※この作品はR-18です。

現代×ダンジョン×メガテン   作:ニンカタ

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第2章は仲間集めが中心かな。第2章開始です。

装備更新回再び。


第10話

 

「お兄さんくらいの段階になると、此処らへんかな」  

 

 前に装備を新調してから、日にちはそれ程経っていないが武器、防具の更新時だ。火力も防御力も物足りない気がする。その思いは教官も同様らしく、アプリの更新がてらその前に探索者ショップへと寄る。

 少しオーナーには驚かれたが、客として金払いが良いなら気にしないと直ぐにリストを渡してくれた。毎日のようにアイテムは補充しに買い物に来ていたから、すっかりオーナーには顔を覚えられている。

 使っている防具や挑んでいるダンジョンの説明は今更必要無いのは楽である。

 

「お兄さんが前に使ってたのはノーマルなシリーズ。で、此処からはどうしても耐性に向き不向きが出るんだよ」

「使ってるフォルマの仕様ってやつかね、理由は俺も詳しくは知らねーが、これからはこんなのばっかだぜ」

 

 ただ作られた防具を着てもダンジョンでは通用しない。軍隊が装備していたような防具でも、初期は悪魔達に圧倒されたのだから言わずもがな。しかしフォルマによる加工を行うと、普通の防具でも格段に性能が向上する。

 武器にもこれは言える事で、かつて使っていたバットがあまり役に立たなかったのは、フォルマによる加工が最低限だったからだとか。道理で安かった訳だ。

 

「一個は必ず弱点が出来るな。中級になればアクセサリーとかで補えたりもするんだが、値段も高いしうちは初級向けだから扱ってないんだ」

 

 一つの属性に耐性を付与する。上がるのは一段階だからノーマルな耐性になるだけだが、それでも価値は押して知るべし。少なくとも揃えられるなら、属性分は集めておきたいのが探索者の性。人気でそれ用のフォルマも貴重となると、値段も流通もそれ相応になる。此処に置いてもターゲット層が違うだろし仕方ないのか。

 

「悩むだろうし武器から決めるかい? 武器だと此処らが手頃かね」

 

 あなたは買う時はしっかり買ってくれる。だからオーナーも親身になってあなたの悩みに寄り添う。

 武器のリストを眺め、ぼんやりと次はどの武器をメインにするかを考える。警棒は誤っても自分を傷付ける心配は無かった。だがその分、攻擊力やダメージは物足りない。

 少し扱いには困るが、殺傷性の高い武器も候補に入る。

 いや、寧ろ今の内に慣れておくか?バット、警棒、タクティカルナイフときて武器の心得にも自信は付いてきた。

 両手剣…は無理にしても片手剣ならば扱える範囲内ではないか?仮に扱えなくても習熟すれば良い。

 

「マチェットナイフか、一応予備も買うか?」

 

『お願いします』←クリック。

『1本あれば大丈夫でしょ』

 

「毎度ありがとうよ」

 

 警棒と違って刃毀れは早い筈。結局後から警棒も追加で予備を購入したし、今ならセットでお得と言われると、なら買うかと決断してしまう。お得には弱いんだ。

 

「銃はこっち。予算があるなら、属性弾もそろそろどうだい?」

 

 今持っているハンドガンは下取りに出すか。家が狭いから置くとこが少ないのが難点。思い入れはあるのだが、整備の手間を考えるとなぁ。

 属性弾。火炎、氷結、電撃と魔法や特定の武器からしか発生しない属性を、弾丸の中に込めた代物。手間とお金が掛かってるから、通常弾の軽く数倍の値段が付いている。

 消耗品なのに値段の事が戦闘中頭に浮かぶのは宜しくない。あれば有効だが、今まで敢えて無視してきた。

 

「トカチェフに通常弾、それと属性弾セットね。はい毎度!」

 

 若干口車に乗せられた気もするが、必要経費だろう多分。

 銃は火力のあるショットガンとか試してみたいけど、携帯性を考えるとデカいんだよな。ゴロゴロ前転後転しまくるから、(つっか)えると危ないんだ。

 

「で、防具は決まったかい? 何なら全シリーズ買ってくれても良いよ!」

 

 それは流石に欲張り過ぎですよオーナー。迷いはしたが、火炎弱点の【ナイトメアシリーズ】を購入する事に決めた。

 【ナイトメアシリーズ】。火炎が弱点の代わりに、一段階呪殺の耐性を底上げする。ヘルム。メイル。ガントレット。グリーヴ。この一式をセットする事でその効果が発揮する。

 

「あいよ! 【ナイトメアシリーズ】お買い上げ! アイテムは、何を補充するんだい?」

 

 属性魔法を封じたストーン系は要らないだろう。属性弾買ったしな。状態異常の回復アイテム。体力回復アイテム。仲魔用にチャクラ系アイテム。一応閃光手榴弾も買っておくか、目眩まし用に。

 

「締めて──円。お釣りは此方、また来てくれよな〜」

 

 スキンヘッドにサングラスを掛けたオーナーの、ニコニコ笑顔に見送られつつあなたは探索者ショップを後にした。重さは鍛えてるから大丈夫だが、手が空かない。これは一回帰ってから向かうのが無難か。

 

「重さ的にもう少し左に弾を移せホ。よし、これならバランス良いホね」

 

 重り代わりに荷物をバランス良く持たされ、時間短縮の為に走らされました。突発的なメニュー故に、訓練には含めない。だから単純に訓練が増えた形になりました。イヤホン付けない方が良かったかな。

 

 

 

「こんにちはー。ああ、君か。今日はどうしたの?」

 

 あなたが来店して来たのを見つけると、顔見知りのようにあなたに対応して来る梓。顔見知りのようなとは言ったが、実際顔見知りになったたのだが。

 修理の一件以来、こまめにCOMP専門店に足を運び、プロの目から見て大丈夫かを確認してもらう。週に2、3回。ハイペースなダンジョン攻略もあり、既存のメンテナンスペースでは当てにならないからだ。

 

「え……もう!?」

 

 あなたがダンジョン内で集めたフォルマ数点。箱の中に入れたそれを渡すと、心底驚いたという様子でギョッとする。

 あなたがSNSに個人アカウントを開設してから数日後。メンテナンスの折、少し考えはしたが顔見知りという事で前の手作り名刺を渡した。

 早速その日にダイレクトメッセージが送られ、指定したフォルマを集めてくれないかと依頼されたのだ。それが大体一昨日くらいだから、一度ダンジョンに潜った際に全て回収した計算になる。

 

「此処まで早いのは予想外だったなぁ……」

 

 苦笑いを浮かべて重さのあるフォルマ箱を受け取る梓。ソロでダンジョンに潜って、未だに大きな怪我もなく生きているのだから、優秀なのだとは思っていたが。

 実感する出来事が起こると、また感想も違ってくるもの。

 

「ふんふん、確かに全部揃ってるね。お疲れ様」

 

 眼鏡を掛け直し、一個一個手袋を嵌めてから丁寧に観察していく。確認が終わると奥の方へと箱毎引っ込んで行き。帰って来た時にはほくほく顔で戻って来る。

 

「早い仕事でビックリしたよー」

 

『フォルマを何に使うのか聞く』←クリック。

『聞かれたく無いかもだし聞かない』

 

「ん? 使わないよ? ……うーん、まあ言ってもいいか!」

「私フォルマを集めるのが趣味でね。家には沢山フォルマがあるんだ」

 

 要はコレクターみたいなものか。何かアプリを作るのに使うのかな。そう思っていたので少し意外な趣味である。

 ……だが滲み出るCOMP好きから見て、其処まで意外でもないか?

 

「フォルマ集めって意外と受けてくれなくてさぁ……」

「フォルマってほら、お金になるじゃない? アプリ、武器防具。……探索者だけでも需要は沢山あるし、自分用にも使うしね」

 

 確かに。あなたは依頼だからと気にしなかったが、金銭を求めて探索者になれば当然。探索者として上を目指すならばまた必要になるのがフォルマだ。

 依頼の報酬と指定されたフォルマの内容を見て、金銭的に釣り合わないと思う探索者が居ても不思議ではない。

 

「という訳で報酬には色を付けてあげる。遅いどころか滅茶苦茶早かったからね」

 

『あざっす!』←クリック。

『良いんですか?』

 

「うんうん。人からの好意は素直に受け取っときなー」

【結城梓から報酬として金銭とフォルマを貰った!】

 

 金銭の方は提示された通りの金額。追加はフォルマが何点かとなる。何のフォルマだろうかとアプリ【フォルマサーチ】を使い名称を調べる。サーチを行うと名称と簡単なランクが表示されるシステムだ。

 

「そう。その通り。前に、アプリ用のフォルマが少し足りなそうだったの思い出してさ。なら追加報酬であげちゃうかーって」

 

 今回あなたが追加する予定のアプリは【ヒューマサーチ】【HPリカバー】の2つだけだったが、このフォルマがあれば追加で【百太郎】というアプリが作成出来る。

 アプリ【百太郎】は付近のモンスター情報を感知し、存在を知らせてくれるアプリ。早い話がこれがあると無いとでは奇襲率が大幅に変わるのだ。

 

「其処までじゃないよ。大半は君が集めたフォルマだし」

 

 アプリは購入すると途轍もなく高いのは前に言及したと思うが。実質【百太郎】が報酬として追加されたのは、やや過剰ではないかとあなたは戸惑う。

 しかし梓の言う事ももっとも、足りないフォルマを補填はしたがそれはあなたの頑張りがあってこそ。あなたはその厚意を受け取り、改めて梓へと今日の要望を伝えた。

 

「メンテナンスとアプリ作成の依頼を承りました。じゃあ、少し待っててね」

 

 ライセンスとCOMPを何時ものように渡し、今回はアプリ作成もなのでフォルマも追加で。梓は軽い足取りで奥へと引っ込んで行き、少し経つと奥から機械の加工音が激しく此方に聞こえてきた。

 

「はい。確認お願いします」

 

 渡されたCOMPには新しく3つのアプリの名前が表示されている。あなた自身が努力した結果。それが目に見える形で表示された気がして気分が良かった。

 

「そろそろ初期限界の八個が見えてくる段階だね〜」

 

『初期限界?』←クリック。

『今何個だっけ……?』

 

「パソコンやスマホに容量があるように、COMPにもそれがあるの。アプリ八個入れたらパンパン、それ以上は入れられなくなるの」

 

 成程。例え規格外の技術が発達しても、其処は昔と変わらないようだ。ダンジョン時代に産まれたから、その前の技術は知識でしか知らないが。

 しかし初期の限界、という言葉からも何かしらの後付け方法は有りそうだ。

 

「これとこれ」

『あ、はい』

 

 指で輪っかを作りお金のマークとフォルマを指差す。基本的な所は変わらないらしい。

 

「ちなみにこれが最低価格ね」

『……えっ……!?』

「まあそんな反応にもなるよね。桁が違うから」

 

 これは……買わせる気があるのか?

 そんな素朴な疑問を浮かべてしまうくらいに、今の稼ぎの何倍でも全然釣り合わない金額がPC画面に見えた。

 大規模ダンジョンで取れるという貴重過ぎるフォルマ。それを使用する関係で、此処まで値が上がりまくったとの事。

 希少性。難易度。両方がとても高いのが要因か。

 

「最低でも上級にならないと探索者ルートでは無理だろうね」

「だけどお金はそれはそれで現実的じゃない。……だから先人も色々と試行錯誤してこうなったの」

『……統合アプリ?』

「そう。統合アプリ。容量的に入らないなら、じゃあ入るようにアプリを合体させましょうって発想」

 

 例えば同じサーチ系の【フォルマサーチ】と【ヒューマサーチ】。このアプリには共通点も多く、互換性がある為1つのアプリに組み合わせるのは可能だ。

 しかし今回だと【HPリカバー】と【ヒューマサーチ】は無理だ。使う機能が違う部分が多すぎる。【ヒューマサーチ】と【百太郎】ならば無理ではないが、この組み合わせは駄目なのだとか。

 

「うーーん……勉強中とだけ言っておくよ。アプリ作成でもかなりの難易度だからさ……」

 

 そして単純に、この統合アプリは理論上は可能だが。じゃあそれを頼むとしたら国内でも数える程しか居ない。梓さんも何個か統合アプリを作成した経験はあるが、それはプライベートなもの。口が裂けても商売用なんて言えないし、そもそも別途資格が必要だから売ると法的にアウト。

 

「できれば私がやってあげたいけど、君の成長速度を見てたら間に合わなそうだね」

 

『そうですか……』

『へぇー、出来ないんですね?』←クリック。

 

「……いや、今は無理だってだけだよ? 最近は統合アプリにも少し慣れてきたし?」

「ていうかそういう面もあるんだね、君。……お姉さん少し驚いたよ」

 

 失礼ではある。しかし今はこう言った方が良いかなと、あなたの脳内に選択が浮かんだのだ。意外と負けず嫌いな側面もあるのか、梓は不満そうには見えるがその瞳にはやる気の色が映っているように見える。

 

 (ふぅ、何か彼の言葉って無視出来ないんだよね……)

 

 あなたが帰り、少し時間が出来た梓は先程の言葉を思い返した。同業者以外で、こうも気になる言葉を言われたのは久し振りだ。忘れようとしても何故か、ふとしたタイミングで思い出す。

 

 (……もう少し本気でやってみるかー)

 

 もし統合アプリの技術を十全に会得出来たら、彼はどんな反応をするのか。取り敢えずお見逸れしましたとは言わせたいな。そんな事を思う梓であった。

 




【ナイトメアシリーズ】
漆黒に包まれた外装故に、一定層の人物達から人気があるとか無いとか。耐性:呪殺。弱点:火炎。

あなた レベル10台後半。

使用スキル

ソニックブロウ 物理 敵単体に中ダメージ。命中率が高い。
ワイルドスラッシュ 物理 敵1列に中ダメージ。クリティカル出やすい。 命中率が低い。
急所撃ち 銃撃 敵単体に小〜中ダメージ。クリティカルがとても出やすい。精密射撃が進化したスキル。
ばら撒き    銃撃 敵複数にランダムに2〜4回の中ダメージ。連続しては使えない。

鍛えられた肉体 自動 体力を10%アップする。
獣眼      自動 命中率が上がる。
魅了耐性    自動 魅了への耐性が上がる。

コマンダースキル

突撃指令 味方 物理、魔法攻擊力を1ターン倍増する。
防御の構え 味方 物理、魔法防御力を上げる。
一時退却 味方 このスキルを使用後、戦闘から離脱する。ボス戦は不可。

??スキル
レディキラー 女悪魔に好かれやすくなる。

今のステータスはこんな感じです。??スキルにもう一個追加しようと思いましたが、まだギリギリスキルにはならない判定。


アンケートありがとうございました。女女女。同じ欲に正直な人が多くて嬉しかったです。今回もアンケートして下さった方に感謝を。

明日は更新が遅いか出来ない可能性が高いです。
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