※この作品はR-18です。

セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた   作:上り坂は下り坂

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えっちないです。家族紹介回。


ヘクトル一家

 朝からハルラに二度も絞られてしまった。

 

 生暖かいあの口内と這い回る舌の気持ち良さは未だに息子にはっきりと残っている。

 なんならハルラの唾液が残っているのか若干ネトネトしている。そしてそれを悪く無いと思っている時点で俺も相当なものだ。

 

 ともあれ、朝食を食べる為にもダイニングへと向かう。

 

 俺は貴族で、男児、であれば精通した事は報告しなければならない。血筋を絶やさない事を求められる貴族に置いて最も重要な事だからだ。

 ……まあ流石に食事の席で言う事では無いと思うので、食後に父上に報告しておこうか。

 

 

 ダイニングへと向かう道すがら、屋敷の窓から見える景色が目に鮮やかだ。

 

 我がヘクトル伯爵家は守護獣が住まうとされる山を要した名のある貴族で、屋敷の裏にその山は聳えている。

 その山は、春から秋は山菜や果実などがよく実り、うちの料理にも出てくるくらい馴染み深い。

 

 それに季節に応じて木々の緑が赤く染まり、枯れ落ち、また芽吹く、そんな一年を通した風情も楽しめる素晴らしい山なのだ。

 

 今の季節は春。

 過ごし易い気温になり、様々な生き物は顔を見せはじめ、山には若い緑が溢れ出している。

 

 

 そんな景色にぼぅっとしながら歩いていたせいで前に居た人に気付かずぶつかってしまった。

 

「うあっ……もう、ヴィクトルさま、ぼーっとし過ぎ」

「うぉっすまない! って、ウィノか。君にぼーっとしていると言われるのは非常に不服だな……」

「ふぅ〜ん。ぶつかって来たのはヴィクトルさまのほーなのにねー?」

 

 仕えている貴族の息子である俺に気安く話しかけてくるのは俺の専属メイドの一人であるウィノ。

 眠たげな目とマイペースな独特の空気感を放っているが、基本は真面目で仕事もちゃんとこなす。

 

 彼女はハーフエルフと呼ばれる種族の中でも珍しい獣人とエルフのハーフ。その証とも言えるエルフの長く尖った耳と、猫の様な耳と尻尾を持っている。

 

 だが、そんな姿を良く思わない者も多いらしい。

 

 こうしてメイドになる前は民家の間の薄暗い場所で蹲って落ちた飯を漁っていたのだが、俺が幼い頃に街に行った時に偶々見かけて両親に頼んで拾った子だ。

 

 だって、気にならない訳ないからな!! なんだその盛り盛りの属性は!! 俺は感動した!!

 

 前世でも見た事の無かった外見に思わず好奇心を抑えられなかったのだ。

 

 そうして家にやってきたウィノは、きついメイド業務に文句ひとつ言わずに取り組んだ。

 まともなご飯が食べられる事が何より嬉しかったかららしい。他のメイドが涙ぐみながら話しているのを聞いて、何故か俺も誇らしくなったのをよく覚えている。

 

「ん〜? スンスンッ。ハルラの匂いいっぱい。……なんで?」

「さっき着替えさせられたからだ」

「ふぅ〜ん。むぎゅぅ〜」

 

 擬音を口に出しながら抱きついて来るウィノを受け止める。

 おそらくマーキングに似た行為なのだろう、これ自体は昔からよくやって来るから慣れてしまった。

 

 だが……まさか、ハルラの匂いがそんなについているのか!? もしや唾液か?? 俺の息子に纏わりつくハルラの唾液から匂うのか!?

 

 そんな動揺を押し殺しながらむぎゅぅされる事一分。

 

「ん。良い感じ。明日は私がヴィクトルさまを起こすね」

「……まあ良いか。じゃあ頼むよ。……にしてもウィノ、ちゃんと食べてるか? 身体が少し細くないか?」

 

 貧相、と言うわけでは無いが、ハルラと比べるとどうにも肉付きが薄い。

 抱きしめた感じ、肋は感じないが骨張った印象を受けた。

 

「むぅ、もう少し上に行ってたらおっぱい。どうせなら廊下じゃ無くてお部屋でして?」

「いやそう言うのじゃ無いから。健康チェックの様なものだ。……肌艶は悪く無いし、こんなものなのか?」

「……んっ……あっ、んんっ……あんまり、さわさわしないで……?」

 

 ……なんだ、何かがおかしい。妙にムラつく。ウィノの匂いや身体に触れているだけで下半身に血が集まってくる。

 

 取り繕ってはいるが、内心興奮が止まらない。ウィノの喘ぎ声の様な反応がより一層助長させる。

 

 流石にこれ以上はいけないとなけなしの理性を振り絞ってウィノから離れる。

 

「すまん、不躾だった……今日もメイド業がんばれよ、ウィノ」

「あっ……うん……。行ってらっしゃいヴィクトルさま」

 

 どこか名残惜しそうな声を出すウィノには気付かなかった事にして別れる。

 

 ウィノは丁寧に頭を下げて俺を見送る。その様はれっきとしたメイドであった。

 

 

 

 俺はウィノを頭から振り払い、頭の奥から湧き出してくるハルラを押し込め、なんとかダイニングへと辿り着く。

 

 ダイニングには既に家族が揃っており、俺を待ってくれていた様だ。

 

「おはようございます。遅れてしまい申し訳ありません」

「おはようヴィクトル。早く腰掛けなさい。折角の料理が冷めてしまう。それが一番勿体無い」

 

 俺を催促したのは今世の父上である、ヴァン・ヘクトル伯爵当主。

 

 長い机のお誕生日席……上座に座っておられる。

 

 父上は物腰柔らかいが、礼儀や礼節を大切にしている方だ。

 料理は食材にも料理人にも感謝を忘れず、美味しく頂く事こそが大事だと言う考えを持っており、財力を見せびらかす為のスパイス塗れの料理なんかは好まない。

 

 そしてそんな料理が冷めてしまう事も嫌うのでご飯は時間厳守がうちのルールだ。

 

 とは言え、家族が揃ってから食べたいと言う意向もある事から家族愛も深く、時折せめぎ合う様に葛藤している姿を見かける面白い父上だ。

 

 

 そんな父上の左前に腰掛けているのは、これまた物腰穏やかでたおやかな人柄が見て伝わる母のトリテア・ヘクトル。

 

 母の実家も伯爵家で、縁談で決まった結婚だったらしいが、どうもそれ以上に好みやタイプが合ったが故の結婚の様で、父に側室は居ない。

 にも関わらず俺を含めて子どもが五人居るのだから、父上は相当な愛妻家でもあるだろう。

 

「ヴィル君? ハルラちゃんが起こしに行った筈ですけど、何かありましたか?」

「服くらい自分で着れると言ったら、手伝わせてほしいと言われて少し揉めました。メイドの仕事を奪うのは申し訳無いですが、出来る事を手伝わせるのはどうにも……」

「あぁ、ヴィルの気持ちは僕も少し分かるよ。でも、任せられる事を任せるのも上に立つ者の勤めだよ? 割り切りは覚えておくといいよヴィル」

 

 俺をヴィル君と呼んだのは母上。

 歳の近いハルラを俺にあてがった張本人だ。今朝、二度も精を搾られたなんて言った日にはどんな反応が返ってくるか恐ろしくて、背筋が薄ら寒い。

 

 そして俺に教訓を教えてくれたのは、父上の右前に腰掛けている長男のヴィートリヒ兄上だ。

 

 この兄は優男でイケメンで金髪で余裕があって見た目だけ見ると非常に近づきたく無いタイプなのだが、中身も出来過ぎている程の出来過ぎくんなので、気障な振る舞いすら様になるすごい人。

 確か今二十歳だったかな。既にとても綺麗な婚約者もおり、後は当主の座を継ぐだけと言う人生の成功者だ。

 

 だが裏では非常に努力をしているのを俺は知っている。寝る間を惜しむ事は無いが、起きている間に不必要に休む事が無い人だからな。

 剣の鍛錬も魔法の鍛錬も政務も熟し、その癖優しさを振りまけるとかカッコ良過ぎる。

 

 こんな人に成りたいけど無理だろうなと思わされたのは一度や二度では無い。

 

「まだ十三のガキだからな、ヴィルは。人を使う事はおいおい経験すりゃいいだろ」

「ヴァート兄様、粗野な口調が出ておりますよ。ヴィルに移ったら困るので控えてくださいまし」

「トリアーナよぉ、そろそろお前はヴィル離れしろ? コイツが成人してすぐ出て行ったらどうすんだよ」

「ゔぃゔぃゔぃゔぃヴィル!? 出ていくのですか!? お姉ちゃんを置いていくんですか!?」

 

 

 粗野な口調で喋るのは次男のヴァート兄上。十八歳。婚約者はいないが武の道を極めており、既に伯爵家が持つ騎士団で部隊長を任されている。

 騎士団でもカリスマと実力を併せ持ち、気安い空気感が気に入られているそうだ。

 

 トリアーナ姉上は長女で十六歳。家族贔屓無しに見ても美人で、母上譲りの立派な双丘と括れた腰をお持ちだ。

 先の会話から分かる通り、俺を溺愛している。

 兄二人に囲まれて居たからか弟の俺が可愛くて仕方無いらしい。だが俺を溺愛するあまり縁談や婚約に乗り気になれず、行き遅れ一歩手前になっている悲しい姉上だ。

 

「姉様落ち着いて? それにトトアが居るから大丈夫! ヴィル兄様はトトアと結婚するって約束したもんね!」

「トトアを貰うより前にお姉ちゃんを貰ってくださいね〜!」

 

 妹のトトア。十歳。活発な子で、日々鍛錬に明け暮れる兄上二人よりも適度に暇している俺と遊ぶ事が多くてこうして懐かれている。

 子どもの口約束程度に結婚しようね〜なんて言った話を五年経っても憶えているちょっと困った子だ。

 愛らしい容姿と無邪気さも相まって、父上と母上もあまり強く叱れ無いようで、甘やかされていると言うよりは怒られた経験が少ない。

 

「…………食事をはじめましょうか、父上」

「はぁ……では、皆、感謝を」

 

 近親婚自体は貴族としては珍しくないみたいだが、だからと言って二人をそう言う目で見れるかと言われたら……分からない。

 前世感覚で見たらそりゃ惹かれるものはあるが、前世で積み上げた道徳や倫理観はしっかりと根付いていて忌避感もある。なのでなんとも言えない。

 

 成人したら早めに家を出た方が家の為かもしれないな……。

 

 以上俺含めて七名がヘクトル伯爵一家の面々だ。

 

 父の言葉に合わせて皆で感謝の祈りを捧げて朝食を味わって頂く。

 この時ばかりは全員大人しく食べる。静かに味わいたいくらい美味しい料理が出てくるのが大きな要因だろう。

 

 料理長にはいつも頭が上がらない。前世で食べた母親の料理と同じくらい美味しい。

 って言うか、今世の母親の味がこれだからな。

 母上の手料理はお菓子程度なら味わった事があるが、お菓子を母親の味と言うのも何か違う気がする。……するよね?

 

 

 

 とまあ、朝から騒がしかったが美味しい朝食を頂いて今日も一日が始まっていく。

 




姉妹とするかは未定の予定。
っぱメイドなんすよ。身近に居る血の繋がらない女性なんすよ。
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