「──起きろ新兵! 起きないと殺すホ!」
『うーん……後もう少し……』
『おはようございます!』←クリック。
スマホのアラーム音はこの日からデモニホ教官のモーニングコールへと変わった。スマホに録音された台詞からは絶えず強烈な罵倒の声が聞こえてくる。
「走れ走れ! 一に体力! 二に体力だホ!」
『サー! イエッサー!』
COMPを腕に装着し、イヤホンを片耳に付けて朝日が昇る時間から走り込み。まだ悪魔という存在を使役出来る、アドバンテージを晒すべきではないとの教官の教えから、外で声掛けが必要な時はこうしてイヤホンを通しての伝達法だ。
「トロいトロい! 減速する毎に追加で訓練だホ!」
脳に直に響く教官の怒声と、未だ慣れないランニングの疲れからフラフラとした足取りになっていくのを教官は見逃さない。多分出て来れたら容赦無くてっけんせいさいが跳んでくるだろうと、疲れた頭でも理解出来るくらいにデモニホ教官は苛立っていた。
「水分休憩! 少しの休憩の後に基礎訓練だホ!」
『ハァ……ハァ……。サー……イエッサー』
「声が小さーい!!」
『サー! イエッサー!』
倒れ伏した状態で何とか水分を補給する。傍から見れば1人で叫んでいる様に見えるが、次の訓練用にあまり人目の無い廃工場跡地に着いた後で良かった。変な目で今見られると肉体的にも精神的にもとても辛い。
『一……二!』
「フォームが違う! やり直しだホ!」
腕立てスクワットのような筋力トレーニングからバット、モデルガンを用いた武器種訓練。銃はまだ買うにはお金が足りない。もう少しフォルマを集めて換金しなければ、弾代も込みなので届かないのだ。
バットは鈍器を扱うイメージで只管素振り。だらけて腰が入っていない素振りをすると1からやり直しさせられる。
モデルガンは本物とは違うが、フォームの練習くらいは出来るとフォームチェックの確認。どんな体勢からでも教官の声があれば銃を構えるように訓練。少しでも遅かったりフォームがズレると罰として筋トレをさせられる。
「よし。朝メシを食ったら異界探しに移れホ」
『……サー! イエッサー!』
「30分で終わらせろホ」
『サー……! イエッサー!』
訓練が終わればダンジョン探し。見つかればダンジョン攻略に移り、見つからなければその日は追加訓練に変わる。ダンジョン攻略の方がまだ違いがあるからダンジョンを血眼になって探す。
『ありました!』
「では出撃だホ!」
武器とCOMPを手にあなたは異界の入り口、空間の切れ目へと入っていった。
【悪霊 ウィルオウィスプがあらわれた!】
「新兵。アイツは物理系に耐性があるホ。仲魔にしたハーピーを上手く使って倒せ」
入ったダンジョンは古びた商店街のような場所。出て来た敵は悪魔一体。しかしバットでの先制攻撃も反応が鈍い。デモニホ教官があなたに言うには、魔法で攻めるのが楽なタイプとの事。教官は後ろからあなたとハーピーを見ながら口だけで指示を出す。あくまで主体的な経験はあなたにさせる方針だ。
【悪霊 ウィルオウィスプの攻撃!……ヒット!】
【あなたは防御している……】
【ハーピーのザン!……ヒット!】
【弱点!ウィルオウィスプに大ダメージ! ウィルオウィスプはダウンした!】
「後はボコボコにすれば終わりだホ」
【悪霊 ウィルオウィスプをたおした!】
悪魔の攻撃や注意はあなたが引き付け、隙が出来たらハーピーに魔法を撃つように指示しておく。相手が一体だというのも上手く嵌り、小ダメージだけであなたとハーピーは勝利を収めた。
「ダメージは少なく、スマートにだホ」
「次はフォルマを十個集めてくるホ。オイラは此処で待ってるから……」
指定数フォルマを指定時間までに回収してくる事。これが次の訓練だ。使える戦力はあなたとハーピーだけ。戦闘はなるべく避けて探索を優先しなければ時間には間に合いそうにない。
【あなたは外道 スライムに話し掛けた……】
「マセキ! マセキくれ!」
だが悪魔を避けるインストールアプリも無い状態では悪魔にも何度か遭遇する。戦闘では勝てても時間が掛かるので、教官より教えられた交渉をメインにして戦闘を回避していく。
「オオ! コレヤル!」
時には会話の発展で少し気に入られたのかアイテムを貰う事もあった。中には低ランクだがフォルマもである。戦うばかりが脳ではない。去っていく悪魔から譲り受けたフォルマを見ながら、あなたはデモニホ教官が言った事を実感した。
「5分遅刻だホ! 罰として基礎訓練追加ホ!」
規定数は集めたが少しばかり会話が弾み遅れてしまった。会話は大事だが、肝心な時には打ち切る勇気も必要なのだと、あなたは罰として腕立て伏せをしながら思うのだった。
古びた商店街。その中の店へと入ったあなたとハーピーは口を重ね、お互いの性器を刺激している。ハーピーは手が無いから臀部をあなたのモノへと押し付け、あなたは手入れのされた指でハーピーの女陰へと指を這わせていく。
「んっ、今日は召喚士のを舐めたいなぁ……」
『そんな事より早くヤラせて』
『お願い出来るかな』←クリック。
訓練の一環としてデモニホ教官はハーピーと触れ合う時間を作ってくれる。外でハーピーを出す訳にも行かないから、自然と仲魔とコミュニケーションを取るとなると、こうしてダンジョンの中となる訳だ。
外では教官が見張りをしているとはいえ、戦場であるダンジョンの中で、ハーピーの体を求めて行為を重ねていくのにはかなりの背徳感があった。
それはハーピーも同じなのか、怯えていたが為に丁寧だった口調を本来のものへと変え、突き出されたあなたの肉棒を目に捉えると、ペロリと好色気な笑みを携え舌舐めずりを始めた。
「んっ、れろ……アタシ……何時でもこういう事、してあげるから……んむっ、守ってね……?あー、むっ……」
舌を裏筋に這わせ、上から下までツツツと舌を滑らせていくハーピー。今度は幹元から先端の亀頭までを舌でペロリと舐め上げていく。その後は大きく口を開けるとあなたの亀頭をパクリと咥えて口に含み、口の中でベロベロと迎え入れた亀頭を舐め回していった。
「ね……?お願いよ……」
『勿論守ってあげるよ』
『もっと気持ち良くしてくれたらね』←クリック。
「もう、仕方ないなぁ……♡」
あくまであなたが主で悪魔は道具。使う事はあっても決して使われるな。あなたは快楽と欲に塗れた思考の中でもそれを違わずに、自身を優先させる選択をした。
確約は取れなかったがあなたの行為は好きなのか、少しむくれた顔をした後、ハーピーは再びあなたの亀頭を口に含み、今度は根元まで幹を飲み込んでいった。
「んっ! んっ!」
じゅぼ、じゅぼと卑猥な音を立てながらハーピーのストロークは続く。頭にポンと手を乗せると男としての征服感だろうか、それを感じて興奮する。あなたの行為にハーピーも文句は言わずに、只管口の中で出入りをする肉竿と亀頭を啜り、舐めて献身さをアピールしていく。
時折根元までハーピーの唇が来る時に合わせて、軽く腰を前に突き出すと、腰から全身に掛けてふわふわとした幸福感が駆け巡り心地が良い。
ハーピーの口内で既に沢山の先走り汁を放出し、ゴクリとストロークの最中に無意識にハーピーへと飲ませながらあなたの限界はとうとう迎えられたのだ。
──ビュルル! ビュク!
「んんっ!??」
いきなり放出された特濃汁にハーピーは目を開き、ストロークの動きを止めた。頬は膨らみ、口元からはドロリと白い液体が漏れ出ている。
「んっ……んくっ……」
頬が膨らむほどの精液を少しづつ、少しづつ喉の奥へと通していき、徐々にハーピーの頬は元の形へと戻っていく。
ちゅぽんと精液を飲み終えて咥えたままの肉棒から唇を離すと、
「……大量のMAGは嬉しいけど、次はちゃんと言ってよね!」
『ごめんな。次からは気を付けるよ』←クリック。
『……そんな事よりもう1回してくれない?』
道具ではあるがそれ故に適当に扱わない事、特に女性型は。道具といえど意思はある。ならば嫌われない程度には好かれておけ。
あなたはその言葉に従い、心を込めてハーピーへの謝罪を行う。ハーピーも反省していると分かったのかそれ以上は怒りはしなかった。
「……じゃあ次は、アタシも気持ちよくして♡」
前戯を終え、大量のMAGを伴った精液を取り込んだ事でハーピーもかなり発情している様子。MAGと呼ばれるエネルギーは性行為によっても与える事が出来るらしい。房中術のようなものだろうか。
今度はそれを直接ハーピーの奥へと注ぐ為に行う。
シートの上に仰向けに寝転んだハーピーは、足をM字に広げてあなたの肉棒を待ち望んでいる。
「んっ……」
挿入する前に顔を寄せ、軽く唇を合わせるとハーピーは少し照れてからあなたへと微笑んだ。
先端を挿れるとハーピーの背中に腕を回して抱き上げる。起き上がるように体勢を上げると同時に自重で、ズルズルとハーピーの中へと肉棒は自然に進んでいく。
「あ……あっ! ……ああっ!」
ハーピーの足があなたの後ろで交差され、羽根もあなたを包むように閉じられる。向かい合いながら少しづつ侵入していくあなたのモノに、ハーピーは恍惚とした声を何度も上げた。
「ちゅ……ちゅる……れろ……んっ」
相手を気持ち良くするのならば我慢の1つや2つはしろ。自身の肉棒を咥えた後の唇へと舌を這わせたディープキスをするのは、かなりの抵抗がある。しかしシチュエーションに蕩け、求めて来るハーピーを退ければ、理解は出来ても納得は出来ずにモヤモヤを抱えてしまうだろう。
これはあくまでも訓練の1つ。初めての経験の際は後から教官にとことんダメ出しを食らい、かなりの精神的ダメージを負った。それに比べれば一時的に我慢するくらいはなんてことは無いのだ。
(あ、そういえばさっき……)
「ちゅる! ぢゅるる! んぢゅ……」
途中でハーピーも気付いたのか目を見開いたが、表面上は気にせずに貪るように唇と舌を求めるあなたを見て、目を細めた後、彼女からも激しくディープなキスを求めた。
「んっ……んちゅ……ああっ!」
唇を吸い、舌を絡めてお互いに密に密に密着する。肌が触れ合うほどに密着しながらあなたは下から突き上げ、ハーピーはそれに合わせるように腰を降ろす。
今だけはあなたとの行為に夢中になり何も考えずにハーピーは無心になって腰を振り降ろし続けた。
「んん〜〜〜〜っ!!♡♡♡」
お腹の奥に温かい精液を放出されながら、ふわふわとした頭でハーピーはあなたとの行為を終えたのだ。
「それじゃあボス戦だホ」
訓練とオマケのMAG補給も終えてあなたとハーピーはデモニホ教官と合流した。何体か悪魔を討伐したのかあなたへとアイテムとフォルマを投げ付ける。
ボスが居るエリアは既に把握済み。というか後はボスエリアだけだから先にハーピーでの訓練をしたというだけだが。
小規模ダンジョンの消し方は中のボスモンスターを倒す事が条件だ。ハーピーはボスだったが、あの後ダンジョンからCOMPに入れて出て行くと、ダンジョンも消えたので、ボスが居るかどうかがダンジョンを保つ条件なのだろう。
【夜魔 リリムがあらわれた!】
そんな事を考えながらマップに従い歩いていると、古びた商店街の裏路地に、女の子の現れた。
視線でデモニホ教官から手を抜くなよという熱い視線がさっきから送られている。ハーピーの時と同じような行動をしたら半殺しにされそうなので、彼女には悪いがあなたは自身の為に相手を容赦無く殺す事を決めた。
【リリムのマリンカリン!……回避!】
ボスは魅了攻撃が基本なのか。また掛かったら教官からの目覚ましナックルが飛んでくるんだ。何が何でも避けてやる。何度も魅了魔法は食らっているので少しは魔法の見分けは付く。
【リリムのドルミナー!……ヒット! ヒット! 回避!】
『Zzz……』
「うーん……おやすみー……」
「……はぁ、だホ」
全体睡眠魔法。そんなものもあるのか。あなたとハーピーは腫れた頬を擦りながら攻撃をお見舞いした。
【あなたのバット殴り!……ヒット!】
【ハーピーのマハザン!……ヒット!】
【デモニホのうちまくり(弱)……ヒット!】
【リリムに大ダメージ!】
3対1。レベルはリリムの方が高くとも多勢に無勢。後2、3発食らったら死ぬという状態でリリムは再び睡眠魔法を放とうとした。
【あなたの投石!……ヒット!】
「きゃっ!?」
本物の銃は持っていない。しかし遠距離攻撃ならば其処らの石でも出来る。残念ながらダメージは微々たるものだが、怯ませる事くらいは出来たようだ。
「よくやったホ、新兵!」
【ハーピーのマハザン!……ヒット!】
【デモニホのうちまくり(弱)……ヒット!】
【夜魔 リリムをたおした!】
ハーピーの時とは違い、女の子悪魔は白い煙となって消えて行った。ダンジョン内部がボスの不在により不安定になったのか揺れが始まる。直ぐ側に出来た切れ目から、あなたは仲魔をCOMPに戻してから飛び込んだ。
「ふむ。今回はまあまあだったホ」
「という訳で考えておいた今日のメニューだホ。寝る前までにちゃんとやれホー!」
……ハーピーとの訓練をしている間に考えたらしい。ダンジョン攻略があっても無くても、寝る前までトレーニングは続く。ダンジョンに潜るよりも基礎訓練の方がとても憂鬱であったのは言うまでもないだろう。
まだトレーニング中だから新スキルは無し。次の仲魔は誰にするかな〜。