【カヨコ編(暫定)】「助けてノノえもん!」から 作:春画屋@二次創作R18
F-45:約10000字
F-RK:約8000字
F-47.5:約5000字
F-RK:約2500字 ←
F-53.5:約5000字
F-55(終):約13000字
「にゃんにゃんにゃん♪ にゃんにゃんにゃん♪ ふふっ」
「にゃんにゃんにゃん、にゃんにゃんにゃん♪」
「いい子だね。はい、にゃんにゃんにゃん♪ にゃんにゃん……え?」
ここはシャーレの裏の、誰も入ってこないし、見なさそうな場所。まだ育ちきっていないと思われる、しかしまだちっちゃい猫とにゃんにゃん言葉で
「にゃんにゃん、にゃーん♪」
「……先生、見てた? 見ててからかってた? さっきからそこで、にゃんにゃん言ってたの、先生?」
「うん、そう。いやあ、カヨコが珍しいことしてるから、つい……ちょ、待って、苦し……首……死ぬ……」
よっぽど恥ずかしかったのか、うっすら涙を浮かべつつ、殺意に
「…………」
と、片方だけではあるが、カヨコが俺の首から手を離した。助かったか? いやー……ちょっとふざけて、にゃんにゃん言っただけで死にかけるとは思わなかっ……
カヨコが銃口を俺の頬に当てる。ひんやりした金属の感触。待って待って、ご丁寧にサイレンサー付きの銃を突きつけるのやめて。何するつもりなの。
「先生、首を絞められて死ぬのと、撃たれて死ぬの、どっちがいい?」
「ごめんなさい、すいません、お願いします、助けて、反省します。ちょっ、首! 首! 痛い!」
まあ、何だかんだで許してもらえたわけだが、
「にゃんにゃんにゃーん。にゃんにゃんにゃーん」
「はあっ……こんなとこ見られるなんて、恥ずかしくて死ぬかと思った……」
「はい、にゃんにゃんにゃーん、っと。そう? 俺は、首絞められて死ぬかと思った」
キヴォトスで何回かガチで命の危険を感じた事はあるけど、その中でもトップクラスのものだった。カヨコのことは二度とからかうまい。今までにも何度も同じことを思った気がするが、今度こそもうやめよう。アホな死に方はしたくない。
「もう……バカ。普通に声かけてくれれば良かったのに」
聞こえるか聞こえないかの小さな声でそうつぶやく、カヨコの少し目を伏せた表情は、
「はい、にゃんにゃんにゃん♪ ふふっ、でも見られたのが先生で良かった。先生なら、私が猫好きなのも、こういうところがあるのも知ってるし。二人だけの秘密にしておいてね」
嬉しそうに微笑むカヨコのこの姿だけ見れば、ちょっと怖い顔をした女の子の意外な可愛い一面、みたいなシーンに見えるだろうから、今さっきここで殺人事件が起きかけたとは誰も思うまい。誰も俺に同情してくれなさそうだが。
「にゃんにゃんにゃん、ほらほら♪ ふふっ、先生も猫好きなんだよね。実家で飼ってたんだっけ?」
「二匹ほどねー。片方は全然俺に懐かなかったけど。うちの父親には、寝てるところに潜り込んで腕まくらなんかされてたくせにさー」
「ふふっ、先生、猫のことでやきもち
「みたいも何も、その頃は実際、子供だったんだからさあ。こいつは可愛いな。にゃんにゃんにゃん、っと。ほれ、こっちこっち〜」
どうでもいい話だが、さっき解放されてからずっと、二人で猫の前にしゃがみ込んで、仲良くにゃんにゃんじゃれつかせている。楽しい。あと、猫も可愛い。にゃんにゃん。
「本当、先生以外の誰かに見られたんじゃなくて良かった。便利屋の誰か……ムツキにはもう、何もかも知られてるようなところがあるから
「……ごめんなさい」
ん? と、声の主の方へ振り向く。そしてカヨコも。その顔が、見る見る真っ赤になっていく。俺の時の比ではない。
「み、見るつもりはなかったのよ? 聞いたら、先生がこっちの方に行ったっていうから……それに、そう! カヨコにだって意外な一面はあるわよね! アウトローと言えど、可愛いものは可愛いんだし! ……まあ、まさか、にゃんにゃ——本当にごめんなさい!」
「…………」
よりによって、そこにいたのはアルだった。カヨコは無言でぷるぷる震えている。これ、いっそ大笑いとかされるのと、ここまで必死に謝られるのと、カヨコ的にはどっちがマシなんだ。
「こ、これは……その……」
「これはな? 俺がさっきから猫とにゃんにゃん遊んでたら、カヨコが、それ面白そうだね、なんて言って一緒にやってただけでな?」
「そ、そういうこと。先生だって一人でやってるより楽しいだろうなって。やってみたら、結構楽しいし……」
フォローのつもりで適当なことを言ったのだが、上手いこと乗っかってくれた。これで、さっきからかった分をチャラにしてもらえないだろうか。
そして。
「にゃんにゃんにゃん♪ 確かに楽しいじゃない、これ♪ 一流のアウトローと言えど、癒しは必要。そうね……便利屋にも一匹、マスコットがいてもいいんじゃないかしら?」
「にゃんにゃんにゃ〜ん♪ 社長? 生き物を飼うって
「カヨコ、いきなりドスのきいた声を出すのやめなさい。猫が
と、そんな感じで、アルとカヨコと三人で猫とにゃんにゃんし続けたのだった。
カヨコが、本当は二人だけの秘密のままが良かった、なんて思っていたかどうかは、本人のみぞ知るところ。
カヨコ公式ASMRでカヨコのにゃんにゃん言葉がリアルで聴けます。すごい。