※この作品はR-18です。

現代×ダンジョン×メガテン   作:ニンカタ

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今日は※無し。後は少し久し振りの登場かな?


第6話

 

 あなたは今COMP専門店へと向かっている。数回ダンジョンに潜ったのなら点検を受けておけ、そんな探索者同士のやり取りがされている、ネット掲示板での書き込みを見たからだ。

 回避行動、防御の際にどうやってもCOMPには負担が掛かる時がある。奇襲を受けて咄嗟に腕を交差などすれば尚更にだ。

 ピカピカの新品だったのも少し前の話。あなたはCOMP点検を受けるため、COMP専門店へ赴いた訳だ。

 

「こんにちは! 前にお見えになられた方ですよね。今日はどんな御用向きでしょう?」

 

 黒縁メガネに黒く長い髪、あなたの担当はまたしてもこの人だった。あなたが覚えているように先方も顔を見た瞬間、あっとした表情を取り、その後は笑顔であなたに用件を尋ねた。

 

「そうだ。私、結城梓と申します。以後お見知り置きを」

 

 2回目だからと用件をあなたが伝える前に軽く自己紹介をされた。胸元にあるネームプレートをあなたに見せ、字はこうですと手際が良い。ネームプレートを見せる時に、ブルンと揺れた豊満も、気にはなったが。

 

「COMPの点検ですね、分かりました」

 

 あなたも自己紹介を返してから、結城梓にライセンスを手渡す。ダンジョンに結構挑んだので、COMPの調子を見て欲しいと頼むと、ライセンスカードを機器に読み取られせた後に、カウンターの上に置かれたCOMPへと手を伸ばす。

 

「……えーとこの日付に、ライセンスを発行したんですよね……?」

 

 細かい傷が目立つCOMPを一通り見回すと、梓は少し引き気味な笑みを浮かべて、パソコンに映し出された日付を見せる。

 間違いは無いとあなたが肯定すると、ですよねぇと呟き画面の中のカーソルを操作していた。

 

「はっきり言って今日来てくれて良かったです。もう少し使ってたら多分、破損していたと思いますから」

『え』

「あまり詳しくは説明されていないと思うので、話しますが──」

 

 講習では確かに聞かなかった。恐らくは其処まで急に駆け上がる例は稀だったからだろう。

 COMPにはランクがあり、1段階目はレベルが二桁に到達するまでは耐えられる仕組みになっているとか。しかしそれ以降は最低でも二段階目、つまりはランク2に上げる必要がある。

 低レベルのモンスターから受ける攻撃と、中レベルのモンスターから受ける攻撃では大きく差が出るためだ。

 最近はレベル二桁超えのダンジョンへとあなたは潜っていた。その為、摩耗や傷もかなりのハイペースで溜まっていたとの事であるから、恐ろしい話だ。

 

「奇跡的に、機能も問題無く使えたのも原因の1つですかね」

 

 壊れる時は一瞬で壊れたと思いますよとさり気なく聞かされた言葉に、あなたはこれからしっかりと定期的にCOMP専門店へと顔を出す事を決めた。

 COMPが壊れれば勿論自己責任の自己弁償となる。お金も掛かるし再配布にも時間は掛かるらしいし、得は1つもない。壊れるとインストールしていたアプリもパァになり、1から集め直しなんて事も聞いた。

 

「幸い修理をすれば問題無く使えるので、其処はご安心を」

「……ですが、強化パーツ導入を強くお勧めします。お客様の活動ダンジョンレベルを考えると、短期間で破損する可能性大いに有り得ます」

「此方参考価格と、強化用に必要なフォルマのリストです」

 

 高い。アプリと同じく、強化用のフォルマを集めればかなり安くはなるが、そうなると暫く強化フォルマ集めに今より下のダンジョンを繰り返し攻略する必要がある。新しい仲魔も加えて順調に進んでいる今、この流れには乗っていきたい。元はと言えばあなたの勉強不足が招いた事柄、高い勉強代ではあるが払えない額という訳でもない。

 

『フォルマ集めてきます』

『強化用パーツをお願いします……』←クリック。

 

 

「はい、承りました。良い選択だと思いますよ」

 

 COMPを置き、奥に在庫確認をすると立ち去った。貯金が半分くらい飛んだが必要経費として受け入れるしか無い。短くも濃い時間を共に過ごしたCOMPを見つめていると、在庫の確認が取れたのか梓が戻って来る。

 

「有りました。修理と改造を行うので暫く時間は掛かりますが……どうなされますか?」

 

『COMPを預けて外に出る』

『COMP専門店にて時間を潰す』←クリック。

 

「分かりました。それでは暫しお待ち下さい」

 

 奥にCOMPを持ち、引っ込んで行った梓の横顔が少し見えた。楽しそうな表情。前もチラッと見えたが、彼女はCOMPを弄るのが生き甲斐なのだろう。

 もしかしたら耳を澄ませば、鼻歌が奥から聞こえてくるかもしれない。そんな風に思う程、これから作業へ向かう梓の足取りは、軽く見える。

 

『掲示板でも覗こうか』

『探索者関連の動画を見る』←クリック

 

 待合室のソファに腰掛け、スマホのロックを手慣れた指捌きで解除すると、登録している配信サイトへアクセス。

 

【ブラッド・リリー ダンジョン挑戦中!】

 

 

【凶鳥 アンズーの群れがあらわれた!】

【天野凛のマハザンマ!……ヒット! ヒット! ヒット!】

 

「せっちゃん後よろしくー!」

「任せろ」

 

【桐生刹那の刹那五月雨突き!……ヒット! ヒット! ヒット! クリティカル!】

【凶鳥 アンズーの群れをたおした!】

 

「……出る幕は無かったか」

「回復必要ですか〜?」

 

・早っ

・りんりんおつおつー

・バサネキドンマイ

 

「私はだいじょーぶ! せっちゃんは?」

「体力を少し消費した。頼む」

「お任せくださいな」

 

【星野マリィのディアラマ!……桐生刹那の体力が中回復した!】

 

 ブラッド・リリー。リーダー天野凛(あまのりん)桐生刹那(きりゅうせつな)星野(ほしの)マリィ。上月晶(こうづきあきら)。の4人で構成されたパーティだ。全員が中級ライセンスを持つ中級探索者でもある。

 主戦場は勿論中規模ダンジョンを主としており、偶に他の県のダンジョンへとお邪魔する企画も開催している。

 方向性の違いはあれど、4人ともが容姿端麗な女性の集まりという事もあり、特に男性層からの人気が高い。

 

「あーきらっ! おんぶして♪」

「抱き着くな! 鬱陶しい……」

 

・あら~

・ありがてぇありがてぇ

・リリー要素助かる

 

 時にオーバーなスキンシップをするのも特定の層には受けが宜しい。素なのか狙っているのかはファンの間で議論されているが、何方にしろええもん見れるから良いだろ、という共通見解は共有されているとか。

 

 

【天野凛のマハジオンガ!……ヒット!SHOCK!】

 

・痺れる〜

・俺もりんりんに痺れてるけどね つスパチャ

・うわ……

 

「スパチャありがとー! ちゅっ!」

 

・たすかる

・ああああああ

・俺にもください つスパチャ

・じゃあオレも つスパチャ

 

 リーダー天野凛はオールラウンダー。全属性魔法を万遍なく扱え、更には単体だが補助魔法まで使用出来る。装備は魔法に扱う力を回復する効果を付けている。弱点突けないモンスターの方が少ないとか、チートだろとは同じ探索者リスナーの言葉。

 

【桐生刹那の貫通撃!……ヒット! 物理耐性を貫通した!】

 

・何でこの人は物理効かないモンスターを物理で倒してるんですか?

・脳筋やししゃーない

・物理だけは普通無理やでせっちゃん…

 

「? 鍛えればいけるぞ」

 

・鍛錬万能論やめろ

・それは貴方が凄いだけなんです……

・はぇーそうなんや。後でやってみよ

・↑成仏してクレメンス

 

 桐生刹那。黒いショートヘアーにバキバキに割れた腹筋を持つアスリート体型女子。槍1本で戦う様は正に武人。私生活でも鍛錬が趣味であり、生活の一部と断言するくらいには鍛錬マニア。そのボーイッシュな見た目から結構女性からの人気もあるらしい。

 槍に関連した物理単体技から全体技を主に使用する。装備は自身の動きやすさを考慮した軽装の鎧。全体貫通技を覚えられないのが最近の不満らしいが、それはおかしいと視聴者からツッコミを入れられるのが常。

 

 【星野マリィのレッグショット!……ヒット!素早さがダウンした】

 【星野マリィのアームショット!……ヒット!攻撃力がダウンした】

 【星野マリィ連続うち!……ヒット! ヒット! ヒット!】

 

・あの……この人さっきからずっと無言で銃撃ってるんですけど……

・知らんのか? マリ・ヘイヘが銃を構えたら相手は死ぬ

・マリ・ヘイヘは銃しか使えないか弱い女の子だから仕方ないんだ

・か弱い()

 

「あ! 補助掛けないと……」

 

・つ い で に

・本職バッファーだよね? マリ・ヘイヘ

・回復も出来るぞ

・元はヒーラー兼バッファーなんだよなぁ

 

 星野マリィ。金色の髪を後ろに束ね、白いローブを着ているが、ゆったりとした服装でも隠せない豊満なボディラインは、男性層からの受けが抜群である。何か攻撃手段を持とうと銃を握ってからは立派な戦力として様変わり。回復や補助よりも銃撃ってる方が多いじゃんとは言ってはいけないお約束。装備は回復の効果アップ、補助魔法延長効果の装備を使用している。

 

【上月晶は力を溜めている…】

「ふぅ……! ふぅ……!!」

 

・あ

・ヤバい

・初見は暫く目瞑ってろ!!!

・なになに?どうしたん?

 

【上月晶の大暴れ!…ヒット!クリティカル!クリティカル!クリティカル!】

「──■■■■■!!!!」

 

・耳壊れる〜

・うお……グロ……

・今日は一段と暴れるっすね

・オロロロ

 

 上月晶。徹底的に素顔は晒さずに深くフードを被る女性。声はしっかりと女性な事、メンバーにも女性として扱われている事から女性だと思われているが詳細は不明。口は悪くぶっきらぼう。ファンサなんて微塵もしないがそれが逆に良いという層に熱烈に支持されている。

 戦闘スタイルは素手。そう素手である。状態異常付与や、弱体化魔法は扱えるが攻撃手段は専ら素手である。装備は最低限着ければ要らないと豪語し、実際着けると動きの邪魔になる為アクセサリー、シューズしか装備していない。

 素手で悪魔の頭を砕き、大雑把に壁にぶち当てたりと暴走したように戦う様から付いた渾名がバーサーカー。略称としてバサネキと視聴者から呼ばれているが、勿論晶からの評判はとても悪い。

 

 

「はぁ……! はぁ……!!」

 

 ・おつかれ〜

 ・バサネキ息荒いけど大丈夫なん?

 ・へーきへーき何時もこんなんだから

 

「回復してきますね!」

(少々暴れ過ぎだな。……もうなのか?)

「──はい!という訳で晶が体調悪そうだから今日は此処まででーす!」

 

・あら? そうなの?

・やっぱり

・バサネキ大丈夫?

 

「心配ありがとうね! 多分休んだら大丈夫だと思うから、今日スパチャくれた──」

 

 上月晶の様子が変だという事から今日の配信は此処までとなった。最後にスパチャをくれた個人にお礼を返して放送は終了。ファンのやり取りでは、偶に上月晶が体調を崩すのはよくある事。今回もそれなのではと予想コメントが付いていた。

 女性特有のあれだろうかと下世話な話が始まった所で、あなたへの呼び出しが聞こえた。

 

 

 

「お待たせしました。修理とCOMPの改造が完了したのでお返しします。どうぞご確認を」

 

 付いていた傷は新たなパーツに変えたからか新品そのものに見える。入っているアプリ。タップの反応速度。後で【悪魔召喚プログラム】と【邪教の館.exe】を入れれば元通りだろう。

 

「いえいえ。やるべき事をしただけなので。それで此処からは少し関係無い話になるんですが……」

 

 支払いを終えて、COMP修理と改造のお礼を告げると、梓は気にしないで下さいと言葉を発してから、回りをキョロキョロと確認してからあなたの方へと顔を近付け、ボソボソと話し始めた。

 

「もし、次のアプリをどれにするか迷っているならですけど。【ヒューマサーチ】を個人的にはお勧めします」

 

 【ヒューマサーチ】。アプリ説明欄には、他のCOMP使用者の存在を表示する機能と書かれていた。

 

「……探索者の中には明日の稼ぎも苦しいという方は確かに存在します。そしてそういう方は偶にですが……」

 

 成程。表向きはCOMP使用者が他にも居る状況、つまりはダンジョン内で鉢合わせが起こらないようにするアプリだと説明しているが、その本質は最低限の自衛を探索者に行わせる機能という訳だ。

 

「お客様はソロ探索者ですから特に。それに少々フォルマ数や、購入にはライセンス情報の確認等が要りますがお客様なら問題無いかなと」

 

 極端な話ライセンス情報に罰則を受けた記述があれば購入は出来ないらしいが、あなたには罰則を受けた経験が無い。ならば問題は無し。

 何故其処まで親身にしてくれるのかと話を終えた梓に、率直な疑問をあなたはぶつけた。

 

「お客様は有望そうなので。何時かレアなフォルマを持ち込んで来る事を期待してますよ!」

 

 成程。優秀な探索者に少しでも恩を売っておこうという考えか、納得出来る。あなたは考えておきますとフォルマもアプリの件も2つの意味で返答を返し、COMP専門店を後にした。

 

 

 

 

 此処は許可なき訪問者は訪れない国の管理区。探索者専用の区画であるが、住むことが許されるのは多大な功績か信用のある探索者に限られる。

 

 「うっ……! くうぅぅ……!!」

 「大丈夫!? 晶!」

 「何とか……」

 

 胸元を強く掴み、晶は荒々しい呼吸を何度も吐く。額からは滝のように汗が流れ、床へとポタポタと垂れ落ちていった。

 

「今回は早いな。まだ満月前日だぞ」

 

 カレンダーへと顔を向け刹那は苦々しく暦を睨みつける。上月晶はある理由から満月の日に激しく体調を崩す。この状態になると先ずダンジョン潜りは不可能となる。

 

「アキラちゃんの看病は何時も通り私がします。さ、行きましょうね、アキラちゃん」

「子供扱いするなって……!」

 

 晶に肩を貸し、少し上機嫌な様子で晶を自室へと連れて行くマリィ。2つの意味で憂鬱な時間を過ごさなければいけないと分かり、晶はせめてもの反抗としてマリィへと悪態をつく。しかしそんな様子もマリィの奉仕欲を高めるだけであった。

 

 

「相変わらず人の世話が好きだな。マリィは」

「辛そうだったけど、あれなら大丈夫そうだね」

 

 ホッと晶の様子を見て一安心と言った2人だったが、明日の予定をどうするかという問題へと話が変わり、眉間に皺を寄せた。

 

「日常企画は晶がダウンしてるし却下……」

「装備の紹介もこの前にしたばかりだしな」

 

「うーん……あ!」

「何か思い付いたのか?」

 

「明日せっちゃんと私で小規模ダンジョン見つけて、どっちが早く攻略出来るか勝負! ……とかどう?」

「……まあ悪くないんじゃないか? チャレンジ企画は少し期間が空いてるし」

 

「じゃ、それで決まりー! エリアは──」

「いざという時の為にあまり遠くに──」

 

 中級探索者天野凛と桐生刹那はこうして、明日の企画と場所の選定を開始した。マリィが食事に降りてくるまで、その議論は白熱したという。




ブラッド・リリーは大体レベル40後半くらい。中級探索者でもトップクラスのパーティです。使用スキルは大体本文の説明通り。
あ、それと晶はちゃんと女の子です。
結城梓さんは前に参考にしたアンケート内容が巨乳過半数だった為、ついでに巨乳にしておきました。ということで、黒髪ロングメガネデカパイ白衣のお姉さんという形になりました。
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