌悪感、それが沸き上がってこない事に私は気付いていた。むしろ眼前のこの少年に小動物めいた愛着を覚えつつすらある。
左手は少年の右手を握ったまま、右手だけでブラウスのボタンを外す。幾つか外して十分な隙間を作り、彼の手をそこへと持ってゆく。ぴくりと一瞬だけ硬直したが、期待感がそれを上回ったのかそれ以上の抵抗は無い。
「触ってみて、ください」
「あぁ……!」
少年の指が私の乳房に直接触れる。
下着は着けずに来ていた。今回の研修内容を予想していた訳ではなく、前回のように乱暴なセックスを望む相手の場合、下着が痛んだり汚されたりしそうだったから警戒して着けなかったのだ。
お姉さま達の豊満さとは比べるまでもない、小ぶりで膨らみかけの私の胸。それでも彼には強い衝撃と興奮を与えたようだ。握っていた手をゆっくりと放し、彼に囁く。
「……実は私も緊張しているんですよ。伝わりますか? 心臓の音」
「う……うん」
「では坊っちゃま、そのまま揉んでみてください。私の胸を……」
「こ、こう?」
「ンッ……!」
びっくりしたように手が止まり、少年が心配そうに聞いてきた。
「ご、ごめん! 痛かった!?」
「……ふふっ」
その無垢さに思わず笑みがこぼれた。
彼は本当に何も知らないのだろう。この館で胸に触る程度で済まない事がどれだけ繰り広げられているか。自分の祖父が知らない所でどんな行為をしているのか。何故自分と年のそんな違わない少女がこの館に居るのか──居なければならなかったのか。今この瞬間も、彼が豪華な屋敷で過ごす間にどれだけの幼い命が大人に汚され、利用され、奪われているのか。
私は彼を安心させるように言った。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま。今のは気持ち良かったから出た声です」
「気持ち……良かったの?」
「ええ、坊っちゃまの手が……ですからもっと、触ってください」
「わ、分かったよ、カンチャナ。こう?」
「んあっ……そ、そうです。もっと、強くて、平気ですから……」
私の言葉に少年は素直に頷き、乳房への愛撫を再開する。彼の呼吸が次第に荒くなってきているのが分かる。それに合わせるように指の動きもより大胆になってゆく。興奮しているのだ。
しかし、それでいて彼は私への気遣いも残していた。指の力を少し強めるだけでも私の反応や表情を確かめ、初体験ながら快感と痛みの境界線を探ろうとしてくれている。あの
「ンッ……?」
強まる刺激に頤を上げて喘ぐ。それに合わせて私の視界が動き、ある事に気付く。
私の胸を揉む手を止めないまま、少年は自身の太腿を擦り合わせ、もどかしそうに腰を揺らしている。
「これは……失礼しました坊っちゃま、少し、手を……」
「えっ?」
「いえ、随分とお苦しそうにされていますので」
「あっ……!」
やんわりと少年の手を止め、私はベッドから立ち上がると彼の前に膝をついた。流石に自分の全てを見せるのには抵抗があるのか、弱々しく彼が言う。
「だ、駄目だよ、カンチャナ……!」
「駄目ではございません、坊っちゃま。足を少しお広げくださいませ」
「うぅ……」
恥ずかしそうに顔を背けつつも、強く寄せていた太腿の力を抜く姿が何とも可愛らしい。私は少年の腰に顔を寄せ、ベルトを解き、留め具を外した。
「はぁ……」
無意識に吐息が漏れる。スラックスを脱がし切り、少年の下半身はブリーフ一枚だけとなった。厚手の白い布地はふっくらと膨れ上がっており、その内側で暴れる肉棒の興奮を示してくる。
「カ、カンチャナっ……」
「私にお任せください」
ブリーフの縁に指をかけ、肉棒が引っかからないように注意しつつそれを引き下げる。
「……!?」
「やっぱり変……だよね、僕の。友達とも、全然形が違うし……」
言葉を失った私に少年が不安そうに言う。
確かに驚いた。驚いたが──それは逆の意味でだ。
陰毛は薄い。本当に生え始めたばかりのようで、数えられそうな程の毛が鼠径部周りにある程度だ。
私が驚いたのは少年の肉棒そのものだった。白い肌から柱のように屹立するそれは既に剥けており、赤い亀頭を私の眼前で脈動させている。大きさも巨大という程ではないが成人男性と比べられるサイズだ。
なるほど、こっちについては祖父譲りということか。
「……いいえ坊っちゃま、余りにご立派なので驚いただけです」
「そ、そうなの?」
「ええ、本当にご立派です……ちゅっ」
「ふあぁっ!?」
言葉をかけつつ亀頭に唇を寄せる。それだけで少年の腰は大きく跳ね、鈴口から先走りを滲ませた。
「ああっ! き、汚いよカンチャナ! そんな所、舐め、たらぁ……!」
「ちゅ、ん、はあっ……坊っちゃまに、汚いところなどありません……ちゅうぅ」
汗と先走りと石鹸の匂いが入り交じった亀頭への接吻を続けつつ、私は自身のスカートの中に手を差し込んだ。上と同様に下着は履いておらず、指は直接秘所に触れる。ここまでの行為で多少は濡れているが、この大きさのを受け入れるにはまだ十分ではない。こちらの準備もしておかなくては。
「あぁ……んっ」
「ああぁっ! カンチャナ、すごい、すごい、よっ……! カンチャナの口、あったかいっ……!」
「んッ、んぶっ、じゅるっ……!」
彼から見た今の私の姿は酷く淫らに映っているだろう。「子供」と呼んで良い歳の少年の肉棒を夢中で咥えつつ自身の秘所を弄る、給仕服姿の少女。
前回の「研修」を思い出しながら、歯を立てないよう注意しつつ私は肉棒への奉仕を続ける。同時に秘所に触れていた指を動かし、クリトリスを中心に陰唇全体を弄る。全身の体温が上がり、愛液が次第に指先を濡らしてゆく。
「んは、あっ、んむぅ……じゅるっ、ちゅ、ちゅうぅ」
「うっあぁっ! すっ、吸っちゃ駄目ぇっ!」
少女のような高い声で少年が喘ぐ。口をすぼめ、唇で竿を締め付けつつ口腔内全体で肉棒を刺激する。既に腰が小刻みに痙攣しており、このまま射精してしまいそうだ。
「んぱっ……んっ、ふぅ……」
「あ、あぅ……え?」
私が口を離すと少年は戸惑うような声と共に懇願の瞳をこちらに向けた。ハンカチをポケットから取り出し、口元を拭いつつ答える。
「ご安心ください。このままですと、坊っちゃまが射精してしまいそうでしたので」
「しゃ、せい……? 苦しいよ、カンチャナ。ドクドクって、もう、どうにかなっちゃいそうっ……!」
「分かっております」
ハンカチを床に落とし、私はあくまで穏やかにそう言いつつベッドに上がった。ゆっくりと彼を押し倒し、上に跨る。
秘所を弄っていた指を肉棒に添え、空いた手でスカートを持ち上げながら言う。
「初めての射精は、私の
「……ッ!」
ごくり、と少年の喉が鳴った。今、彼の眼前には私の肌とほぼ同じ色をした薄褐色の濡れた秘所が見えているはずだ。
「こ、ここって?」
「殿方が精を注ぐ場所でございます。口よりも、こちらの方が坊っちゃまも気持ちよくなれるかと」
「口より……!?」
期待感からか言葉だけで肉棒がビクンと跳ね、勃起を強める。臍に貼り付きそうなそれの角度を調節しつつ、私は彼を見下ろしつつ言った。
「坊っちゃまはそのまま寝ていてください。動くのは、私に任せて、ん、あぁっ……!」
「うああぁっ!」
そのまま腰を落とす。ズブズブと肉の槍が私の中に挿入されてゆく感覚と溢れてくる刺激。初めて味わう膣内の温もりと感触に少年は悲鳴めいた嬌声をあげ、背を反らした。
「ま、まだです、坊っちゃま……我慢して、くださいっ……我慢すれば、もっと気持ちよく、なりますから……!」
「うっ、うん! く、うぅっ!」
未知の快感に懸命に堪える姿が何とも愛らしい。私はスカートを持っていた手を放し、彼の薄い胸板に置いた。やがて肉棒が私の最奥に達する。何とか呑み込み切る事が出来たようだ。
既に汗に塗れていた彼のシャツを脱がせ、きめ細やかなその肌を撫でる。
「あぁ……お、終わったの、カンチャナ?」
「いいえ、これからです。動き、ますね……あっ、あぁっ……!」
「ああんっ! カ、カンチャナぁっ!」
自分から動くというのは初めてだが、今までの経験を思い出して腰を使い始める。助けを求めるように宙に伸びた彼の手を、肉棒に触れていた方の濡れた手で握り返す。
「んっあっああっ! い、いかがです、かっ、坊っ、ちゃまっ!」
「わ、わかんないっ! わかんない、けどっ! カンチャナのっ、ここっ、ヌルヌルして、あったかくって、気持ち、いい!」
「こっ、光栄、ですっ! 坊っちゃまっ、カンチャナの、ここで、もっと気持ちよく、なって、くだっ、さいっ!」
腰を打ち付ける度に声が途切れる。
しかし、早くも彼の絶頂は近いようだった。肉棒の脈動が断続的になってきており、限界が近いことを私の中から伝えてくる。
「あ、ああっ! カンチャナっ! なに、なにか、来るっ! 出ちゃう、出ちゃうぅっ!」
「構いません、あぁんっ! ぼ、坊っちゃまっ! そのまま、カンチャナの、奥に、全部、注いでっ!」
「あ、あ、あああぁぁっ!」
悲鳴めいた絶頂の叫び。同時に私の膣内に少年の初めての精液が勢いよく注がれてゆく。
「……っ!」
「ああぁっ! なに、これっ! とま、止まらないっ、よぉっ!」
「これが、射精でございます、坊っちゃまっ……どうか、そのまま、一滴残らずっ……あぁ……!」
戸惑う彼を安心させるよう、腰をぴったりと密着させながら私は言った。二度目、三度目と肉棒は精液を吐き出し、やがて収まる。
「あ、あぁ……」
「……お疲れ様でした、坊っちゃま」
勃起が治まり切っていない肉棒を受け入れたまま彼に言葉をかける。一緒に絶頂することは出来なかったが、これで今回の研修は成功と言え──
「え?」
視界の端に移った赤い物体。それに違和感を覚えて私はそちらを見た。
「……?」
「あ……どーも」
「なっ……!?」
その赤い物体が、何時から居たのかベッドの横で屈んでこちらを眺めていたパジャマ姿のアマテ・ユズリハの頭髪である事を理解したのは数秒後だ。
私は驚いたが、その一方で眺めていた方の彼女も何故か驚いているようだった。自分の見たものが信じられないように目を擦っている。
「ア、アマテさん、どうして此処に!?」
「何でって……まあ、何でだろ。それより今、キラキラが見えなかった!?」
「キラキラ?」
「うっ、あ、はぁっ……!」
少年はまだ絶頂の余韻から戻ってない。
どうしたら良いか分からないこの状況で彼女、アマテが言った次の言葉は更に私を混乱させた。
「……ねえ、私も混ぜてもらっていいかな?」