※この作品はR-18です。

追放された転移者とエルフの王への道   作:ボルメテウスさん

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本日から新たに連載する事になりました、追放された転移者とエルフの王への道。
こちらの方で募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=327536&uid=45956


夢で会った気がする

幼い頃の夢は時々、現実と区別がつかなくなるほど鮮明だ。

 

特にあの日見た金髪のエルフの夢は、今でも私の心に深く刻まれている。青い瞳に光る神秘的な輝き。尖った耳と白い肌。彼女が手を差し伸べたときの感触まで覚えている気がする。

 

「おはよう!」

 

背後から友人の声がして、僕は我に返った。振り向くとクラスメイトが微笑んでいる。

 

「どうしたの? 朝からぼーっとして」

 

「ああ、ちょっと昔の夢のことを思い出してただけ」

 

高校の校門を通り過ぎながら、僕はそう答えた。

 

教室に向かう廊下でクラスメイトと別れ、自分の席につく。窓から差し込む朝日が眩しい。

 

夢の中のエルフが何を意味していたのか、僕にはわからない。

 

ただ、あの日以来、不思議な予感が胸の奥で燻り続けていた。

 

「なんだこれ……」

 

目の前の光景に僕は絶句した。いつもの教室が突然眩い光に包まれていたのだ。

 

「みんな、落ち着いて!」

 

先生が叫ぶ声も聞こえたが、既に遅かった。床から放たれる魔法陣のような模様が次第に強くなり、クラス全体を飲み込んでいく。

 

目を開けると、そこは荘厳な宮殿の大広間だった。床には複雑な紋様が刻まれ、周囲には鎧を身にまとった騎士たちが立っている。

 

「成功した!」

 

玉座から立ち上がる青年の声が響き渡った。王冠を被った彼は誇らしげに言った。

 

「ようこそ、異世界の勇者たちよ!君たちは選ばれた存在だ」

 

混乱するクラスメイトたちの間で、僕はただ立ち尽くしていた。

 

「異世界転移……?」

 

誰かが呟くのが聞こえた。そして僕の脳裏に浮かんだのは、あの夢の中の金髪のエルフだった。

 

「まさか……本当に……」

 

「よくぞ参られた!我が名はアルフレッド・グラシアス三世。このグラシアス王国の王だ」

 

豪華な衣装に身を包んだ中年の王様が言った。

 

「貴殿らは我が国の危機を救うために召喚された勇者である」

 

周囲の騎士たちが一斉に跪く。クラスメイトたちも緊張した面持ちで立ち尽くしていた。

 

「我が国は今、暗黒の勢力に脅かされている。魔物の活動が活発化し、各地で被害が出ている。だからこそ、貴殿らのような異世界からの力を必要としているのだ」

 

王様は宝石の付いた杖を掲げた。

 

「さあ、貴殿らにはそれぞれ特別な力が与えられている。まずはそれを確認しよう」

 

騎士たちが前進し、一人ひとりに水晶球を差し出す。クラスメイトたちが順番に触れていくと、水晶が輝き始める。

 

「火魔法適性!」「剣術スキル」「回復魔法……」

 

次々と能力が明らかになっていく。皆が驚きと興奮でざわめく中、ついに僕の番が来た。

 

恐る恐る水晶に触れると、今までにない強烈な光が放たれた。部屋中が白い光に包まれる。

 

「なっ……これは……」

 

王様が驚愕の表情を浮かべた瞬間、水晶が砕け散った。

 

「悪魔の力だと……」

 

王様が震える声で言った。彼の顔色が見る見るうちに青ざめていく。

 

「その者は邪悪な存在だ!我が国を滅ぼす危険がある!」

 

騎士たちが剣を抜き、僕を取り囲む。

 

「嘘だ!僕は何もしていない!」

 

「静粛に!その男を捕らえよ!」

 

騎士たちが突進してくる。とっさに体が動き、僕は身をかわして廊下へ飛び出した。

 

「追え!あいつを逃がすな!」

 

背後から怒号が聞こえる。僕は必死に宮殿の廊下を駆け抜けた。

 

「どうしてこんなことに……」

 

頭の中は混乱で一杯だった。あの夢のエルフと何か関係があるのだろうか。それとも単なる偶然なのか。

 

追っ手の足音が近づいてくる。僕は角を曲がり、見つけた窓から身を乗り出した。

 

「ここから降りるしかない!」

 

決死の思いで外へ飛び出した僕は、何とか庭園の茂みの中に転がり込んだ。

 

「はぁ……はぁ……」

 

息を切らしながら、僕は茂みの中で身を潜めた。遠くから追跡者の声が聞こえてくる。

 

「いたぞ!あそこだ!」

 

茂みから出る余裕もなく、僕は息を潜めた。しかし足音は確実に近づいてくる。

 

「見つけたぞ!動くな!」

 

突然の叫び声と共に茂みが切り裂かれ、数人の兵士が僕を囲んだ。彼らの剣が月明かりに反射して冷たく光る。

 

「抵抗するな!おとなしく縄につけ!」

 

「そんな……僕は何もしてない!」

 

恐怖が全身を駆け巡る。初めて感じる死の気配。心臓が喉元まで上がってきたような錯覚を覚えた。

 

「このままでは我々も危険だ!仕方あるまい……」

 

隊長らしき男が剣を抜いた瞬間、僕の体が硬直した。

 

「お前のためにもこれで終わりだ!」

 

剣が振り上げられる。目を閉じることさえできないまま、僕はただ死を受け入れるしかなかった。

 

その時だった。

 

僕の前に、突然、黒い影が現れる。それはフード付きの黒いマントを纏った人影だった。顔は見えないが、手には闇のように黒い剣を持っている。

 

「何者だ!」

 

隊長の問いかけにも応じず、黒い影は一瞬で兵士たちとの距離を詰めた。次の瞬間、血飛沫が舞う。

 

「グアァッ!」

 

隊長の悲鳴と共に、彼の体が地面に崩れ落ちる。残りの兵士たちも次々と黒い剣の一振りで倒されていった。あまりにも速く、あまりにも冷酷な殺戮だった。

 

「そんなっ」

 

最後の兵士が血を吐きながら呟いた。それだけを残して息絶える。

 

あたりには血の匂いが漂い、僕は恐怖に震えることしかできなかった。

 

「また異世界の……このまま放っておくと大変な事になる。以上、始末しないと」

 

冷たい声が耳に届く。

 

黒いフードの人物は剣を僕の喉元に当てたまま、微動だにしない。恐怖で身体が凍りついたように動かない。

 

「待って……僕は……何も……」

 

言葉が震えて途切れる。死を覚悟したその時、僕は黒いフードの奥にある青い瞳を見た。その瞬間、脳裏に幼い頃の夢が鮮やかによみがえる。

 

「あなたは……」

 

言葉が出ない。信じられないことが起きている。目の前にいるのは。

 

「アルファ」

 

その言葉と共に、黒いフードの人物の正体。

 

それは、幼い頃の夢で見ていたエルフだった。

 

「まさか、夢だと思っていたのに、なんで」

 

アルファの方もまた、僕の存在が信じられないようだった。

 

剣は、そのまま仕舞われ、俺の頬を見る。

 

金色の髪が月明かりに照らされ、その先端が淡く光に染まっている。まるで夜空に浮かぶ流れ星のような髪色だ。

 

尖った耳が特徴的で、その輪郭は滑らかな曲線を描いている。

 

青色に輝く瞳が僕をじっと見つめる。その眼差しには計り知れない知恵と力強さが宿っている。

 

黒いフードの下からでも分かる端正な顔立ちは、どこか人間離れした美しさを感じさせる。

 

服装は黒を基調とした動きやすい服だが、その上品な佇まいは隠しきれていない。

 

「・・・一つ、聞きたい事があるわ」

 

「なっなに」

 

「あなたは、この国に召喚されたのは、何時」

 

そう、アルファが俺に問いかける。

 

それに対して、俺は。

 

「きょっ今日だよ」

 

「・・・そぅ、だったらまだ何もやっていないわね」

 

すると、アルファは少し安心したように、俺の方に眼を向ける。

 

「・・・とにかく、あなたを連れ出すわ。抵抗はしないで」

 

「それはっ、ここにいたら、むしろ俺は殺されそうになるから」

 

「分かったわ」

 

そして、俺の身体がアルファの腕の中に入る。

 

「っちょっ!!」

 

「いいからっ!ここは敵だらけなのよ!」

 

その言葉と共にアルファは一気に飛び上がる。

 

人間離れをしながら、見つめた先は。

 

本当に異世界だと感じられる。

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