※この作品はR-18です。

追放された転移者とエルフの王への道   作:ボルメテウスさん

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独裁国家にさせない為に

朝の光が窓から差し込み、書斎に置かれた食卓を照らす。焼きたてのパンの香りと温かいスープの湯気が漂う。

 

「食べられますか?」

 

ラーニャが銀の盆に乗せた朝食を運んでくる。彼女の手は少し震えていた。昨夜の出来事が脳裏に蘇るのか、視線を逸らしながらも丁寧に料理を並べていく。

 

「ありがとう」

 

僕は柔らかいベッドから起き上がる。驚くことに、あれだけ激しい行為の後だというのに、身体はむしろ軽くなっていた。筋肉の疲労感もなく、むしろ全身に力が漲っている。

 

「回復が早いですね」

 

白いドレスに着替えたアルファが僕の横に座る。彼女の指先が僕の手首に触れる。

 

「脈拍も正常範囲内。しかし……」

 

彼女の目が一瞬鋭くなる。

 

「昨夜と比べて、あなたの魔力が増加しています」

 

ラーニャがパンをちぎりながら小声で言う。

 

「アンティリーネの力と接触したことで……何か起こったのかもしれません」

 

アルファがスープを一口啜り、静かに語り始めた。

 

  

 

「アンティリーネは確かに去ったけれど、彼女の脅威はまだ続いているわ」

 

彼女の指が食卓の上で交差する。

 

「彼女が独裁国家を築く可能性は否定できない」

 

ラーニャが眉をひそめる。

 

「エルフの王国が彼女の手に落ちれば……」

 

「戦争どころの話ではなくなるわね」

 

アルファの声が低くなる。

 

「最悪の場合、エルフと人間の全面戦争が勃発するかもしれない」

 

僕は黙って二人の会話を聞いていたが、徐々に状況が理解できてきた。

 

「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 

アルファが僕を見つめる。

 

「あなたが彼女を屈服させるしかないわ」

 

「僕が?」

 

アルファは頷く。

 

「あなたの力は特別よ。他のエルフと触れ合うことで更に強くなる可能性がある」

 

ラーニャが口を開く。

 

「その通りです。昨夜のアンティリーネとの……行為の後、あなたの力は明らかに増していました」

 

アルファが続ける。

 

「最初の行為と二度目の行為では明らかに違いがあった。肉棒の大きさもそうだけど、何より放出するエネルギーが桁違いだったわ」

 

その言葉に思わず赤面する。

 

「そんな……」

 

「事実よ」

 

アルファの声には確信があった。

 

「だからこそ、他のエルフと触れ合い続けなければならないの」

 

ラーニャがおずおずと口を開く。

 

「候補者はいます」

 

アルファが頷く。

 

「森の奥に住むアウラというエルフ」

 

ラーニャがナイフを手に持ち、焼きたてのパンを小さく切り分けながら説明を始める。

 

「アウラは普通のエルフとは少し違うのです」

 

彼女の声は慎重だった。

 

「彼女自身の戦闘能力はほとんどありません。でも……」

 

「でも?」

 

アルファが問い返す。

 

「魔獣を使役する力を持っているわ」

 

アルファの目が細くなる。

 

「どんな魔獣?」

 

ラーニャは一瞬躊躇いを見せた後、言葉を選ぶように話した。

 

「様々な種類です。狼型から鳥型、爬虫類型まで。大きさも様々ですが、共通しているのは……」

 

彼女は小さな声で続ける。

 

「彼女の意思に従って行動するという事です」

 

アルファの指が食卓の縁をゆっくりとなぞる。

 

「つまり彼女は戦わないが、彼女のペットたちが戦う」

 

「はい」

 

ラーニャが頷く。

 

「アウラ自身は……どんな姿をしているんだ?」

 

僕の質問にラーニャが少し迷ったような表情を浮かべる。

 

「まぁ、そのなんていうか」

 

アルファが代わりに答える。

 

「・・・見てからお楽しみにね」

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