※この作品はR-18です。

性癖閲覧会   作:全部性癖が悪いよ

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天使の楽器【アークナイツ/ヴィルトゥオーサ】

─────◆─────

 

 

 

 熱が漏れる。

 薄暗い室内、わずかに酒精が漂うなかで、呼吸と熱が静かに絡み合う。

 女の頭上に浮かぶ黒く輝くヘイローが灯りを落とし、その艶やかな黒髪と白磁のような肌を淡く照らし出していた。

 シーツにその上半身を突っ伏しながら、僅かに嬌声を漏らしているのを聴きながら男はその腰を彼女のやや薄い尻へと打ち付ける。

 それだけで、髪の先が肩甲骨を撫でるように揺れ、背に浮かぶサンクタの翼から溢れ落ちる光の粒がその動きに従って肌の上で瞬いていた。

 

「っ、あっ、はあ……うぁ、ふあ」

 

 枕に口元を押しつけつつも、走る快楽に女は隠しきれない嬌声を漏らす。それを耳にしながら、男はその尻へと手を這わしその感触を確かめる様に撫でていき、そのまま彼女の柳腰へと伸びていく。

 彼女の声が落ち着き始めた、その様子を男は感じ取って────その柳腰を掴んでゆったりと引き抜いた腰を転じて勢いよく打ち付けた。

 

「ぁあ゛────っ♡」

 

 途端、最奥にまで突かれた衝撃に彼女は背を逸らせ喉を震わせる。同時に彼女の内壁は震え屹立した彼自身を離すまいとするかのように締め付けていくのだ。

 だが、そんな彼女を無視する様に男は快感を振り払い、もう一度腰を引き抜いていく。

 それだけで内壁を削られていくて感覚に、彼女は声にならない嬌声をこぼしていく。

 

「っ……あ、う」

 

 そしてまた最奥まで突かれる。その繰り返しに彼女は枕へと顔をうずめながら必死に声を噛み殺すがそれでも漏れ出してしまう嬌声は室内を静かに満たしていく。

 部屋に漂う酒精が示す様に、互いに酒を嗜んだとはいえこうも普段の様子からかけ離れた快楽に翻弄される彼女の姿に、男はほの暗い笑みを浮かべながら、腰を動かしていく。

 

「ぉあ゛っ、あ゛っ」

 

 小さく響き渡るのは彼女の嬌声。それはもはや耐えきれないのか蕩けた甘い声をこぼしていた。

 それを聴きながら男の腰が止まる事はなく、腰の動きはより力強く勢いを持ち始めてていく。

 彼女がこうしてうつ伏せで上半身をベッドに突っ伏し男が膝立ちの姿勢であるから窺えないがその薄い腹は内側から僅かに押し上げられては、引っ込んではまた押し上げられていくのを繰り返していく。

 任務に駆け回る様なサンクタならばともかく特異ながらも一音楽家の彼女にする様な仕打ちではないだろう。だが

 

「ぃ゛っあ゛、あ、っぅう゛ッ!ふぎぃ゛っ……!!ぁあっ!」

 

 彼女の口からは快楽に蕩けた雌の叫びしか響かない。

 彼女、アルトリア・ジアロを知る人間からはとうてい考えも及ばないほどの痴態を曝け出しているというのに、彼女にはいま一切の羞恥はなく、あるのは彼女のアーツの様に快楽、欲望、そういったモノを享受する雌としての本性ばかりであった。

 

「ぃ、ぎあ゛っ♡はひゅ……はっひっ♡」

 

 もう交わり始めてどれぐらいの時間が経ったのだろうか?男の思考の片隅で僅かにそれを考えるが、少なくとも締め切ったカーテンの隙間からはまだ月明かりが差し込んでいる。

 なら、そう大して経っていないのを理解して────何度目になるかも分からない腰の打ち付けをする。

 

「ん゛ぎゅっ゛!?ぉあ゛ぁあ゛っ!!ぃいい゛の゛ぉぉお゛!」

 

 既に何度か出しているにも関わらず、一度として男は萎える気配も見せず延々と彼女の膣内を擦り続けるのだから堪ったモノではない。

 肌を重ねる中で敏感になった乳首はシーツに擦らせるだけで腰が抜けそうになるというのにその状態でまた尻肉を掴まれて最奥まで穿たれればもうそれだけで意識が飛びそうになってしまう。だが、それも何とかギリギリの所で耐え続けるアルトリア。

 例え、何度も膣孔を掘削されてこの雄という存在を徹底的に躾られていたとしても、一突き一つで快楽に翻弄されていようとも彼女はその意識を手放すことなく保っていた。

 

「────アルトリア」

 

「ォ゛オ゛っ!?」

 

 だがそれも、荒波の中の小さな筏にもならないが。

 柳腰を掴んでいた体勢から彼女の尻を抱え込むように引きつければ、瞬間アルトリアの膣孔を勢いよくモノが文字通りのめり込んで……アルトリアの脳に今まで以上の快楽が走った。

 

「は、あ……ッ♡お゛っ!ぉおお゛♡」

 

 瞬間、白が弾けた。

 彼女の尻を抱え込みながらその奥へ奥へと押し付けながら、もう何度目になるかも分からない白がアルトリアの中へと注ぎ込まれていく。

 

「─────っっ!?ぁ!?あ゛ぁぁあ゛あぉ゛ぉお゛ああ゛っ!?んひぃっ゛……!!」

 

 枕からアルトリアが身体を跳ねようとしたが、男によって抱え込まれているおかげが彼女の身体は僅かにビクン、と動いただけ。

 快楽を逃すことなど出来ずに、彼女は自身の胎へと注ぎ込まれていく感覚をしっかりと享受しながら嬌声を叫んで────次の瞬間にはその保ち続けていた意識の旋律をその手から放していた。

 

 

 

─────◇─────

 

 

 

 リターニア。

 天災トランスポーターとして各地を巡るベルグにとって、この国は最も足を運ぶ機会の多い場所のひとつだった。

 国としての位置が中央にあり、ヴィクトリア同様に地理的な要因もあるが、それ以上に──彼がヴィクトリアを心情的に避け続けているという理由も大きかった。

 だからだろうか。

 リターニアを訪れるたび、ベルグはこの国にどこか安心感を覚える。路地を歩いていれば、どこからともなく流れる旋律が耳を擽り、都市の喧騒と音楽が緻密に絡み合い、人々の営みとして響いてくる。

 それは彼にとって、ただの雑踏ではなかった。生きている気配が、音として街に息づいている。そう思わせてくれる土地だった。

 とりわけ、今いるツヴィリングトゥルム──リターニアの首都は、その感覚を最も強く実感させてくれる。文化の中心にして、政治の心臓。多くの人と物が行き交い、音楽すら生活の一部となって鳴り響くこの街の音は、ベルグの耳にも心にも心地よく染み込んでくる。

 生来、騒がしさを好む性分ではない。

 だが、沈黙が支配し、声もなく時間だけが過ぎていくような、あの重苦しい故郷の空気よりも──人々の営みが、自然な音として満ちているこの国の喧騒は、彼にとってはずっと心地よかった。

 

 ……しかしそれでも、どれだけ空気が肌に馴染んでも、腹の虫の機嫌までは誤魔化せなかった。

 不意にきしむような感覚を腹の底に覚え、ベルグは歩みを緩める。

 思えば早朝に適当な乾パンを口にしてからこの昼過ぎまでまともなモノを口にしていなかった──そう気づいた時には、もう足が目的地へ向かっていた。

 ツヴィリングトゥルムを訪れるたびに立ち寄る、馴染みの喫茶店だ。サンクタ好みの甘さが際立つスイーツが豊富で、軽食も腹を満たすには十分な質がある。

 サンクタほどではないが甘味も好きなベルグにとってはこの街の“拠り所”のような店だった。

 

 角をひとつ曲がると、木目の看板が見えてくる。

 一年ぶりの訪問にも関わらず、その姿が変わらずそこにあることに、ベルグは無意識のうちに小さく息を吐き、胸を撫で下ろした。トランスポーターとして各国を渡り歩いていると、久々に寄ったお気に入りの店が無くなっていた、なんてのはざらにある。

 扉を押すと、控えめな鈴の音と、微かに甘い香りが迎えてくる。

 

 店内には変わらず低く穏やかな音楽が流れ、昼下がりの空気に溶け込むような香ばしいコーヒーと焦がし砂糖の香りが鼻腔をくすぐった。

 既に顔馴染みとなったマスターがカウンター奥から一瞥を寄越す。ベルグは軽く手を上げ、それに応じるようにうなずきを返すと、いつもの席に向かおうとした。

 

「あ…………」

 

 ───その時だった。

 視界の端に、見覚えのある黒髪が過った。

 自然と足が止まり、何気なくそちらへと視線を流す。

 窓際の席。

 柔らかな午後の陽が差し込むその一角に、長く艶やかな髪を持つサンクタの女がひとり、静かに腰掛けていた。

 小ぶりのティーカップを指先で転がすように支え、窓の外へと目をやっているその姿は、少しも変わっていなかった。

 どこか夢の中にいるような、現実から半歩だけ距離を取ったような表情。

 ツヴィリングトゥルムに来た以上、会う可能性は当然ある事は理解していたが、それでもこんなすぐに──そう思いかけて、彼は苦笑を漏らす。

 そもそもこの喫茶店を紹介したのが彼女自身であることを、今さらのように思い出した。

 肩をひとつ、軽く竦める。

 とはいえ、どれほど気の置けぬ友人であっても──ましてや、こうしてひとりの時間を楽しんでいるように見える相手に、不意に声をかけるのは野暮というものだ。

 ベルグは迷いなく視線を逸らし、そのまま向きを変えると、何事もなかったようにいつもの席を目指した。

 

 ───だが、

 

「気づかないふりをするには、ちょっと足が止まりすぎじゃない?」

 

 背後から、どこか愉しげに突き刺すような声音が届いた。

 声をかけられなかったことを咎めるようでいて、どこか待ちわびていたような、柔らかな棘を帯びた一言。

 どうやら、ベルグのささやかな気配りは──まるで意味を成さなかったらしい。

 

「……気遣いどうも。なら、見逃してくれてもいいんじゃないか?」

 

 そうぼやきながら、ベルグはため息をひとつ。

 再び身体を翻し、そのまま窓際のテーブルへと歩み寄ると、彼女の向かいの席に腰を下ろした。

 アルトリア・ジアロ。

 名前を口にするまでもなく、長い付き合いのある相手だ。相変わらず余裕気のある横顔でティーカップを揺らすその姿を一瞥してから、ちょうどやってきたマスターに注文を告げる。

 

「軽食と、コーヒーを」

 

 運ばれてきたケーキ皿にちらりと目をやると、ベルグはわずかに目を細めて呟いた。

 

「相変わらずの様で」

 

「仕事? それとも趣味?」

 

 そんな皮肉混じりのベルグの言葉を余所に、ティースプーンの音に紛れてアルトリアが問いかける。

 

「……趣味だよ」

 

 普段より、天災トランスポーターとして各国を渡り歩いているベルグにとって仕事も趣味の旅行もたいして変わり映えはない。強いて言えば、その後の余裕があるかどうかぐらいで……

 その答えに、アルトリアの目元がふわりと緩んだ。

 笑みというには控えめで、それでもどこか確信を得たような表情だった。

 

「じゃあ、あなたの趣味に、少しだけ付き合ってあげるわ」

 

 仕事と趣味の違いを理解している彼女の、その軽やかな言葉が喫茶店の午後をひときわ静かに染めた。

 

 

 

 

 リターニアの夜は、静かだった。

 ベルグがよく訪れるもうひとつの都市、龍門では、たとえ時計の針が天頂を指しても、静寂が訪れることは滅多にない。それどころか、夜が更けるほどに喧騒が増していく──そんな都市だ。

 それに比べてリターニアは、正反対の表情を見せる。

 部屋の外からは、石畳を渡る靴音も、風に揺れる看板の軋みも聞こえない。ただ、暖炉の余熱がまだ部屋の奥に残り、窓の外では月明かりが静かに床を照らしていた。

 

 客間のベッド──簡素な木製の枠に、柔らかな白布が敷かれたその端に、ベルグとアルトリアは並んで腰掛けていた。

 互いに寄りすぎず、離れすぎず。

 そこにあるのは、手にしたグラスと、沈黙を恐れない心の距離だった。

 ツヴィリングトゥルム滞在中のホテルを確保する暇もなく、喫茶店でアルトリアに捕まってからというもの、ベルグはそのまま彼女の家へと連れ込まれ、客間をあてがわれた形になっていた。

 ベッド脇の小さなテーブルに置かれたワインの瓶は、すでに半分ほどが空になっている。

 ベルグがグラスを傾ければ、鈍く揺れた液面が静かに煌めいた。

 熟れた果実の香りが鼻腔をくすぐり、今日一日の疲れがじわじわとほどけていく。

 

 「今日はよく歩いたでしょう?」

 

 アルトリアがそう問いかけてきたのは、ちょうどベルグがグラスに口をつけた瞬間だった。

 彼は笑みを含みながら肩を竦め、グラスをそっとテーブルに置く。

 

 「……ああ、本当に」

 

 ぼやくように、けれどどこか楽しげな響きで返す。

 思い返せば、朝からの一日はまさに“振り回された”という表現がしっくり来る。

 喫茶店を出てから、目的地も定まらないまま街を連れまわされた。

 楽器工房の古びた音叉。露天に並んだ画布の肖像画。風に合わせて響く通りの弦楽器の音色。そして、石畳の階段を延々と登った先の、ひと気のない裏庭のベンチ。

 その一つひとつを、アルトリアは“何かを聴くように”辿っていた。

 無軌道に見えても、彼女にとってはどれもひとつの旋律のようで、ベルグも途中で悟った──やっぱり、変わっていないなと。

 結局、彼はただ黙って彼女のペースに合わせた。歩き疲れなど仕事に比べれば大したものでもないが、それでも疲労は確かにある。だが、それも旅のうちだ。

 

 「でもまあ……嫌いじゃないよ。ああいう歩き方も」

 

 そう言いながら、ベルグは窓の外に視線を投げた。

 空は黒く澄み、月の輪郭が淡く滲んでいた。

 

 「ふふ、なら次も安心ね。案内は任せて」

 

 アルトリアの声は、どこか嬉しげに弾んでいた。

 

 

 

 

 

 

────などと言っていたが。

 

「ふふふ……ふふふ……」

 

 グラスを傾けるたびに漏れる笑い声が、やけに楽しげだった。

 まるで何か面白いことがあったように笑っているが、俺は特に冗談を飛ばした記憶もない。

 ちらと横を見れば、彼女──アルトリア・ジアロは、頬をほんのり赤く染め、グラスの底をゆらゆらと揺らしていた。目は細め、潤んでいるようにも見える。口元は緩く、いつもの雰囲気はどこにもない。

 視線をベッド脇のテーブルへとやれば、そこには既に半分も入っていないボトル……そして、空のボトルがあった。1本目はともかく、2本目に入ってから俺はそこまで飲んでいない。事実上、1人で1本分飲んでいるようなものだ。

 飲むペースが明らかにヤバい。

 サンクタが酒豪なんて話は聞いたことがない。レミュエルの奴は……いや、あいつもあいつで割とパカパカ飲むな。チェリーニアや、皇帝の影響ってやつか?……ああ、いや、サンクタって甘いものが好きだし、その延長線なのかもしれない。

 

「……おい」

 

 声をかけると、すぐに返ってきた。

 

「なぁに、ベルぅ?」

 

 語尾が妙に伸びる。

 普段の彼女からは想像できないほど柔らかな声に、肩を竦めたくなった。

 

「お前……ちょっとペース早すぎだろ」

 

「えー? そうかしら? ぜんぜん……飲めるわよ? ……ふふ、まだ……グラスどこ……?」

 

 そう言って、すでに空になったグラスを覗き込む仕草。

 口ではしっかりしているつもりかもしれないが、足元からして危うい。

 そっと彼女のグラスを取り上げ、俺はテーブルの端に置いた。

 さすがにこれ以上は止めておかないと、明日の朝が地獄になる。

 

「ふふっ……ねえベル、ベルって……なんか甘そうよね……こう、タルトみたいな……」

 

「名前をお菓子にすんな」

 

「だってぇ、なんとなく……そう聞こえるもの」

 

 そのまま俺の肩に寄りかかってきた。すっかり安心しきったような顔で、片目を細めてふにゃりと笑っている。

 まるで子供だ。

 だが、妙な安心感があるのも事実だった。

 

「……今日はここで寝ても、いい?」

 

「お前の家だろうが」

 

「あ……そっか。ふふふ……なら、よしっ」

 

 何が“よし”なのかは分からないが、本人が満足しているならそれでいいのだろう。

 完全にふわふわしていて、話の脈絡もだんだん怪しくなってきた。

 彼女の重みを肩に感じながら、俺はため息をついて、窓の外に目を向ける。

 緩く閉められたカーテンの隙間から差し込んでくる月明かりに俺は眼を細めて───

 

「は?」

 

 視界がぐるりと移り変わったのに思わず呆けた声が漏れた。

 窓へ向けていた視線は壁へとズレて、背にはベッドの柔らかな感触が広がって、身体の上には人の重さが────そこまで、考えて俺は状況を理解した。

 

「ふふふ……」

 

「アル、トリア、おま」

 

 アルトリアによって押し倒されたらしい。

 元々すぐ寝るつもりだった為、薄暗かった部屋に差し込む月明かりを弾くような滑らかな質感のナイトドレスは、夜そのものを織り込んだ様な布地で改めて彼女に良く似合うモノだった…………いや、現実逃避はやめるか。

 ベッドに倒れ込んだ俺の上で不敵にほろ酔いのまま笑みを浮かんでいるアルトリア。視線を傍らのテーブルにやれば、一応ちゃんとグラスはそこに置いてるらしい。

 

「ふふ……ベルは、可愛いわね……」

 

「おい」

 

 俺の言葉などお構いなしに、そのまま彼女はゆっくりと身体を倒すと……唇を重ねてきた。柔らかな感触が唇に広がるのを受け入れながら、俺は胸中でため息をつく。

 アルトリアを乗せたまま、身動ぎをして尻尾の位置をズラす。

 この後の事を考えると、尻尾痛めそうだし。

 

「ん、は……っ」

 

 少し息苦しげな彼女の声。その吐息に混ざるように小さく水音が響く。

 そんな音を聞きながらも、俺はただじっとしていれば、いったん満足したのか俺から唇を離して改めて俺を見下ろしてくる。

 

「ふ……ふふ……」

 

 とろんとした表情を浮かべたまま、どこか薄っすらとした笑みを浮かべるアルトリアに俺は諸手を挙げて降参する。

 そうすれば、我が意を得たりと言わんばかりに腰を上げて俺のズボンへと手をかけ始めた。そうして、スルスルとズボンを下着ごと下ろしにかかる。

 

「いや早い」

 

 そんな間の抜けた声が漏れたのは無理ないことだと思う。

 彼女の手で呆気なく滑り落ちていく寝間着代わりのズボンを横目にしつつ、俺は既に臨戦態勢を取り始めた自分のモノを見て苦笑する。

 酒が回っているのもあるが、比較的薄い身体付きのアルトリアも立派な女性であり、彼女の味を覚えているモノが期待と身体にかかる彼女の柔らかさと重みにやる気満々らしい。

 

「ふふ……相変わらず、大きいのね。きっと、壊れてしまうかしら」

 

 そんな俺のモノを前に、蕩けたような吐息を吐くアルトリア。

 受け入れたらどうなってしまうのか、なんて事をのたまっているが、別に初めてどころか、2回目、3回目なんて話でもないだろう。

 が、そんな俺の胸中は余所に、俺の身体はそう言われる事に興奮しているようで。

 

「あはぁ、まだ大きくなるのね」

 

「……言うなよ」

 

 心底嬉しげに、熱っぽい感嘆の吐息を吐きながら彼女は指先で俺のモノに軽く触れる。軽いタッチだが、それだけでも反応してしまうほど敏感になっているのか、それとも彼女がそうさせたのか……まあどっちでもいいが。

 

「ふふ……」

 

 そんな俺の様子に気を良くしたのか小さく笑いをこぼして、指を這わしていく。普段はチェロを奏でる彼女のグローブで包まれている白魚の様な細く華奢な指先で、張り詰めたモノをそっと包み込む。

 そうして、ゆっくりと優しく摩られるだけで軽く吐息がこぼれていくような快感が広がる。彼女の指先はどこか体温が低いのか冷たく、それが心地いい。そのまま焦らすように刺激を加えられるのが好みなのかと問われればそうでもなく、純粋にドラコの種族的な話で、体温が高いからこうして冷たいのが感覚的に好きだ。

 

「気持ちいい?」

 

 そんな俺の僅かな表情の変化を彼女は見逃さなかったようで、そんな事を言ってくる。何故か勝ち誇ったように小さく笑みを浮かべているのも気のせいではない。

 そもそも聞く以前にこっちの反応を理解している癖に。まあ、だから、黙っていても伝わってしまうわけで。

 

「……ああ」

 

 せめてもの抵抗で俺は少しぶっきらぼうな口調で答えるしかなかったのだが、それがまた面白かったのかアルトリアはより淫靡な笑みを浮かべる。

 そうして指の動きがより速く緻密に変わっていく。根元から先端へとまるで絞りあげるような動きで、こちらを見上げている彼女の視線も段々と熱を帯びていく。

 

「はぁ……ぁ……」

 

 俺のモノを弄っていく内に興奮が強くなってきてるのか、それとも酒がより回ってきてるのか、荒くなっていく吐息には興奮と官能の色が強く混ざっていき、その潤んだ瞳が俺だけを映し出しているのが目に毒だ。

 そんな、あられもない姿だというのに余裕な様子で見下ろしてくる様がどこか癪に障るのだが、この酔っ払い相手に怒ってもしょうがないと判断して俺はただ黙って彼女を見つめるだけに留めた。

 そうして、満足したのかそれとも俺の反応が気に食わなかったのか彼女は俺のモノを弄ぶ指を離して────

 

 

 

 

 

 

 くずり、とそんな音がやけにベルグの耳へと響いた。

 ショーツをズラし濡れそぼったそこへと、アルトリアはベルグの大きく張りつめた逸物を迎え入れた。

 

「ふぁ……っ」

 

 身体に響く異物感に快楽が混じった声を漏らす。ずっと触れられていたおかげでベルグのモノは彼女の体温よりも熱く、その熱が自分の膣内で広がっていくような感覚を彼女は覚える。

 いつも、この熱がベルグを感じさせてくれる。アルトリアにとって特に好きなこの瞬間へと浸りつつゆっくりと腰を落としていく。幼子の腕ほどはあるだろう大きさのドラコらしいモノを何とかアルトリアは自身の華奢な身体へと収めていく。とうに生娘などではないが、それでも下手すれば簡単に気をやりそうになるほど自分の中をゴリゴリと削っていく逸物に、アルトリアは嬌声を漏らす。

 

「っあ、ん……ッ」

 

 ゆっくりと中を満たしていく感覚に悦ぶような吐息をこぼしつつもその奥へ奥へと入れ込んでいく。そうして、アルトリアの薄い腹が押し上げられているのを見ながら笑みを浮かべつつ、ベルグは自分のモノを締め付ける感触に思わず歯を食いしばる。

 彼女の薄い身体から分かるように腟内は狭くキツく何度躾ようとも彼女らしく気ままに自分らしさを忘れずベルグを弄ぼうとしてくる。

 だが、拒む様なキツさではなく愛する雄を逃がさまいとしてくる締め付けに、ベルグの背筋がゾクゾクとするがそんな彼を余所にアルトリアはついに腰を完全に降ろし終えた。

 

「あは……っ」

 

 その感触に、彼女は蕩けるような甘い吐息をこぼして笑う。自分の膣内がベルグで埋め尽くされている感覚と、2人分の体温が混じり合う感覚に酔いしれていくように。しかし、感じいるのも程々にアルトリアは両手をベルグの腹に突いてゆっくりと腰を動かし始めていく。

 僅かに身動ぎするだけで、気持ちのいい所にいくらでも当たり引っ掛けこすぐ、その快感にアルトリアは悦んでいく。

 

「んッ……ふ……あっ、やっ……んぁ」

 

 ぐちぐち、と結合部から音を響かせながら歓喜の声にも似た嬌声を響かせる様はまるで彼女が楽器にでもなった様で。

 だから、だろう。

 ベルグが自分の腰を跳ねさせたのは。

 

「ふ、っぁ、……ぃい……ぁあ───お゛ぉっ!?」

 

 どずん、そんな音がアルトリアの中に響いた気がした。

 完全にベルグのモノで自慰紛いの事をしていたアルトリアにはあまりにも不意の出来事で、彼女の狭い膣肉をベルグの太ましいモノが勢いよくこじ開け奥を殴りつけた。その衝撃に、アルトリアの喉からは彼女らしからぬ間抜けな喘ぎ声があがり腰が跳ねたと思えば脱力した。口の端から涎もこぼれているのにも気づかずに彼女は何が起きたのかも理解出来ず、しばし惚けていている彼女にベルグはもう一度腰を跳ねた。

 

「お゛ぁっ!?……あッ……なんっ」

 

 二度目のそれにもう一度意識を飛ばしかけて、アルトリアは現状を理解してベルグを睨む。

 今は私のターンでしょ?そう文句がありありと伝わってくるその視線にベルグは肩を竦めて、アルトリアは再び自分で腰を動かしていく、先程までのゆったりとしたものではなくより強くより自由に。

 

「ふぅ、ふぅ……ん、ぁ、んんっ、おくにぃ、あたっ、てぇ……はぁ……!」

 

「アルトリアッ……!」

 

 変化した動きに思わずベルグが呻きを上げる。そもそも自分から一度動いた以上、彼の限界も近くなり、アルトリアは笑みを浮かべる。

 

「は、ぁッ……ん、き、て……ベルッ」

 

 腰を強く押し付けながら、けっして逃がさないようにするアルトリアの腰をベルグは掴み、ベルグもまた自分の腰を押し付ける。

 そして、弾けた。

 

「ぐッ……!!」

 

「んんんっ───っ♡」

 

 がくがくと、2人の身体が震える。

 吐き出された白濁液が子宮の中に広がっていく熱さに、アルトリアは口端から涎をこぼしながら蕩けていく。

 絶頂するその姿はリターニアどころかラテラーノの誰もお目にかかることが出来ないほどに平時の彼女とは思えぬ程に淫靡な姿で、彼女の腰を掴み自分へとぐりぐりと押し付けながら注いでいくベルグは───

 

「アルトリア」

 

「はぁ、はぁ……どう、ん、し、んぁの……んぁっ!……ぁ」

 

 未だ注ぎ終わらぬ精液の感覚に浅い絶頂を繰り返しながら、それでも何とかベルグへと返事をして……蕩けている思考の中で見下ろしたベルグの姿にアルトリアは思わず正気が戻ってきてしまった。

 

「待って、ん、ねぇ、ベル。ベルぅ、んぁ、そ、その、1人ぃでぇ!?」

 

「振り回されるのは別に嫌いじゃない。お前なりに色々あったんだろうし、俺は気にしてない」

 

「う、そ、ん、やぁ、お、なか、ん、おさにゃ、いでぇっ!」

 

 ようやく出し切って萎えるはずのモノはそのままの大きさを維持しながら、ベルグはその上体を起こしていく。

 アルトリアの、自分のモノで押し上げられた白い腹を手持ち無沙汰と言わんばかりに揺らめいていた尻尾で抱きかかえてベルグはアルトリアの首筋に甘噛みをしていく。

 ブラットブルートではないが、ドラコの牙なら容易くアルトリアの首筋を噛みちぎれてしまうが、優しく決して傷が付かないようにしかししっかりと自分のモノだという痕を残す様にしながら。

 

「これは俺からの労りなんだ。お前の精神衛生の為…………いや、ごめん嘘だ。ぐちゃぐちゃになるまで抱くわ」

 

「さ、最後まで、こと、ば、だけでも、んぁ、取りつくっろぉっ!」

 

 アルトリアの文句を抱え込む様な対面座位となって彼女の奥を打ち据えて遮りながら、ベルグは彼女の首筋に顔を埋める。

 

「言葉は不要だろ?旋律をしっかり聴いててくれ」

 

「い゛あ゛ぁぁっ……!」

 

 アルトリアの嬌声が客間に響き、僅かに窓を揺らす。しかし、その嬌声がリターニアの静寂で奏でられるなんて事はなく、彼女はベルグの楽器として奏でられていくばかりだった。

 

 

 

 

 

 

「いや、すまなかった……ほんとに」

 

 早朝……と、言うには既に陽もそこそこに昇った頃、アルトリアはリビングのソファで横向きに腰を下ろし、その白い脚を膝で折って抱えるようにしながら、背凭れへほっそりとした肩を預けていた。

 普段と変わらないヘイローに対して、彼女の表情には明らかな不満が浮かんでいつもの余裕綽々な微笑はどこにもない。

 ワイシャツ1枚で身を包みながら、唇を尖らせているその姿は彼女の女性らしさを感じさせながらもどこか無防備な幼さがあった。

 

「…………ずいぶん、お楽しみだったのね」

 

 その呟きは普段の彼女の声量からしてもずいぶんと小さいものだったが、リビング内を漂うそれはベルグに聞こえていて当然だという前提だった。

 事実、聞こえていたベルグは僅かにその身体を硬直させたが、すぐに勝手知ったる我が家と言わんばかりにココアを用意してテーブルへと差し出す。

 それを視界の端に捉えたと思えば、素早くカップを取ったアルトリアがやけどしないようにしながらちびちびと飲み始めて

 

「ふぅん、こんなもので私の機嫌を取るつもりなの?ベル、あなたの中で私って結構安い女なのね」

 

 チクチクと針を刺す様な言葉に対面に座ったベルグは思わず視線をよそに向けて逃げた。カジミエーシュのペガサス、ウルサスの利刃を相手取ってきたドラコと言えども言葉の針には太刀打ちいかないらしい。

 

「……何も言ってくれないのね。かわいそうな私に」

 

 そう拗ねたまま、わざとらしくため息をついて彼女は声のトーンを一段ほど下げて諦め混じりのため息をついた。

 だが、ベルグは知っている。

 芝居地味て、こちらの反応を待っているのだ、と。

 

「………ツヴィリングトゥルムにいる間は、何でも付き合うよ」

 

 これで満足してくれるのなら、とベルグが自身の時間を差し出す事に躊躇いはなかった。

 そして、それは正解だったらしい。

 

「……うん、まあ、それなら少しだけ許してあげてもいいわ」

 

 先程の拗ねた表情はどこへいったのか満足気な表情を浮かべながら、サンクタ好みの甘めなココアを飲む彼女にベルグは肩を竦める。

 普段なら文句の1つでも飛んできそうものだが、どうやら今回はお目こぼししめ貰えたようでアルトリアは変わらず機嫌良い表情のままで口を開いた。

 

「それじゃあ、着替えて少し遅い朝食と少し早い昼食にいきましょう?もちろん、その後は昨日みたいに夜まで私のショッピングに付き合って?」

 

「……了解」

 

 提案、なんてほとんど体もとってないような決定にベルグは返事をする他なかった。

 こうして2日連日、ツヴィリングトゥルムでサンクタとドラコの珍しい組み合わせの男女が休日を謳歌している姿があった────ヴィクトリアのドラコがリターニアそれも女帝の御膝元であるツヴィリングトゥルムにいる事で少しばかりの面倒事に巻き込まれてしまったのはまた別の話だろう。

 

 

 

─────◇─────





正気で性癖を出力していきます。
ナイトレイン楽しいですね、ソロですが。
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