※この作品はR-18です。

現代×ダンジョン×メガテン   作:ニンカタ

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今回はエロないよ。入れたくても不自然だから入れなかったよ。


第4話

 

 あなたが装備の更新を終えて、初めてのソロ探索を学んでから少し経ち、あなたは毎朝の訓練を済ませると今日攻略するダンジョンの入り口を探していた。

 数十分の捜索の後に空間の切れ目を発見したあなたは、装備を整え切れ目の中へと足を踏み入れた。

 入って直ぐに目に映ったのは4人の人間の姿。男性2人に女性が2人。

 

「おっ、探索者かい? 悪いがうちが先に見つけたから少し待ってくれるかな」

 

 黒い短髪の男性、恐らくはリーダー格だろう。彼は盾と片手剣の整備をしながらあなたの方へと顔を向け、親しみのある笑顔でそう言った。

 ルール、という程ではないが小規模ダンジョンは見つけた者の早い者勝ちが基本だ。とはいえこうしてかち合う時もある。となるとどうするか、それは早く見つけた者から先にダンジョンに潜れるという決まりだ。

 明文化、細かく決められたルールではなく、暗黙の了解に近いもので。先に見つけた探索者が潜ってから、少し時間を於いて後から来た探索者は潜る。何時からかそんなルールが出来たらしい。

 

「あれ? 仲間居ないのか?」

 

 既に準備を終えているのか、両手持ちの大剣を携えた茶髪の男は、中々来ないあなたの仲間を不審がり初対面ながら不躾な質問をあなたに投げ掛ける。

 

「へぇ。ソロなのかあんた、初めて見たかも」

「こらっ! 隼人(はやと)

「うわ! 急に何だよ莉子(りこ)!?」

 

 あなたが仲間ば居らずに1人でダンジョンに潜っていると告げると、隼人と呼ばれた男は奥から来たオレンジヘアーの女性に耳を引っ張られた。

 

「事情があるかもなんだから、そういう事は初対面で聞かないの! すいませんね。うちのが」

「お、おう悪かったよ……」

 

 あなたは始めからソロのようなものだが、中には事情がありソロ探索者をしている者も居るだろう。人のプライベートに踏み込むかもしれない質問は、確かに気を付けた方がいいのは間違いない。

 

「ではお先に」

 

 そんなやり取りをしていると残りのメンバーも装備は整ったのか、短髪黒髪のリーダーに続きメンバーが後をついて行く。剣を携えた前衛2人に、ライフルとサブマシンガンを備えた後衛女性2人。出来れば探索者パーティの見本として少し様子を見たいところではあるがそれは迷惑にしかならない。

 

「丁度いいホ。他の探索者チームが居る時の感覚を覚えておけホ」

 

 彼等が居なくなった後にデモニホ教官はCOMPから声を出すと、今回はソロ探索訓練の一環としてこのまま1人で潜って来いと後押しされた。

 何時もダンジョンの中に入ってから仲魔を召喚するが、今回はその習慣が功を奏した。人目が無い場所だからと、入る前から仲魔を召喚していたら面倒な事になった。

 これからもこの習慣は大切にしておこう。

 

「悪魔と会話もするなホ? 良くて変人扱いだホ」

 

 そうかとあなたは教官の言葉に納得する。戦闘かフォルマ集め。大体この2つしか他の探索者が居る時はしない方が良いか。

 実質ソロデビューのような心持ちで、あなたは少し時間を置いてから探索者チームが進んだ道へと足を向けた。

 

 

【アガシオンのジオ!……回避!】

【あなたの精密射撃!……ヒット!】

 

 仲魔との戦闘とは違い相手を倒す事よりも生存に重きを置く。悪魔一体であれば戦闘を行い、2体以上ならば戦闘は避けて別のルートを模索する。マップの埋まりが穴凹だがこれは仕方ない。戦力が足らない装備が足らない以上、ある程度の妥協は必要不可欠だ。

 

【アガシオンBがあらわれた!】

【あなたは逃走を選択!……逃走成功!】

 

 例え悪魔一体で戦闘を開始したとしても、後から合流してくる悪魔が居た場合はこうして直ぐに逃走を選ぶ。

 数の暴力は前に知った。1対1でも危ない状況に陥る事はあるのだから、2体からは今の自分では論外だ。その場限りならば倒せなくはないが後には続かない。ダンジョン戦闘に於いて重要なのは継戦能力なのだから。

 

「逃げたのは良い判断だホ」

 

 教官からの高評価も頂きつつ、【フォルマサーチ】で辺りをチェック。1個発見。回収しておく。

 今回は戦闘の方がリスクが高い為、交渉も選択肢に入れられない状況では地道な【フォルマサーチ】での探索がメインとなる。

 1つのエリアをくまなくサーチでチェックしていき、発見すれば回収。エリアに悪魔が居れば一体ならば片付ける。2体居るならば即座に違うエリアに。そのお陰か今日のフォルマ数はかなり多い気がする。

 戦闘をカットしているからその分がフォルマに換算されているのだろう。

 

「ふむ。あっちで戦闘を行っているようだホ」

 

 二手に分かれた道。右からは剣戟や銃撃の音が響いて来る。声もだ。ならば進むのは左がいいだろう。

 彼等と鉢合わせても仲間でも友人でもないのだからメリットはお互いに無い。寧ろ余計な気を遣うから会うのはデメリットだ。それは相手も分かっているから今までダンジョンの中では遭遇はしていない。

 変な緊張感があるな。同じダンジョンに仲魔以外の存在が居るのはこんな感覚なのか。そんな事を思いつつあなたは左の道へと進んだ。

 

 

 

 剣同士が重なる音、合間に銃撃の音、焦りを感じる叫びが聞こえる。探索者チームと会わずに暫く、マッピングと探索を続けていたあなたはその音を耳にした。ただの戦闘音であればそのまま気にせずに逆の方向へと足を向けただろう。

 だが聞こえる音には先程までの安定が感じられなかった。近づき耳を済ませば、あまり戦況が宜しくない状況へと陥っている様子。

 

「どうするホ。助けなくても咎められる事は無いホ」

 

 探索者の命は自己責任。命を掛けて大きなリターンを得る代わりに命の保証はされていない。ライセンス配布の際に受けた講習にも、他の探索者を助けるのは義務ではない、助けなくても罰せられる事は無いと聞いた。

 今日会ったばかりの特に親しくも無い相手。あなたは助けるのだろうか助けないのだろうか。

 

『助ける』←クリック。

『助けない』

 

 あなたは選択をした。迷った末に見過ごすにはと助けを出す選択を選んだ。デモニホも何方を選んでもあなたが決めた事ならば反対するつもりはなく、あなたの選択を尊重した。

 

「助けるなら、早く行った方が良いホ」

 

 弾丸数を確認。先程装填したばかりだから充分にある。

 警棒とタクティカルナイフの確認。まだまだ使える損傷無し。

 残った回復アイテムを直ぐに出せるよう意識して、あなたは戦場へと駆けていった。

 

『手助けは必要ですか!』

 

 緊急事態に於いても、他パーティに干渉する際は声掛けをするべし。助け、合意なき干渉は後のトラブルの元となる。

 助けを求められた時、緊急時に助けの確認を取れた時にのみ、探索者は他の探索者へと助け船を出す事を推奨する。

 

「……頼む!」

 

 二刀流のガイコツの刀を盾、片手剣で受けているリーダー格の男は、少しの沈黙の後あなたの声に反応を返した。

 恐らくボス格のガイコツ悪魔に取り巻きのアガシオンだったかが3体。ガイコツはリーダー格、アガシオン3体は他の3人が請け負っている。

 

「了解した! だが早くしてくれ! あまり保たない……!」

 

 先にアガシオン3体から始末する。ガイコツの戦闘力、スキルは未知数。対してアガシオンは戦闘経験からスキルの推測はつく。

 増援として3人の方へと向かいながら、リーダー格の男へと持ち堪えるように激を飛ばす。

 

【アガシオンAのジオ!……割り込み! あなたのパワーアタック!…ヒット!】

【アガシオンBのディア!……割り込み! あなたの精密射撃!……ヒット!】

 

 2回行動。先ずは真っ先に近いアガシオンへと思い切り警棒を振り降ろし、続いて即座に回復行動を取るアガシオンへと銃弾を放つ。本来ならば2回行動はしない。何故なら行動後の硬直、立て直しに時間が掛かるからだ。

 その行動(ターン)では2回行動が可能だとしても、その次の行動(ターン)で立て直しが必要になる為、結局は総合的にはトントンとなるのだ。寧ろ1行動が実質無行動になる為デメリットの方が目立つ。

 だが今回はあなた以外の戦力が居る。あなたが動けない行動時に隼人と呼ばれた男はアガシオンAへと大剣を振り降ろし、黒色の長い髪をした女性がライフルでアガシオンBを狙い撃つ。

 莉子と呼ばれた女性は残りのアガシオンCへと牽制の銃撃を放ち、あなたが立て直すまでの時間を稼いだ。

 

【あなたのパワーアタック!……ヒット!】

【アガシオンCをたおした!】

 

 先のあなたと他2人の累計ダメージにてアガシオンAとBは消滅している。となれば後は消化試合。立て直したあなたが最後に行動してアガシオンCの命も此処で尽きる。

 

【トゥルダクの会心剣!……ヒット!】

【悟は防御している……】

 

 攻撃はせずに防御に徹したお陰かリーダー格の男は何とか持ち堪えている。しかし息が荒い。何時均衡が崩れてもおかしくは無い状況。

 

【あなたのパワーアタック!……回避!】

「うっそだろ!? 速っ! あいつ!?」

 

 あなたの攻撃はガイコツ悪魔に避けられたが、注意を変える事には成功したようだ。後ろであなたに置いてかれた3人が驚いたような目で見ているが、戦闘中のあなたは気が付かない。

 

【トゥルダクのグラムカット!……回避!】

 

 全力疾走を終えた直後でも、あなたの行動には疲れが無い。難無く二刀の刀二振りの攻撃を避け、返す弾丸としてハンドガンから銃弾を放つ。

 

【あなたの精密射撃!……ヒット! クリティカル!】

【トゥルダクに中ダメージ!】

 

 ダメージを与えられた事でトゥルダクの意識は完全にあなたへと向く。回復アイテムはある様子、息を整える為にまだ戦線復帰は出来ないだろうが、此処は選手交代だ。

 

「……大丈夫? (さとる)?」

「ゲホッゲホッ! 何とか……」

 

 莉子が悟と呼ばれたリーダー格の元へとたどり着く。少し息は乱れているが問題は無い。悟は莉子に任せたあなたは、目の前の悪魔へと集中する。

 

【隼人の攻撃!……回避!】

「はあっはあっ……クソッ、外した!」

 

 徐々に数がボス悪魔を上回っていく。外しはしたが、あなたが攻撃する隙を確かに隼人は作ってくれた。

 

【あなたのクイックスタブ!……ヒット! クリティカル!】

【トゥルダクに中ダメージ!】

【邪鬼 トゥルダクをたおした!】

 

 小さなダメージは確かに蓄積していた。ボス悪魔はあなたの攻撃を受けた後、静かに消えて行った。

 

「はあっ……。キッツぅー!!」

「何とか倒せましたね……」

 

 隼人が大の字に倒れ、初めて声を聞いた黒髪の女性が安堵の息を吐く。リーダー悟もかなりマシになってきたのか顔を上げてメンバーの様子を確認した。全員無事だと分かると安心したのか少し力を抜いた。

 

「ありがとう。……えーと名前は」

「はいはいそれよりも早く出るよ。グズグズしてると崩壊に巻き込まれるから」

「確かに……そうだな」

 

 お礼をあなたに告げようと、悟は顔をあなたに向けるがそれに割り込み莉子が遮る。莉子が言う事は最も至極。生き残ったのにダンジョン崩壊に巻き込まれては意味が無い。

 まだ大の字に倒れている隼人へと軽く蹴りを入れて立たせる。リーダーは悟という男だが、そうでなければ彼女が纏めていたくらいには手際が良かった。

 

 

 

「改めて助かったよ。いきなりボスモンスターと戦いになったから……本当に」

 

 1日目は探索をメインとしてマッピングを終えてから次の日にボスモンスターに挑む。このチームでのルーティンはその繰り返しであった為、今回のアクシデントは想定外であった。

 アガシオン3体と遭遇し、面倒だと逃走を図ったが逃げた先は偶然にもボスが居るエリアときた。後ろからは3体のモンスターが追い付いて来て、已む無く戦闘を開始したとの事。

 

「で、話なんだがフォルマの分配はどうしようか?俺としては君に助けられたし全部譲るのも吝かではないよ」

「……うーん、まあ仕方ないかぁ」

 

 命の危機が過ぎれば今度は倒した悪魔からのドロップ品。其れ等をどう分けるかという話になる。ボス悪魔が落としたフォルマ1個。悪魔3体が落としたアイテムとフォルマの混合3個。計4個の代物だが、同じパーティでないのならしっかりと決めて置かないとトラブルの元になる。

 莉子という女性も惜しくはあるが今回は仕方ない。そんな反応を小声でボソリと呟き。他のメンバーも概ね納得はしているようだ。

 

『ではお言葉に甘えて全部で』

『ガイコツ悪魔が落としたフォルマを貰う』←クリック

 

 あなたの活躍は確かに大きなものである。だがしかし全てが全てあなたの貢献という訳でもない。全部貰うには少し過剰な気がして、かと言って半々に分けるのもまた違う。

 悩んだ末にあなたは、ボスから落ちたフォルマを手に取り、これを報酬として貰うと宣言した。

 

「なるほど、そう言ってもらえると助かるね」

 

 ボス悪魔を食い止めた事、あなたの硬直時の援護。これで全部を掻っ攫うのは忍びない。ボスへのダメージはあなたが多く与えた事からこれだけを貰うと説明すると、ただの気遣いではなく考えあっての判断だと理解し、悟は納得したようだ。

 

「皆もこれで良いか?」

「文句なーし」

「少しでも手に入るなら御の字でしょ」

「大丈夫です」

 

 こまめにメンバー達の意見を尋ねる。これが彼のリーダー足る所以なのかなとあなたは思った。

 

「じゃあなー」

「フォルマサンキューね」

 

 ドロップ品の話も終わり、あなたと悟達はお別れとなる。隼人と莉子からは軽く言葉を掛けられ、悟と今更ながら名前を知った恵美という女性は頭を下げてから去って行く。

 この後も彼等はアイテムの分配とかで話をするのだろうか。独り身故に其処らの事情は分からないが、人間同士での結束も悪くはないものだと今回の経験であなたは思っただろう。

 

「個人個人はお前に敵わないホ。しかし集団になり意思を統率する事で大きな力となるホ」

 

 悟達が居なくなりCOMPからデモニホ教官の言葉が聞こえる。人間同士のパーティ。その事を考えながらあなたは帰路へと着いた。

 

 

 

「ソロってあんなに強いんだービックリ」

「速いし。外さなかったね……」

 

 所変わって此方は悟パーティ。一時的に共闘したあなたについて話しているようだ。莉子は素直な驚きをそのまま口にし、恵美は銃の命中精度について言及する。

 

「ああいう人が中級に上がるんだろうか」

「だってさ隼人。一緒に戦えそう?」

「無理!」

「だよね〜」

 

 何時かは中級探索者になり中規模ダンジョンへと挑みたい。そんな目標を口にしていた隼人へ、悟の呟きに乗じて莉子が乗っかる。隼人は少し思案した後に今は無理だと断言した。

 中規模ダンジョンからはパーティを組む必要性が出て来る。小規模ダンジョンと比べて危険度や構造の複雑さが増すからだ。中級に至る者があの実力の先に居ると仮定した時、上手く協力して戦えるか。それを考えた時に隼人は無理だなと確信したのだ。

 

「まあ今は修行中みたいなもんだから……」

「何時になったら修行が終わるのかなー?」

 

 今日を生きた探索者達の語らいは明るかった。




今回は探索者パーティとのお話。アンケートっぽいのするので気が向いたらお願いします。

追記
ちょびっと追加しました。
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