※この作品はR-18です。

泡沫の返歌   作:あべ模型製作所

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事実上の第四話後編。
仕事中はサングラスを外さない、それが「ナオト」の矜持。
オムニバス短編官能小説、第五話。
※純然たるファンタジィです。
※Grok3を使用。
※コンセプトをAIに入力し、出力されたものをさらに加筆修正。


秋雨のゲーム秋──ナオトの視線

 

 

 9月、秋雨が街を濡らす。事務所の窓の外で鈴虫が鳴き、遠くのネオンの喧騒が湿った空気に溶ける。ソープランド「横槍」の事務所は、いつものように嬢の手配と客の対応でバタバタしてるが、どこか空気が淀んでる気がする。

 

 俺はナオト、40代前半。妻子持ち。この店のボーイのリーダー格として、嬢を送り迎えし、客のわがままを捌き、店の歯車を回す。それが俺の仕事だ。でも、今日の事務所には、いつもと違う「気配」が漂ってる。

 

 昼間、カヨコさんのデスクに書類を取りに行く。「カヨコさん、今日の売上データ、いつもより早めに欲しいです」事務的に言う俺の声に、カヨコさんがくるりと椅子を回転させて振り返る。「ふふ、ナオトさん、急ぎますね」

 彼女の微笑みはいつも通り柔らかいが、なぜか前屈みになって、シャツの胸元が微妙に開く。サングラス越しに黒いレースのブラがチラリと覗く。……やれやれ、今日のカヨコさんは雌づいてるな。47歳、元嬢の彼女は、経理のデスクに座りながらも、まるで舞台の女優みたいに「女」を演じてる。心のどこかで、今夜あたり、オーナーと「始まる」気配がする。俺にはバレバレだ。

 その直後、オーナー──エンドウさんがカヨコさんのデスクの近くを通る。「オーナー、これ確認お願いします」カヨコさんの声は事務的だが、彼女がさりげなくスカートの裾を直す仕草で、ガーターストッキングのラインが一瞬だけ見える。エンドウさんの視線が、ほんの一瞬、彼女の膝に吸い寄せられる。……ふん、レイジやキヨシの若い奴らには気づけんだろうが、俺にはわかる。この二人の間には、帳簿の数字じゃ説明できん「何か」がいつも蠢いてる。事務所の喧騒の中で、まるで別の時間が流れてるみたいだ。

 

 俺は書類を受け取り、嬢のシフト確認に戻る。レイジが「ナオトさん、リエちゃん、今日はやたら気合い入ってますぜ!」と能天気に笑う。キヨシは「先輩、うるさいっスよ」と呆れ顔。レイジは構わず続けた。「ここの嬢はみんなレベルが高い。おこぼれに預かりたいもんだわ」キヨシは少しギョッとして応えた。「先輩、そんなことしたら……」「わかってるって。女の子には手は出さへんよ」

 

 二人とも、事務所の空気に漂う「気配」に気づいてない。まあ、30歳のレイジも、20代後半のキヨシも、純粋っちゃ純粋だ。ソープランドの風紀を守るためにも、この「気配」は俺だけでいい。

 

 夜、嬢を送り届けて一足早く店に戻る。事務所の扉に手をかけた瞬間、ドア越しにくぐもった声が漏れてくる。カヨコさんの嬌声だ。「あぁぁ、エンドウさん……っ!」、おいおい、まだやってるのか。仕方ない。俺は踵を返し、喫煙所に向かう。タバコの煙が、湿った秋の空気に溶ける。

 

 ちょうどその時、レイジとキヨシが嬢を送り終えて戻ってきた。「……レイジ、キヨシ、調子はどうだ?」俺は二人に缶コーヒーを放り投げる。レイジが「うぉ、お疲れ様っス!調子はバッチリですよ!」とニヤニヤしながら受け取る。キヨシは少し疲れた顔で「レイジさんは調子いいっつーか、お調子者っすね」と返す。「あぁん、キヨシ、お前も言うようになったな。」俺は笑いながら、キヨシの肩を軽く叩く。「お疲れさん、キヨシ。まあ、ゆっくり休めよ」

 喫煙所でタバコを一服吸いながら、時間を稼ぐ。事務所の「気配」が落ち着くのを待つ。カヨコさんとエンドウさんの「ゲーム」は、俺には関係ない。愛妻家の俺には、妻と娘が家で待ってる。

 それでも、この店の空気には、妙な魔力があって、時々心がざわつく。特にカヨコさんのあの微笑み、スカートの裾を直す仕草、黒レースのチラリズム……。サングラスで遮蔽していても、その雰囲気は俺のどこかを突き刺す。

 やれやれ、47歳の経理ウーマンが、なんであんなに「女」の匂いを撒き散らすんだ?

 エンドウさんも、妻子持ちなのに、あの「ゲーム」にハマってる。人間って、妙な生き物だ。頃合いを見計らって事務所に戻ると、カヨコさんとエンドウさんはいつも通りの顔で仕事してる。カヨコさんはPCの画面に目をやり、エンドウさんは書類にサインしてる。まるで何もなかったみたいだ。……ふん、バレバレなんだよな。

 

 レイジが「ただいま戻りましたぁ!」と明るく飛び込んでくる。キヨシが後ろで「先輩、声でかいっす」とぼやく。レイジはソファにドサッと身を投げ出し、「あぁ、今日も働いたわ!」とゴロゴロ転がる。

「このソファ、寝心地たまらん!」とシートに顔を擦りつけてる。

 ……お前、さっきまでそのソファで何が起きてたか知ったら、絶対ゴロゴロせんぞ。キヨシが「先輩、僕もう帰りますよ」と呆れた顔で言う。

 エンドウさんがレイジの肩を叩く。「レイジ、お疲れさん、早く帰って休め」「アザスっ!」とレイジが跳ね起きる。

 俺は、そっと芳香剤のスプレーを手に取る。シュッと一振り。「カヨコさん、そろそろ、交換時期ですね」カヨコさんが一瞬、俺をチラリと見る。その目が、ほんの少し笑ってる。

「そうね、ナオトさん、ありがとう」彼女の声は、いつも通り柔らかいけど、どこか「ゲーム」の余韻を隠してる。エンドウさんが「みんな、今日もご苦労さん。明日も頼むぞ」と締める。

 

 レイジとキヨシが「はいっ!」と元気に返す中、俺はエンドウさんに近づき、小声で言う。「オーナー、……場所と時間、気をつけてくださいよ。」エンドウさんが苦笑いで「わかってるよ、ナオト」と返す。その声も、どこか「気配」に濡れてる。

 

 秋雨の夜、事務所の空気は、いつもより少し重い。

 

 

・・・

 

 

 帰宅すると、妻がダイニングでうたた寝をしていた。「あら、あなた、おかえりなさい」

 俺はサングラスを外し彼女を抱きしめた。「ふふ、帰るなりどうしたの?」構わず抱きしめ、胸をまさぐった。「んん、あぁ、風花が起きちゃう……」そういいつつも、妻は俺の愛撫に身を預ける。「あぁぁ、あなた、お風呂……お風呂が沸いてるわ──」「そうか、じゃぁ一緒に入るか」

 

 彼女は頬を染め、頷いた。

 

 浴室で体を流してもらう。やはりと言うか、俺の逸物は怒張していた。妻も背中越しに全身で同意をしている。「挿れるよ……」背後から囁きヌプ、ヌププププ……と彼女に押し入る「あぁぁぁぁぁぁっ」と嬌声が浴室に響いた……。

 

 派手さはないが、妻との営みは心のオアシスだ。彼女に全てを注ぎ、ゆっくりと湯船に浸かる。彼女を抱きしめながら呻いた。「俺も……」「なぁに?」「いや……なんでもない」

 

 どことなく、俺の心のざわつきが落ち着いた様な気がする。

 

 やはり、ソープランドは不思議な世界だ。あの世界に呑み込まれないでいるのは、きっと妻のおかげなのだろう。

 

 

 

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