※この作品はR-18です。

追放された転移者とエルフの王への道   作:ボルメテウスさん

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エルフとダークエルフ

アルファに導かれるまま空中を飛翔し、僕たちはやがて森の中に降り立った。木々の葉が風に揺れる音だけが静かに響いている。

 

「ここなら少し安全よ」

 

アルファは周囲を見回しながら言った。

 

「追っ手はまだ来ていないようね」

 

彼女は耳を澄ませ、遠くの音に注意を払っている。

 

先程までの街とはまた異なった雰囲気に包まれる。暗い森の奥から時折動物の鳴き声が聞こえる程度で、人の気配は感じられない。

 

「ここで少し休もうか」

 

アルファが提案すると、僕も同意して木の根元に腰を下ろした。

 

「ありがとう」

 

僕が言うと、アルファは微笑んだ。

 

「この先はもっと厳しい旅になるわ。今は少しでも休息をとって」

 

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、森の奥から鋭い殺気が漂ってきた。アルファの表情が一変し、彼女の指が素早く動き始める。

 

「何か来る」

 

アルファの警告に僕も身構えた。

 

次の瞬間、木々の間から黒い影が飛び出してきた。

 

その姿は確かにエルフと似ていたが、肌の色は青白く、髪は漆黒だった。手には短剣を持ち、その目は残忍な光を放っている。

 

「オルガの刺客のようね」

 

そうしながら、アルファが僕の前に立つ。その手には黒い刃の武器を持ち、構える。

 

「こいつらは」

 

「ダークエルフ、私達と同じエルフで別の種族よ」

 

ダークエルフを睨みつける。

 

「そいつが予知で出たエルフを支配しようとする侵略者」

 

ダークエルフが冷たく言い放つと同時に、彼女は一気に踏み込んできた。

 

手に握られた短剣が月明かりに鈍く光る。

 

「違うわ、彼はエルフを救う王よ」

 

アルファが叫ぶと同時に、彼女の武器が動いた。黒い刃を持つ長剣が振られ、ダークエルフの攻撃を受け止める。

 

金属音が森に響き渡り、二人の間で火花が散った。

 

「ふん、洗脳されたようだな」

 

ダークエルフの口元に冷笑が浮かぶ。彼女の手首が素早く動き、短剣を一閃。アルファの肩を狙った。

 

アルファは身をひねって避けようとしたが、ダークエルフの動きは予想外に速かった。短剣の切っ先が彼女の左肩を浅く切り裂く。

 

「っ!」

 

一瞬顔を歪めたアルファだが、すぐに冷静さを取り戻し、剣を振り下ろした。

 

ダークエルフは素早く後ろに飛び退き、その攻撃をかわす。

 

「なっ、これは一体っ!以前よりも力がっ」

 

ダークエルフの表情が変わった。彼女は再び地面を蹴り、一気に間合いを詰めてきた。

 

今度は両手で短剣を構え、二つの攻撃を繰り出してくる。

 

「遅い!」

 

アルファは体を横に捻り、一撃目を避けると同時に剣を振り上げた。

 

その刃がダークエルフの短剣を弾き飛ばす。

 

「くっ!」

 

武器を失ったダークエルフだが、彼女は即座に素手で次の攻撃に移った。

 

彼女の拳がアルファの顔面を狙う。

 

しかし、アルファはその拳を受け止めるどころか、逆に自ら前に踏み込んでいた。

 

「甘いわ!」

 

アルファの肘打ちがダークエルフの胸部に命中し、彼女は後方に吹き飛ばされた。

 

「があっ!」

 

木の幹に激突し、ダークエルフは咳き込みながら膝をつく。

 

「この程度で私を止められると思う?」

 

アルファの周囲に青い魔力の粒子が集まり始めた。刻印の力が彼女の体内で活性化している証拠だ。

 

「何っ……この力は……」

 

ダークエルフが恐怖に目を見開いた。

 

アルファが剣を高く掲げると、黒い刃が青い光を帯び始めた。

 

「終わりよ」

 

一瞬の静寂の後、アルファは風のような速さで駆け出した。ダークエルフが立ち上がろうとした時には既に遅かった。

 

ダークエルフは、そのまま吹き飛ばされる。

 

そのまま、ダークエルフは、気絶してしまう。

 

「このエルフは、一体」

 

「ダークエルフ、私達のエルフ同士のいざこざよ」

 

ダークエルフはそのまま気を失っていた。その姿を見つめながらアルファが呟いた。

 

「ダークエルフ……彼らとは長い因縁があるわ」

 

彼女の声には疲労と悲しみが混じっている。

 

「かつては共に戦った仲間も多かったのに……」

 

アルファは膝をつき、ダークエルフの脈を確認した。まだ生きているが深い傷を負っているようだ。

 

「彼女もかつては……」

 

アルファの言葉が途切れた。

 

「…もしかしたら、最初にこの一件を解決しなければならないわね」

 

「それって」

 

「あなたの力で、エルフとダークエルフの争いを終わらせてほしいの」

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