御守りが出来上がり。後は効果を試すだけの段階。再び柊真緒には白石経由で連絡を取って貰い。前に関わらないようにして欲しいと言った手前。渋られたようだが、どうしてもと添えると承諾をしてくれた。
「何の用なんですか?」
ちょっと渡したい物があるだけだと。疑問に思った白石からの質問にあなたは答えた。何だろうかという思いはあったが、特にその後は追及せず。白石との連絡も途切れる。
最近は白石も朝早く起き、早めに寝ている様子。ランニングメニューの成果か。
「えっと、お久し振りです。用って何でしょうか?」
前と同じ様な格好をしているが。帽子には少し傷が付いている。不幸の頻度は相変わらずのようだ。話を長引かせるつもりもない。あなたは巾着に入れた御守りを2個取り出すと、柊真緒に渡した。
「御守り、ですか? ……何であたしに御守りを?」
当然の疑問だ。赤と茶色の御守りを持ちつつ、はてなマークが出そうな程に。柊真緒は困惑していた。前に話した不幸に関する気持ちだろうか。でも、御守りくらいでは…。
あなたはその御守りを1日持っていて。何か変化があれば明日報告して欲しいと。自身の連絡先が書かれたメモを渡しておく。御守りの効果があれば無くしはしない筈だ。最悪白石さん経由で連絡が来るだろう。
「え、あの?」
断られて返される前にさっさと退散。混乱しながらメモとあなたを交互に見ている柊を置いて。あなたは公園からスタコラサッサと逃げ出した。
「行っちゃった……。……捨てるのは失礼だし」
御守りとあなたの連絡先が書かれたメモをバッグに仕舞い。何なのだろうかと考えながら、柊真緒は家まで帰った。御守りの中の勾玉が、キラリとその時に光り出したのに、柊真緒は気が付かない。
翌日。今日も朝から訓練かと目覚ましに起こされ。何かメッセージが来てるかとスマホを開く。途端、入って来るのは軽く2桁を越した不在履歴。知らない番号だが、十中八九柊真緒だなとあなたは確信した。
「──で、出た! あのあの! こ、これ! 昨日、昨日貰った御守り! な、な、何ですかこれ!?」
絵に描いたように混乱しまくる柊に。これは良い意味で効果があったのかとあなたは考える。とは言え、これから訓練がある。話をしたら時間が押しそうなので。
「直ぐ、直ぐに行けます! 公園で良いですよね!?」
此処までガツガツと来られると驚くが。それほど彼女に取っては一大事だ。仕方あるまい。待ち合わせ場所として定番になりつつある、何時もの公園へと行く事を決め。あなたは先ずは日課をこなす作業を開始したのだ。
あなたが訓練を終えて。軽くシャワーを浴びてから公園に向かうと。遠目からでも分かるくらいに、これでもかとソワソワしている柊を見つけた。
あなたが公園に入り、目が合うと…
「おはようございます! いきなりですけどあの御守りって何処で手に入れたんですか!? 神社とかで買えるんですか!? それとも誰かに作って貰ったんですか!?」
マシンガントーク。息継ぐ暇さえ惜しいとばかりに、柊真緒は質問攻めをあなたに食らわす。其処にも追々答えるが。先ずは変化があったのかを詳しく知りたい。
「ありました! すっごく! 先ず、頻度が減って──」
1日に起こる不幸の頻度が極端に減った事。次に不幸の質も緩和された事。命に関わる不幸な出来事から。日常のなんてことない不幸な出来事へと下がったと言う。
途中、何度も言葉に詰まり。感極まりながらもその事を語る柊は前に見た暗い表情ではなく。彼女に似合った明るい表情だった。
「で! どうやって手に入れたんですか!?」
キラキラとした赤色の瞳で。手には大事に2つの御守りを握る。さてと、入手経路は勿論、そのまま正直に話す訳には行かない。先ずは真実から話して、其処から必要に応じて虚実を混ぜていこうか。
『悪魔の力を借りたんだ』
『その御守りは自分が作ったんだ』←クリック。
「え!?」
御守り自体を作ったのはあなただ。うん、嘘は吐いてない。次はどう言い繕うかを考えていると。柊真緒の口から、予想しなかった言葉を掛けられる。
「もしかして……あたしと似たような家系ですか?」
何だか想定とは違う方向へと話がズレていく気がする。
昔々。裕福な家庭に産まれた1人の赤子が居りました。
その赤子は生まれつき呪われていたのです。年々増大して行く呪いの影響。このままでは周りの人間も、成長した赤子自身も危険です。
そんな折、赤子から少年へと育った子供は、ある術を考案しました。その名は呪術。呪いは魂に紐付けられたもの。決して解呪は出来ません。ならば其処から発生した呪いを、どうにかして別の形で発生させる。
これが後に、柊家に代々伝わる呪術の始まりであったのでした。
「──ていう訳だから。あんたもこれから呪術を習いなさい」
「ええ~……」
「ええー、じゃない」
柊真緒が幼い頃。幼稚園に通い始めた我が子に、母柊葉月は開祖の昔話と、呪術を習う事を伝えた。
柊家の人間は、産まれた時から呪いに苛まれる。歳を重ねる事に、その呪いは強まりやがては呪いにより殺されてしまうのだ。しかしそれならば、今まで柊家の人間は生きてこれなかった。
対策法として幼少期から呪術を学び始め。自身の呪いを、呪術としてコントロールして、緩和させるのが柊家に産まれた者の決定事項だ。
この呪術を修めてやっと、人より少し不幸な人生を歩めるようになる。柊真緒もその例には漏れず、柊家の人間が呪術を覚え始める年頃にて、呪術の訓練が始まった。
「出来なーい!」
「はぁ、マジか……」
しかし。この柊真緒、まるで呪術の才能が無いのだ。産まれた時から母である葉月を慕い。無邪気に笑顔を振り撒く姿から、嫌な予感は常々に持っていた。
呪術とは人を呪う事が基本。つまりは明るい性格よりも、暗く恨みがましい性格の方が呪術師には向いているのだ。
その点、真緒は自分から産まれたとは思えない程に、人懐っこく。恨みを知らない太陽なような明るさ。根っからの根暗を求める呪術には根っからの根明は、非常に相性が悪いのだ。
「……今日もみんな遊んでくれなかった」
「あー、あるある。柊家あるあるだわ。柊家の人間って無視されるかイジメられるんだよ」
「なんで?」
「呪いがあるから。あたしは疫病神とか言われたな」
呪いの質は幼い頃ならばマシだが。他者に移る、被害を与える性質は変わらない。一緒に遊べば必ず怪我をする。幼稚園の先生も、あの子の近くに居ると不幸な目に遭いやすいとなれば。自然と真緒の周囲から人が消えて行くのは当然だった。
「こういう時って、ママはどうしたの?」
「呪ってやったよ」
「え」
「イジメられたからな。倍返しにして全員呪ってやった」
「ええ……」
そう。これこそが柊家の通常メンタルだ。アイツムカつくな。後で呪うか?この恨みは絶対に呪って返してやる。
どんな事でも呪いに関連して考える。人としてろくでなしな程に、呪術師としては大成しやすいのだ。
例え実際に呪わないとしてもだ。あいつを呪いたい。ふとした事でそう思えないと呪術には向かない正確と言える。
「そういうのは、良くないよ……」
「真緒って本当にあたしの娘?」
自分が傷付いても、他者を傷付ける方向に行かない思考は致命的。人としては正しい道でも。柊家の呪いが、その道を許してくれはしない。
「今回は指輪にしたから、ちゃんと毎日着けなよ」
「はーい!」
呪術が覚えられない。そうなると、葉月の作成した呪い避けが頼み綱になる。まだ幼い故、何とか呪いの半分は逸らせるだろうが。それも歳を重ねたらどうなるかだ。
何分、呪術を前提にした生き方しか柊家には無い為。葉月自身もどうすれば良いかは悩んでいた。
「や、やっと1個覚えたよ! お母さん!」
「基礎の基礎だけどな」
中学生に上がる頃。柊家の子供が初めて覚える難度の術を。毎日の特訓の成果により、漸く真緒は会得した。呪いをほんの少し移す。それだけの呪術に何年もの歳月を要した。
「……やっぱり呪術無理だよね」
「だなぁ……」
何時かは実を結ぶと信じた鍛錬も、此処まで成果が無いと諦めも出て来る。ポジティブ思考な真緒も、今回ばかりは無理だろうなと諦めた。先程までの喜ぶ様が嘘のようだ。
中学生にもなるとかなり呪いは悪化して来ている。この呪いのせいで、変わらず友達は出来ず。イジメられはしないが、存在も気薄な扱い。
果てには一般人の父では危険と、父とはもう暫く顔を合わせてない。スマホで会話をするのがお互いの為になっているのだ。
そんな時、呪術を諦めた事で視野が広がったのか。ダンジョン関連の記事が目に入る。
(呪いに関係したアイテムとかあるのかな)
呪いの専門家である母もほぼお手上げ。昔は呪術により、栄華を誇った時期もあったが。時代を経ることに呪術の需要は激減。恨みを多方面に買っていた事から、本家は死亡者が多かったとか。母は逃げ延びた分家の血筋であり、既に祖父も他界した。生きているのは事情を詳しくは知らない祖母だけ。呪術に於いて頼れる親戚も居ないのだ。
だから少し、家が広いんだなとか昔は思ったっけ。
「ダンジョン……確かに昔は無かったからな。現代の未知ではあるな」
「だからさお母さん、あたし……」
「……ふう、しゃあないかぁ……」
長い沈黙の後。母葉月は探索者を目指す娘の選択を尊重した。考え無かったと言えば嘘になる。何時かはこんな日が来るんじゃないかと。ダンジョン関連の情報を見る度に思ってはいた。
「金はある程度出してやるから、体も知識も鍛えときな」
「……良いの?」
「金稼ぎしに行ったらあんた借金作って来そうだし……」
「うぅ……確かに」
まだ働けない歳なのもあるが。それ以上に呪いに寄る被害が懸念点。碌な未来が見えなかったのは母娘共に同じ。素直に親の財力に真緒は甘えるしか無かった。
「鍛えるだけで骨折るとはね」
「知識から頑張ります……!」
ランニングを始めると偶然にも踏んづけた空き缶に滑り。そのまま階段をゴロゴロ転げ落ちる。その時に腕の骨が逝き、今は片腕包帯付きだ。歩き始めたばかりで前途多難であった。
「合格! 合格したよお母さん!」
「おー、一発とかどうした?」
「もう、素直に祝ってよ!」
16歳になりあなたよりも早めの時期に探索者へと受かると。柊真緒は探索者として歩み始めたのだ。
しかし揃えた武器を使い、初めてパーティで潜ったダンジョンにて。真緒は自身の武器が体に突き刺さる経験をした。
下手だとかそういう次元ではない。偶々スッポ抜けた短刀が的確に急所近くに刺さったのだ。この経験から真緒は、盾を持ち、体中を防具で固めるスタイルへと最適化して行く。
そして目ぼしい結果や手掛かりもでずに。パーティに入っては解雇されてを続け。溜まっていったのは怪我と、異常なまでに遭う命の危険により磨かれた防御術。
そして先日あなたに助けられた時間へと繋がるのだ。
「もしかして本家の方でしょうか!?」
『そうです。実は十四代目の当主なんだよ』
『まあ、似たようなもんかな……』←クリック。
「おお! 他にも居るんですね! あたしの家系みたいなのって!」
紛うことなき嘘である。だが、乗っかれそうな嘘だし、ええいままよとあなたは乗っかった。今話された内容に被せて、昔あった一族でぇ…今は自分だけでぇ…と適当な脚色をする。
「凄いです! 凄いです!」
キラキラとした瞳には純粋な尊敬の念が見える。此処までそのまま受け取られると。流石に申し訳無さを感じてくるな。と言うかもう少し疑って良いんだぞ?
「成程……確かにお母さんも言ってました。一族以外には手を晒しては駄目だって。そういう事ですよね?」
あ、うん。と自分が渡した御守りは明かせない方法で作った。なので2人の秘密にしてくれないかと頼むと。これまた都合良く情報を改変して、柊真緒は納得したようだ。
ちょっと都合が良すぎないか?この子。
「え! い、良いんですか!?」
さて。となると不幸が緩和された柊の実力が気になる。どれ程戦闘では違いが出るのか。もし良ければと、柊に次の空いた日。あなたのパーティ3人とダンジョンに行かないかと誘う。
あなたへの恩義を感じている柊真緒は、少し恐縮しつつも。あたしで良ければと前向きな姿勢を見せてくれた。
彼女自身も今の自分が何処までやれるか。それは気になる様子。1人では不安だが、あなたとならと一時的な加入を選んだのだ。
「御守り、大事にします! ありがとうございました!」
元気よく何度も頭を下げてから、柊真緒は見えなくなるまで手を振り続けた。これで上手く彼女が機能してくれれば、あなたのパーティは4人揃った事になる。遊撃、支援、タンク。中々良い組み合わせのパーティだ。…男女比に目を瞑ればだが。
真逆此処まで偏るとはな……。
『すいません……お母さんにバラしちゃいました……』
翌日。あなたのCOMPに届いたメッセージには、短くそう書かれていた。不安はあったが、駄目だったか。
まだ柊さんの母にだけだからマシなのか?
『お母さんが家に来て欲しいと……あの、ごめんなさい……』
昨日の今日だが。お母さんも家には今日居るらしい。早めに済ませておいた方がいいかと。あなたは柊真緒へと返信を送る。
『大丈夫です! お母さんも待ってるって言ってました!』
待ってる。言葉は少ないが何だか圧を感じる気がする。
今日も用事が出来た事を仲間に報告すると。あなたは訓練をしてから、柊家へと向かう準備を始めた。
「い、いらっしゃいませ!」
柊家は昔の日本家屋という様相。ガラガラガラと鳴る引き戸を開けてもらうと。中からは少し頬を染めた真緒が顔を覗かせた。
「……どうでしょうか!?」
肩が出た白いブラウスに、下は長めの黒いスカート。成程。少しオシャレをしたから、恥ずかしそうだったのか。
素直に似合っていて可愛らしいと告げると。真緒は嬉しそうに頬を掻いた。
「お母さんは奥で待ってます。……あの、怒ってますよね?」
『いやいや』←クリック。
『秘密だったのに……』
「……そうなんですか?」
中に入り。出されたスリッパへと履き替えると。案内していた真緒が、恐る恐ると言った様子であなたの顔色を窺う。
何となくだが、この展開は予想が付いていた。だからか特に怒りのようなものは感じない。
「──痛っ!」
とは言え。何も罰が無いのも気にはする性格だろう。軽く手招きをすると、素直にホイホイ近寄ってくる。其処でオデコに軽くデコピンをする。これが罰だとあなたが言い、まだ気になるなら他にも罰を考えるぞと告げた。
「いえ、この償いは今度のダンジョンでお返ししますね!」
自分の中で折り合いを付けたのか。柊真緒は明るい表情へと変わると。次の約束へのやる気を漲らせたようだ。
そんなこんなで広めのリビングへと着くと。中には髪の長い和服の女性が座っていた。
「真緒。あんたは部屋行ってなさい」
「ええ?何で?」
「良いから行きなさい」
「……はーい」
髪は黒く。片目が隠れるくらいに伸ばしている。見えた左目からは、真緒と同じ赤色の瞳が見えた。目の下には隈があり、肌も病的なほどに白い。真緒が明るさを感じる顔付きならば、反対に目の前の真緒の母は。言い方を選ばなければ陰気さを感じる顔付きである。
渋々と言った態度をあからさまに出し、真緒はリビングの入り口から不満そうに出て行った。娘が離れたのを確認してから、真緒の母はあなたへと視線を移す。
「名前は
警戒を諸に移した瞳で、あなたへの自己紹介を求める葉月。あなたは巫山戯ず、名前と探索者をしている事を伝えた。
「目的は何だい? 金? それとも柊の術にでも興味があるのかい?」
葉月があなたを警戒する理由。それはあれ程の御守りを対価も無しに提供した事にある。自身でも作る事は不可能な域の代物。それを偶々会ったばかりの他人に渡す?胡散臭いにも程がある。
他に何か目的があると考えるのが普通だろう。
「あの子は疑う事を知らないからね。で、金? 術? それとも他の何かかい? さっさと言いな」
求めるもの。あなた自身も朧げだったが、今では確かにこう思うのだ。
柊真緒をタンクとしてスカウトしたい。あの防御術は魅力的だ。
「は? タンク? ……ああ、真緒の役割とかだっけ? なに、そんなに優秀なの? 真緒って」
勿論。あの不幸の中で皮肉にも鍛えられた防御術は、彼女の唯一無二の武器だ。それが埋もれるのは勿体無い。
あなたの返答に、探索者関連とは思わなかったのか。少々葉月は面食らったようだ。
「ふーん……真緒のスカウトの為に、好感度稼ぎと呪いをね……其処までやるんだ」
口ではあなたを責めるような台詞だが。その横顔には、娘が其れ程評価されている事に満更でも無さそうだった。
少なくとも始めよりは態度も柔らかくなった気がする。
「……じゃあ、勿論。真緒を仲間に入れたら、ずっと面倒見るつもりだよね?」
ずっと……?少し引っ掛かりはしたが。仲間にしたなら見捨てるなよと言いたいのだろう。母親としてその懸念は当然か。強くなればその分真緒の呪いへの手段も増える筈。
何より仲間になったのなら見捨てるつもりはない。あなたは勿論だと返答を返す。
「そうかいそうかい。ちなみにあんたって、どのくらい強いんだい?」
どのくらいと言われると返答に困る。初級ではピンキリだし言っても意味は無い。せめてもの情報として、よく相手にする悪魔の名前や見た目を言うか。後は稼ぎもか?
「へぇー、驚いた。結構優秀なんだねあんた」
娘。真緒の勉強の手伝いで少しは探索者事情に明るいとの事。探索者の中でも初級ならば上位に居るあなた。仲間もあなたに近い実力。もしくは違う所で優秀なので、パーティ的にもかなり優れているだろう。
あなたからの情報を聞くと、満足そうな頷きが増えて来る。
「次。あの御守りは後ろ暗い方法で手に入れたものかい?」
いつの間にかあなたへの質問タイムに移っている。何個目かの質問で、多分一番気にしている部分へと切り込まれた。
悪魔の力は借りた。しかし中に居るシーサーも、作成の手伝いをしてくれたマカミも。何方も納得済みの方法。命を使ったものでは無く。シーサーも勾玉の中でまだ生きている。
方法は特殊だが、後ろ暗い事は無いとあなたは判断した。
「分かった、信じてやるよ。となると……」
(実行の力有り。真緒からも好かれてる。質問の答えにも気に入らないのは特に無し……)
ブツブツと呟きながら、葉月はあなたを無視して思考の海へと入る。暫しの熟考の後、
「あんたって彼女、もしくは将来を誓った相手とか居る?」
『悪魔が居ます』
『居ないですね』←クリック。
「……了解。質問は終わりだよ」
関係を持った相手として悪魔は居るが。恋人というと少し違う。人間相手は勿論居ないので。そのまま居ないと返答を返す。
長めの質問が終わり。そろそろ結論を出してくれるのだろうか。
「合格! ……真緒の事、頼んだよ」
葉月さんからの許可は戴けたようだ。これで次の約束まで憂う自体は無さそうだ。
話が終わったので、スマホを取り出し、恐らく娘へと連絡を入れる葉月。直ぐ後にドタドタと足音を立てながら、柊真緒が向かって来るのを感じた。
「何で隠れてんの?」
「いや、改めてだと少し……」
真緒がリビングに来ると。何故か葉月の後ろへと隠れてしまった。葉月も何をやっているんだと目で伝えながら、後ろの真緒へと目線を向けた。
親愛を向けて、素直にそれを返された経験が真緒には乏しい。一度部屋に戻り、考える時間があると余計な事まで考えてしまったようだ。
「ほら、あんたを仲間にしたいから頑張ったんだとよ。この人は」
「え、そうなの!?」
「タンクとして優秀だから欲しかったんだとさ」
「え、ええ!?」
結果的にはそうだが。言葉にされると少し気恥ずかしい。
真緒は母とあなたを交互に見つつ、信じられないと言った有り様だ。
「愛想尽かされないよう挨拶しておきな」
「お、お願いひまひゅ!!」
(此処で噛むのかい)
母から背中を押され、慌てながらも真緒は貴方へと宜しくの挨拶を伝えた。少しばかり早い気もするが。きっと、今の彼女は不幸には振り回されすぎないだろう。
新たな、そして最後のメンバーがあなたのパーティへと加入したのだ。
【探索者 柊真緒が仲間になった!】
【柊真緒をパーティ画面から選択出来るようになりました】
この後、真緒のお父さんが久し振りに娘に会ったが。加齢臭の臭いから少し距離を取られたという事件があったとか。
柊真緒 レベル15くらい
使用スキル
呪術(弱) 敵単体 命中率を1段階下げる。唯一柊真緒が所有していた弱体化魔法。覚えた呪術が変化したスキル。
呪われし盾 自動 盾に接触した対象にランダムに1段階能力値低下付与。緩和された呪いは少し扱える範疇になった。自身の盾に呪いを流し、呪われし盾として扱う。
挑発(呪) 補助 自身に5ターン集中状態を付与。呪いの緩和によりある程度のオン・オフが出来るようになった。
防衛本能
クリティカル発生時、体ステータスで判定を行う。判定成功時、クリティカルを通常ダメージへと変更する。
堅牢なる防御術
盾装備時、物理ダメージを大幅に軽減する。
危険察知
HPが0になる攻擊を受ける時。1回だけその攻擊を無効にする。不幸と隣り合わせの人生経験から生まれたスキル。
■■■■の呪い(緩和)
柊一族に掛けられた呪い。代々子孫に受け継がれて行く。
敵から少し狙われやすくなる。低確率でクリティカル発生。バッドステータスに少し掛かりやすい。運のステータスに下降補正。命中率・回避率の低下。
呪い避けの腕輪
母から渡された腕輪。状態異常系の効果を受けた時、低確率でその効果を回避させる。呪いを避ける事に特化したアクセサリー。今は御守りを着けているので、バッグの中か部屋の引き出しの中に。
呪い逸らしの御守り(シーサー入り)
■■■■の呪いを緩和する。福招きの御守りと合わせて効果を発揮。
福招きの御守り(シーサー入り)
運のステータスに上昇補正。少し状態異常に強くなる。呪い逸らしの御守りと合わせて効果を発揮。
ステータスは魔と体に特化してます。1番低いのは運。御守りのお陰で少し運ステータスは上がりました。イメージスキルはこんな感じです。
明日は投稿出来ないと思うのでご了承を